「シン・ウルトラマン」大ヒット御礼舞台挨拶

2022.05.25
  • 公開後舞台挨拶
「シン・ウルトラマン」大ヒット御礼舞台挨拶

大ヒット御礼舞台挨拶

昭和41年の放送開始以来、海外でも100を超える地域で放送され、今なお根強い人気を誇る日本を代表するキャラクター"ウルトラマン"を企画・脚本を庵野秀明さん、監督を樋口真嗣さんが務めて描く映画「シン・ウルトラマン」。5月13日に初日を迎え、24日までの公開12日間で観客動員は143万人、興行収入は21.6億円を突破する大ヒットを記録しています! 5月25日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズで大ヒット御礼舞台挨拶が開催され、斎藤工さん、長澤まさみさん、西島秀俊さん、有岡大貴さん、早見あかりさん、山本耕史さん、樋口真嗣監督が登壇しました。今だからこそ話せる撮影秘話を明かした、こちらのイベントの様子を詳しくレポートします!

神永新二役

斎藤工さん

神永新二役

浅見弘子役

長澤まさみさん

浅見弘子役

田村君男役

西島秀俊さん

田村君男役

滝 明久役

有岡大貴さん

滝 明久役

船縁由美役

早見あかりさん

船縁由美役

外星人・メフィラス役

山本耕史さん

外星人・メフィラス役

樋口真嗣監督

斎藤さん

朝から「シン・ウルトラマン」をキメてくださってありがとうございます。僕も早朝に観ましたが、"朝トラマン"、最高ですよね(笑)。今日が皆さんにとって豊かな一日になることを願っています。

長澤さん

今日やっと言えることが一つあります。あとでお話ししたいと思います(笑)。短い時間ですが、楽しんでいってください。

西島さん

大ヒットということで、こうして劇場に足を運んでくださった皆さんの応援によって、どんどん作品が大きく、大きくなっていると思います。本当に感謝しています。

有岡さん

今回は上映後の舞台挨拶ということで、なんとなく皆さんの頭にはウルトラマンがパッと浮かんでいるのが見えます(笑)。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします。

早見さん

私も先日、このスクリーンで観ました。今の皆さんと同じ気持ちでお話ができると思います。短い時間ですが、ぜひ今日は楽しんでいってください。

山本さん

メフィラス星人、ヤマモトコウジン。響きが似ているのでちょっと言ってみました(笑)。今日は皆さんと楽しい時間を過ごせたらなと思います。

樋口監督

今まで言ってはダメなことが多かったんですが、上映が始まって2週間以上が経ったことですし、今日は長澤さんから爆弾発言があるらしいです(笑)。そういうのも含めて、何度観ていただいても楽しめるような映画にしたつもりですので、懲りずにもう一回ぐらい観ていただけるとうれしいです。

MC

大ヒットを記録しています。周りからの反響はどのようなものがありましたでしょうか。

斎藤さん

すごいものがありましたね。普段メールで済ます方が電話をかけてきました。「興奮を共有したいのかな」という気持ちも分かるし、同士が周りに増えてきています。「なんとなく観たよ」というより「この人、観たんだ」という人がのがはっきりと分かる感じになっています。僕もまだ観たりないので、今度はIMAXで観たいなと思います。

MC

質問などもされますか?

斎藤さん

そうですね。「変身シーンはどうだったのか」と聞かれたり、メフィラスについてすごく質問されますね。

長澤さん

やっぱり、「面白かった」と言ってもらえます。私は、いつもの私じゃない感じで出てくるんです。まあ、私ではなくて浅見さんですが(笑)。「そこが本当に面白かった」「笑えた」と言ってもらえました。笑えるシーンが他にも多くて、ぜひ映画館で大笑いして観てほしいなと思います。

西島さん

普段は映画館に足を運ばないような知り合い、友達もこの映画を観に行っています。「面白かった」という感想をすごく聞くので、この映画をきっかけに映画を観にいく人が増えていくんじゃないかと感じています。

山本さん

僕の周りでも反響が大きいです。でも、本作の公開初日の一日で、ちょっと前に僕が出演した作品の全興収を抜かれました(苦笑)。それくらいすごい勢いでした。

有岡さん

僕の周りでも、幅広い年齢層の方から「観たよ」という声をいただいています。感想だったり、「○○が出てくる、○○のシーン、すごく興奮した」と言ってくださるので、僕もやっとお話ができてうれしいです。でも、まだ周りには楽しみに待っていらっしゃる方もいて、そういった方は嫌な顔をして耳を塞いでいるので(笑)、大っぴらに感想を言えるのはまだ先かなと思っています。まだちょっと密談で、コソコソと感想を聞きながら、お話をしています。

早見さん

土日などは、遅い時間にも上映をしていますよね。そうすると「夜遅いから連絡しようか迷ったけれど、連絡せずにはいられなかった」と感想が送られてきたり、「グッズを買いたかったんだけれど、買えなかった」という話も聞いています。すごく盛り上がっているんだな、ありがたいなと思っています。

樋口監督

質問がすごく多いんですよ。ふわっと映画の中で描いている部分の解釈みたいなものを、2時間くらい電話でずっと言われたり。「僕はこう思う。それで合っている?」と聞かれるんです。

MC

合っているか、合っていないかを答えるんですか?

樋口監督

そこは「もう一回観て」と言うようにしています。「もう一回観ると答えが分かるかもしれないよ」と言っています。

MC

長澤さん演じる浅見弘子が巨大化するシーンも、大きな話題となっています。撮影はいかがでしたでしょうか。

長澤さん

撮影はグリーンバックでしました。一人で地味に撮影をしていました。「もうちょっと足を上げて」「もうちょっと肘を上に」とか、監督から指示がありました。「もうちょっと、倒れる時に動かないように倒れて」とか「まっすぐ、木が倒れるように」って言われたんですが、痛くて...。

樋口監督

あああ...すみません!

長澤さん

下にクッションがあったので、全然大丈夫です! なかなか一人で大変だなと思いながら...(笑)。

MC

(長澤さんの巨大化は)初代「ウルトラマン」でも描かれているシーンですが、監督はどのようなこだわりを込められましたか?

樋口監督

同じ場所でやっています。この60年の間に街路樹がものすごく増えていて、どうすることもできないので、大変でした。

MC

西島さん、早見さん、有岡さんは、巨大化した浅見に声をかけたりするシーンもありました。

西島さん

三人で屋上で撮影をしたんですが、僕はこの撮影が初日だったんですよ。「こういう撮影をするんだな」と探り探りやっていたところもあります。出来上がりを見て「CGチームも僕たちに合わせてくれたんだな」と、うまくいっていたのでホッとしました。

有岡さん

初日だったんですよね。たくさん、大勢のエキストラの方にご協力いただいたんですが、演出部の方がエキストラの方々に指示を出す時に「浅見さんが出たぞ」とは言えないので、「あそこから怪獣が来るので逃げてください!」と説明しているのがすごく面白かったです(笑)。

早見さん

時々言ってしまいそうになるので、ヤバいと思いました。みんなで秘密にしないといけないので(笑)。

西島さん

楽しい初日でした。

長澤さん

頑張っていました。

MC

山本さん演じるメフィラスの存在感や、「私の好きな言葉です」というセリフが話題になっています。

山本さん

クランクインした日は、公園のブランコのシーンだったと思います。ブランコに座っている設定だったので、自分なりに動いてみたりしたら、監督から「その感じで」と言っていただきました。ブランコの前に柵があるんですが、「そこにふっと立って、人間にはできないことをやったらどうですか?」と聞いたら、(監督から)「なるべく人間に馴染んでいる感じにしたいので、それはナシです」と言われました。僕の中では少し床から浮いているようなイメージでやっていました。どこまでやって良いのかお尋ねをすると、「そこは人間側に寄せてください」ということでした。中身はトリッキーなことをしそうなイメージがあるところと、いい感じのバランスになったと思います。気をつけていたのは、余計な動きをしないことですかね。人間って、話をする時に手を動かしたりいろいろとすると思うんですが、そういったことをなるべくやらなかったです。でもそれは、ウルトラマンの工くんもそうですよね。瞬きをしていなかったり。

斎藤さん

そうですね。神永はメフィラスとは違うタイプで、地球人とのミックスなので...。最初は少しフィギュアっぽいというか...、肉体をそこまでコントロールできていない神永と、クランクインの時に現れた(山本さん演じる)メフィラスはどちらも地球のものではないんだけれど、その二人に違いがあるということに衝撃を受けました。そしてメフィラスにはめちゃくちゃ説得力があって、メフィラスが語っている言葉には合点がいくので、それを飲み込んでしまいそうになるんです。「メフィラスの言葉に響かないようにしなきゃ」と不思議な内側での攻防がありました。

MC

近々、メフィラスに関する入場者プレゼントがあるそうで...。

山本さん

近日中にメフィラス関連の何かが準備されるらしいです。何ですかね。もしかしたら僕が現場でいただいた、僕だけが持っているやつなのか...。何になるかは分からないです。

斎藤さん

もらった人は巨大化する可能性がありますからね(笑)。

MC

SNS上でもメフィラスの「私の好きな言葉です」というセリフが盛り上がりを見せています。そのセリフにちなみ、皆さんの好きな言葉を教えてください。

山本さん

(フリップを掲げながら)「プロテイン、私の好きな言葉です」。(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) 好きな言葉って、なかなか浮かんでこなくて、一発で破壊力があるものにしました。最初は「16キロのダンベル」にしようかと思ったんですが、ちょっと説明くさいなと思って、これにしました。

MC

イベントが始まる前には、有岡さんと筋肉談義をされていましたね。

有岡さん

そうなんです。いろいろとトレーニングを教えていただいて、プロテインも紹介していただきました。筋肉の師匠です。

早見さん

(フリップを掲げながら)「ありがとう、私の好きな言葉です」。(会場:拍手) プロテインを出された後には出しづらいですよ(笑)! 「ありがとう」って、誰が聞いていも嫌な気持ちにならないですよね。常に人に言うべき言葉だなと思って、「ちゃんと言わなきゃ」と意識して生きています。

有岡さん

(フリップを掲げながら)「ご自由にお取りください、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) きっと皆さんもお好きな言葉だと思います。僕は小さい頃から、お母さんが銀行に行く時によく付いて行っていたんです。すると、銀行の窓口にアメがあって「ご自由にお取りください」と書いてあったので、それを楽しみにしながら銀行に付いて行っていました。「シン・ウルトラマン」の初日には、円谷さんがウルトラマンのいろいろなグッズをテーブルに並べて「ご自由にお取りください」とプレゼントを用意してくれました。すごくうれしかったです。でも誰よりもはしゃいでいたのは、樋口さんです。子供のように(笑)。

樋口監督

みんなが遠慮していたので「こうして良いんだよ」という、お手本を見せたんです。

有岡さん

ありがとうございます(笑)。

MC

長澤さんはいかがでしょうか。

長澤さん

(フリップを掲げながら)「滋味、私の好きな言葉です」(会場:拍手) 何かを食べた時に「滋味ですねえ」って言いたい。噛み締めたいんです。良い言葉だなと思っています。

MC

最近食べたもので、「滋味だなあ」と思ったものはありますか?

長澤さん

タケノコです(笑)。旬のものを食べて「滋味ですねえ」って。

MC

斎藤さんはいかがでしょうか。

斎藤さん

大喜利かなと思って、ちょっと長いんですが(フリップを掲げて)「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話』と『自慢話』、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) 高田純次さんの名言です。40歳になり、この言葉を胸に生きていきたいです。

MC

西島さんもうなずいています。そんな西島さんの好きな言葉を教えてください。

西島さん

(フリップを掲げながら)「スイーツは別腹、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) これは皆さんも感じていると思います。

有岡さん

現場でも、常にスイーツを求めて歩いていましたよね。

西島さん

そんなことはない(笑)。でもみんな太っていたよね。

有岡さん

(西島さんは)防護服を着ている時も「匂いだけでも」と言って、防護服のここに(首元に)スナック菓子を当てて、匂いを嗅いでいましたよ。

早見さん

やっていました!

西島さん

本当にね、匂いが嗅げるんですよ。

有岡さん

食べられないので「せめて匂いだけでも」と、嗅いでいました(笑)。

樋口監督

僕は(フリップを掲げながら)「無塩バター、私の好きな言葉です」(周囲から笑い声、会場から拍手が上がる) (山本さんのフリップを見ながら)プロテインと無塩バター(笑)。もう50年以上生きてきたんですが、無塩バターというものを知らなかったんです。コロナ禍で自分の時間が余った時に、お菓子作りをしていました。そうするとお菓子作りには、無塩バターが大事なんです。塩分が入っていないバターで味わいを出す。素材に凝るということ。そしてプロテインを入れた方が良いのかな、という気もしますね(笑)。

山本さん

そうですね。脂質だけなので。(周囲:爆笑)

MC

それでは最後のご挨拶をお願いします。

斎藤さん

皆さん、この作品を受け取って、育ててくださってありがとうございます。円谷さんが当時の時代感も含めて、子供たちに未来、希望を受け取ってほしという願いを込めて生まれたのがウルトラマンだと思います。そのバトンを受け取った樋口さんや庵野さん、並びに製作陣、キャストの僕らも含めたメンバーが、また作品の中に込めたものを、かつて子供だった皆さん、未来を築いていくお子さんたちに、この作品を通した映画体験として末長く届いていくことを心から願っております。まだまだ混沌とした時代ですが、ウルトラマンという概念は今こそ必要な人格というか、思いなんじゃないかと思います。ウルトラマンの「君たち人類のすべてに期待する」という言葉を胸に、僕自身も希望を持って生きていきたいなと思っています。この作品が良いと思ったら、ぜひ共有して、さらに育てていっていただけたらうれしく思います。