「映画」検索結果398件
-
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』初日舞台挨拶劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』公式サイト2021年7月期にTBS日曜劇場枠で放送されたドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。オペ室を搭載した大型車両(ERカー)で事故や災害の現場に駆け付け、自らの危険を顧みず患者のために戦う医療チーム“TOKYO MER”の活躍を描き、多くの感動を呼びました。そんな大人気ドラマの映画化が実現し、ついに公開を迎えました。4月28日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズで初日舞台挨拶が開催され、鈴木亮平さん、賀来賢人さん、中条あやみさん、要潤さん、小手伸也さん、佐野勇斗さん、ジェシーさん(SixTONES)、フォンチーさん、菜々緒さん、仲里依紗さん、石田ゆり子さん、松木彩監督が出席しました。上映終了後の興奮の熱冷めやらぬ観客のもとへ、キャスト陣が役衣装で駆け付けて大盛り上がりとなったイベントの模様を、詳しくレポートします!初日舞台挨拶喜多見幸太役鈴木亮平さん音羽尚役賀来賢人さん弦巻比奈役中条あやみさん千住幹生役要潤さん冬木治朗役小手伸也さん徳丸元一役佐野勇斗さん潮見知広役ジェシーさん(SixTONES)ホアン・ラン・ミン役フォンチーさん蔵前夏梅役菜々緒さん高輪千晶役仲里依紗さん赤塚梓役石田ゆり子さん松木彩監督■場内が暗くなり、ステージ上に赤色灯が光る。危機管理対策室・目黒大知役の猪塚健太さんの声都庁危機管理対策室より伝達。東京・港区のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の上映が終了。多くのお客様が待ち侘びている模様。出演者の登壇が必要な大規模特別舞台挨拶事案と認定。「TOKYO MER」の出動を要請する! 鈴木さんMER、了解。出動します! ■鈴木さんの声に、観客も大興奮している中、役衣装に身を包んだキャスト陣が客席の間を通ってステージに登壇し、会場をさらに盛り上げました。MCいよいよ初日を迎えました。お一人ずつ、ご挨拶をお願いいたします。 鈴木さん本作を早く観てほしかったです。ついにこの日が来ました。自分たちで言うのも何ですが、自信作です。皆さん、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』いかがでしたでしょうか。(会場:拍手)ありがとうございます。その拍手と皆さんの顔を見るだけで、胸がいっぱいです。今日は存分に楽しんでいってください。 MCドラマが2021年7月期から始まり、二年弱が経ちました。劇場版の公開初日を迎えたお気持ちはいかがでしょうか。 鈴木さん信じられないですね。本当に大変な中、撮影が始まったドラマでした。毎週コロナや時間との戦いもあり「これは最後まで撮り切れるだろうか」という思いもありました。たくさんの戦いがあった中で、こんなにたくさんの方にお集まりいただいて、我々全員で役衣装を着てこの場に立てた…。二年前のあの日を思い出すと、信じられないです。それもすべて、愛してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。賀来さん皆さん、こんばんは。あれ、こんにちは? (迷っていると会場から「こんばんは!」と声がかかり、嬉しそうに微笑みながら)こんばんは!(登壇者の皆さん&会場:笑) 本日はお忙しい中 、初日に観に来ていただき本当にありがとうございます。こんなに大きな、臨場感あふれるスクリーンで観てくださって…。実は僕、大きな劇場ではまだ観ていないんです。だから、皆さんのことが羨ましくて仕方ないです。 中条さん一年前にみんなで大変な中撮影をして、こうして皆さんに観ていただける日が来るということを、本当に嬉しく思います。スペシャルドラマ(2023年4月16日TBS本作系列にて放送「TOKYO MER~隅田川ミッション~」)でも比奈先生の成長の姿が描かれていました。スペシャルドラマの放送の後には「比奈先生、めっちゃ成長しているじゃん」と言っていただいたので、本作ではセカンドドクターとして頑張っている比奈先生を観ていただけてすごく嬉しいです。 菜々緒さん今日こうして「TOKYO MER~走る緊急救命室~」を愛してくださっている皆さんに観ていただけて、本当に感無量です。包み隠さず言いますと、私は(撮影が大変なあまり)続編が嫌で嫌で仕方なかったんです。(登壇者の皆さん:笑) でも「このメンバーとだったら乗り切れる」という自信がありました。「このメンバーとだったらまた一緒に戦友として乗り切っていける」「頑張れる」と思いました。この作品が完成して、皆さんにお届けできてすごく嬉しいです。 MC菜々緒さんは、イベントのたびに「続編が嫌だった」とおっしゃっています。初日を迎えられたことで心境に変化はありましたか? 菜々緒さんやはり、ちょっと帳消しになる部分はありますね。 鈴木さん菜々緒さん、現場ではすごく楽しそうでしたよ! 菜々緒さん現場は楽しいんですよ! 現場は大好きですし、皆さんのことも大好きなんですが、とにかく撮影が大変。大変だったでしょう?(鈴木さんに語りかける) 賀来さんこの人に聞いても無駄だよ(笑)。 鈴木さんいつも言っていますが、僕は大変なほうが好きだから! 菜々緒さんそうなんですよね。ちょっと、サイコパス気質なんですよね。(登壇者の皆さん&会場:笑) 鈴木さん(菜々緒さんは)階段でもぶっ飛んでいましたもんね! 菜々緒さん大変でしたね。非常階段や空港のシーンを貸切のような形でやらせていただいたり、とにかくスケールがどんどん大きくなっていました。台本を見ても、撮影現場に入っても「本当に撮れるのか?」と不安で仕方なかったんですが、できるものですね、映画って(笑)。 MCその苦労や努力が本作となって、ついに全国の皆さんにお届けできました。 菜々緒さん一人でも多くの皆さんに観ていただけたら、すごく嬉しいなと思っています。 小手さん皆さん、お忙しいところ劇場までを足を運んでいただいて、ありがとうございます。「TOKYO MER」麻酔科医を演じました冬木治朗こと、要潤です。(登壇者の皆さん&会場:笑) 鈴木さん何で嘘をつくんですか! 小手さん完成披露試写会の時に、(要さんが自分と)名前を交換したということを聞いて…。 鈴木さん(完成披露試写会時に、要さんが「要潤こと、小手伸也です」と挨拶したことを思い出し)ああ! 要さんが言ったやつですか。 小手さんだから、僕が要潤なんだろうなと思って。 要さん似ていますもんね、僕ら。(登壇者の皆さん&会場:笑)鈴木さん二人とも髪型がオールバックですもんね。 小手さんあと(完成披露試写会時に)何かやっていたっけ? (思い出したように)小手伸也役の、冬木治朗です。(完成披露試写会時にジェシーさんがやっていたボケを真似しながら、自身にツッコむように)逆じゃん! ジェシーさん「逆だね」です。でも、ちょっと違います(笑)。 小手さん僕はあの場所にいなかったので、YouTubeを観たんですが悔しくて…。今日はそれを(完成披露試写会で盛り上がっていたことを)全部やりたいです。 鈴木さんジェシーくん、小手さんのお世話をお願いします! ジェシーさんもちろんです! 小手さん以上です! MC以上で良いですか? 小手さん本当に素晴らしい作品に携わることができて、無事に全国の皆さんにお披露目することができて、僕自身も本当に好きな作品で、ものすごく新鮮な思いでやらせていただいたので、皆さんに楽しんでいただけたら幸いです。今日は短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 佐野さんこんばんは。徳丸元一役の佐野勇斗です。正解だね!(登壇者の皆さん&会場:笑) 前回、ジェシーくんがめっちゃウケていたので、すごくやりたかったんです。今日やろうと思っていたのに(小手さんに)先にやられてしまったので…。急遽、変更しました。ついに初日を迎えられました。この錚々たるメンバーの中に入れたことを、すごく嬉しく思っております。皆さん、今日は本作を観た後ということで、すごく感動してくださっている方々もいらっしゃって、とても嬉しいです。ぜひたくさん広めていただいて、今日はなかなかない…キャストに会える機会…。(徐々にしどろもどろになる) 鈴木さん大丈夫? 佐野さん大丈夫です。僕は、泣かないですよ。皆さん、今日は楽しんでいってください。失礼します! 鈴木さん何で「失礼します」なんだ(笑)! 佐野さんお疲れ様でした!(登壇者の皆さん&会場:笑) ジェシーさん潮見知広役を演じました、潮見知広です。(自身にツッコむように)ジェシーはどこ!?(登壇者の皆さん&会場:笑)(周囲から「すごい」「さすが」「芸人さんだ」と声が上がる)アイドルだよ!(再び登壇者の皆さん&会場:笑)僕は劇場版から参加したんですが、チームもできあがっているので最初は不安でした。皆さんがすごく優しく受け入れてくれたので、すんなりバッと入れました。皆さんの背中を見て、すごく刺激をもらいました。素晴らしい作品ができたと思っています。短い時間ですが、楽しんでいっていただけたらと思います。 MC佐野さんから「すごい」という声が漏れていました。 佐野さん(ボケ倒すジェシーさんは)カッコ良いです。 鈴木さんどこに憧れているんだ(笑)。 フォンチーさん小手さん、佐野くん、ジェシーくんの後はすごくやりにくいです(苦笑)。このように愉快なメンバーだったので、大変な撮影も乗り越えられました。「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の集大成とも言える作品になったんじゃないかと思います。今日を皮切りに、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の輪が全国に広まったら嬉しく思います。皆さん一回と言わず、二回、三回、四回と、大切な人とこの作品を何回でも観ていただけたら嬉しいです。 要さんこうして皆さんの顔を見ていると「満足していただけたのかな」と思っております。映画というのは、お客さんと我々製作陣の両方で成長させていくものだと思っています。本作を面白かったと感じたら、ぜひご友人や家族、知り合いや赤の他人の方に(会場:笑)、どんどん話していただいて、みんなでこの作品を盛り上げていけたらと思っています。 仲さんこの白衣姿で喋ることにすごく違和感を覚えているんですが、大丈夫ですかね?(登壇者の皆さん&会場:笑) MC大丈夫ですよ! 仲さんすごく違和感があって、「う、う、う…!」という感じなんですが、大丈夫? 浮いていないかな?(会場から「大丈夫」という意思表示の拍手)やったー! (かわいくポーズを決めながら)高輪先生だよー! ゴールデンウィークの予定が決まっていない方は、毎日観ていただいても良いので。(登壇者の皆さん&会場:笑)いろいろな映画館の空き(空いている席)を探していただいて、何回も観て、さらにお友だちや家族、いろいろな方を誘ってまた観てください。 石田さん皆さん、こんばんは。赤塚梓を演じました、石田ゆり子です。(いつもボケ倒すジェシーさんを気にしながら)私は普通です(笑)。 鈴木さん普通で良いんですよ! この二人がおかしいんですから。(登壇者の皆さん&会場:笑) 石田さん(笑)。初日にこうして来てくださる皆さんは、どれだけ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」のファンでいてくれたんだろうと思うと、胸がいっぱいになります。私の周りでも「こんなに面白かったという感想を聞くこともないんじゃないか」と思うくらいファンの多い作品です。(登壇者の皆さんを見ながら)私は、劇中ではなかなか皆さんと同じシーンがないんです。普段は会えないので、こうやってみんなに会うとちょっとテンションが上がってしまいます(笑)。赤塚さんがMERを作ったので、なんて光栄な役だろうと思っています。何度でも観ていただけたらと思います。たくさんの方に宣伝してください。 松木監督本日は皆さん、お忙しい中お越しいただき本当にありがとうございました。ちょうど二年前の4月の終わり頃は、テレビドラマシリーズ第一話のバスとトラックの衝突事故の撮影をしていました。まだ放送もされていなかった時期ですが、すごく撮影に時間がかかって、「大変な番組が始まりそうだぞ」と(キャストの)皆さんも思われたと思います。「果たしてこの作品を受け入れていただけるのか」とドキドキしていたんですが、こうして二年後の今日、劇場版という形で皆さんに続編をお届けすることができて、本当に光栄だと思っております。二年間(ファンの方々が)応援してくださって、キャストの皆さんやたくさんの力強いスタッフが一緒に走ってくれたので、改めて感謝したいと思っています。末長く愛していただけたらと思っております。 MC皆さんの中で、一番印象的なシーンや好きなシーンを教えてください。 鈴木さんでは僕から言って良いですか? (周囲から「お願いします!」と声が上がり)二つあります。音羽統括官がパーカー姿でうどんを食べているところ。(登壇者の皆さん&会場:笑) 「音羽先生って、ものを食べるんだ」と思って。 賀来さん今まで見たことないですからね。鈴木さんそう。しかもパーカーだったんだって…。あとは、どこまで言って良いのかな。(杏さん演じる)鴨居チーフがさ…(ネタバレを気にして)やめようかな。ライバルなんだけれど、鴨居チーフも良い人なんですよね。そこにもキュンとするし、あともう一つはちょっとマニアックなところなんですが、ジェシーくん(演じる潮見)がヘルメットを落とすところ。(登壇者の皆さん&会場:笑) 僕がふっと振り向くんですが、その時の顔がすごくかわいそうで…。ヘルメットを落とすくらいの感じなんだって思って、その後のセリフはすごく優しく言ったつもりです(笑)。 ジェシーさんありがとうございます。 賀来さん最初に喜多見チーフが、カッコ良く助けて、でも「時間を忘れていた、ヤバい!」となって走り出す…。あの本作の始まり方、あれ、良き! あのシーンは、好きですね。作品として最高のスタートです。ギャップっていうんですかね。畳みかけるようなスタートから、ちょっと一回落として、そこからオープニングに入るという作品の構造。それがすごく好きです。 鈴木さんあの「ヤバい」の言い方は、現場ですごく相談しましたよね。 松木監督そうですね。何パターンか撮らせていただいて、一番あれが良かったと思います。 鈴木さん最初は(慌てるような)「ヤバい!」という感じだったんです。でも、何となく仲さん(演じる高輪先生)の顔が浮かんだ時に「怒っているから、手遅れだな」と思って(恐怖や諦めを感じているように)「うん、ヤバい」という言い方にしました。「そっちの方が良いんじゃないか」みたいな話をしていましたね。結果、後者になりました。 菜々緒さん爆破に巻き込まれた時に、ジェシーくんだけがきょとんとしていて、みんなが「ここで爆破なんて起きていない」くらいの勢いでバーッと手術を再開するシーンが好きです。熟練したMERチームと、取り残されているジェシーくんという、対極にある感じが良いですよね。ジェシーくんの「え、この人たち怪物なのか?」というあの表情、すごく良いですよね。 ジェシーさんもちろん役ですよ。ジェシーだったら、もうちょっとちゃんとやりますから。(登壇者の皆さん&会場:笑) MCジェシーさんは、MERチームの迅速なオペシーンを間近でご覧になっていかがでしたか? ジェシーさん素晴らしいですよ。ポカンと見ちゃいます。やっぱりチーフがいると安心してしまうので、僕はセリフを忘れてしまうシーンもありました。僕が印象に残ったシーンは、ジャックがこうやって、後ろからローズを抱きしめるシーン。 鈴木さんそれ「タイタニック」(1997年公開/出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット他)だね! 作品が違うね!ジェシーさんあ! 「タイタニック」ですか! すみません! 賀来さん昭和だよね! 鈴木さん(ジェシーさんは)ボケなきゃ気が済まない。現場でもこのテンポで全部、ギャグが入ってくるからね! ジェシーさん(笑)。本当の話をすると、僕が「ああ…涙が出てしまう」というシーンは、チーフが心臓マッサージをするシーンです。あそこは「本当に助かるのか、助からないのか」というシーンで、チーフの「帰って来い!」という感じには、シビれましたね。仲さん全部好きなんですが、怒っていた高輪先生が好き。ドラマの時から思っていたんですが、理由としては意外と可愛い怒り方をしているなと思っていました。一度別れてしまった理由もそうですが、(高輪先生は)“仕事と私、どっちが大事なの系女子”じゃないですか。私は完璧に、喜多見さんに同情をしてしまうんです。だって、面倒臭くないですか?(登壇者の皆さん&会場:笑)私は「だって、仕事だし」と思っちゃうから。 鈴木さん先月(喜多見は)は、四回しか帰って来ていないからね。 仲さん私は、(喜多見は)すごく頑張っているから「全然四回で良い」「四回も帰って来てくれた」と思うタイプです。でも、高輪先生は、ホルモンバランスとかあったのかな。妊娠中だし、ネガティブになったりとかもあったのかな…。そうやって怒っていた高輪先生だけれど、医者の時は強い人。意外とそういうところ(喜多見に怒ってしまうところ)は可愛いんだなと思って、とても印象的でした。 MCこの二人が夫婦になったということも、本作の見どころの一つです。 鈴木さん思ったより、喜多見さんはダメな夫でしたね。(登壇者の皆さん&会場:笑) しどろもどろになっていましたもんね。もう少し「分かった、分かった。でもな、千晶」という感じかと思ったら、「いや、でもさ…」「ああ…了解…」みたいな…。でも、僕はそんな喜多見がすごく好きです。「こういう人間っぽいところがあるんだ」と思いました。 MC劇中では、どんなに困難な状況でも現場に駆けつけ、多くの患者を助けてきたMERチームですが、皆さんが最近「助けてほしい」「助けられたな」と思ったエピソードがありましたら、教えてください。 鈴木さん一問目に答えてなかった人に、聞きたいですね。 小手さん全然最近のことでもないし、むしろこの撮影現場に対する愚痴になってしまうかもしれませんが、冬木先生って、麻酔器があって、いつも患者さんの頭側にいるんですよね。患者さん頭の部分が(カメラに)映らない場合は、ダミーヘッドが置いてあるんです。ものすごく雑な発泡スチロールが置いてあって、さすがにこれではお芝居の助けにならないので「何とかしてほしいな」と思っていたら、次にはめちゃめちゃリアルなダミーヘッドが置かれるようになりました。目がこんなになっている(リアルな)やつがあるんです。それだと「ちょっと怖いんだよな」と言っていたら、次は空のペットボトルが置いてありました。(登壇者の皆さん&会場:笑)「さすがにペットボトルは!」と思って言ったら、最終的には何もない状態での撮影になりました(笑)。 鈴木さん文句を言うからですよ。 小手さん僕だって助けてほしいですよ! 患者さんの表情を見ながらお芝居をしたい。せめて、何か…。 賀来さんその三つだったら、どれがやりやすかったですか? 小手さんいっそ最初の発泡スチロールで良かったですね。ペットボトルが置いてあるという状況はない! どこかで言ってやろうと思っていました(笑)。 中条さん私は、皆さんにすごく助けてもらった出来事がありました。クランクインの時にみんなで和歌山に行ったんですが、空き時間があったので、一緒に遊園地に行ったメンバーがいるんです。何人かに分かれてタクシーに乗って遊園地に向かったんです。「よーし空き時間だー!楽しむぞ!」というテンションだったのに、遊園地の中に入る手前で「あれっ。携帯がない!タクシーに忘れた!」となりました。その後20分くらい、みんなでタクシーを待ちました。でも、心優しいタクシーの運転手さんと、心優しいみんなが一緒に待ってくださったおかげで、その後も楽しく遊園地を楽しむことができました。あの時は本当にすみませんでした! 鈴木さんみんなで「おいー!」と(ツッコんで)ね。 小手さんあの時の連携はすごかったですよね。「誰かレシート持っているよね」「じゃあ、僕(電話)かけるよ」って。 中条さんそうなんです。すごい連携があって、さすがMERチームだなと思いました。 鈴木さんそこまでは、テンションが上がり切っていたもんね。 中条さんみんなのテンションを一回、壊してしまいました。 菜々緒さんこの作品って、クレームしか出てこないですよね。(登壇者の皆さん:笑) 控え室がないのも助けてほしいですね。(周囲から「ああー」と同調の声が上がる)「TOKYO MER~隅田川ミッション~」の時は、私たち廊下で待たされていました。 賀来さんいつも僕たちが待合室のように使っているところが、NHKのリハーサルに使われていて、座れる席がなかったんですよね。 菜々緒さん「三時間ぐらい使って良いよ」みたいな時がありましたよね。 鈴木さんだから、愚痴大会じゃないのよ!(登壇者の皆さん&会場:笑) すみません! (MCに向かって)「”プライベート”などで助けてほしいと思った面白い話はないですか?」という質問ですよね? MCそうです、そうです(笑)。 中条さん監督はありますか? 松木監督今が一番、助けてほしいかもしれません。(登壇者の皆さん&会場:笑) 鈴木さん急に振られて(笑)? 松木監督先日のスペシャルドラマ「TOKYO MER~隅田川ミッション~」は、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」としても過去最短で撮らなければいけない作品でした。同じページ数を撮影するのに、今までの3分の1くらい(のスピード)で撮らないといけなくて…。「うまく撮れるかな」と思って…。 鈴木さんだからそれ、愚痴なんですよ!(登壇者の皆さん&会場:笑) 松木監督皆さんがものすごい勢いでやってくださったので、「すごく助かりました」というお話です(笑)。ありがとうございました。 鈴木さん「日数くれよ」という愚痴ではない? 松木監督そうなってしまいますね(苦笑)。 要さんつい先ほどの話なんですが、これ言って良いのかな…。(迷いながらも)僕はちょっと今日、朝からすごくバタバタしていて、食べ物を何も口にせず「ヤバい」と思いながらギリギリに入ったんですね。そうしたら、控え室に叙々苑弁当があったんです。オールスター感謝祭(2023年4月8日TBS系列にて放送)の優勝記念の叙々苑弁当があって、三分で食べきりました!(登壇者の皆さん&会場:笑) ごちそうさまでした! ありがとうございました! 鈴木さんとんでもないです! (オールスター感謝祭で)アーチェリー、頑張りました!(会場:拍手)今の話で一つ、思い出しました。日常で「助けてほしい」と思ったこと、ありました。皆さんは、あるかな。僕だけかな? 弁当を食べる時に力が入りすぎて、箸がバキン!と折れちゃうことないですか?(会場:笑) 菜々緒さんあと鈴木さん、和歌山の時にバッグの中にお弁当を落としていませんでしたっけ(笑)? 鈴木さんそうでしたっけ(笑)? 菜々緒さん落としていた!(登壇者の皆さん&会場:笑) 鈴木さんしょっちゅうやるので、覚えていないんですね(笑)。 要さんあと本番中に、iPadが鳴っていましたよ。 鈴木さん愚痴ですよね?(登壇者の皆さん&会場:笑) 小手さんあと(鈴木さんは)羽田から和歌山の空港に行く時の荷物検査で、練習用のマイクーパー(外科手術で使用されるはさみ)が引っかかっていましたね。 鈴木さんハサミね。「ハサミ、ダメですよ」と言われました。 フォンチーさん愚痴ばかりなので、良いことを言います! 大変な撮影が続いていたんですが、気づくと、佐野くんが机の上においしいドリンクを置いてくれていたんです。すごく優男でした。(周囲から「フー!」という声、会場からは拍手が上がる。佐野さんはご満悦の表情)…女子メンバーに、媚を売るように。(登壇者の皆さん&会場:笑)佐野さん(フォンチーさんの言葉にびっくりして)おかしくない!? (周囲が「女子メンバーに?」とざわつく)ち・が・い・ますって!(男性陣から、「佐野さんから何かもらったことはない」と次々に口にする) フォンチーさん特に菜々
-
第4回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」「ゴジラ-1.0」公式サイト「ゴジラ」の70周年記念作品「ゴジラ-1.0」の公開を記念して行われた「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」の最終回が、10月27日に池袋HUMAXシネマズで開催されました。全四回にわたり山崎監督が自ら厳選した「ゴジラ」過去作を上映し、各作品にゆかりのある人物を招いて、山崎監督とトークショーを実施した同イベント。最終回となったこの日は、大ヒットを記録した「シン・ゴジラ」のモノクロ版、その名も「シン・ゴジラ:オルソ」が初上映され、さらにフィナーレを飾るゲストとして「シン・ゴジラ」の脚本・編集・総監督を務め、今回のモノクロ版企画の提案者でもある庵野秀明監督が登壇しました。二人が「ゴジラ愛」あふれるトークを繰り広げ、何度も会場の爆笑をさらったイベントの模様を詳しくレポートします!第4回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」庵野秀明監督山崎貴監督■イベントのスタート時間になり、まずは庵野秀明監督が入場。大きな拍手を浴びました。 庵野監督(スペシャルゲストでありつつMCを兼任)皆さんこんばんは。本日は第四回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」にお越しいただき、誠にありがとうございます。本日のMCを務めます、庵野秀明と申します。(会場:笑&拍手)まあ、しばらくは台本を読みます。(会場:笑) (台本を読みながら)2016年に私が脚本、総監督を務めた「シン・ゴジラ」の公開から七年。ついに11月3日、あと一週間で「ゴジラ-1.0」が公開されます。本日は「ゴジラ-1.0」…(台本のセリフ量に困惑しながら)多いな。(会場:笑) 「ゴジラ-1.0」を監督した山崎貴監督が選ぶ過去のゴジラ作品の中から、「シン・ゴジラ:オルソ」の上映を行います。上映に先駆けて、山崎監督と私から「ゴジラ」への思いをじっくりお話できればと思っております。また本日のイベントは、全国六カ所の劇場で生中継されております。それでは、「ゴジラ-1.0」の監督、山崎くん、どうぞ。■庵野監督から呼び込まれ山崎監督がステージに登場。大きな拍手を浴びました。 庵野監督じゃあ、挨拶を。(会場:笑)山崎監督今日はゴジラ上映会の第四回、最終回となります。この上映会の最後に、ついに庵野さんを迎えられて、非常に楽しみにして来ました。今日はよろしくお願いします。(会場:拍手) 庵野監督続きまして、2016年公開の「シン・ゴジラ」の脚本、総監督を務めました、私、庵野秀明です。本日はよろしくお願いします。(会場:拍手)(台本の続きについてスタッフに確認しながら)これも僕が読んで良いの? (会場:笑)じゃあ、後は台本にクロストークと書いてあるので、クロスしてください。 山崎監督クロスで(笑)。 庵野監督多分、言っておいた方が良いと思うんですが、何で今日の上映に「シン・ゴジラ」を選んだの? 山崎監督「シン・ゴジラ」が好きなんですよ。 庵野監督ありがとうございます。 山崎監督「シン・ゴジラ」の関係者しかいない完成披露試写がありましたよね。 庵野監督新宿のやつですね。 山崎監督そうそう。「観ますか?」と言われたので、「観たいです」と試写会に行ったら、割と良い席に案内されました。中野(昭慶)さんとか周りが偉い人ばかりで…。 庵野監督ゴジラ界の…。 山崎監督結構な人たちがいる中に、全然関係ないのに(良い席に)座らされて「どうしよう」と思っていたんです。 庵野監督まあ、VIPだからしょうがない。 山崎監督いやいや(苦笑)。そんな中で「どんな作品が出てくるんだろう」と思って観ていたら、「シン・ゴジラ」が、まあ面白かった。 庵野監督ありがとうございます。 山崎監督試写会場を出る時に庵野さんがいたので、「面白かったですよ」とお話したんです。(「シン・ゴジラ」のVFXに参加していた映像制作プロダクション)「白組」は僕が所属している会社なんですが、「白組」の人たちが結構頑張ってやっていたので、「白組が良い仕事をしていたので、誇らしかったです」と言ったら、庵野さんは「だいぶ鍛えましたから」と言っていましたね。(会場:笑)庵野監督かなり鍛えました(笑)。 山崎監督うちの「白組」という会社は、三茶(三軒茶屋)チームと、調布チームに分かれているんです。ちょっとここは、軽いライバル関係にあるんですよ。庵野さんが「シン・ゴジラ」を作るということで、樋口さんや佐藤(敦紀)さん、尾上(克郎)さんなど名だたる人たちがみんな参加するというから、「(『シン・ゴジラ』の制作に参加した)三茶チームはどうなっちゃうんだろう」と思って、見に行ったんです。そうしたらみんな、ボロボロに疲弊していました。(会場:笑) 庵野監督(ニンマリとした笑顔で)だいぶ鍛えましたからね。 山崎監督だいぶ鍛えられているという感じがあって、何だかかわいそうになっちゃって(笑)、近くのデパ地下みたいなところで、全員分のケーキを買って「とりあえず甘いもの食え!」って差し入れをしました。 庵野監督いやいや、ありがとうございます。 山崎監督そうやって僕がケーキを配るぐらいだったんです。でも、全部終わった後に庵野さんが「今日でチェック全部終わりです」と言って、みんなが「やっと、庵野さん終わりだよ!」となっている中、庵野さんが「本当にありがとうございました!」とみんなに言ったらしいんですよ。それを見たらみんなが急にキュンとなって、「庵野さん、良い人かもしれない」ってなっていました。(会場:笑) 庵野監督基本、良い人なんですよ。(会場:笑) 山崎監督知っています(笑)。知ってはいるんだけれど、追い込みがすさまじかったので…。 庵野監督あの時の合言葉は、「とにかく山崎や調布チームが、泣いて悔しがるようなやつにしてくれ」でした。 山崎監督ああ…。(大きくうなずきながら)はい、はい。 庵野監督「三茶チームの実力を見せてくれ」と、ちょっとライバル関係を利用させていただきました(笑)。 山崎監督いやいやいや(笑)。 庵野監督それでやる気を出してくれたんです。 山崎監督本当ですか? どうして社内でそんなことになっているんだ(笑)。「シン・ゴジラ」は本当に素晴らしかったんですよ。「本当にすごいな。三茶のチームをよくここまで奮い立たせて、すごいものを作ったな」と思っていたら、東宝さんから「そろそろ、次の『ゴジラ』どうですか」と提案されました。「『シン・ゴジラ』の後かよ!」と思いましたよ(苦笑)。 庵野監督いやあ、よくやったよね。(会場:爆笑) 最初は結構ビビっていたけれど、「ああ、やっぱりやるんだ」と思った。 山崎監督「ゴジラ-1.0」の撮影の途中で庵野さんが一度、陣中見舞いに来てくれたんですよ。その時に、「いやあ、本当によくやるよね」と言われました(笑)。 庵野監督本当によくやるよね(笑)。 山崎監督だって、他に誰もやらないじゃないですか。「シン・ゴジラ」の後にはもう、ぺんぺん草も生えないから、誰もやらないですよ。相当なバカヤロウじゃないとやらないと思ったので…。 庵野監督(「ゴジラ-1.0」は)良くできていたので、本当に良かったです。これで「ゴジラ」は続くから大丈夫だよ。 山崎監督今のは「ゴジラ-1.0」の話ですか? 庵野監督(うなずきながら)そうそう、「-1.0」の話。 山崎監督ちゃんと「ゴジラ-1.0」の話だと言ってから話さないと(会場:笑)。「庵野秀明も認めた!」という感じの記事にしてもらわないといけないので(笑)。(感想が気になって仕方ないといった感じで)そもそもどうなんですか? 庵野監督いろいろね、ツッコミどころは満載なんですよ。(会場:笑) 山崎監督うるさいわ!(会場:爆笑&拍手) 庵野監督それは全部横に置いておいて、面白いです。特に皆さん、銀座! 銀座を観てください。銀座は素晴らしいです。あと詳しくは言えないですが、後半に僕がすごく好きなところがあって、あれはキュンとくる。 山崎監督どこですか。僕にだけ分かるように言ってください。 庵野監督ここで言うと、ネタバレになるので、後で言う。 山崎監督そうですよね。まだ観ていない人たちには伝えてはいけないですね。 庵野監督今日僕がここにいるのは、山崎くんをとにかく応援しなきゃいけないから。多分リクープ(費用の回収)は大丈夫だと思うけれど、リクープして大儲けしてくれないと次につながらないからね。 山崎監督そうですよね。本丸ですから。「ゴジラ」作品はちゃんとヒットしないと。 庵野監督国産のやつは、特にね。 山崎監督だからプレッシャーが…。しかも「シン・ゴジラ」の後でも、ヒットしなきゃいけない。 庵野監督いや、これは大丈夫だと思う。 山崎監督やっぱり、「シン・ゴジラ」が“バカヒット”したじゃないですか。 庵野監督まあ“バカヒット”かどうかというのは、分からないけれど、リクープは恐らく大丈夫だと思います。 山崎監督東宝の人たちの期待度からして、ちょっとのリクープでは許してくれない感じになっているんですよ。 庵野監督いや大丈夫。上からちゃんと聞いているから。(会場:笑) 山崎監督この前、(2014年の映画「GODZILLA ゴジラ」で監督を務めた)ギャレス(・エドワーズ)監督にも「ゴジラ-1.0」を観てもらったんですよ。 庵野監督良いねえ。 山崎監督ギャレス監督は、今「ザ・クリエイター(/創造者)」という映画をやっています。 庵野監督楽しみですね。 山崎監督もう上映しています(笑)。 庵野監督もうやっているの? いやあ、もう世の中から遅れているので…(苦笑)。 山崎監督朝四時に着いて、ホテルで仮眠した後に、日本で最初にやったのが「ゴジラ-1.0」を観るということだったみたいです。観終わった時に、ひれ伏して出て来て、「1億ドルはかかっていないと思いますが、どのくらいの予算ですか」と言われました。「何を言っているんだ、この人」と思った(笑)。「それよりは下です」と答えました。やっぱりこれからは、予算も上げていかないといけないですね。 庵野監督向こうに比べると何十分の一ですからね。 山崎監督十分の一ぐらい、二十分の一ぐらいですかね。 庵野監督二十数分の一ですよね。(会場:笑) 山崎監督大変ですよね。 庵野監督それで同じぐらい稼がなきゃいけない。国産のゴジラは、国外のやつよりも稼がないとね。 山崎監督「シン・ゴジラ」は稼いじゃったから良いじゃないですか。本当に「シン・ゴジラ」は素晴らしかったですよ。この前「オルソ」を観ましたが、いやあ、皆さんはこれから観ることになりますが、ハードルを上げておきますね。怖いです。モノクロになったら、夜とかすごく怖いですよ。庵野監督モノクロの良さは、「色がない」ので、明暗だけでやっているから、夜は本当に良い。 山崎監督逆に、初代にすごく画が似てきて、ゴジラのエッジだけが見えているんです。だから、暗い中でたたずんでいる姿とか本当に怖いので、「これは良いな」と思いました。 庵野監督「ゴジラ-1.0」もモノクロでやれば、二重に儲かるよ。(会場:笑&拍手) モノクロ、イケると思う。 山崎監督さらに言うと、昭和が舞台なのでモノクロがめっちゃ似合いますからね。 庵野監督そっちの方が、モノクロの“シンクロ率”が高い。 山崎監督確かに(笑)。庵野秀明から“シンクロ率”という言葉をいただきました。(会場:笑) 庵野秀明ありがとうございます。 山崎監督良いですよね。そういう、ちょっと言うと面白い言葉がいっぱいあって。(会場:笑) 庵野監督そういうのをミームって言うらしいですよ。「シン・ゴジラ:オルソ」は、元々は上田くんというスタッフと話していて、「モノクロも良いね」と言っていたら、上田くんが面白半分でモノクロのバージョンをパソコンで作って、見せてくれたんです。これがね、自分でも面白かったんですよ。「全然また別の面白さになるんだ」と思いました。そしたら、今回ゴジラ上映会の話が来て、「山崎くんが『シン・ゴジラ』を選んだので、上映します」と言うから、「じゃあ、モノクロにしてみたらどうですか」と東宝さんに言ったんです。どうせやるんだったら、モノクロにして上映した方が話題性もあるし、山崎くんの助けにもなるし。 山崎監督「モノクロにするんだったら、やっても良いけど」という話じゃないんですね。(会場:笑) 庵野監督東宝さんにそんなこと言えないよ! 天下の東宝さんだよ。(会場:笑) 僕なんかもう、ピューッと吹けば飛ぶようなものなんだから。(会場:笑) そんなことおいそれと言えないよ。おずおずと「ど、どうですか…?」という感じで出したら、できることになりました。僕は、Blu-rayに焼いて、それを流せば良いんじゃないですかと言ったら、もうDCP(デジタルシネマパッケージ。デジタルシネマで映画を上映する際の標準的な配信形式)になっちゃいました。東京現像所(11月30日に事業が終了する予定)の最後の仕事になっていると思います。ちょっと切ないけれど、「これが最後の仕事」というのは縁があってありがたかったと思っています。東宝さんの粋な計らいです。画の方は、樋口と尾上さんがしっかり見てくれて、本当に全然違うものになっていると思いますので、お楽しみいただければと思います。 山崎監督これがうまくいけば、流行っちゃうかもしれないですね。 庵野監督「ゴジラ-1.0」もモノクロにして大丈夫だよ。本当に儲けられるよ。(会場:笑) もう一回作品を観に行ってくれるから。 山崎監督今回はすごいんですよ。IMAXとかいろいろラージ・フォーマットで上映をするんです。 庵野監督元々は4Kなの? 山崎監督2Kですね。最近は、AIでバージョンアップするからものすごくきれいで、全然遜色がないなという感じです。ScreenXの上映までやるんですよ。 庵野監督すごいね。 山崎監督ScreenXで椅子が動くというやつ(4DX SCREEN/4DXとScreenXが融合した体感型シアター)があるんですよ。この前それで観たら、もう完全にゴジラ・ザ・ライド(西武ゆうえんちのアトラクション)でしたね。(会場:笑) 庵野監督それで観る銀座のシーンは楽しいんじゃない? 山崎監督ドラマのシーンになるとしばらく静かなんですよ。ただ、スペクタクルなシーンになると、動くし、もう部屋中が大騒ぎになっています。 庵野監督ドラマ部分長いからね。もっと切ったら良かったのに。(会場:笑) 山崎監督そういうことを言うと、記事に書かれちゃうから(苦笑)。今回は、「庵野秀明、激賞」って載せてもらわないといけないんだから。(会場:笑) 庵野監督いやもう、褒めてばかりなんで、良いんじゃない? 山崎監督(褒め言葉をおねだりするように)もうちょいください。(会場:笑) 庵野監督でも、あまり言うと、やっぱりネタバレになってしまうので…。 山崎監督そうですよね。あそことか、多分好きだろうなと思っていたところもあるんですよ。 庵野監督いや、僕の好みは、山崎くんには伝わらないと思う。ものすごく狭いところだから。「そこなの!?」と思うような意外なところがすごく好きです。 山崎監督それを聞くのが楽しみだな。僕、軍艦とか作っている時に「ちょっと庵野さん、悔しがるんじゃないかな」と思ったんですよ。 庵野監督いやいや、その辺はね、ぬるい。(会場:大爆笑&拍手) でも、本作は山崎くんが今までやってきた、いろいろな作品の集大成ですよ。これは素晴らしいと思いました。 山崎監督ありがとうございます。 庵野監督今まで培った技術を無駄なく全部持ってきていて、上手だなと思いました。このために今までやってきた…。 山崎監督(庵野監督の言葉を引き継いで)やってきたかのような! 庵野監督そう言っても過言ではないぐらい、今までに培った技術が全部ここに集約されている。その技術力は素晴らしいです。 山崎監督結構「シン・ゴジラ」で良い仕事をした人を、調布に連れて来ちゃいました。庵野さんに鍛えられた人に、今回、お願いをするという。 庵野監督ちゃんとバトン渡しました。本当にVFXは良かったです。そういえば、何でいつも「VFX」なの? 肩書きにいつも「VFX」って必ず入れているよね。特撮とか、特技とかではなく。 山崎監督だって僕らはVFXだから、ビジュアル・エフェクツじゃないですか。特撮はインカメラで終わる感じがする。 庵野監督やっぱり洋画の方が好きなんだ。 山崎監督洋画が好き(笑)。やっぱり「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」なんですよ。 庵野監督(その点では二人の間に壁があるというジェスチャーをしながら)そこがね、僕は特撮なのでもう完全に違うんだよね。(会場:笑)山崎監督分かります。よく存じ上げております(笑)。でも「シン・ゴジラ」はCGじゃ? 庵野監督でも、あれで目指したのは、特撮。ゴジラに動きがあったら全部ナシにして、CGを使って特撮の映像を再現するということ。 山崎監督ドラゴンとかを動かす天才的なアニメーターが「庵野さんのゴジラなら」と言って、休暇を取ってわざわざその時期だけ日本に来てくれたんですよ。 庵野監督やっぱり着ぐるみを再現したかった。首元のこの辺の動きとか、再現とかすごく良かったです。着ぐるみの動きをきれいに再現してくれました。 山崎監督あの天才が、着ぐるみの動きを再現していたんですね。贅沢だなあ。 庵野監督すごい贅沢をさせていただきました。彼が表情をつけようとしていたところを「着ぐるみなんで」と止めました。(会場:笑) 「今回はサイボット(目や口元、鼻を動かすといった細かい仕草用の機械仕掛けのもの)はナシなので、この辺は目しか動きません」と言いました。 山崎監督サイボットは通じました? 庵野監督分からないです。あまり向こう(ハリウッド)のやつみたいに筋肉が動いて…っていうのはナシにしました。それをやり始めると、もう時間もお金もなかったから、とにかくアニメで言うとリピート(「タイムシート」というセリフのタイミング、カメラワークや特殊効果の指定等が書き込んである指示書で繰り返しの指示をすること)でほとんど済むようにしないと、とても間に合わなかったんです。カット数もCGIを400に抑えてくれと言われたし。 山崎監督結構、いろいろと言われていたんですね。スーツを着るなとか…、割と素直に聞くわけですね。 庵野監督聞きますよ。 山崎監督偉いですね。 庵野監督(話を)聞かないイメージが、(庵野監督を密着した)ドキュメンタリーとかであるみたいだけどね。(会場:爆笑&拍手) あれはそういうところだけを切り取るので、実際はほとんど聞いているんですよ。 山崎監督聞いた話によると、もうちょっと柔らかいドキュメンタリーだったものを、庵野さんたちが「もっと過激にしてくれ」と言ったとか。 庵野監督いえいえ、違います。そもそも映像を僕は観ていないもん。 山崎監督都市伝説がいろいろと広がるんですね。だから、みんなが構えているところで、「ありがとうございました」とか言うと、「あ、良い人なんだな」ってなっちゃうんですね。 庵野監督いや、基本良い人だと思う。 山崎監督ほら、不良がさ、雨の日に犬に傘を差していると「あの人、なんて良い人なんだ!」ってなるみたいな。(会場:笑) 庵野監督僕は不良じゃないですよ(笑)。 山崎監督もうそんなもんじゃないですか。(会場:笑) 暴れん坊のイメージがある人から「ありがとうございました」とか言われたら、キュンとするっていう。 庵野監督デタラメを言わないでほしいなあ。(山崎監督&会場:爆笑) 全然違いますよ。山崎くんの脳内イメージとは全然違うよ。山崎くんだって、現場に行くと「うーん」って顔をしていて、「怖いなあ」と思うもん。(会場:笑) 山崎監督またそういうことを言って。(会場:笑) 撮影の途中に来てくれた時に、ちょっと会話が弾まない感じだったので、「『シン・ウルトラマン』に渡しているスタッフが、なかなか帰って来てくれないんですよ。早く終わらせてくださいよ」と言ったんですよ。そうしたら庵野さんが当時の進捗状況に結構マジ怒りしていましたよね。本当ですよね、すみませんでした。(会場:笑) 庵野監督まったくですよね。 山崎監督「白組」を代表して、申し訳ありませんでした。 庵野監督いやいや、山崎くんに謝ってほしいわけじゃない。(会場:笑) 終わった話です。まあ、間に合ったので良かったです。 山崎監督間に合って良かったです。そういえば、庵野さんが「ゴジラ-1.0」の現場に来た時は、神木(隆之介)くんや浜辺(美波)さんが、はしゃいじゃって本当に面白かったんですよ。 庵野監督はしゃいでいましたね。 山崎監督「珍獣が来た」って。(会場:笑) 庵野監督またそうやって嘘を言う(笑)。 山崎監督「レアポケモンが来た!」って、二人ではしゃいでいました。面白かったです。 庵野監督まあ、人気者なんでね。(会場:笑) 山崎監督浜辺さんからは「あんちゃん」って呼ばれているらしいですよ。僕は「たかすぃー」って呼ばれているらしいです。 庵野監督まあ、良いんじゃないですか(笑)。 山崎監督あの日はちょっと面白かったです。 庵野監督(撮影現場を)見ていて「何でこっちから撮っているんだろう」って、そればっかりずっと気になっていました。 山崎監督うるさいわ! (会場:笑) 庵野監督「どうせ切るのに、ここを何度もやったってしょうがないじゃん」と、そういう風に見ていました。こちら側から撮れば、40分くらいは巻いて撮影が終わるのに。だってどうせ切るでしょう? 山崎監督そんなこと言われたくないですよ! (ドキュメンタリーで、庵野監督が何度もテイクを繰り返す姿が映し出されていたこともあり)あれだけたくさんの素材を撮って、編集でもう…。(会場:爆笑) 庵野監督うちは安いカメラでいっぱい撮っているだけですよ。大きいカメラで回している量は一緒ですよ。うちはiPhoneとかそういうのでも撮るから素材がいっぱいになっているだけで、テイク数とかは多分そっちの方が多いよ。(反撃するように熱弁する庵野監督に会場:爆笑)山崎監督いやいやいや、絶対そっちの方が多いと思う。(二人の攻防戦に会場:爆笑) 庵野監督ちなみにアクションは、アクション監督が納得するまでやって、「監督どうですか」と聞かれて、「オッケーです」と言う役でした。 山崎監督それにしてはドキュメンタリーではいろいろと言っていたじゃないですか。(会場:笑) 庵野監督いやいや、言っていない。 山崎監督切り取り? 庵野監督切り取り。 山崎監督本当に良くないですよね。切り取られちゃうのは。 庵野監督(カンペに気づいて)あれ、もうフォトセッションだって。 山崎監督これからじゃないですか。(会場:笑) 僕がこれから庵野秀明の暗部を炙り出そうとしているのに。 庵野監督明るいところしかないって! 山崎くんの方が本当は暗いんだから。(会場:笑) 山崎監督誰もそんなこと思っていないですよ。 庵野監督いえいえ、半分ぐらいは思っていると思う。今日のスーツの色で分かるでしょう。ちょっとインナーの白で誤魔化している(笑)。 ■スタート時は混乱していたフォトセッションも、無事に終了。締めの挨拶に入りました。庵野監督ありがとうございました。以上を持ちまして、第四回「ゴジラ-1.0」公開記念「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」を終了いたします。中継先の皆さんも、どうもありがとうございました。「ゴジラ-1.0」はあと一週間後の11月3日、初代ゴジラの公開日に公開となります。この後は「シン・ゴジラ:オルソ」の上映が始まりますので、準備が整うまで今しばらくお待ちください。本日はどうもありがとうございました。(会場:拍手) 山崎監督ありがとうございました。(会場:拍手)
-
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』大ヒット御礼!横浜凱旋キャンペーン劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』公式サイト2021年7月期にTBS日曜劇場枠で放送されたドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。オペ室を搭載した大型車両(ERカー)で事故や災害の現場に駆け付け、自らの危険を顧みず患者のために戦う医療チーム“TOKYO MER”の活躍を描き、多くの感動を呼びました。そんな大人気ドラマが映画化し、4月28日より全国で大ヒット公開中です。 GW期間、全国の映画館に多くの観客が集まり、5月7日までの10日間で、動員 182 万人 興行収入24億円を突破、公開週の興行ランキングでも実写部門で第1位を獲得し、見事な大ヒットスタートを切っています。そんな大ヒット公開中の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ですが、「待っているだけじゃ、伝えられない感謝がある」という想いから、物語の舞台であり、大規模撮影を実施した横浜に鈴木亮平さんと松木彩監督が凱旋。横浜の映画館を周り、多くの観客に感謝の気持ちを伝えました。その模様をレポートいたします。大ヒット御礼!横浜凱旋キャンペーン喜多見幸太役鈴木亮平さん松木彩監督■今回の凱旋は、T・ジョイ横浜、横浜ブルク13、イオンシネマみなとみらいで、計四回の舞台挨拶を実施。会場に鈴木さんと松木監督が現れると、熱狂的な歓声が沸き上がりました! 今回の舞台挨拶では特別に、観客からの鈴木さんや松木監督への質問を受け付け、多くの質問が飛び出しました! 質問気にいっているセリフは何ですか? 鈴木さん「俺は千晶の夫だ」というセリフを見て、「すごいセリフを書かれるな」と思いました。究極の選択で悩む喜多見の姿が描かれる本作ですが、このセリフをどう言うかにかかっていると思い、気を付けていたセリフです。■他にも「どうやったら鈴木さんのように外国語がうまくなりますか?」「おすすめの筋トレはありますか?」などのいろいろな質問に対して、鈴木さんは和やかに答え、終始楽しい雰囲気で舞台挨拶は進行していきました。さらに、鈴木さんが、まるで“喜多見チーフ”のように映画館の中を縦横無尽に駆け回り、観客の元へ自らマイクを持って駆け寄る場面も。■そして、舞台挨拶の最後に鈴木さんから皆さんへのご挨拶。 鈴木さん今日は本当にありがとうございました。横浜のど真ん中で撮影をした本作が、全国のたくさんの方に愛されていて、こんなに幸せなことはありません。こうやって皆さんの顔を見て挨拶した、この光景を僕の中に焼き付けて、今後も大事にしていきたいと思います。■全ての舞台挨拶を追えて、鈴木さんと松木監督から皆さんへのメッセージをいただきました。 鈴木さん「待っていては、聞いてくれない質問ある」ということで、自分でも質問をもらいに行かせていただきました(笑)。実際に皆さんの顔を見ていると、本当に満足した表情をしていたのが一番嬉しかったですね。(横浜は)劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』にとっては特別な場所なので一年前の撮影で、今日観に来てくれて、繋がりを感じられて嬉しかったです。僕はドラマの時から、子どもにも届いてほしいと思っていました。子どもから“喜多見チーフ”って呼んでもらうと「子どもたちにも届いているんだな」という嬉しい気持ちとホッとした気持ちになります。そして、子どもからお手紙をいただいたんですよ。「私も喜多見チーフみたいなお医者さんになりたい」と書かれていました。TOKYO MERの「誰かのために頑張っている人がHERO」っていうメッセージが、子どもたちにも伝わっているっていうのが嬉しかったですね。今回「待っているだけじゃ伝えられない感謝がある」という気持ちで舞台挨拶に臨みましたが、感謝を伝えられたんじゃないかなと思います。 松木監督老若男女、たくさんの方が来てくれていると聞いて、とても嬉しいです。観客動員や興行収入を聞いても、数字が大き過ぎて実感がわかないですが、自分で劇場に映画を観に行った時、みんなの声やリアクションが聞こえると、「やってきて良かったな」という気持ちになり、得難い経験でした。思わず声がもれたりする…、「映画館で観るっていいなぁ」と改めて思いました。 ■夕方には⽇本最⼤級の野外シアターイベント「SEASIDE CINEMA 2023」とコラボし、横浜赤レンガ倉庫での一夜限りの特別上映(屋外上映)を予定していましたが、荒天のためやむなく中止になりました。その会場を使用し、撮影でも使われた横浜赤レンガ倉庫やランドマークタワー、横浜みなとみらいの街並み、そして【T01】、【Y01】の二台のERカーという本作の思い出が詰まった景色を背に、写真を撮影しました。
-
「室井慎次 敗れざる者」初日舞台挨拶「室井慎次 敗れざる者」公式サイト1997年にTVドラマの放送が開始され、その後映画も大ヒットを記録してきた「踊る大捜査線」シリーズ。12年ぶりの最新作である映画「室井慎次 敗れざる者」が10月11日についに公開されました。 初日舞台挨拶が東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、柳葉敏郎さん、福本莉子さん、齋藤潤さん、前山くうがくん、前山こうがくん、筧利夫さん、矢本悠馬さん、小沢仁志さん、飯島直子さん、本広克行監督が登壇しました。公開初日を迎えたそれぞれの思いを語ったこちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!初日舞台挨拶室井慎次役柳葉敏郎さん日向杏役福本莉子さん森貴仁役齋藤潤さん柳町凛久役前山くうがくん柳町凛久役前山こうがくん新城賢太郎役筧利夫さん乃木真守役矢本悠馬さん石津百男役小沢仁志さん石津紀子役飯島直子さん本広克行監督柳葉さんお忙しい中、足を運んでいただきありがとうございます。室井慎次…です(笑)!(会場:拍手) 少しの時間ですが、皆さんと朗らかな時間を過ごしたいと思います。 福本さん本日はお集まりいただきありがとうございます。今年の2月から6月にかけて撮影をして、公開まであっという間でした。今日、こうして初日を迎えられたことをうれしく思います。 齋藤さん本日はありがとうございます。僕は本作を観た時に、胸が熱くなりました。そして、今大好きな作品の舞台挨拶にこうして立てていることが本当に幸せです。 くうがくんこんなにたくさんの人に観てもらえて、すごくうれしいです。 こうがくん本作に関わることができて、すごく幸せな気持ちでいっぱいです。今日は短い時間ですが… くうがくん&こうがくんよろしくお願いします! 矢本さん(低い声で)演じている乃木がバカなので、低い声で挨拶をしてギャップを出そうと思っています。 筧さん秋田県警本部長…終わりがここだとは思わなかった新城賢太郎です(笑)。(会場:笑)皆さん、もうお分かりだと思いますが、本作は「室井慎次」がいっぱいでございます。パンパンに詰まっております。どうか最後の最後まで、「室井慎次」を全身全霊で受け止めてください。 飯島さん私は、この長いシリーズをずっと指をくわえて観ていたので、まさか呼んでもらえるとは思いませんでした。本当に光栄に思っています。私も室井慎次さんに関われて幸せです! 小沢さん「踊る大捜査線」シリーズは、僕も観ていました。今回は「(出演依頼が)やっと来たぞ、暴れまわってやるぞ!」 と思っていたら、まさかの酪農家でした。(会場:笑) 飯島さんと夫婦役ですが、監督曰く、僕がさらった女房みたいです。何をやっても犯罪色が消えない小沢です。(柳葉さんに向かって)主役の室井慎次こと…ジョニー(柳葉さんの一世風靡セピア時代の愛称)で良いんだっけ(笑)? もうジョニーとはね、一世風靡セピアが原宿でパフォーマンスしている前から付き合いがありました。でも、一緒に仕事をするのは10年ぶりです。室井慎次は暗いですが、柳葉敏郎は明るいので、皆さん誤解しないように。(会場の反応を見て)ちょっとは笑えよ!(登壇者の皆さん&会場:笑) 本広監督小沢さんの後は、やりづらいですね(笑)。一生懸命作りました。柳葉さんにも一生懸命、演じていただきました。ぜひ映画館で観ていただけたらと思います。(会場に向かって)今日はもう観たんですよね? 宣伝をお願いします。この後の「室井慎次 生き続ける者」もぜひよろしくお願いいたします! MC「踊る大捜査線」シリーズ(フジテレビ系列にて放送)がスタートしたのは27年前の1997年です。映画としては2012年の「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」、これが12年前のことです。再び「再始動」と聞いた時、どう思われましたか? 柳葉さん断ろうと思いました。(会場:笑) MCそれはどうしてですか? 柳葉さんもう室井が嫌だったからです(苦笑)。ただ、監督とプロデューサーの亀山さんと何度かお話をしている間に、脚本家の君塚さんも含めて、皆さんの室井に対する熱い思いが感じられたので、覚悟を決めました。 MC実際に演じてみていかがでしたか? 柳葉さんそうは言ってみたものの、今は「感謝」という気持ちでいっぱいです。 MC今回の撮影は、柳葉さんの故郷でもある秋田でも行なわれたとのことですが、そのあたりはいかがでしたか? 柳葉さんそれも打ち合わせの時にいろいろとお話をして、「こんなうれしいことはない」と思って、「ぜひよろしくお願いします」ということになりました。でも、撮影に入ると、家から目と鼻の先でロケをやったり、お世話になった母校での撮影だったので、うれしい反面、何か現場に足を向けるのがちょっと恥ずかしかったりもしました。いろんな感情がありましたが、本当にお世話になった地元の方たちに何か少しでも恩返しができていれば良いなと思いながら四カ月過ごしました。 MCということは、今回は「感謝」というのが一つテーマになっているのでしょうか? 柳葉さん作品の、というよりも、自分の心の中では、その言葉で毎日を過ごしていました。MC本広監督は柳葉さんとの再タッグはいかがでしたでしょうか? 本広監督いやもう、いろいろありました…(笑)。でも、柳葉さんがいろいろとおっしゃってくださるのは、お客さんがよろこんでいるからだと思っています。しかし、12年ぶりにやるというのは、なかなか大変ですよね。「踊る大捜査線」って、湾岸署を代表する(織田裕二さんが演じる)青島さんとか、皆さんポップなキャラクターが多い作品ですよね。でも、室井というキャラクターは相当静かな男なんです。本作は、そんな静かな男が主役なので、どうしようかなっていう感じでした。 MC本作では、シリーズで観られなかった室井さんのちょっとお茶目な部分や、子どもに振り回されるシーンとかもあったと思います。 本広監督室井はコメディにガッと振れるタイプではないので、子どもたちを使ってコメディを作りました。静かな笑いを作るという感じでしたね。(笑っているくうがくん&こうがくんに)「あはは」じゃないでしょ? 「はい、監督!」でしょ! くうがくん&こうがくんはい、監督! 本広監督このようにプログラムがされています(笑)。(登壇者の皆さん&会場:笑) MC柳葉さんはいかがでしたか? 柳葉さん現場に入れば、監督の下で、僕らは一つの駒として、どこまで力が発揮できるかですからね。ご覧の通り、これだけ心強い皆さんに支えられながら、気持ちよく演じることができました。 MC「踊る大捜査線」が大ヒットした当時、まだ生まれていらっしゃらない方も、本作では多く出演されています。福本さんは今回、出演が決まった時はどんなことを思われましたか? 福本さん素直に驚きました。あの(小泉今日子さんが演じる)日向真奈美の娘役と聞いて、「娘がいたんだ!」と、まずそこにすごく驚きました。そして「娘って、どういう役なんだろう? 」と思ったら、今まで演じたことがない二面性があって、ちょっと影のある役でした。皆さんに撮影中、怖くないのに「怖い!怖い!」と言われながら撮影をしたんですが(苦笑)、本作に携われてすごくうれしいです。 MC表情も多彩でした。演技面で難しさを感じる部分はありましたか? 福本さん室井さんと初めて会って話すシーンで、水筒の水を渡す場面があります。そこで監督から「動物を見るような目で」という指示をもらったんですが、「動物を見るような目?」って思いつつ、何テイクかいろんなバージョンを撮りました。完成した映像では「この子は何を考えているんだろう?」みたいな顔になっていました。一見、普通なんですが、やっぱり何かちょっと異質な感じというのを意識しました。それは、日向真奈美の映像を観て、話し方とか動きとかを自分なりに研究して演じました。柳葉さんだって、本当に怖かったもん。(登壇者の皆さん&会場:笑) MCちゃんと日向真奈美の娘になっていましたか? 柳葉さん怖かった(笑)! MC齋藤さんは室井の「家族」ということで、ご一緒される場面が多かったと思いますが、現場はいかがでしたか? 齋藤さん柳葉さんが支えてくださったことが多いです。僕が知らないことだらけなので、丁寧に教えてくださいました。それから、僕が分かるまで、何回も段取りに付き合ってくださいました。僕のクランクインは学校のシーンだったんですが、そこにも柳葉さんが来てくださいました。僕にとって、大きな存在ですし、今も隣に立っているのが、本当にすごく幸せなことだと毎日毎日噛み締めています。 MCメイキング映像では、演技指導をしているようなところもありました。撮影中はどんなアドバイスがありましたか? 齋藤さんまだ何も起きていない、室井家のシーンで、日常を描くことに対してもいろいろと教えてくださいました。それから、室井さんに思いを伝えるシーンでも、ずっと寄り添ってくださって、その分緊張もしました(苦笑)。だから、今も緊張であまり顔を見られなくて…(笑)。(登壇者の皆さん:笑)MC今日、公開を迎えられていかがですか? 齋藤さん実は、僕も今日、本作を観に行ってきました。グッときて、体温が上がるのを何回も感じました。やっぱりこの長い歴史の中に、自分がこうして関われていること、ここに立てていることが、どれだけ重大なことなのかを、今すごく感じています。 MCくうがくんとこうがくんは、撮影現場はいかがでしたか? くうがくん撮影現場ですか? いつもみんなで盛り上がっていて、本当にすごく賑やかで…。 柳葉さんそれはお前たちだろう。(登壇者の皆さん:笑) くうがくんめっちゃ楽しかったです! MCこうがくんから見て、柳葉さんはどんな人ですか。 こうがくん差し入れがすごかったです。(登壇者の皆さん:笑)MCどんな差し入れがあったんですか? こうがくんバーベキューや、屋台がありました。 MC舞台裏でも、本当の親子のような温かい雰囲気あったんですね。 柳葉さん「親子」を作りたかったんです。本当の「親子」を作りたかったので、潤くんに関しては、お芝居というよりは、自分の息子と一緒に何かを作ろうとする時の親父の気持ちになって接したつもりでいます。彼らも…(くうがくん&こうがくんに向けて)楽しかったな? くうがくん&こうがくんはい、楽しかったです! 柳葉さんこんな感じです(笑)。 MC矢本さんは「踊る大捜査線」シリーズは初参加ですが、今回、コメディに寄ったようなシーンが多かったと思います。 矢本さん僕は年齢的には「踊る大捜査線」ど真ん中の世代ではないですが、それでもやっぱり記憶にある作品です。そんなメガヒットを連発しているすごい大作に関わったことは重々分かっていたつもりだったんですが、現場でのプレッシャーがすごかったです(笑)。初日に、柳葉さんに「頼むぞ。乃木がスベったら、この作品はやばいぞ。」というプレッシャーを、セリフを言う前に言われちゃって…喉がカラカラになりました(苦笑)。もともと、(矢本さん演じる)乃木は真面目な青年の役だったんですが、僕をキャスティングしたことで、コメディシーンになったそうで、それもかなりプレッシャーでした。でも、そこまで期待されるのは、うれしかったんですが、ちょっと重すぎて…最初は、本当に調子が悪かったですね。(登壇者の皆さん:笑)情報解禁された後は、周囲が今までにないリアクションでした。ヘアメイクさんとかスタイリストさんとかいつも一緒にいる方も「え?出るの?」とか、他の現場でも、キャストさんとかスタッフさんから「出るんだよね?めっちゃ楽しみだよ!」と、言われていました。なので、「これが失敗したら、もう俳優ができないんじゃないか」という気持ちで今日まで来ました。僕、大丈夫でしたか…?(会場:大きな拍手)ありがとうございます!MC柳葉さん、プレッシャーをかけていたということですが、いかがでしょうか? 柳葉さんいやいや、(矢本さんに向かって)本当にごめんね(苦笑)。でも、出来上がった作品を観て、矢本くんで良かったって思ったし、思っている以上のものをちゃんと表現してくれていました。ありがとうね。 矢本さんありがとうございます。 MC柳葉さんのインスタグラムでは、柳葉さんは矢本さんを「心休まる存在」と投稿されていましたが、そうだったでしょうか? 柳葉さん(会場に向かって)そうだったでしょ? (会場:拍手)矢本くんが出てきたら、何かホッとしますよね。それだけでもう満足です。 矢本さん恐縮です。 MC筧さんは「踊る大捜査線」シリーズに長年にわたり携わってきましたが、今回、参加が決まった時どう思われましたか? 筧さん大体のプロットとともにオファーをいただいたんですが、まさか12年ぶりにやるとは思いませんし、同じ役で出られるとも思いませんから、大変光栄だと思いました。出演する限りは、「絶対に室井さんに恥をかかせないように」と、台本をいただいたその日から、毎日セリフの練習を欠かさずやっておりました!柳葉さんウソっぽいぞ(苦笑)! (登壇者の皆さん:笑) 筧さんウソじゃないですよ! 本作のセリフが長いんですよ! 柳葉さん僕、新城とのシーンは、全シーン感動しっぱなしで今日を迎えたのに…本当か? (登壇者の皆さん:笑) 筧さん本当ですよ、柳葉さん(笑)。長いシーンがあって、三シーンを一つに繋ぐんですが、その撮影には一カ月かかっているんですよ。最初のシーンと、途中の外のシーン、そして後のセットでのシーンと、一カ月かかっているんです。髪の毛の長さを合わせるのが大変でした。毎回6600円かかっています!(登壇者の皆さん&会場:笑) MC久しぶりの室井慎次との対面いかがでしたか? 筧さん最初の撮影が3月の頭で、すごく寒い秋田の海辺だったんです。室井さんは、僕と一緒にいる時はスーツじゃなくて、作業着でした。最初は、12年間柳葉さんと会っていなかったので「お久しぶりです、柳葉さん」って感じだったんですが、リハーサルとかテイクを重ねていくうちに、柳葉さんがどんどん「室井慎次」になっていくので、口には出しませんでしたが、心の中で「やった!これだよ!」ってずっと思っていました。ウソじゃないですよ、本当ですよ(笑)! (登壇者の皆さん:笑) 柳葉さん筧くんが、新城として初登場した時は、ものすごくショッキングなイメージがありました。その後、新城と室井のいろんなやり取りの中で、関係を育んだんですが、それが走馬灯のように出てきて…そこにも「感謝」の気持ちでした。新城に対しても、もちろん演じてくれた筧くんに対しても「感謝」でしたね。 筧さん本当か!? 柳葉さん本当だよ(笑)。 MC飯島さんと小沢さんは、今回初めて本当にシリーズに出演ということでしたが、柳葉さんとはプライベートでは付き合いが長いとうかがいました。 飯島さん「プライベート」っていうわけじゃないですが(笑)、柳葉さんとは過去に恋人役と婚約者役で二回共演をしました。今回は、全然他人だったんですが、逆に私の旦那さん役が、小沢さんというすごい力強い感じで…(小沢さんに向けて)どうですか(笑)?小沢さん何だよ(笑)? 柳葉さん今から二人の夫婦漫才が始まります(笑)。(登壇者の皆さん:笑) 小沢さんさっきからずっと「テンポ良く」というカンペが(スタッフから)出ているんで、気になっちゃってね。(登壇者の皆さん:笑)僕は、ジョニーがこんなちっちゃい時からの付き合いだからね(笑)。テンポ良くってことだから話はこれくらいにしてね、皆さん、本作はこれで終わりじゃなくて「室井慎次 生き続ける者」があります。本作を二~三回観て、「~生き続ける者」はその倍観て、宣伝してくださいね。「~生き続ける者」もすごいよ! もしかすると…レインボーブリッジを封鎖しちゃうかもしれない。(会場:笑&拍手)その辺りをお楽しみに、ぜひ後編もよろしくお願いします。MC監督からは、本作で一番好きなシーンや、見どころを教えてください。 本広監督全部良いんですが…犬が出てくるんですよ。あの犬もね、二匹います。子どもも二人。あのワンちゃんたちがすごく良かったですね。役者さんたちも、もちろん良いんですが、ワンちゃんたちの演技はギバさん(=柳葉さん)が引き出しているんですかね? 動かなくなったり、急に芝居をし始めるじゃないですか? 柳葉さんちょっとだけ合図はしました。 本広監督子どもたちもそうなんですよね。後は、柳葉さんが潤くんに、伝承していくような…芝居をどんどん移し込んでいくようなところもあって、すごく良かったです。あの時、ギバさんは泣いていましたもんね。(本広監督にツッコミを入れる柳葉さん)良いシーンなんですよ! 本作のラストでしたかね、あそこはもうギバさんの役者魂を齋藤潤くんに移していくみたいな姿に見えて、感動しちゃって…。 柳葉さんあなたも泣いたでしょ(笑)! 本広監督いやー言わないで(苦笑)! (登壇者の皆さん:笑)でも、(柳葉さんが)くうがくんとこうがくんにも、ずっと教え込んであげているようなことが多かったと思います。今までは矢本くんとか小沢さんみたいなキャラクターがギラギラした人たちがいっぱい出てきて、かき乱していきますが、柳葉さんはそれをまとめる立ち位置でした。今回は、真心を込めて作っているような感じがありましたね。 柳葉さん先ほども言ったんですが、普通の親が、子どもたちと一緒に何かをする時は、どうするんだろうっていう思いだけでやっていました。役者としてはいけないのかもしれないですが、そこに柳葉敏郎としての父親の気持ちがちょっと出ちゃった時間だったかなと思います。 MC監督、今振り返って、本作はどんな作品だと思いますか? 本広監督本作は「踊る大捜査線」ではないんです。やっぱり「室井慎次」という映画なので、ちょっと違います。でも「室井慎次」にも「踊る」と同じようなテーマがやっぱり流れていたんだなと思いました。 MC最後に代表して柳葉敏郎さんに、本日ご来場された皆さんにメッセージをいただければと思います。 柳葉さん皆さん、改めまして、本当にありがとうございます。コートを脱いだ室井は皆さんの目にはどう映ったでしょうか? こんな終わり方はご不満かと思います。また「生き続ける者」でお会いしましょう。本日はありがとうございました。
-
「すずめの戸締まり」初日舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が11月11日についに公開を迎えました。東京のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた舞台挨拶に新海監督をはじめ、声優を務めた原菜乃華さん、松村北斗さん、深津絵里さん、染谷将太さん、花瀬琴音さんが登壇しました。 新海監督自らMCを務め、キャスト陣は本作に出演しての思いや作品の魅力について熱く語りました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。初日舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん岩戸環役深津絵里さん岡部稔役染谷将太さん海部千果役花瀬琴音さん新海監督皆さん、本作を観ていただき本当にありがとうございました。作品を観ていただいた直後の皆さんの前に立つというのは、何回やっても緊張します。最初にちょっとだけ、お話をさせてください。本作を観終わった直後ということで「僕にはないものでできてる」――RADWIMPSの野田洋次郎さんにもらったエンディング曲(「カナタハルカ」)の歌詞がありますよね。「あの歌詞がこの『すずめの戸締まり』という作品そのものだな」と、舞台挨拶の前に、急に思い至りました。この映画というのは、僕の力で作ったものではない気がするんですよね。「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)から僕の映画を観てくださった皆さんからの「次はこういう映画が見たいんだ」という声が、どこからか聞こえたような気がしています。あるいはこの作品は、ここにいらっしゃる素晴らしい演者の皆さんもそうですし、画や音楽を作ってくださったたくさんのスタッフの力――「僕にないものでできている」作品な気がしています。そんな皆さんの声によって出来上がった作品であるような気もしています。ですから、ここまで導いてくださって、皆さん本当にありがとうございました。短い時間ではありますが、この後、楽しいお話ができればと思います。原さん昨日はあまり眠れなかったくらい、ずっと今日を楽しみにしていました。この作品の、言葉では到底表しきれない素晴らしい魅力をこれからたくさんの人と共有できるんだと思うと、すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。こうして無事に公開して皆さんの顔を見ることができたことも嬉しいです。 松村さんどうも、イスです。僕は今日、最速上映を観てからここに挑んでいるので、「すずめの戸締まり」熱がまたふつふつと…いや、グラグラと煮えたぎっている状態です。この熱い思い、せっかく上映後ですもんね。楽しい+ちょっとうっとうしいくらい熱い時間にできればと思います。楽しんでいきましょう。 深津さんこうして皆さんとお会いできてとっても嬉しいです。私は初めて声優に挑戦しました。とっても怖かったです。でも、新海監督が温かく、粘り強く導いてくださったおかげで、何とか完成させることができたと思っています。思い通りにできなくて、どん底まで落ち込んで…。でも、次の収録が待っているから、何とか気分を変えようと当てもなく街を歩き続けたり、新幹線に乗って京都のお寺で心を静めてみたり…。初めてのことにこの年齢でトライできるチャンスをいただけて、監督には本当に感謝申し上げたいと思います。 染谷さん上映後ということで、自分が本作を観た日のことを思い出しました。観終わって、イスに体がくっついちゃったような気持ちで、なかなか立てなくて…。本当に心に響きました。本当は、今日はそっち(=客席)に座って舞台挨拶を見たいくらい、嬉しいし、感動しています。 花瀬さん今日という日を迎えるために、新海監督と多くのスタッフさん、そして原さんと松村さんをはじめとしたキャストの皆さんが血と汗と涙で作り上げた作品だと思います。今も、ここじゃないどこかで誰かがこの「すずめの戸締まり」を観ていると思うとワクワクが止まりません。 MC新海監督、初日ということで、キャストにお伺いしたこともあるのではないかと思いますので、一緒にお聞きしながらクロストークで進められればと思います。 新海監督お願いします。 MC原さんと松村さんにお聞きしますが、松村さん演じる草太がイスになるのが話題になっています。原さんが演じた鈴芽はイスとなった草太と旅をしますが、二人の旅というのはいかがでしたか? 松村さんじゃあ、せっかくなのでイスになる側からしゃべったほうが良いですかね(笑)。皆さんの予想を超えた時間、イスでい続けましたよね? やりながらもそうですし、いろんなインタビューを受けながら、原さんの言葉で「そうだよな」と思ったのは、「草太はイスになってからのほうが、人となりや感情が見えた」かなと思います。また原さんは「表情がなくなったほうが表情が見える」ということを言っていました。何かすごく不思議で魅力的な、これもきっと新海監督の…作戦なんですか?新海監督僕も、二人の話を聞いて「あぁ、良くできた話だな」と思ったんですよ(笑)。草太って、映画を観てお分かりかと思いますが、非現実的なほど美しい男性として描きたいと思ったんです。でも、そのキャラクターがイスになってしまって、ビジュアル的にちょっとかわいらしく歩いて日本全国の廃墟を回るという物語が、ビジュアル的にもコミカルだし、物悲しくてワクワクするものになるんじゃないかと思ったんです。実際、出来上がった作品を観ると、イスの草太ってコミカルな芝居が多いですよね? 菜乃華さんもずっとイスを持ったり、体から出ちゃったり。いろんなイスを巡る思い出がありますよね? 原さん私は電車に乗っているシーンがとても大好きです。後半に進むにつれて、少しずつシリアスなシーンが増えていくので、そういう時のアフレコは、新幹線や電車の中で小声で話し合うかわいらしい二人を見ながら、心を落ち着かせてアフレコをしていました。 新海監督あんな風に、イスになった草太って結構コミカルではあるんですが、その時の草太の声って、人間の時からはなかなか想像できないお芝居だったと思うんですよ。ですから、イスというビジュアルが、草太という人間のもっと楽しい部分を引き出してくれていたんだと完成したものを観て、北斗くんのお芝居を見ながら思いました。 松村さん予告編だと人間時代の草太が人気だったと思うんですが、本編を観るとイス時代の草太のほうが人気なんじゃないかと(笑)。 新海監督北斗くんにイスをやってもらうというのが、今回の作品のすごく大事なところだったんだと途中で気づきました。予告編は僕が自分で編集したんですが、「松村北斗」の名前を出す時、バーンっとイスにかぶせて出しました(笑)。 松村さんそうでした、そうでした(笑)。 新海監督「これが松村北斗くんだよ」というように出したりしていました。 MC原さんと松村さんにはお互いの印象についてもお聞きしたいと思います。 原さん松村さんは、本当にずっと実写版・草太さんだと思っていました。お声はもちろんですが、上品な雰囲気やしぐさだったり、私に対してもすごく丁寧に敬語で接してくださるところが、本当に草太さんそのままだと思います。私がいろんなところでお話する機会が増えて、思っていることをうまく言語化できなくて詰まってしまった時に、代わりに思いをくみ取って言葉にして、いつもフォローしてくださいました。そういう聡明なところも草太さんと全く同じだと思います。松村さん本当に言葉が上手な19歳ですよね(笑)。参っちゃいますね、本当に。 MC松村さんから見た原さんはいかがですか? 松村さんいや、もう強烈ですよ。いろんなインタビューで結構カッコつけて、いろんな言い方をするんですが、上映後なのでシンプルな言葉で言います。鈴芽のカッコ良いセリフの言い回しにキュンと来ません? まだ序盤の、初めての扉にバーッて走ってきて「なぜ?」って言った後の鈴芽の返答とか…。語弊があるかもしれませんが、キュンと来ません? そういうカッコ良さを持っているってなかなかないと思います。予告編でも使われていますが「私は草太さんがいない世界が怖いです」とか、すごく悲しいけどカッコ良さがあるというか、そこに心えぐられる強さがある――そういう力強さを持っている方だという印象です。 MCそして今回、深津さんが初めてこの作品の公の場に立ってくださいました。深津さんは環と同じ九州(大分県)出身です。新海監督、環と同じく九州出身の深津さんに演じていただいたということについて…。 新海監督そうですね。たまたま前作の「天気の子」で大分出身の森七菜さんに出演していただいて、また大分出身の方とご一緒できるんだと思いました。決して出身地で選んでいるわけじゃないんですが(笑)、嬉しい偶然でした。ただ環という役はとても難しい役だったと思います。観ていただいてお分かりかと思いますが、東北にルーツを持っていて、九州に移り住んで、意図的に宮崎弁を身につけたキャラクターです。お芝居の段階で、深津さんにはまず宮崎弁に始まって、旅の途中でだんだん方言のイントネーションが変わっていく表現をお願いしましたが、いかがでしたか? 深津さん声優初挑戦で、普通に標準語をしゃべるだけでもとても難しいのに、方言を二つマスターしなくてはいけないというのは、大変な挑戦でした。本当に「皆さんの足を引っ張らないように」という思いでした。あとは、宮崎弁を指導してくださったのが綾瀬有ちゃんという、今回、声優で鈴芽のクラスメイトの役を演じている方で、つきっきりでトレーニングしてくださいました。本当に先生のおかげでなんとか乗り越えられたって感じです。新海監督深津さんの方言の突き詰め方は、僕も一緒にやって驚くほどでした。例えば、回想のシーンは小さい鈴芽を抱きしめながら「あんた、うちの子になりんしゃい」というセリフに最終的になったんですが、あれはちょっと標準語――まだ九州弁ではない言葉で鈴芽に語りかけようとなったんです。あれも話し合って決めたんですよね。台本だと宮崎弁で…。 深津さん「なりね」でしたね。 新海監督いろいろ試しましたね。鈴芽の生まれた家に着いた時も、何もない場所に着いて、「鈴芽、大きくなったね、お姉ちゃん」と言うんですっけ? 深津さん「おっきくなったぁよ」。 新海監督そうだ! 「おっきくなったぁよ」でした。あそこは東北弁で…。 深津さん東北弁ですが、すごくバランスを考えてくださって…。皆さんで最終的に作り上げた方言でしたね。 新海監督バックグラウンドを組み立てた上で、「ここはこうあるべきだ」ということを深津さんからもサジェストしてくださって、すごく刺激的な経験でした。もうちょっとだけ深津さんに聞きたいんですが、アニメーションの声優は初めてだというのは、意外でした。ここまでキャリアをお持ちで、どうして「すずめの戸締まり」に出ていただけて、環という役を引き受けても良いと思ってくださったんでしょうか? 深津さん逆に、なぜ私に環をやってほしいと思われたんですか? 新海監督僕は、環というキャラクターはとても難しいと思ったんです。環は九州へ鈴芽を連れて帰ったわけですが、ある種、自分の人生を犠牲にしてしまったのかな…と、後悔を抱き続けています。それでも鈴芽を追いかけて、本音をぶつけ合う。これは、嘘のない叫びを聞かせてもらわないと、キャラクターとしてどうしても成立しないと思いました。そこで深津さんが思い浮かんだんです。 深津さんありがとうございます。私は、脚本やビデオコンテを観て、これは個人的な感想ですが、「監督は”次のところ”へ向かおうとされているのかな?」 と、何となく受け取りました。もちろん日本国内のみならず、世界中にファンをお持ちで、今でも「早く観たい!」と思っている方がたくさんいると思います。もちろん、そんな皆さんに届くように作品を作られていると思いますが、今回は「たった一人の“その人”に届けば良い」というような、ピュアなものを感じたんです。こんな経験のない私に何かやってほしいと思っているのならば、何かあるんだろうと思って、ヘタクソながらぶつかろうと思いました。原さんは、私なんかよりも何百万倍も怖かったと思います。背負わなくちゃいけないことも多かったと思いますが、作品の中の鈴芽みたいに、アフレコ現場でも目の前のものに立ち向かい、戦っている姿をそばで見ていました。本当に美しかったんです。だから今回、初めてのことで恐ろしかったんですが、原さんのような素晴らしい感性の女優さんと一緒にお芝居ができて、私にとってまた一つ宝物のような作品になってしまった…「なってしまった」というのは失礼ですけれど(笑)。 新海監督菜乃華さん、いかがですか? 原さん本当に泣きそうなくらいすごく嬉しくて…。環さんといる時の鈴芽は、他の人とは全然違って…。深津さんのお芝居を見て、自分も知らない鈴芽がたくさん出てきたので、本当に感謝しかないです。あと、一つ言いたかったのが、環のシーンがない時に深津さんがスタジオにいらっしゃって、喉に良いはちみつをプレゼントしてくださいました。アフレコ期間中は毎日「深津さんにもらったはちみつだ」と思いながら、舐めて気合いを入れてお守りのようにしてスタジオに入っていました。隣を見るといつも笑顔ですごく温かく迎えてくださって嬉しかったです。ありがとうございました。深津さんすみません、そんなプライベートな話を(笑)。本当に(環役を)やって良かったと思っております。 新海監督そう言っていただけて光栄です。ありがとうございました。 MC染谷さんは環に片想いをする稔を演じましたが、稔をはじめ、本作には温かいキャラクターがたくさん登場します。染谷さんが印象に残ったキャラクターはいらっしゃいますか? 染谷さん全員ですね。でも、後半で芹澤(神木隆之介)が運転して移動するシーンがすごく好きです。いろいろなことが起きて大変な本作ですが、何も起きない単なる移動、隙間みたいなあの時間がすごく心地良くて「映画って素敵だな…」って心から素直に思わせてもらった印象があります。あの芹澤の空気感と移動の時間が心に残っています。 新海監督僕は染谷さんと深津さんが並んでいるだけで「寄生獣」(2014年公開/監督:山崎貴)のことを思い出して胸にグッときます。染谷さんに伺いたいと思っていたことがあって、この中では染谷さんがアニメーションのキャラクターを演じた経験がとてもおありじゃないですか? 実写もやっていらっしゃっるので、染谷さんから見てアニメーションの現場と実写の違いや、表現の違いであったり、実際にやっていてどっちが楽しいとか、そのあたりの差をお聞きしたいを思います。 染谷さん声のお仕事をする時のほうが、自分の中でチャレンジと言いますか…。慣れているわけではないので「自分なら何ができるんだろう?」と自問自答しながらやっています。しゃべれる尺も決まっているじゃないですか? ある意味、その枠の中だったら、何でもできるんだと、今回途中で思いました。そこに収めれば、どんな表現でも可能なんだなと。後で画が説得力を持たせてくれるので、その楽しみをいただきました。新海監督嬉しいです。「ちょうど今、そこの駐車場に東京行きの高速バスが止まっております」と言ってカチャカチャカチャとPCを触る、稔の一番の見せ場である環との電話のシーン…。あの方言やお芝居が僕はすごく好きでした。 染谷さんすごく難しかったです(苦笑)。 新海監督何度もやりましたよね(笑)。方言で言うと、花瀬さんにも聞きたいことがあります。花瀬さんの演じた千果のセリフで一番好きなのが「キスしたら起きるで」ってあのセリフがフラグになって、鈴芽が椅子の姿の草太にキスをしようとするっていうのにつながっていきます。あのシーンは愛媛の伊予弁ですよね。どうでした? 花瀬さんすごく方言は難しかったです。あのセリフに関しては、鈴芽があんなに早く実践するとは思っていなくて(笑)。近い年齢ながら「そんなにすぐ行けるんだ!」って思いました。新海監督聞いた直後に行きましたからね(笑)。 花瀬さんすぐ行っていたんで、素晴らしいなって(笑)。 新海監督菜乃華さん的には同じ疑問を抱きましたか? そんなにすぐは行かないだろうって。 原さんそうですね。わりと鈴芽は積極的なんだと思いながら観ていました(笑)。 花瀬さん好きなシーンです。 新海監督千果役は鈴芽と同じ年代ということで、鈴芽の普段と違うお芝居が、千果と話していると出ているのが感じられて良かったと思いました。 花瀬さんありがとうございます。 MC最後に皆さんを代表して、原さんと松村さんからメッセージをお願いします。 原さん本日はお越しいただき本当にありがとうございました。この「すずめの戸締まり」という作品は、私自身、一観客としても、出演者の一人としても、本当に大好きで、宝物のような作品です。自信を持って、誰が観ても絶対に楽しんでもらえると言い切れる、そんな素晴らしい作品に出会えたことを誇りに思います。本当にすごい作品を作ってくださってありがとうございました。 新海監督こちらこそです。 松村さん鈴芽がたくさんの人物と出会って、メッセージや苦労、歴史みたいなものを抱えていることを知って、ロードムービーが進んでいきます。最後、この作品自体がメッセージを抱えているんですが、…きっと全国で、今もそのメッセージやたくさんのものを受け取ってもらっているんじゃないかと思います。僕自身がそうだったので、そんな風に予想しています。今思っていることが、明日には変わっているような作品だし、人に話せば話すほど、どんどん変わっていくような作品だと思います。この作品は、一回観たら、観るたびに愛し方が変わり、ずっと仲良くしていけるような作品だと思います。一回観たという縁を宝物のようにぜひ思っていただけたらと思います。そして、「すずめの戸締まり」は今日が旅立ちの日です。せっかくなので、鈴芽さん、あの言葉を聞かせてもらっても良いですか? 原さん「行ってきます!」ありがとうございました。
-
「六人の嘘つきな大学生」完成披露試写会「六人の嘘つきな大学生」公式サイト怒涛の伏線回収で大人気を博している、浅倉秋成著の小説「六人の嘘つきな大学生」(角川文庫刊)を、監督・佐藤祐市と脚本・矢島弘一により実写化した映画「六人の嘘つきな大学生」が11月22日より公開となります。 10月21日、本作の完成披露試写会を東京国際フォーラムにて開催し、浜辺美波さん、赤楚衛二さん、佐野勇斗さん、山下美月さん、倉悠貴さん、西垣匠さん、佐藤祐市監督が出席しました。 ネタバレを避けつつ、作品の見どころを語るなど「六嘘」の世界観を生かした、こちらのイベントの模様を詳しくレポートします。完成披露試写会嶌衣織役浜辺美波さん波多野祥吾役赤楚衛二さん九賀蒼太役佐野勇斗さん矢代つばさ役山下美月さん森久保公彦役倉悠貴さん袴田亮役西垣匠さん佐藤祐市監督■紗幕にキャストのシルエットが浮かび上がる。■幕が下りてキャスト陣の登場かと思いきや、壇上には漢字の「七」が「六」に変わっている「嘘」の文字が置かれている―――という演出に、会場から驚きの声が上がりました。■その後、階段後方よりキャスト陣が登場!浜辺さん皆さん、足をお運びいただきありがとうございます。最後まで楽しんでいただけるように、この舞台挨拶では、なるべく嘘をつかずに、本当のことを話したいと思っています。 赤楚さん皆さん、こんにちは。M!LKの佐野勇斗です。 佐野さん違うよ! 赤楚さんごめん、ごめん、赤楚でした(笑)。短い時間ですが、嘘をつきまくりたいと思います。 佐野さん皆さん、こんばんは。(ライブ会場のように)盛り上がっていますかっ?! 会場の皆さんいぇーい! 佐野さん「六嘘(ろくうそ)」観たいですかっ?! 会場の皆さん観た~い! 佐野さんすごくスリリングで、面白い作品になっていますので、いち早く皆さんに観ていただけることをすごくうれしく思っています。 山下さん皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。見ての通り、個性豊かなキャストが集まっているので、この六人と監督の陽気さも相まって楽しい一日にしたいと思っています。 倉さんこんにちは。今日はお越しいただいて、本当にありがとうございます。完成を迎えられて大変うれしく思っております。西垣さんなかなかこういう舞台に立つのが慣れていなくて、足が震えております。意外と、小鹿です。 登壇者の皆さん大丈夫だよ! 西垣さん皆さんにこの作品の面白さが伝わり、たくさんの方に広めてもらえるように、今日はいろいろなことをお話ししたいと思っています。 佐藤監督メガホンは一度も持ったことがないんですが、なぜか監督は「メガホンをとられた」と紹介されてしまいます。(会場:シーン)今日は頑張ってスベりたいと思います! (登壇者の皆さん:笑) 赤楚さん&佐野さんよっ、監督! MCまずは監督、本日いよいよ本作のお披露目となりました。今回は多くの伏線が張り巡らされている密室会話劇ですが、映像化するにあたって意識したことや心がけた事は何でしょうか? 佐藤監督こうして皆さんに観ていただくのは初めてなので、「どう受け止められるかな」と、ちょっとドキドキしています。現場では、密室の中だけなので、背景が変わらないんです。なので、みんなで「どうやってお芝居をやろうか」と、何日間かリハーサルをしました。コミュニケーションを取りながらリハーサルをしましたが、気が付いたらこちら(キャスト)の六人だけが仲良くなって、僕はちょっと端に追いやられたような感じでした(笑)。(登壇者の皆さん:笑)そんな感じで、とにかく「お芝居をしっかりとやっていくこと」を心がけていました。それと、原作が面白いので、「みんなで頑張れば大丈夫だ」と思っていました。 MC密室での緊迫感のあるシーンがかなり多い撮影だったかと思います。撮影現場の雰囲気や、何か印象的なエピソードがあれば教えてください。 浜辺さん私、思い出しました。撮影の前の話ですが、最初に顔合わせと、本読みと、リハーサルをやったんです。初対面の方もいる中で「どれぐらい頭に台本が入っていますか?」という話をしていて、みんなで「ちょっと心配だなぁ」と話をしていたんです。でも、いざ監督から「リハーサルをやりましょう」と言われたら、みんな結構頭に台本が入っていて、全然台本を見ていませんでした。あの時から、もう嘘つきが始まっていたと思います。 佐藤監督あの時には、皆さんセリフが入っていましたね! まんまと美波ちゃんだけね。(登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんちょっとモゴモゴしていました。「この作品は、ここから嘘が始まっていたのか」と思いました。初めて騙された瞬間が忘れられないです。嘘を言った自覚がある人はいるのかな? 佐野さんもうあぶり出しているじゃん! 怖いよ!でも、僕はその時いなかったからね。(会場の皆さんに向かって)皆さん、僕は嘘をついていませんからね。よろしくお願いします。悠貴はどう? 倉さん僕は、嘘をついたね(笑)。セリフを覚えてはいたけれど、ミスした時の保険として「まだ、あまり入っていないです」って言ったかもしれない。 浜辺さん保険ね! 山下さん私も嘘をつきました(笑)。倉くんと、私と、西垣くんも結構覚えていたよね? 西垣さんでも、「演技をやってみて」って言われた時に、やれる自信は無かったのに、やってみたら意外とできちゃったっていうことない? 山下さん天才肌だね。 西垣さんいや、違う違う(笑)!自分の中では、「八割ぐらいかなぁ」と思っていたけれど、やってみたら意外と全部できちゃったって時ないですか?…(誰からも同意を得られず)あれ(笑)? 佐藤監督美波ちゃんは正直に話していて、キャストの皆さんには、事前に、「台本を頭に入れなくて良いですよ」と伝えていました。まず「みんなの声と表情を見たいから」ということで始めたんです。なので、美波ちゃんは素直に「みんなとコミュニケーションを取ろう!」と思って現場に来たら、みんなが意外とガチモードで、「私が座長なのに…」と、ちょっとショックを受けていました。 浜辺さんでも、セリフが少なかったのでギリギリ助かりました。(登壇者の皆さん:笑) MC赤楚さんは、印象に残ったエピソードありますか? 赤楚さん皆さん、結構差し入れをくれました。特に印象に残っているのは、ちょっと暑い日の撮影の時に、佐野キュンがね、アイスの差し入れをくれました。 佐藤監督キュンなだけに! 佐野さんキュンなだけに(笑)?! 赤楚さん佐野キュンだけに、キュンとしましたね。 佐野さんシンプルに僕が食べたかっただけです。「一人だけ食べていたら怒られるかな」と思って、みんなの分も買いました。 MC佐野さんの印象的なエピソードは? 佐野さん僕は、みんなで花火を見たことですかね。でも、僕はあまり見られなかったんですよ。(佐野さん以外の)五人だけで見ていましたね。 浜辺さん撮影所から見えた花火大会ね。 佐野さん花火大会の終わりの方に、「今、五人で花火を見ているらしいですよ」と言われて、「えっ、何の話!?」と思って、屋上に行ったら、みんながご飯を食べながら花火を見ていました。僕だけ、終わり際の合流でちょっと悲しかったです。 佐藤監督何? ハブられていたの?! 佐野さんはい! (登壇者の皆さん:笑) 山下さん違うよー。 佐野さんじゃあ、何か弁解してよ! 山下さん撮影が終わって休憩に入った途端に、佐野君がそそくさと一人だけ楽屋に戻ってしまって、たまたまなんです。 浜辺さんその時はまだ連絡網もなくて。 赤楚さんまだ連絡先を知らなかったんだよね。 佐藤監督連絡網があったの? グループLINE? 佐野さんはい。 佐藤監督やめて、僕だけハブくのー! そういうのはやめてよ!(登壇者の皆さん:笑) MC山下さんのエピソードはありますか? 山下さん会議室でのシーンです。二、三週間くらい、毎日朝から晩まで撮影をしていました。その時に六人で同じ前室で、ずっと一緒にいたので、いろいろなお話ができて、仲良くなりました。佐野くんがゲームを持ってきてくれて、すごく仲良くなれました。 佐野さんでも、そのゲームは一回も使ってくれませんでした。(登壇者の皆さん:笑)みんなが「ゲームがしたい」って言うから、家から選んで持ってきたのに、みんなは「ありがとう!」とは言うけれど、誰も遊んでくれませんでした。(撮影が)終わってから、僕一人で片付けて寂しく帰りました。それについても弁解してください(笑)。 赤楚さん今日の佐野くん、かわいそうだね。大丈夫? 佐野さんギリギリ大丈夫です! 佐藤監督もしかしてハブられていた? 佐野さん監督と僕だけハブられていました(笑)! 佐藤監督仲間じゃん!(登壇者の皆さん:笑) MC倉さんのエピソードはありますか? 倉さん一人一人見せ場みたいなシーンがあるんですが、その撮影の時は毎回ちょっとピリピリしていました。でも、普段はとても和やかで、楽しい現場でした。 MCグループ連絡網ができるくらい、皆さん仲良くなられたということでしたよね。 赤楚さんでも、本作も公開されることですし、解散しますか? 佐野さん何で?! 浜辺さんグループメッセージを返してくれない人いるんだよ! 赤楚さん(浜辺さんに向かって)頑張っているけれど、ね。 佐藤監督美月さんじゃないの? 既読スルーな感じがする。 浜辺さんそう! 撮影中はすぐ返してくれていたけれど、最近忙しいからかな。 山下さん返しているよ(笑)。でも、みんなの会話が早すぎるんだよ。「本当に仕事をしているのかな?」っていうレベルで連絡が来るので、メッセージが何十件も溜まってしまうんです。…ちゃんと参加します(笑)。 MC西垣さんは何か印象的なことはありましたか? 西垣さん仲良くなりすぎて、真面目なシーンを撮っているのに何か面白くなってしまうことがありました。一人がツボに入ってしまうと、それがみんなに伝染して、ちょっと時間がかかってしまう時がありました。 MC浜辺さんが首を傾げていますね? 浜辺さんあったけ? 西垣さんあなたです! 浜辺さん何気ない、ただホワイトボードに一文字書くだけの手元のショットなのに、ケタケタ笑ってしまうことがありました。二回ぐらいだよね? 赤楚さんそうだね。今日もあったよね? 佐藤監督取材中もそうなっちゃうのはどうなの? (登壇者の皆さん:笑) 浜辺さんごめんなさい。 MC本作は、怒涛のどんでん返しで一秒たりとも目が離せない作品になっておりますが、「ぜひここに注目してほしい!」というポイントをうかがいたいと思います。 浜辺さん先ほど倉くんが話してくれましたが、大半のメンバーが、目が血走って、「血管が切れるんじゃないか?」と思うくらい、強い目をする見せ場があります。その時の目力がすばらしいです。「この目を向けられたくないな」と思うような瞬間があるので、見逃さずに観てください。 赤楚さん犯人を探すのも良いですが、各キャラクターが、それぞれ特徴や、過去を持っているので、皆さんも共感しやすいキャラクターがいると思います。また、別のキャラクター目線で観てみるのも楽しい作品だと思います。 佐野さん会議のシーンに注目してほしいのは、皆さん分かっていると思いますが、会議が始まる前の、僕たち六人が打ち合わせをするシーンにも注目してほしいです。そこには監督のむちゃぶりのアドリブがあったりするので、注目してほしいです! 西垣さんぜひ! 監督から「何かやってよ」「何か面白いことやってよ」と言われて、頑張りました(笑)。 佐藤監督そんなひどい演出しないよ! すべて台本通りです(笑)。 山下さん私たち六人が最初にファミレスに集まって、それぞれ自己紹介をするシーンが本作のクランクインでした。まだしゃべったことがない状態だったので、リアルな気まずさや距離感が出ていると思います。そのシーンと会議室でのシーンを比べると、みんなの顔つきが全然違っているので、その違いに注目していただきたいと思います。 佐藤監督僕が、倉くんの芝居で一番好きなところは(言い方を真似て)「何度でも言う」ってところです。あそこが大好きです。佐野くんの一番好きなところは(言い方を真似て)「なぁ!」って言うところです。 MC監督のポイントが、ピンポイントすぎるんですが、ぜひご注目ください。では、倉さん、どうぞ! 倉さん水がたくさんかかるシーンですね。そこは、西垣くんと二人で相談して生まれたんですが、本作には珍しくダイナミックなシーンになっていると思います。ワンシチュエーションなので、なかなかできることがないんですが、唯一水があって「何かアクションに使えたら良いよね」と話して、現場で生まれたシーンでした。 西垣さん僕は、会議室で最終面接をする前に、みんなで飲み会をするシーンです。そこが「ザ・大学生の飲み会」という感じがしました。皆さんが一度は経験したことがあるような、騒がしい飲み会のシーンになっているので、共感が得られると思います。推しポイントです。 佐藤監督ちなみに、僕が美波さんの一番好きなところは、最後の表情です。あと、ちゃんと意味のある手の挙げ方も好きです。赤楚くんは、(甲高い声で)「九賀くん!」って言うところです。 赤楚さんあ、分かった! かなり誇張されていますが(笑)、僕が全身全霊をかけたお芝居になっています。 佐藤監督美月ちゃんの好きなところは、(言い方を真似て)「何どさくさに紛れて…!」って言うところです。その後に続くセリフも表情も含めて好きです。西垣くんの好きなところは、(言い方を真似て)「俺はな、もうなダメだ」って言うところです。現場でも、「何か訛っていない?」っていう話になったんですが、でもOKになったそのシーンが好きです。 MC本作にちなんで、皆さんの忘れられない「嘘」についてのエピソードを教えてください。 赤楚さん(挙手して)まず、トップバッターいきます!僕、エイプリルフールに、友だちに「一万円拾ったんだよ。」って嘘をつきました。そしたら、その日に一万円を拾ったっていう…嘘です。 佐藤監督これも嘘なの?! 赤楚さんはい、今嘘をつきました。(登壇者の皆さん:ざわつく) 浜辺さん私、右足にすごく大きい青タンがあるんです。もう緑色で、これからモリゾーとキッコロになるんじゃないかみたいな青タンがあります。それを、他の現場では「最近、転んじゃったんです。」と言ったんですが、実はでんぐり返しをして、できました。すみませんでした。 佐野さんえ、でんぐり返しで、青タンができたの? 浜辺さんはい。後転ができると思ったら、ちょっと背中が硬くて…、足が思ったところに行かなくて、ぶつかってしまいました。痛いんですが、正直に言うのは大人としてどうなのかと思ったので、隠しました。佐野さん僕は、小学校の時にお母さんとお父さんにテストをいっぱい隠しました。「テスト返ってきたの?」って聞かれても、「返ってきていない。先生が忙しいんだって」って噓をついて、机の中に20枚ぐらいためていました。すみません。 山下さん私は、ファンの皆さんについていたハッピーな嘘があります。私は、以前は髪の毛が今より20センチぐらい長かったんですが、実は髪を切ったことを今日までずっと隠していました。ロングヘアの写真を撮り貯めして、ファンの皆さんにはそれを送っていました。客席に私のファンの方がいたら、「(髪が)短くなっている!」と思ってくれるかなという、サプライズ嘘です。ぜひネットニュースなどにお願いします(笑)。 倉さん僕は、プロフィールに身長173センチって書いているんですが、実は171センチしかなかったんです。でも、今年173センチになりました!(会場:拍手) 佐藤監督成長しているってこと? 倉さんそうです! 今日は厚底靴で少しだけ盛っています。 西垣さん僕は、最近ゴルフを始めたんです。それで、赤楚くんからお誘いをいただいて一緒にラウンドを回りました。僕は「始めたばかりだから、上手じゃないよ」って言ったら、赤楚くんが「僕も大して変わらないから、一緒に行こうよ」って言っていたのに、行ったらボコボコにされました(笑)。 MC騙し騙されのエピソードでしたが、皆さんは騙されやすい方ですか?「自分は騙されやすい」と思う方、手を挙げてもらっても良いですか? 挙げていないのは、山下さんと倉さんですね。 山下さんそうですねぇ。浜辺さん「六嘘」の舞台挨拶だから、私たちも何か騙されるんじゃないかと思って、ずっと怖かったんです。だから、今日は誰も信じていませんでした。 MC最後に、代表して浜辺さんからご挨拶をいただきます。 浜辺さん今日は、どんなサプライズというか「嘘」が待っているんだろうとすごくドキドキしていました。でも、何事もなく無事に皆さんに本作を観ていただけるようで、とてもうれしいです。本作は、昨年の九月から撮影を始めて、一カ月半と言う短い撮影期間でした。皆さんに最後まで楽しんでいただけるようにと、六人でミステリーの難しさ、そして、原作が素晴らしいからこその難しさに向き合いました。予告編では、すごくバチバチしていましたが、六人で協力して、監督やスタッフ、キャストの皆さんに導いていただいて、作品を作りました。本作でこの六人がつく嘘には、嘘、偽りはございません。最後まで、この六人の嘘を楽しんで、ドキドキしてください。本日は、本当にありがとうございました。
-
『おいハンサム!!』DVDmovieクスッと笑えて、お腹もすく―「恋」と「家族」と「ゴハン」をめぐる新感覚コメディ!TDV34280R/2024年度日本映画放送株式会社©2024 映画「おいハンサム!!」製作委員会映画『おいハンサム!!』DVD
-
映画しまじろう『しまじろうと ゆうきのうた』2025年3月14日(金)公開 配給:TOHO NEXT©Benesse Corporation 1988-2024/しまじろう ©上海合源文化传媒有限公司
-
「すずめの戸締まり」大ヒット舞台挨拶「すずめの戸締まり」公式サイト「君の名は。」(2016年公開/主演:神木隆之介・上白石萌音)「天気の子」(2019年公開/主演:醍醐虎汰朗・森七菜)に続く新海誠監督三年ぶりとなる最新作「すずめの戸締まり」が11月11日より公開となり、17日までの7日間で興行収入27.7億円、観客動員数200万人を突破する大ヒットを記録しています。11月18日には東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで大ヒット舞台挨拶が開催され、原菜乃華さん、松村北斗さん、新海誠監督が登壇しました。日本全国から届いた本作への熱い感想をつづったメッセージボードを背景に、全国343館に向けた生中継舞台挨拶に臨みました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートいたします!大ヒット舞台挨拶新海誠監督岩戸鈴芽役原菜乃華さん宗像草太役松村北斗さん新海監督六本木の皆さん、お越しいただき本当にありがとうございました。そして(中継)カメラの向こう、スクリーンの向こうにいらっしゃる全国の皆さん、僕の地元の長野県の皆さんも観ていらっしゃると思います。今日は楽しい時間にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 原さん本日はお越しいただき、本当にありがとうございます。全国343ものスクリーンで、たくさんの方が「すずめの戸締まり」を楽しみに観に来てくださっていることがすごく嬉しいです。 松村さん343というとすごい数字ですし、皆さんの上映前の大切な時間をいただくので、この後に上映される「すずめの戸締まり」がもっとワクワクするような、そういう時間にできたらと思います。僕の地元の静岡でも(中継を)観ていると思うと、嬉しいです。もちろん343スクリーン、全ての皆さんのために楽しい、ワクワクする時間にしたいと思います。 MC嬉しいニュースが入ってきています。公開されてからまだ7日ですが、この7日間でなんと全国200万人の方に本作をご覧いただきました。 新海監督200万という数字は、ちょっと信じられない数字ですね。僕が昔アニメーション映画を作り始めた時、50人で満員になる映画館で上映したんですね。50人の方に拍手をいただいただけで、人生が変わったような感じでした。それが、200万というのは、言葉にならないですね。隣を見ちゃうな(笑)。200万人という数字はどうですか?(原さん、松村さんの方を見る)松村さん200万というと、皆さんが今、手に持っている(入場者プレゼントの冊子)「新海誠本」が300万名様限定なので、いよいよ在庫切れが見えてきています。 原さん「新海誠本」すごく濃い内容なので、皆さんに手に取ってもらいたいです。それに、プラスで作ってもらいたいですね。 MC「新海誠本」の増刷希望が入りました(笑)。さて、本日は皆さんの後ろに、何やら幕がかかったものがあります。早速オープンしてみましょう! ■ベールが外されると、熱い感想がつづられたメッセージボードがお目見えしました。登壇者の皆さんから「おー!」と驚きの声、会場からは拍手が上がりました。 MCこれまでに本作をご覧になった皆さんからの感想をお届けしたく、このようなメッセージボードをご用意いたしました。ぜひじっくりとご覧ください。 ■登壇者の皆さん、メッセージボードの感想に見入る。 原さん「ポテトサラダ気になる…」という感想があります(笑)。新海監督「顔面と声が良いお兄さん二人も」という感想も。 松村さんこれなんて、作品の大事なことじゃないですか。「何気ない『行ってきます』の言葉にも重みを感じました」と書かれています。 新海監督そうですね。「圧巻だった」とか「ありがとう」とか、こういった短い言葉にもちょっと泣きそうになります。嬉しいです。 松村さんあ、僕と同じ感想が! 「エンドロールの時に、この映画を作ってくれてありがとうと本当に思った」これは、分かりますね。新海監督嬉しいなあ。「もう一回観たいけど、ものすごい体力使う」という感想も…。すみません、何か…。(登壇者の皆さん:笑)。 松村さんでも、もう一回観たくなるんですよね。 新海監督これも嬉しいですね。「監督はどうしてこうも毎回等身大のヒロイン感半端ない女の子を見つけられるんだろうか」と書いてあります。原さんありがたいです。新海監督の演出のおかげです。 新海監督いえいえ、とんでもないです。 松村さん語彙力を失っている方がいますよ。「もう好き、全部好き」って! 原さん分かります! 松村さん分かりますね。 原さん「今、現在を精一杯生きなきゃと思わせてくれる映画でした」という感想もあります。シンプルだけど、すごく素敵な言葉ですね。 新海監督せっかくですので、ここにいらっしゃる皆さんにお伺いしたいんですが…。「今日これから本作を初めて観る」という方はどれくらいいらっしゃるんでしょうか?(手を挙げた人は少数) ということは、二回以上観たという方が多いということですよね。ありがとうございます。「三回以上観たよ」という方もいらっしゃるんでしょうか。(あちこちから手が挙がる) ありがとうございます。嬉しいですね。 松村さんうわあ…すごい! 新海監督ありがとうございます。 MC原さん、松村さんに、周りの方からは反響が届いていますか? 原さん今までお世話になった先輩方や友だちもみんな、「本当に面白かったし、もう一回観たくなる作品だった」と言ってくれました。普段はアニメーションをあまり観ない方も「『すずめの戸締まり』は本当に面白かった」と言ってくれて、みんなにとってすごく特別な作品になっているんだと肌で感じて、とても嬉しい瞬間でした。 松村さんこの六本木の会場もそうですが、客席を見ると、男性から女性、お父さんお母さんお子さんまでいて、343のスクリーンがきっとそういう状況なんじゃないかと思います。昨日、おとといと、神戸、大阪を周り、自分で劇場に足を運んで感じたのは、いろいろな世代、いろいろな育ち方をしてきた方が、映画を観終わった後に皆さん同じような顔をされていました。何よりもそれが、言葉を超えた反響かなと感じています。きっと皆さんも、上映が終わった後には隣の人と同じ顔をしているんじゃないかと思います。 MC劇中では鈴芽と草太が全国を旅していますが、松村さんが今おっしゃったように、皆さんも神戸、大阪に行かれたんですよね。 新海監督そうなんです。全国キャンペーンの最初ということで、まずは関西にお邪魔しました。新幹線に乗って、鈴芽と同じルートで神戸駅に行きました。劇中にも神戸駅が出てくるんですが、(鈴芽たちと)同じホームに降り立って、新幹線の改札を出たらびっくりしましたよね。 松村さん驚きましたね。 原さん「すずめの戸締まり」のスタンディ(宣伝用のパネル)があったんですよね。 新海監督改札を出たところに置いてあって、思わず三人で写真を撮りました(笑)。神戸駅の駅長さんが大変(本作を)気に入ってくださったということでした。鈴芽とあるキャラクターが駅前で抱き合うシーンがあるんですが、そのシーンに合わせて飾ってある花の色も変えてくださっていました。現実と本作が混じったような感じがして、幸せでしたね。 松村さんすごい瞬間ですよね。 新海監督お二人の思い出はありますか? 松村さん今回はそうやって写真を撮ったり、劇場に駆けつけたりしました。過去に仕事などで訪れていた地とはいえ、「すずめの戸締まり」で訪れるとまた全然違う雰囲気がありました。(劇場で)皆さんの表情が見られたこともあり、すごく新鮮な気持ちがしました。 新海監督舞台挨拶をみんなで一緒にやっていると、菜乃華さんをじっと見ているお客さんとか、北斗くんをずっと見つめているお客さんとか、本当にすごく小さなお客さんもいました。一生懸命に手を挙げて質問していましたよね。 原さん緊張して、なかなか言いたいことがうまく言い出せなかった小さなお子さんに、松村さんが素敵なフォローをされていました。監督と「素敵だね」とお話をしていました。 新海監督(小さなお子さんが)なかなかしゃべれなかった時に、(松村さんが)「なんて素敵な待ち時間なんだろう」とおっしゃって。「さすがだな!」と思いました。 松村さん(照笑)。新海さんの紳士ぶりを受け継いで、ちょっと真似をしようと思ったところが大きいです。 新海監督いやいやいや…(照笑)。でも本当に、いろいろな劇場の方々がこの作品を届けてくださっているんだと、劇場に入った瞬間に分かりますよね。劇場の方の手作りのものが、たくさん飾ってあったりして…。 原さん似顔絵とかも、すごかったですね。 新海監督僕たちの滞在時間は一瞬なのに、何日もかけて作ってくれたんだと思います。 松村さん地元の中学生の方が描いてくれた絵も飾ってありましたね。(原さんの方を見ながら)写真を撮る手が止まらなかったですね。 原さん写真、止まらなかったです。 新海監督関西だけではなく、僕たちはこれからいろいろな場所に行きます。お二人が一緒の場合もあるし、僕が一人で行く場合もありますが、まずは静岡、名古屋にお邪魔して日本全国に行きます。(中継)カメラの向こうにいらっしゃる方とも、もしかしたら直接お目にかかれるかもしれませんね。楽しみです。 原さん&松村さん楽しみですね。 松村さん反響によっては、行く場所が増えていく可能性も…なくはないですよね? 増えてほしいですね。 原さんそうですね。 MCお客さんの盛り上がり次第かもしれませんね。こうしてプロモーションをやっていると、オーディションが懐かしく思われますね。 新海監督そうですね。メディアなどで「原菜乃華、松村北斗、アニメーション声優初挑戦」と書かれることがあるんです。それはもちろん嬉しいんですが、「そうじゃないんだよな」と思うこともあります。僕は二人の初挑戦がほしかったわけでも、初めての人がほしかったわけでもありません。僕は二人がほしかったんですよね。菜乃華さんと北斗くんに、鈴芽と草太をやっていただけることが、この作品にとって、とても重要でした。本当にガチでオーディションで選んだので、いろいろな人と戦っていただいて、選ばせていただいたんです。技術がうまいとか、芝居ができるとか、そういうことも大事なことではあるんですが、やはりうまいだけでは面白い作品にならないんですよね。そうではなくて、鈴芽と草太のように不安を抱え、「自分で良いのだろうか」と悩みながら、なんとか作品を完成まで導いて、(作品を)作り終わった後も一緒に届けてくれる人がほしかった。そういう人たちがこの二人なんだということを、オーディションを通じて感じました。そして、アフレコを二カ月くらいやってきましたね。原さん私は合格発表がサプライズ発表だったんですが、とにかく頭の中が真っ白になってしまいました。もちろんすごく嬉しい気持ちもあったんですが、それ以上にやっぱり不安や重圧みたいなものが一気に押し寄せてきて…。立っていられないと思って、その気持ちは一旦扉に閉じ込めて、アフレコに向けて練習をして、台本を開いていた日々でしたね。 新海監督北斗くんも不安そうだったよね。 松村さんはい。もう隠すことなく、不安を出しましたね。あの一番不安だった瞬間に「もしこれを聞いたらすごく安心しただろうな」と思うのは、最近新海さんが話してくれた言葉です。オーディションで僕らを見つけたのは、「子どもを見つけるよう」という言葉が、すごく温かくて、いまさらながら安心しました。 新海監督もっと早く言えば良かったね(笑)。脚本、セリフも全部僕が書いたものなので、子どものようなものなんです。(オーディションで)1000人の候補がいたとしても、(芝居を)聞いてすぐに分かるんですよね。自分の子どもであれば見分けられるように、見分けることができる。これが他人の作品だったら、きっと僕はそういう目は全然ないと思います(苦笑)。でも、自分のものだと「この人たちは、僕たちの作品にとって大事な人だ」というのが最初にすぐに分かりました。アフレコのお話になったところですし、今日はせっかくこの場に皆さんがいらっしゃるので、久しぶりにアフレコをやりませんか? 松村さん覚悟はしていました(苦笑)。 原さんはい(苦笑)。 新海監督おとといぐらいに、急遽、台本を書いたので…。 松村さん届きました、突然。おとといの夜、突然データが送られてきて…。「台本!?」と驚きました。「もう公開しているのに!」って。 新海監督じゃあ、やりましょう! ■マイクスタンドや台本が運び込まれ、生アフレコの場が用意される。 松村さんちょっと落ち着かないので、実際にアフレコをやっていた時の立ち位置に変えても良いですか? 新海監督そうしましょう。ここがアフレコスタジオだとすると、こういう並びですね。 ■ステージをアフレコスタジオに見立てて、ステージから見て一番右手に新海監督、真ん中に松村さん、左に原さんが並びました。 MC会場の皆さんは「何が起きているんだ」「まさかやってくれるのか」という気持ちだと思います。これはなかなか見られない、貴重なものになると思います。 新海監督これは、どうしてこの立ち位置なんですか? 松村さんそういえば、理由はなかったですね。同じ日にクランクインして、二本のマイクが並んでいて、 お互いに直感でこう並んだ感じでしたね。僕、驚いたことがあるんですが、アフレコが進んでいく途中で新たなポスタービジュアルが出たじゃないですか。そのポスターの鈴芽と草太は、この(アフレコ現場と同じ)並びだったんです。新海監督確かにそうですね。もしかしたら、僕の中にそのイメージがあったのかな。 原さんこの並びはしっくりきます。 新海監督アフレコスタジオだと二人の目の前に大きなスクリーンがあって、絵に合わせて二人がお芝居をするんです。ここには(監督とキャスト二人の間には)分厚いガラスがあって…。僕はスタッフと一緒に、コンソール(コンピュータの制御卓)越しに二人に指示を出しているんです。ですので、芝居をしている時の二人のお顔というのは、僕からは見えないんです。今日は皆さん、お得だと思います。僕も一緒にそっちで(生アフレコを)見たいくらいです(笑)。 松村さんアフレコ中、誰にも顔を見られたことないですもんね。 原さん恥ずかしいですね。松村さん(アフレコ現場では)一つ終わると、僕が一歩引いて二人で新海監督の方を見ていました。 新海監督不安そうな目でこっちを見ていましたね(笑)。 MC今から披露されるシーンは、どのような場面になりますか? 新海監督これから初めて映画を観る方もいるので、ネタバレにならないように、詳しい解説はしません。ただ草太という青年は“閉じ師”という役割を持った青年で、扉を閉じなければいけないわけです。扉からあるものが出てくるので、草太が扉をグーっと力を入れて閉めようとしているところからスタートします。それを助けるために鈴芽が遠くから駆け込んでくるという流れになります。ちょっと短いシークエンス(シーン)ですが、じゃあ行きましょうか。準備は大丈夫ですか? 原さん&松村さんはい! 新海監督3、2、1、キュー! ■生アフレコがスタート! 松村さんううっ…くっ…。 原さん草太さん! 松村さん君は死ぬのが怖くないのか! 原さん怖くない! 松村さんかけまくもかしこきヒミズの神よ。遠つ御祖のうぶすなよ。久しく拝領つかまつったこの山河、かしこみかしこみ、つつしんで…今だ! 原さんお返しします! ■熱のこもった演技に会場から大きな拍手が上がる。 新海監督ありがとう! とっても素敵でした。これをひたすら二カ月間やってきましたよね。 松村さんいやあ…これだけの方に見られていると、全然上手にできませんでした…。 原さんそうですね。どんな感じだったか分からなくなりますね(苦笑)。 新海監督いやいやいや、とても素敵でしたよ。こういう風にやりながら、たとえば「怖くない!」という言葉は、「菜乃華さん、裏声になっても良いから、もう一つトーンを上げてみましょうか」というオーダーを出しましたね。あるいは「かけまくも」の最初の「か」は「もっと苦しそうに行きましょうか」とか、何度も何度も話し合いながら繰り返していきましたね。 松村さんこの中に、オーディションにあったセリフもありますね。苦しかったこともいっぱい思い出します。それでもやってこられたのは、新海さんがものすごく的確かつ、温かく人間を包み込むようなディレクションをしてくれたからです。それが全てですね。 新海監督いえいえいえ。「もう少しこういう風に言ってみて」とか、「もう少し暗く」「明るく」など、二人のいろいろな扉を開け閉めして「これかな?違うかな?」みたいな感じで、たくさん扉を開けさせていただきました。だから、疲れたんじゃないかと思います。 松村さん必ず褒めてくれるんですよね。 原さん細かくシーンを割って録っていくんですが、そのブロックが終わるごとに、(新海監督が)「すごくすてきなお芝居でした。ありがとう」と言ってくれるんです。お芝居をして、一日に何回も「ありがとう」と言ってくださるので、「こちらこそありがとうございます」という気持ちでした。 新海監督こちらこそありがとうございました。 MC公開後にアフレコをやるとは全く思っていなかったと思います。 松村さん本当ですよ。もう上映してるのに…(苦笑)。 原さんうまくできるか不安でした。 松村さんでも、これで少しでも皆さんがこの後の上映を楽しみにしていただけたら嬉しいです。 MCアフレコの立ち位置が決まっているというのも、面白いですね。 松村さんそうですね。一度も変えませんでしたね。 新海監督そうですね。一度違う立ち位置でやろうとしたら、すごくやりにくそうでした。「変えて良いですか」と言われました。 松村さんやりましたね。 新海監督「そうか、そういえば決まっていたな」と、その時に初めて自覚しました。 松村さんたしか、その時は違うスタジオでやったんでしたっけ。流れで(いつもとは違う立ち位置のまま)スタジオに入って、違和感を覚えました。「もしかして逆ですかね」という話をしましたね。 新海監督あと、このメッセージボードにもドライブシーンのことや、「顔の良い男二人」というコメントなど、芹澤のことが結構書いてあるんですよね。みんな芹澤のことが好きなんだなと思って、嬉しいです。芹澤を演じている神木隆之介くんと北斗くんは、お友だちだったりするんですよね。原さんは、(神木さんと)一緒にお芝居をしたのは初めてでしたね。いかがでしたか? 原さん本当に優しかったです。すごく緊張したんですが、まず最初に「『君の名は。』が大好きです」とお伝えしました。お芝居のアドバイスをいただいたり、たくさん勉強をさせていただきました。好きなアニメーションの話など、オススメを教えていただいたりもしました。 新海監督北斗くんは、実は今回、一度も一緒に芝居はしていないんだよね。 松村さんそうなんですよね。実はつい三日くらい前に、偶然同じスタジオにいて、お会いしました。忙しくて、まだ本編を観に行けていないらしいんですが、自分が演じた芹澤を不安そうに「大丈夫だったかな」「あれで良かったのかな」と心配されていました。 新海監督神木くんらしい(笑)。数日前に神木くんが会いに来てくれました。僕も実は、本作が公開されてから、ずっと不安で怖くて怖くて、あまり眠れない日々が続いているんですが、一人で居酒屋のカウンターで飲んでいたら、(神木さんから)「監督は今、何をしているんですか?」というLINEのやり取りがありました。「一人なんですか? 今から行きますよ」って…。カウンターで横に座りながら、「すずめ」の話をしました(笑)。これから観る方には、芹澤というキャラクターも楽しみにしていただければと思います。神木くんとちょっと重なるところがあって、押し付けがましくなく、それでいて包み込むようなものを持っている面白いキャラクターです。 MCそれでは、最後のメッセージをお願いします。 新海監督これから二時間の映画を観る前に、長い時間お付き合いいただき本当にありがとうございました。映画を楽しんでいただければ良いなと思います。この映画は、RADWIMPSの野田洋次郎さんからもらった曲(カナタハルカ)の歌詞にある「僕にはないものでできてる 君がこの僕を形作ってる」、そういう映画のような気がしています。ここにいる二人の素晴らしいキャストもそうですが、素晴らしいアニメーターたち、ビジュアルを作ってくれた人、音楽を作ってくれた人たち…。そういった僕じゃない人たちの力で、出来上がった作品です。僕じゃないものの中には、本作を観てくださる皆さんも含まれていると僕は勝手に思っています。ずっと映画を作ってきて、「次はこういうものを観たい」という言葉が皆さんから聞こえてきたような気がして、「すずめの戸締まり」を作ったような気がしています。気に入っていただけたら、「この作品は私も作るのにちょっと手を貸したんだよ」みたいな気持ちでまた応援していただければ、とても嬉しいです。 松村さんまずはこの後の上映をぜひ、楽しんでください。改めて映画「すずめの戸締まり」が、このスクリーンから皆さんの元へと旅立ちます。「行こう、鈴芽さん!」 原さん「行ってきます!」(会場:拍手)
-
「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」公開直前!SPファンミーティング「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」公式サイト青山剛昌著の原作漫画の連載が30周年を迎え、劇場版シリーズの累計興行収入も1180億円を超えるなど、勢いを増すばかりの「名探偵コナン」。今年も劇場版最新作となる第27作目「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」が、4月12日に公開となります! “月下の奇術師”の異名を持つ怪盗キッドから、北海道・函館の財閥が所蔵する「新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀を狙う」という予告状が……。犯行予告当日、函館で開催される剣道大会のために、現地を訪れていた西の名探偵・服部平次とコナンが、キッドの変装を見破り追い詰めるも、そこに刀に関係する殺人事件やキッドの命を狙う謎の剣士の影も迫ってきて……。 4月7日、コナン史上初となるファンミーティングをベルサール渋谷ファーストにて開催し、レギュラー声優の高山みなみさん、山崎和佳奈さん、山口勝平さん、堀川りょうさん、ゲスト声優の大泉洋さんが出席しました。春の桜吹雪が舞い散る中、360度見渡せるセンターステージにてトークイベントを行いました。最新映像と最新情報を発表した、こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。公開直前!SPファンミーティング江戸川コナン役高山みなみさん毛利蘭役山崎和佳奈さん怪盗キッド役山口勝平さん服部平次役堀川りょうさん川添善久役大泉洋さんMC劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」がいよいよ来週4月12日に公開を迎えます。先日、怪盗キッドの手によって本作のフィルムが盗まれてしまいましたので、コナン史上初、事前の試写会が一切ございません。ただ、本作の公開を心待ちにしてくださっているファンの皆さんに感謝の気持ちを込めて、豪華キャストによるファンミーティングを本日させていただく運びとなりました!本日、この場で初公開となるスペシャルな映像をお持ちしましたので、まずはこちらをご覧いただきたいと思います。(会場:歓声と拍手) ■スクリーンに最新PVが流れる。 MCそれでは、劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」キャストの皆さんにご登場いただきましょう。皆さん、盛大な拍手をお送りください。今回は、ファンの皆さんに360度囲まれてのイベントとなります。高山さん皆さんこんにちはー! 会場の皆さんこんにちはー! 高山さんいいねぇ。声が出せるようになると、こういうのが楽しいよね。全国から見ているみなさーん!(大きく手を振る) 今日は初めてのファンミーティングです。楽しんでいってください。 山崎さん初めてこんなに長いランウェイを気持ち良く歩けて、何だか気分はガールズコレクションでした(笑)。短い時間ですが、楽しんでいってください。 堀川さん(服部平次の声で)「オレが西の名探偵・服部平次や!」こんにちは。今日は思いっきり楽しみましょう! 山口さん(怪盗キッドの声で)「レディース&ジェントルマン!さぁ、ショーの始まりだぜ」公開直前でワクワクしますね。この時間を楽しいものにしていきましょう! 大泉さん「オレが川添善久だぜぇ。全員逮捕するぜぇ。」……全然キャラクターが分からない(笑)!今、参加したことのないイベントにやってきたというアウェイ感でいっぱいです。よろしくお願いします。 MC今回は、試写会を行わない代わりにファンミーティングというイベントになりましたが、率直に今いかがですか。 高山さんすごくうれしいですが、試写会がないので自分もまだ観ていないんです。(会場から驚きの声)なので、皆さんと一緒で本作の上映を楽しみに待っている状態です。 MC先ほど初公開のPVを皆さんにもご覧いただきました。アフレコから今にいたるまで、いかがでしょうか。 高山さん結構時間が経っているようで、実はあっという間で、短かったですね。みんなと一緒で、今が一番、絶好調にドキドキです。 山崎さん私はつい数日前に試写室で観ました。だいぶ前にアフレコをしたので、ちょっと内容を忘れているところもありました。なので、改めて本作を観ると、すごく情報量が多い作品だと思いました。最後まで観たら「皆さんはどう反応するんだろう?」と思うお楽しみのシーンが盛りだくさんでした。 MCそれは気になるお言葉ですね。蘭ちゃんといえば、前作の「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」では、とんでもないアクションもありましたが、今作では? 山崎さん私は、個人的に時代劇とチャンバラが大好きなんです。本作を観たら、ことのほかチャンバラのアクションシーンが多くて、蘭は戦うとしても徒手空拳(としゅくうけん:手に何も持っていないこと)なので、この拳が武器ではあるんですが、すごくうらやましかったです。刀との二刀流とかやりたいなぁと思いながら観ました。なので、今回は戦うというよりも、服部くんと和葉ちゃんの恋を応援しています。 MCそういった蘭姉ちゃんの活躍が観られるということですね? 高山さんでも、驚きのシーンあるよね? 山崎さんはい! もう驚きだらけです。 高山さんねっ! MC堀川さん、「から紅の恋歌(からくれないのラブレター)」以来となりますので、映画のイベントも久しぶりかと思います。 堀川さんすごく興奮しています。皆さんの熱い応援を生で感じられるのは良いですね。最高のイベントだと思います。今回は、いろいろなとんでもないところで戦っています。ぜひチャンバラとアクションシーンもお楽しみいただければと思います。あと、今回恋愛面では蘭ちゃんに助けてもらっています。楽しみにしていてください。 MC特に怪盗キッドとは因縁といいますか、対決はいかがでしたか? 堀川さんキッドとは、これまであまり深く関わったことがなかったんです。今回が初めて服部とがっぷり四つというか、そういう感じで冒頭から熱く戦っています。 MCほかに平次の注目してほしいところは? 堀川さん例によって、平次くんは熱いですからね。まっすぐなところをぜひぜひ観ていただければと思います。アツくなってください! MC山口さん、怪盗キッドの登場も5年ぶり、「紺青の拳(こんじょうのフィスト)」以来となります。今日はキッド様と同じ衣装でお越しいただきました。(会場:拍手) 山口さんキッドはやはりカッコ良いですからね。登場は5年ぶりですか。キッドは割とオリンピック周期くらいでコナンの映画に呼んでもらっているので(笑)、「あー、またこの時期が来たかあ」と思って、今回も張り切ってやらせてもらいました。 MCコピーにも「ついに明かされるキッドの真実」とあります。キッドの様々な表情が観られる作品だと思います。 山口さんそうですね。観られますよ。僕もみなみさんもよく取材で話していましたが、台本を最後まで読んだ時に、普通に「えー!」って声が出ました。あまりに驚きすぎて話の中身が飛んじゃって、「もう一度読み直そう」ってなるくらいの、結構衝撃的な真実が語られます。そちらもお楽しみにしていただきたいと思います。たぶん劇場で観た人もきっと声が出ると思うので「あぁ!」と思った時は声を出しちゃって良いですよ(笑)。「出しちゃダメなのかなぁ」とか気にせずに「あー!」とか「えー!」となっちゃっても良いと思います。 MC先日、ゲスト声優の大泉洋さんと函館に行かれてPRをしていただいたと聞いております。大泉さんの印象はいかがでしょうか。 山口さん大泉さんは、本当に楽しい方で、本当にこのままの方です。(会場:笑) ずっとバスの中では怪盗キッドの練習をされていました。(会場:笑) 大泉さんつい、ものまねをしちゃうものですから、勝平さんといるうちに、大体怪盗キッドができるようになりました。(会場:拍手) 山口さんそうなんですよ。できるんです。 MC今、お聞かせいただくわけには? 高山さん聞きた〜い! 大泉さんもう少しだけ待ってください。まだ盗んでいる最中なんです。今日こうしてイベントに参加して、改めて怪盗キッドの後ろ姿を見ると、結構な天然パーマだなと思いました。この感じは僕と似ていますね。MC後ろ姿がそっくりです。 大泉さんそうですよね! 背丈も同じくらいですし、 山口さんあ、本当だ。 大泉さんいよいよ私がキッド役をやったほうが…。(会場:爆笑) MC実写の際は? 大泉さん実写でしたら、全然私、怪盗キッド役で良いです! ほぼ同じ声が出せるんじゃないかと思います。 山口さんキッドなら、高いところから飛び降りないといけませんよ! 大泉さん(笑)。 高山さんそれに、高校生です! 大泉さんそんなこと言ったら勝平さんだって! 何でそんなこと言われなきゃいけないんですか?(会場:笑) MC函館イベントでは、山口さんといろいろなお話をされたのでしょうか。 山口さんもうあちこち、この辺をコナンくんが壊した、あの辺をコナンくんが壊したと…。 高山さんえーーー! 大泉さんコナンくんが函館市をめちゃくちゃにするんですよ。(会場:笑) ちょっと函館を破壊しすぎているんじゃないかと思うくらい。高山さん(コナンの声で)あれれ? 僕がやったのかなあ? 大泉さん何か、君しょっちゅうめちゃくちゃするでしょう! やたら飛ぶサッカーボールをパーンと蹴るとか! 高山さん(コナンの声で)それは、やります! 大泉さんすごく速いスケボーみたいなので! 高山さん(コナンの声で)ビューン!…良い子は真似しちゃいけません! 大泉さん危ないことばっかりしていましたよ、この人! 高山さんでも、破壊されたところは、すぐに鈴木財閥が直してくれますから! 山口さん修理していますから、大丈夫です! 大泉さん鈴木財閥やら、紅葉(大岡紅葉)とか、あの子もめちゃくちゃしますね。 高山さんはい。 MC北海道中をね! 高山さんめちゃくちゃな人が多い! 大泉さんこの人たち、みんなめちゃくちゃするんですよ。函館市を愛する人間としては、ちょっとだんだん腹が立ってきて…(笑)。 高山さんごめんなさい。それは本当にごめんなさい! MC魅力的なキャラクターがたくさんいるコナンですけども、大泉さんがオファーを受けた時のお気持ちをお聞かせください。 大泉さんやっぱり舞台が函館っていうところで、それはもう「やらせてください!」という感じでしたね。僕は北海道を舞台にされたら出るんです。逆にいうと、出ていなかったら「函館が舞台なのに、なんでいないんだろう?!」ってイラッとするんです。そうなったら、私は延々とマイナスプロモーションしますからね。(会場:笑) 今回、私が出ていて良かったですよ。もし出ていなかったら、初日に映画を観て速攻で全部バラしますよ。 高山さんやーだー(笑)! MC大泉さんが演じられた川添は、先ほどのPVにもありましたが、一見ドジながら容疑者について詳しくて、シリアスな一面もあるように見受けられました。演じられていかがでしたか? 大泉さんちょっとドジなところもあって、私に寄っている部分もあるなと思いました。これはいろいろと情報が出てきて、私の娘が言ったことなんですけれど、「名探偵コナンのキャラクターはみんなカッコ良いし、刑事もみんなカッコ良いのに、何でパパのキャラはあんな顔しているの?」(会場:笑) 「名探偵コナンでは、あんまり見ないキャラじゃない?」「パパがやるからこうなの?」みたいなことを、若干制作陣に対してチクっと言っていました。「みんなカッコ良いのに、パパのキャラだけなんか結構な顔しているよね」って。(会場:爆笑) 高山さんえ! かわいかったですよ。 山口さん味があって愛嬌のあるキャラクターでしたね。今回のキャラクターの中で一番好きです。 大泉さんあの、カッコ良くない人をギリギリ褒める時の言葉は「味がある」ですよね。それってイコールカッコ良くないって言っているのと一緒ですよ。味がある顔なんて、何も褒めちゃいねぇんだ(笑)! 高山さん何でそこマイナスになるの(笑)? 大泉さんいや、すみません! 私はついボヤいちゃうんです。 高山さん本当にかわいいキャラなんです。 大泉さんでも、ちょっとだけ、一瞬、カッコ良いところがあったりするんですよ! 高山さんあります! 大泉さん私がいなかったら、コナンくんが危ない目に……。 高山さんそうですね! ありがとうございます! 山口さんでも、「コナンくんを逮捕したかった」って、取材の時に言っていましたよね。 大泉さん僕は涙ながらにコナンくんを逮捕したかったんですよ。 高山さんえ? 何で(笑)? 大泉さん「コナン、お前を逮捕する…!」っていうシーンがほしかったんですよ。 高山さん(コナンの声で)ボク、何か…やりましたか? 大泉さん何もしていなくても逮捕したいんです(笑)! MC大泉さんの演技はどうでしょうか。 堀川さんすごく馴染んでいて、自然で素晴らしかったです。カッコ良かったです! 大泉さん(小声で)いえ、そんなやめてください。(会場:拍手)今日この会場まで来るのに、キャストは一台のバスに乗ってきたんですよ。こう言っちゃ何ですが、私はだいたい一台の車で一人で来るわけですよ。でも今回は「こちらで移動してください」と言われたので、「はい」ってバスに乗ったら、(声優の)皆さんがもう乗っていらして…。 山口さんみっちり乗っていましたよね。 大泉さん「うわー!レギュラーの皆さんと移動するんだ」っていう、何だかすごく転校生のような感覚でした。僕は、後ろで会話されているのをずっと耳をダンボにして聞いていました。このレジェンド声優たちが、普通に話をするんですよ。でも、声がやっぱりコナンくんにしか聞こえないから、コナンくんが「お花見やりました?」って。(会場:笑) 高山さん(大笑い)。 大泉さん「このあいだどこどこでやったんですよ」「この後、ご飯食べに行くらしいですよ」とか、コナンくんや平次では絶対に聞けない会話をしているんですよ。それがもう私にとっては耳得でした。ずっと聞いていたかった。この人たちの会話。 MC私たちもその会話を聞きたかったです。 大泉さんいや、すごいですよ。ある意味夢を壊しちゃうかもしれないけど…。 高山さんちょっと恥ずかしい。 山崎さん恥ずかしいね。 MC大泉さん、貴重な情報ありがとうございました。さぁ、ここまでいろいろとお話をうかがって参りましたが、ここで私からもう一つお知らせがございます。事前の試写会を一切実施しない本作ですが、なんと公開日の4月12日(金)の日付が変わった瞬間、4月11日(木)の24時から世界最速上映の開催が決定しました! 全国10都道府県23劇場での開催を予定しており、前作を上回ってコナン史上最大規模での世界最速上映となります。詳細は、公式ページやSNSなどをご覧ください。高山さん行きたい! 山崎さん行きたいよね! 以前、シークレットナイトがありましたね。 高山さんそういうイメージだよね。 山崎さん大人の時間。(蘭の声で)子供はダメだよ、コナンくん。 高山さん(コナンの声で)何で! 蘭姉ちゃんだって子どもじゃん! 山崎さんあ、そうか。私もダメでした!(会場:笑) MCほか作品では、最速上映が実施できないことも多い中、この規模の上映です。大泉さん、コナンファンの熱量はいかがでしょうか? 大泉さん本当にすごいですね。コナンファンは20回とか30回とか観に行くわけでしょう? 上映している期間中、ちょっとでも時間があったら観に行くんですってね! すごい!最速上映っていうのはあれですか? (とぼけて)何かものすごく早口でやるんですか?(会場:笑) 高山さんそうじゃなくて(笑)! MC再生速度はいつも通りなんですが、世界で一番早く観られます。 大泉さん早く観終わるんじゃなくて、早く観られるんですね。始まった途端、「犯人はあなただ!」っていう最速上映ではなく。(会場:笑) MCそれでは最後に高山さんよりご挨拶をいただきます。 高山さん本日は皆さん、ありがとうございました。全国の皆さんも、ありがとうございました。いよいよ来週公開になります。このドキドキ、あと一週間温めてください。私もそれを楽しみに皆さんと一緒にドキドキ、ワクワクして待っていたいと思います。これからもよろしくお願いします。 ■フォトセッション MC最後に会場の皆さんと一緒にいつものあれをよろしいでしょうか? 高山さんじゃあ、いつものあれをやるよ! 今日はサイリウムがあるから、サイリウムをピッてやろうか。前の人の頭をそれで打たないでね。気を付けてね。いいかな? 声は出しても良いからね。いきますよ。「真実はいつも」「ひとつ!」(会場の皆さんも一緒に「ひとつ!」)
-
「怪物」完成披露試写会「怪物」公式サイト第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された本作「怪物」は、登場人物それぞれの視線を通した”怪物”探しの果てを描くヒューマンドラマ。音楽は、坂本龍一さんが担当している奇跡のコラボレーション作品です。 5月8日、「万引き家族」(2018年公開)で第71回カンヌ国際映画祭のパルムドール(最高賞)に輝いた、是枝裕和監督の最新作「怪物」の完成披露試写会がTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、主演の安藤サクラさん、永山瑛太さん、黒川想矢さん、柊木陽太さんをはじめ、高畑充希さん、中村獅童さん、そして脚本の坂元裕二さん、是枝監督が登壇しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。完成披露試写会麦野早織役安藤サクラさん保利道敏役永山瑛太さん麦野 湊役黒川想矢さん星川依里役柊木陽太さん鈴村広奈役高畑充希さん星川清高役中村獅童さん脚本坂元裕二さん是枝裕和監督MC怪物の仲間たちに今一度、大きな拍手をお願いします。安藤さん今ここに登壇して、MCさんが「怪物の仲間たちに」とおっしゃった言葉でグッときて、二人(=子どもたち)を見ていたら泣きそうになりました。 永山さんよろしくお願いします。 黒川さん今ここに立てていることがとても嬉しいです。 柊木さん初めての舞台挨拶でとても緊張しています。僕は「怪物」という作品に関われたことを嬉しく思っています。 高畑さん今日は、スクリーンで観ていた二人に会えて、感激しております。 中村さん是枝組に参加することが長年の夢だったので、こういった場所に立たせてもらえたことをとても嬉しく思っております。 坂元さん本日は、お越しくださりありがとうございます。 是枝監督本当に素晴らしいスタッフとキャストと一緒だから出来た作品だと思っています。 MC「怪物」は、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への正式出品作に選ばれました!(会場:拍手)是枝監督、「万引き家族」の受賞が記憶に新しいですが、再びコンペティションに選ばれました。今はどのようなお気持ちでしょうか。 是枝監督とても光栄です。昨年の段階で、映画の公開初日が6月2日に決まっていました。カンヌ出品はそんなに簡単なことではないため、すごく心配でした。「もうちょっと先に延ばした方が良いのでは?」という話をずっとしていました。結果的に、(カンヌ国際映画祭に)良いかたちで参加できることになり、ホッとしています。(現地に赴くことが)楽しみです。現地に行く方とそうではない方がいらっしゃるので、参加した人で皆さんの分まで楽しんできます。 MC本作の始まりはこれまでとは異なり、企画の始まりが是枝監督ではなく、脚本の坂元さんだったということですね。坂元さん、監督が是枝さんに決まった時のことをお話しください。 坂元さん是枝監督が引き受けてくださった時は正直驚きました。長いキャリアの中で、映画監督としても評価されていて、基本はご自身で脚本を書かれている方なので…。脚本家としての是枝裕和も素晴らしいのにもかかわらず「僕の脚本で良いのだろうか」という不安を抱えた状態で、監督とお会いしました。MC脚本はすでに書いてあったということでよろしいのでしょうか。 坂元さんそうですね、今のお話は時系列がおかしくなっていました。本作のプロットがありまして、その段階で是枝監督がOKをくださいました。 MC是枝監督は、長編デビュー作(「幻の光」1995年公開/脚本:荻田芳久/出演:江角マキコ)だけがご自身の脚本ではないですよね。以降の全作品は脚本をご自身で手がけられてきました。そこに映画作りのこだわりがあると思っていたのですが……。「坂元さんの脚本で映画を撮ろう!」と思われたのは何か心境の変化があったのでしょうか。 是枝監督自分で脚本を書かないのであれば、坂元さんにお願いしたいと思っていました。何度か坂元さんと対談で直接お話をして…、ずっと僕からラブコールを送っていました。それで(今作で)声をかけてくれたのだと思っています。最初は、プロデューサーの川村元気さんから、「開発しているプロットがあるので読んでくれないか?」という連絡をいただきました。その時、僕はプロットを読む前なのに、引き受けることを決めていました。「どのような内容であれ、引き受けてチャレンジしてみよう!」と思いました。それぐらい、このタッグの実現に憧れていました。 MCキャストの方々にもお話を伺います。安藤さんは「万引き家族」以来、二度目の是枝組になりますが、出演依頼を受けていかがでしたか。 安藤さん引き受けたのは、コロナ禍前なので、それこそ「万引き家族」に出演してからそれほど時間が空いていなかったと思います。ですから、監督から再びお声がけいただけるとは思っていませんでした。だから、ものすごく嬉しい反面、監督の現場にすぐ戻ること、坂元さんの脚本であることは、私にはものすごく敷居が高いように思えて、かなり長いこと怖じ気づいてなかなか覚悟を決められませんでした。でも、現場に参加して、完成した作品をスクリーンで観た時に、その時の自分を”一発殴りたい”気持ちになりました。自分の想像をはるかに超える作品に参加できたこと本当に嬉しく思っています。本作に参加した一員というよりは、作品を観た一人として、本作に感動して涙が止まりませんでした。 MC永山さんは、初めての是枝組ですが、坂元脚本の作品には欠かせない存在の一人でいらっしゃいます。今回は、いかがでしたか。 永山さん坂元さんとは、二十代の前半からいろいろお付き合いさせてもらい、数々の素晴らしい脚本を書いてもらいました。僕が俳優を続けている限り、一生お付き合いしたいと思っております。是枝さんは、僕が俳優を初めてから、自分なりに「この人が日本映画を変えていくのだろう」と感じて、全作品を拝見してきました。そのお二人の座組に自分が入れたことを幸せに感じています。それだけで幸せなので、内容や役柄、出番がどうとか、どういうお芝居をしようかとか、もうそういうことではないです。 MC映画の中では小学校五年生を演じた黒川さんと柊木さんですが、黒川さんは、撮影時は何年生でしたか? 黒川さん小学校五年生? MC役柄と同じ? 安藤さん今は何年生なの?黒川さん(撮影の時は)六年生か……? 永山さん今は中学二年生でしょ? 安藤さんだって、撮影中に進学していたよ。私が「入学式どうだった?」って聞いて、(黒川さんが)入学式に行った話をしてくれたことを覚えているもん! 是枝監督僕が会ったのは小六で、撮影時は中学二年生かな。 永山さん撮影の春編を撮っている時が小学校六年生で、夏編の撮影は中学校一年生だったね。 安藤さんだからオーディションを受けた時が小学校五年生だったんじゃない? ……あ、違う? MC(笑)。柊木くんは何年生でしたか? 柊木さん僕は(小学校)五年生です。 MC黒川さん、撮影ではどのようなことを覚えていますか。 黒川さん監督が、カフェカーを何回か差し入れしてくれました。その時に、マシュマロとイチゴを串刺しにしたかわいいお菓子を両手にこうやって持って、みんなのところに「これ、いる?」って配っていたことが、楽しい思い出です。(会場:ほっこりして笑う) MC柊木さんは、どのような思い出がありますか。 柊木さん撮影期間中に、安藤さんや黒川くんたちと花火を見に行って、すごくキレイで楽しかったです。 MC監督、お二人をオーディションで選んだ時のことを教えてください。 是枝監督オーディションはたいがい、いろいろなことをお話します。決める時は、直感なんです。「この子と時間をかけて作品を作る!」という覚悟ができたらそれだけです。黒川くんは横顔が良かった。柊木くんは役にぴったりで会った瞬間に「(役柄の)依里くんが来た!」と思いました。 MC坂元さんもオーディションにいたのですか? 坂元さんはい、一度。お二人とも初めて拝見した時から、素晴らしいお芝居をされていました。この物語は、僕自身の子どもの頃の体験を基にしているところもあって、黒川くんが僕の立場の役なので恐縮です。柊木くんは、転校してきた依里くんに似ていました。もしかしたら「似ている!」と思い込んでいるだけなのかもしれないですが……。伝わっていますか? MCはい、分かります。役柄が投影できるお二人だったんですね。 坂元さんそうです。 MC安藤さんはお母さん役、永山さんは担任の先生役ですが、現場での二人はいかがでしたか。 安藤さん私自身、それに是枝組のチームのみんなは、二人のことを子どもにカテゴライズ(分類)していなくて、一緒に作品を作る同志として、いろいろと話し合いをしました。お二人はお芝居のタイプが違うので、毎回刺激を受けていました。それがとても楽しかったです。出来上がった作品を観た時に、ずっと一緒にいたのに、想像をはるかに超えた姿の二人が映っていました。とても感動しました。 MC黒川さん、とても難しい役だと思います。お芝居をしていてどうでしたか。 黒川さんお芝居をしている時は、あまり考えていなくて……。ただ、カットがかかっても、なかなか湊くんから自分自身に戻ることができなくて、苦しくなったり、悲しくなったりすることがありました。でも、とても楽しかったです。 MC辛い時は誰かに相談しましたか? 黒川さん相談は……しなかったです。 MC永山さんに相談したんじゃなかった? 黒川さん永山さんに相談したのではなくて、初めての休日に、永山さんからドライブに誘ってもらいました。その時に「自分がどう演技するかではなくて、役者は監督の脳みその中にあるものを表現するんだよ」と教えていただきました。それが響きました。 永山さん想矢は、作品に対する愛が深くて、自分のお芝居を掘り下げたいという気持ちを抱えていました。だから、撮影場所の近くにある諏訪湖で散歩をしながら話をして、「お肉が食べたい」というので焼き肉店に連れて行きました。でも、それがジンギスカンのお店で、「ジンギスカンは食べたことがない」と言っていたのに、無理矢理食べさせて悪かったなと思っています。でも、生まれて初めての瞬間にいられたことが、僕としては嬉しかったです。 MC獅童さんは、柊木さんのお父さん役です。現場の柊木さんはどうでしたか。 中村さんクランクイン前の本読みの段階で、役に入っていて、お二人とも素晴らしかったです。普段とのギャップがあまりなくて、子どもが演技をしているというよりは、自然体の少年がそこにいる感じですごかったです。MC柊木さんは、お芝居に悩むことはありましたか。 柊木さん特に悩まなかったです。 MC高畑さん、初めての是枝組はいかがでしたか。 高畑さん初めての是枝組だったのですごくワクワクして、インするのがすごく楽しみでした。私の参加は三日ぐらいで、その初日が皆さんのクランクインと重なったので急に緊張して……。永山さんとも初めてで、とにかく緊張してセリフ以外、何を話したか覚えていないぐらいでした。現場に入ると是枝さんが温かく見守ってくださっている感じがして、じんわり温かい気持ちになるなあと思っていたらあっという間に三日間が終わってしまって寂しかったです。 MC中村獅童さんは、是枝組はどうでしたか。 中村さん僕は、2015年だと思うのですが「海街diary」(2015年公開/出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず)という作品が公開された当時は鎌倉に住んでいて、妻と散歩をして大船の映画館で上映していることを知りました。よく観たら、上映後に是枝監督のティーチインがあることが分かり「絶対に行こう!」と……。元々僕は是枝監督のファンなので、「何とか作品に起用してもらいたい」と思って、映画館のスクリーン脇の扉から裏へ入って、楽屋の前で待ち伏せをしました。何の約束もしていなかったのに、監督は「どうした?」って普通に会話をしてくれました。「いつか僕を使ってください」とお願いをして、それっきりでしたね。「やっぱり僕みたいな役者は、お好きじゃないんだろうな」と思っていました。でも、「想いって叶う」と思えたのが、2020年。コロナ禍の大変な最中に、緊急事態宣言でずっと家にいて、家族と「自分は50歳で死ぬまでの間に是枝監督の作品に出られたら良いな」という話をしていたら、その数カ月後に本作のご連絡をいただきました。 MC是枝監督、本作は念願叶って、坂本龍一さんの音楽が使われております。どのようにご依頼されて、どういったやりとりがあったのか等を教えてください。 是枝監督撮影場所が”諏訪”に決まって、脚本の風景が明確になったので、「この夜の湖に龍一さんのピアノが響くと良いな」と思いました。撮影中も仮で音楽を当てて撮っていました。 MCそれは許可が出る前に、ですか? 是枝監督はい。それで撮影を終えた段階で、仮編集をして仮の音楽を入れたものと手紙を書いて、坂本龍一さんに送りました。坂本さんの体調のこともあったので、「断られたら諦めよう」と思っていました。でも、すぐに観ていただいたようで「(映画は)面白かった。全部を引き受ける体力は残っていないけれども、音楽のイメージが何曲か浮かんでいるので、形にしてみますから、気に入ったら使ってください」というお手紙が届きました。 MC何曲作っていただいたのですか? 是枝監督二曲作っていただきました。「そのほかの曲は、すでに発表している曲を使ってかまわない」ということでしたので、昨年発表されたアルバム「12」の楽曲を何曲か、(仮編集の映像に)仮当てした楽曲も使わせてもらっています。それで整えて、もう一度送らせていただいて、了解をいただく…というやりとりを何度かしました。 MC坂本龍一さんに音楽をつけてもらえたお気持ちは? 是枝監督亡くなられたことが本当に残念です。最後にこういうかたちでご一緒できたことは、自分にとって誇りです。自分にとって以上に、この作品にとって坂本龍一さんの音楽が必要だったと、出来上がった作品を観ると、誰よりも強く感じています。本作に当てた曲だけでなく、「12」の楽曲も……言い方が難しいのですが、「まるで本作のために作った」かのように思えるほど、とても映像とマッチしています。まるで作品の中から聞こえてくる音のようで、不思議な気持ちを抱いています。本当に感謝しています。 MC冒頭にご紹介しましたが、カンヌ国際映画祭は来週からです。皆さん、渡仏されると伺っているのですが……。大変申し訳ないのですが、行く予定のない方はどなたですか。 ■高畑充希さんと中村獅童さんが挙手。 MCどんなお気持ちですか。 高畑さんどんな気持ち? ……悲しいです。テレビで見ます! 中村さんそうですね、悔しいですね。だけど、この前撮影したもう一本の作品(=北野武監督の「首」)で、「カンヌに行きましょう!」と声をかけてくださったので、カンヌには行けるみたいです! 高畑さん行けないのは私だけですね(笑)。テレビの前で応援します! MC安藤さん、カンヌに行くお気持ちは? 安藤さん以前監督にカンヌに連れて行っていただいた時は、初めてのカンヌだったことと、私が朝ドラ(連続テレビ小説「まんぷく」2018年10月~2019年3月にNHKで放送されたドラマ)を撮影していた時期だったので、バタバタしていて「これがカンヌか」って感じで、すぐに帰ってきました。なので今度はしっかり、じっくりいろいろなことを味わおうと、ワクワクしています。 MC永山さんは初カンヌですか? 永山さん一応、二度目(2011年公開の三池監督作品「一命」で第64回カンヌ国際映画祭に参加)です。一生のうちに何度も行ける場所ではないので、堪能したいと思います。 MC最後に、坂元さんと監督にご挨拶をいただきます。 坂元さん本日は、お越しくださいまして、ありがとうございます。自分自身のこれまで生きてきた、主に子ども時代の体験を思い出しながら、辛いこともありましたが、心を込めて書きました。何か皆さんの心に届くモノがあったら良いなと思います。 是枝監督自分が監督をしているかどうかは置いておいて、本当に特別なものがいろいろと映った作品になったと思います。スタッフが完成した本作を観て、「すべての人が良い仕事をしていますね」と言ってくれたのが、本当に嬉しいです。自分は、「是枝組」と呼ばれることがあまり好きではありません。映画を作りながらスタッフもキャストも少しずつ変わってはいるんです。今回も良いチームで、本当に素晴らしい作品が出来たので、楽しんでください。
-
『スペースアドベンチャー コブラ』復刻版劇場パンフレット&復刻版チラシの特別セット発売のお知らせgoodsSFアニメーション映画『スペースアドベンチャー コブラ』の公開40周年を記念して、12月2日(金)より本作の4K特別上映を2週間限定で実施いたします。 本上映に合わせて『スペースアドベンチャー コブラ』の復刻版劇場パンフレットを上映劇場にて数量限定で発売決定! 1982年公開当時の劇場パンフレットを完全復刻!さらに、特典として公開当時の復刻チラシがついてくる、『コブラ』ファンなら垂涎の特別セットで販売いたします!劇場にお越しの際は是非チェックしてください!※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。価格:880円(税込)/A4サイズ/20ページ + 復刻版チラシ 発売日:2022年12月2日(金)© BUICHI_TERASAWA/ART_TEKNIKA・TMS東宝株式会社 映像事業部