映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」完成披露舞台挨拶

2024.12.03
  • 完成披露

完成披露舞台挨拶

子どもたちから絶大な人気を誇る廣嶋玲子・作、jyajya・絵による人気児童小説「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズがついに実写し、12月13日に公開されます!
12月3日に都内で完成披露試写会が行われ、上映前に舞台挨拶が実施されました。会場には劇中の銭天堂のセットが再現され、天海祐希さん、上白石萌音さん、大橋和也さん(なにわ男子)、伊原六花さん、中田秀夫監督が登壇し、撮影中のエピソードなどについて語りました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!

天海祐希さん

紅子役

上白石萌音さん

よどみ役

大橋和也さん

等々力小太郎役

伊原六花さん

相田陽子役

中田秀夫監督

天海さん

ようやく皆さんに観ていただける時が来たと思って、すごくうれしいです。今日はどうぞごゆっくり楽しんでいってください。

上白石さん

ご家族連れのお客さんがたくさんいらっしゃって、とってもうれしいです。短い時間ですが、みんなで楽しめたらうれしいです。

大橋さん

本日はお越しいただき、ありがとうございます。等々力小太郎役を演じました「プリン食べすぎて、おしりプリンプリン!」なにわ男子のリーダー・大橋和也です(笑)! 楽しんでいってください。

伊原さん

「もう皆さんに観ていただけるんだな」と、撮影からあっという間な感じがします。どんな感想をいただけるのか楽しみです。

中田監督

おそらく六年程前から「この作品を映画にしたい」と思っていました。今日、こうして皆さんにお披露目ができて、晴れがましく思っています。今日はどうぞ楽しんでいってください。

MC

11月12日に完成報告イベントを行い、ようやく皆さんにお披露目する日を迎えました。今のお気持ちをお聞かせください。

中田監督

完成報告イベントでは、天海さんと、白山乃愛ちゃん、番家天嵩くんと一緒に会見をしました。
先ほど「六年程前から」と言いましたが、私事ですが娘が「銭天堂」の大ファンで、「映画にしなよ。絶対に面白くなる。」と言ってくれたことがあったんです。それがきっかけで本作の提案をしました。なので、完成報告イベントでは乃愛ちゃんと天嵩くんを見ながら感慨深い気持ちでした。今日もお子さんが、お父さんお母さんと一緒に来ていて、感慨深いです。

MC

天海さんはいかがですか?

天海さん

うれしいですよ。「いよいよですね」という気持ちです。

MC

完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

天海さん

(キャストの皆さんに向かって)どうでしたか? 私は監督と一緒に拝見しました。自分が出ていないシーンは「こんな風になっているんだ」とか、特殊な格好をしている部分も「こんな風になっているのか!」と、観ていてすごく楽しくて、引き込まれました。最後は主題歌に合わせて、頭を振っていたのを監督に見られていました(笑)。

上白石さん

「天海さんが踊っていた」と、うわさになっていましたね(笑)。

天海さん

踊ってはいない(笑)!

上白石さん

私は、すごくグッときました。心に残るセリフが何個もあって、親御さんたちにも響く作品だと思います。大橋くんと一緒の回で観たんですが、大橋くんの役が良いところを全部持っていくんですよ。

大橋さん

いやいやいや(笑)! でも、ありがとうございます!

上白石さん

大橋くんのファンの皆さんにも楽しんでいただけると思います。作品の全てのまとめ役を担っています。

大橋さん

僕は、ニヤニヤして観ていました。学校のシーンで、階段の昇り降りをしている自分を観て、「僕ってこんな感じで昇り降りするんや」とか…嘘です(笑)。
とにかくいろんな感情になりながら観ていました。親御さんにも、子どもたちにも刺さる物語なので、たくさんの人に観ていただきたいです。

伊原さん

私は音楽がすごく良いと思いました。現実パートと、銭天堂やたたりめ堂のパートがあるんですが、その切り替わるタイミングで音楽が入って、ちょっと不思議な感じが出ていました。切り替わるところが「どうつながるのかな」と思っていたので、最後まで盛り上がっていて、素敵だと思いました。

中田監督

今、伊原さんがおっしゃっていた音楽は、今回初めて作曲家の横山克さんにお願いしました。まだお若いのに、映画やドラマの音楽をたくさん作曲していて、僕も本作の音楽は素晴らしいと思います。撮影前に、テーマ曲の作曲で、「こんなイメージはどうでしょう?」と編集段階のものをいただきました。少しの修正はありましたが、ほぼ当初のアイディアが残っています。劇中だと、真ん中あたりで伊原さんが「ワーッ」となるシーンの音楽は、「活劇風にしましょう」「黒澤明の映画風にしましょう」とか、アイディアが素晴らしかったです。映画は観るメディアですが、音楽もすごく大切なメディアです。

MC

本日は、本作で使われた銭天堂のセットがそのまま再現されています。

■キャスト陣、銭天堂の中に入って陳列されているお菓子などを手に取って見る。

上白石さん

おじゃまします。

大橋さん

うわぁ、懐かしい!

天海さん

作中に出てくるものがいっぱいあります。みんな、夢中にならないでしゃべって(笑)!

伊原さん

「子守りコウモリ」!

上白石さん

ぐずる赤ちゃんの子守りをしてくれるコウモリです。お菓子の名前が楽しいですよね。

中田監督

「ホーンテッドアイス」!

大橋さん

お化けと友だちになりたいからほしいです。

伊原さん

「底なしイ~カ」! 私が一番ほしいお菓子はこれです(笑)。

上白石さん

良いなぁ。

大橋さん

ずっといられますね。
(店頭にあるパチンコゲームを見て)現場ではこれでよう遊びましたわ。楽しかったわぁ。

上白石さん

もう最近はなくなってきていますからね~。

MC

大橋さんによる「銭天堂セット案内ツアー」がYouTubeで公開されているんですよね?

大橋さん

最初に見た時は、美術さんの再現度がすごすぎて、漫画の世界に入ったんじゃないかと思うくらいでした。美術さんの遊び心で、小説やアニメに出て来ないところに(金色の招き猫たちの)隠れ肉球があったりするので、そこも探していただきたいです。

天海さん

細かいところまで観てほしいですね。

上白石さん

コンクリートが固まる前に付いちゃった足跡とかもあるんですよね!

MC

天海さんは久々に銭天堂に入ってみて、いかがでしたか?

天海さん

懐かしかったですね。撮影中は、特殊メイクをしていたので、ぶつからないように入っていましたが、今はスーッと歩けました。「あぁ、こんなところまで!」と思うくらい丁寧に作られた舞台でお芝居ができて、ありがたかったです。

上白石さん

(銭天堂に入って)ワクワクしました。このセットにいる紅子さんとしての天海さんの説得力と存在感で「銭天堂って本当にあったんだな」という気持ちになりました。
よどみとしては、「お店が大きいな、儲かっているな」とうらやましかったです。

天海さん

あとは品ぞろえも…。

上白石さん

豊富で…(笑)。

伊原さん

劇中では映らないんですが、誰が何を買ったかっていう帳簿までありましたよね。あとは、路地から入った先に広がる銭天堂の画がすごく良くて、大人でもワクワクして、一気に引き込まれる感じがありました。

天海さん

お父さん、お母さん、大人の方が「こうだった!」と思う路地かもしれないですよ!

中田監督

今、ちょうど天海さんがおっしゃったように、銭天堂は現実の通りから路地に入ります。原作の通り、いろんなところからアクセスできるようになっています。特殊な世界で、現実にあるわけではないので、どういう路地を作るかを考えました。銭天堂とたたりめ堂で違いがほしかったので、「銭天堂はこうしよう」と決めて、関東のとある場所の路地を撮って、うまくセットにつなげました。工夫したので、プロでもどこからがセットなのか分からないと思います。

MC

上白石さんは、たたりめ堂のセットはいかがでしたか?

上白石さん

常連になりたいと思うような、とっても趣味の良い駄菓子屋というより、会員制の一品料理屋さんという感じで、情緒がありました。

天海さん

和風バーみたいな感じね。

上白石さん

私も女将みたいな気持ちになってくるんですよ。銭天堂とはまた、おもむきの違う、品の良さがありました。私は狭くて暗いところが好きなので、すごく落ち着きました。居心地が良かったです。

MC

それぞれ演じられたキャラクターについてもおうかがいします。演じるにあたって心がけたことを教えてください。

天海さん

原作がこれだけ愛されていて、日本のみならずファンの方がたくさんいるので、「そういう方たちにこそ楽しんでいただけるように」というのが、心の大きな部分を占めていました。そして、できる限り「紅子さんとして受け入れていただけるように」と、考えて演じました。

MC

最初は天海さんが演じるということに驚いた方も多かったかと思いますが、映像を観たら紅子さんそのものでした。

天海さん

メイクの方たちはご苦労されたかと思いますが、私は精神を統一して座っているだけでした。いろいろと試行錯誤してくださいました。

MC

よどみという役はいかがでしたか?

上白石さん

主人公の敵役ですが、よどみのことが大好きなお子さんがたくさんいらっしゃると聞きました。私も、「少しでも皆さんが大好きなよどみに近づけるように」と考えました。青い髪の毛の作り込みや、目をギュッと吊り上げる技術、それに置物にまでこだわってくださったので、それをお借りして、思い切り暴れようと思いました。

MC

すごく活き活きとされていました。初めての悪役はいかがでしたか?

上白石さん

楽しかったです。またやりたいです。

MC

大橋さんは、小学校の先生の役でしたが、子どもたちとの交流はいかがでしたか?

大橋さん

みんなメチャクチャ良い子たちでした。僕はいつもやったら生徒役なんですが、今回が初めての教師役でした。「先生の役ってどうするんだろう?」って思った時に、小学生の時に先生をすごく大人に感じたので、「自分の精神年齢よりも大人にならないといけない」と思って演じました。教壇に立つと、子どもたちが一点集中で僕を見てくれるのが、もうかわいすぎて…セリフが飛びましたね(笑)。裏でも「小太郎先生!」って呼んでくれて、うれしかったです。僕も子どもたちに「好きな子おんの?」って聞くと、「いるー!」って答えてくれました。ずっとしゃべっていたかったです。

MC

なにわ男子のメンバーは、先生役をやることは知っていたんですか?

大橋さん

先生役と言ったら、「え?大橋が?」って言われそうなので(笑)、黙っておきました。発表されたら、みんなが「楽しみ」と言ってくれたので、みんな揃って観に行きます。行かせます!

天海さん

それを後ろから見たい(笑)。

大橋さん

みんなニヤニヤしていると思います。

MC

伊原さんは結構振り切った役でしたね。

伊原さん

そうですね…。一つの作品の中でここまで振り幅のある役をやったことがなくて、どこまでというのが難しかったです。銭天堂の世界観に入り込む前の陽子の悩みは、地に足のついた共感できる悩みであるべきだと思っていました。銭天堂の世界観に入る前後での変化は、本読みの時間で監督と相談しました。撮影はラストからだったので、「ワーッ!」となっているシーンから入ったのですが、そこを最初に決められたのが、ありがたかったです。そこからはゴールに向かっていく感じでした。

MC

天海さんは、皆さんと共演されていかがでしたか?

天海さん

萌音ちゃんは、共通の知り合いの方もいて、その方からお話をうかがっていました。なので、「いつか会えたらな」と思っていたら、こんな敵対する役で…。

上白石さん

しかも、まさかのビジュアルで(笑)。

天海さん

あの扮装があったからこそ、「恥ずかしい」って気持ちもなく、ポンとぶつかれたのかもしれません。

上白石さん

そうですね。私はずっと憧れの方だったので…。

天海さん

いやいやいや!
本当に楽しそうに、パブリックイメージと違う役を全力で楽しんでいらして、見ていて幸せな気持ちになりました。

上白石さん

天海さんが「さあ、何でも来て良いよ」と立っていてくださったので、私も思いきり剣を振り回すことができました!

MC

上白石さんは強力な敵として向かっていくわけですよね?

上白石さん

ドキドキしました。「ドキドキ」という音が聞こえていたそうで…(笑)。

中田監督

心音は(撮影中の音声で)よく聴こえるんです。スタッフには、萌音さんはすごく堂々と天海さんと渡り合っているように見えていましたが、僕には「ドクドクドクドク…」って心音が聞こえていました。伊原さんもしていましたね。

伊原さん

恥ずかしい(笑)! 

天海さん

素敵なことだと思います。
大橋くんは、「おはようございます!」って腰が低くて、元気で、しかもハンサム! 現場がパーッと明るくなりました。どうしてこんなお子さんができるんだろうと、「お母様はどんな人? どんな風に育てられたの?」ってずっとお話を聞いていました。「これまでずっと志を持って歩いてこられた方なんだな」と思いました。「そりゃそうだよな…そうじゃないと、ここまでドンと大地に足をつけてこられないよな」って思いました。

大橋さん

もう汗がダラダラです(笑)。
天海さんは、テレビで見ていた時は「かっちょええ!」って思っていたんですが、共演させていただくとすごくかわらしいところがいっぱいあって…。

天海さん

もっと言って(笑)!

大橋さん

特殊メイクをされているので、笑ったりするとメイクが取れちゃうので、天海さんは「笑いづらい」とおっしゃっていました。だから、逆に「笑かしたろ!」と思って(笑)。「やめて!やめて!」って言われると、逆にイジメたくなるんですよね(笑)。いっぱい笑ってもらいました。
現場では僕も緊張していましたが、天海さんがしゃべりに来てくださったり、同じ目線でしゃべっていただけたので、初日から緊張が解けました。本番が、一発で終わったら、「よっしゃ!」って一緒に…。

天海さん

「よろこびの舞い」をね(笑)。一発OKの時に一緒に踊りました。それをスタッフの皆さんもゲラゲラ笑ってくださいました。
六花ちゃんは、すごく緊張されていたと思います。セットでご一緒した時は、とても真摯に、一生懸命に真っすぐとぶつかってくる方だったので、心が洗われるようでした。移動する演技も「こうしたら良いんじゃない?」と言うと「あぁ!」って。やっぱりリズム感や音感が良い方たちなので、さすがでした。

伊原さん

私は高校生の時に天海さんが司会をされている音楽番組に出演して、お会いしたことがあったんです。

天海さん

そうそう。バブリーなダンスを踊っていた時にね(笑)。

伊原さん

このお仕事を始めて「いつかはお芝居でご一緒したい」というのが夢としてあったんです。

天海さん

もうやめて(笑)!

伊原さん

一緒の撮影は一日だけだったんですが、私はその日が撮影初日だったので、緊張していました。天海さんは正解ではなく、ヒントをくださるんです。

上白石さん

分かる! そうなんですよ!

伊原さん

それにすごく救われました。「陽子ってこういう感情だよね」って会話の中でちょっとヒントを下さって、それが紅子さんのようでした。

天海さん

紅子です(笑)。良かったです。それは監督がくださったプレゼントだったのかもしれませんね。

MC

最後に天海さんからメッセージをお願いします。

天海さん

本当に細かい部分まで丁寧に、スタッフ・キャストみんなで作り上げた作品です。たくさんの人に観ていただけるのを心から待っている作品です。ぜひ何度も足を運んで、楽しんでいってください。何か一つでも心に残るものがあったら、私たちは幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。