「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成報告会・完成披露舞台挨拶
- 完成披露
完成報告会・完成披露舞台挨拶
6月17日公開となる「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」、その完成報告会と完成披露舞台挨拶を5月12日に開催しました。月9ドラマ「シャーロック」の劇場版となる本作、その原案は、アーサー・コナン・ドイル著の「シャーロック・ホームズ」シリーズの長編小説の一つです。離島を舞台に、資産家の死と誘拐事件の真相を探るという本格心理スリラーです。グランドハイアット東京にて完成報告会を、そしてTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露舞台挨拶を実施しました。ディーン・フジオカさん、岩田剛典さん、佐々木蔵之介さん、新木優子さん、広末涼子さん、村上虹郎さん、小泉孝太郎さん、稲森いずみさん、椎名桔平さん、西谷弘監督が出席し、ネタバレ厳禁のなか、映画化始動から撮影と完成までのエピソード、そして作品の魅力などが語られました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。
【「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成報告会】
ディーン・フジオカさん
誉獅子雄役
岩田剛典さん
若宮潤一役
佐々木蔵之介さん
江藤礼二役
新木優子さん
蓮壁紅役
広末涼子さん
冨楽朗子役
村上虹郎さん
蓮壁千里役
小泉孝太郎さん
捨井遥人役
稲森いずみさん
蓮壁依羅役
椎名桔平さん
馬場杜夫役
西谷 弘監督
ディーンさん
お忙しい中、お集まりいただき本当にありがとうございます。
この作品はドラマ版から出演をしていましたが、今回ついに映画化となりました。初めて劇場版を試写で観た時に圧倒的な没入感を得ました。それが感想です。皆さん、ご覧の通り、こちらに豪華なキャストが集まっております。その一人一人のキャラクターが織りなす重層的で、厚みのある物語が根幹となり、魅力の一つになっていると思います。今日は、短い時間ではありますが、最後までよろしくお願いします。
岩田さん
ドラマ「シャーロック」から約二年半ぶりに劇場版として帰ってきました。今、ご覧いただいている通り、本当に豪華なキャストです。スクリーンで、とても重厚なエンタメ作品として、万人に届けられる作品が出来上がりました。久しぶりに西谷組に帰ってこられて、とても楽しい撮影期間でした。今日は作品について、いろいろな魅力をお話しできればと思います。
佐々木さん
ドラマに出演してきて、このままドラマだけで終わってしまうのはもったいないし、さみしいなと思っていたところ、映画のお話をいただきました。「また西谷組に戻れる」「あの二人のバディに会える」と思い、とても素敵な時を過ごしました。
新木さん
私の大好きな西谷監督の上質なミステリーが出来上がったなと映画を観た後に思いました。人の感情の深いところに触れるような作品になっているので、今日は魅力をお伝えできればいいなと思います。
広末さん
出来上がった映画を観て、本当に楽しむことができました。作品のミステリーとサスペンスの要素に惹き込まれました。最後には涙が止まらない、そういう素敵な映画でした。一人でも多くの方に観てもらいたいです。
村上さん
ここまでネタバレに厳しい作品に携わるのは初めてです。
僕は撮影現場でほんの一瞬しかご挨拶していないのですが、小泉さんが演じられている捨井がとても好きです。
小泉さん
この日を迎えられたことを今感慨深く思っています。一年ちょっと前、今よりもっと世の中が人と会うこと、移動すること、仕事をすることにものすごくストレスに感じ、負担が大きかった時にクランクインをしました。「果たして、みんな笑顔でゴールまで辿り着けるのか」と思ったことをはっきりと覚えています。こうして皆さんと今ここにいることを嬉しく思います。
僕は(この作品で)初めて主演のディーンさんと岩田さんと対峙しました。この作品の世界観は、南国のハワイのような青い空と青い海ではなく、全く対局の本場のシャーロック・ホームズの空気感や色を感じられるのが魅力だと思います。ディーンさんと岩田さんを対峙するたびに、「なんて美しいのだろう」と男ながらに思いました。きっとお二人でなければ、難しかったと思います。泥だらけの苦しいシーンもたくさんあったと思いますが、お二人の持っている魅力に引っ張っていただきました。そして、この世界観にしかない魅力がたくさん詰まっている映画だと思います。本当にやりがいのある映画に参加させてもらったことをうれしく思います。
MC
お二人が美しいというお話の時に、新木さんがものすごくうなずいていらっしゃいましたが。
新木さん
お二人の姿を映画館のスクリーンで観られることは、皆さんもすごくうれしいだろうなと思います。私自身もお二人に会った時に「わっ、本物だ!」と思いました。非の打ち所のないお二人です。
ディーンさん
ありがとうございます。
岩田さん
恥ずかしいし、つらいです。
稲森さん
原作では、あまり出てこない役柄ですが、日本版では物語のキーとなる役を演じられたことをとてもうれしく思いました。ディーンさんや西谷さん、蔵之介さんと再会できたことでもうれしさが増しました。日本版シャーロックという独特の世界を楽しんでいただけたらと思います。
椎名さん
以前から西谷監督とお仕事をしたいと思っていたので、意気揚々と撮影に入ったのですが、当時は真冬でとても寒かったです。お話には重厚感があって、シャーロックとワトソンの軽妙な世界観もあります。世界でも起きている大きなテーマに押しつぶされそうになりながら、西谷さんのパワーとキャストとスタッフの皆さんのタフさに助けられました。気持ちを外さないように心がけて撮影していたので、こうして完成して、皆様にお届けできることをうれしく思っています。
西谷監督
本日はありがとうございます。「シャーロック・ホームズ」の日本版は、地上波では手を替え品を替えいろいろとやられていますが、日本上陸ということで、ある意味ではプレッシャーもあり、とても緊張しました。すべてのミステリーの頂点ともいうべき、「シャーロック・ホームズ」からいろいろな作品が生まれています。このキャスト九名と、こちらにはいらっしゃいませんが、渋川清彦さん、西村まさ彦さんの体力と知力に僕は救われました。良いものができたと思います。
MC
ファンの間で最も人気の高い小説ですので、原作ファンの方々にもお楽しみいただきたいです。
まずは、ディーンさんと岩田さんは、ドラマ放送時に"顔面最強バディ"と呼ばれていました。そのお姿をスクリーンで観られるとファンの方々は待っていらっしゃいます。劇場版で獅子雄と若宮の関係性は、どのように進化していますか。
ディーンさん
今流行りのリモートバディに進化しました。ドラマの時は物理的に一緒に行動している時間がすごく多かったですが、今回の映画では遠隔でのやり取りで協力しながら事件を解決していくという、新しいアプローチがより前面に出てきたように思います。
岩田さん
ディーンさんが話されたようにリモートも入っていますし、最近のご時世ならではの要素を楽しんでもらえると思います。
撮影に入る前に、キャストの皆さんでリハーサルをして、獅子雄と若宮としてお芝居をした時に、一年半以上のブランクがあったにもかかわらず、最初の段階からすぐに獅子雄と若宮に戻れたのはディーンさんのおかげです。ドラマの時の阿吽の呼吸は、まだ生きているなと思いました。
ディーンさん
あと、進化したのは、岩ちゃんの母性本能をくすぐる技術ですね。
MC
それはどういう技術ですか?
ディーンさん
あれは技術ではないんですかね? 西谷さんはどう思いますか?
MC
西谷監督、岩田さんが母性本能をくすぐるような演出をされたのですか。
西谷監督
いえいえ、あれはもう岩田さんが勝手に暴走したので演出ではないです。
岩田さん
めちゃめちゃに......。
MC
ディーンさんはどこに母性本能を感じたのですか?
ディーンさん
岩ちゃん本人を知っているからかもしれないですが、普段は思慮深くて、抑制が効いています。でも、若宮として、お茶目なことや失敗や、いろいろうまくいかない時の姿がなんかかわいいんですよ。だから、「頑張れ!」と応援したくなります。「自分の中にも母性本能があるんだな」と思いました。
MC
広末さん、お母さんとして母性本能を感じましたか?
広末さん
私はストーリーに没頭して観ていました(笑)。なによりも、私はディーンさんが山をくだるスピード(の速さ)に命をかけているなと驚きました。
MC
鵯越(ひよどりごえ)ですか? すごいですね。
ディーンさん
西谷組では常に身体を張っております。
西谷監督
ありがとうございます。
MC
そういう意味では、今回はドラマ版の獅子雄とは違う一面が見られますね。
岩田さん
ドラマでは完璧というか、完全無欠なキャラクターの獅子雄ですが、映画の世界観の中では「燃える獅子雄」が垣間見られます。バディの進化した姿の延長として楽しんでもらえると思います。
MC
お二人のコンビネーションは本当に良いと思います。ディーンさん、名バディの秘訣は何だと思いますか?
ディーンさん
最初の出会いが肝心だったのかもしれないですね。いまだに岩ちゃんに初めて会った日のことを覚えています。別にその時は映画化の話があったわけではないですが、いきなり「岩(がん)ちゃんって呼んでいい?」とたずねました。
岩田さん
そうでしたね。
ディーンさん
もし、あの時に僕が間違えて「岩(いわ)ちゃん」と呼んでいたら、こうはなっていなかったかもしれないですね。「岩(がん)ちゃん」と呼んだから今がある。
岩田さん
今がある。(子犬のような笑顔)
MC
岩田さんは名バディの秘訣は何だと思いますか。
岩田さん
そうですね、僕も初めてお会いした時から何かシンパシーを感じていました。お互いに役者もやりながらアーティスト活動もしているというバックボーンの共通点がありましたし、そういうのも含めて、現場で多岐にわたってお話をさせてもらいました。今回こういうかたちで本日を迎えられたことがすごくうれしいです。
MC
佐々木さん、江藤刑事は切れ者なのか、怠け者なのか。果たして、本作での活躍はあるのでしょうか。
佐々木さん
江藤は、ドラマの時でも活躍したことがないです。なので、「この劇場版では活躍をさせてもらえるのか」と思ったんですが...、それは観てもらえれば分かります。ただ、基本は「表面積を少なくどれだけ手柄をとるか」なので推理力よりも出世欲なんですね。「いかに獅子雄を盛り上げて、効率よく手柄をあげられるか」というのを今回も考えています。でも、ドラマ版とは少し違う江藤さんも観られます。今回の獅子雄さんの感情表現は、これまで見たことのないものでしたし、若宮ちゃんについてもちょっと頼りがいあるなという姿を見ました。
MC
西谷監督、完成作への手応えはいかがでしょうか。
西谷監督
たぶんこれから分かっていくんだと思います。もちろん関係者を含めて、ご覧になった方からの言葉でうれしかったのは「登場人物全員が良い」と言われたことです。これは皆さんがおっしゃるので、決しておべっかではないと思います。「登場人物全員良い」は監督にとっての褒め言葉ですし、それが一人でも多くの人に届くと良いなと思っています。
MC
西谷監督のこれまでの九作品(「マチネの終わりに」2019年公開など)すべて観ていますが、今回が最高の仕上がりだと思いました。
ネタバレにならない程度の撮影中のエピソードを伺っていきましょう。まずは、蓮壁家の皆さんにお話いただきます。
新木さん
私のバディがワンちゃんのヴィルでした。動物と演技をするのはこんなにも大変なんだと感じました。うまくいかないことがたくさんありましたし、でもうまくいった時に「うまくいったね」という喜びをお互いに感じ合うこともありました。獅子雄と若宮のバディにはかなわないですが、そういうところもポイントになるかなと思います。ヴィルは物語の中ではクールなシベリアンハスキーとして登場していますが、おっとりしている性格で、よく笑っていました。
MC
笑顔といえば、キラースマイルの岩田さんがいらっしゃいますが、どうですか?
新木さん
......比べられないです。どちらかというと岩田さんのほうが、幼くかわいらしく笑う印象です。ヴィルは笑う時も豪快です(笑)。
MC
虹郎さん、撮影が大変だったと伺いました。
村上さん
僕も犬にはかなり......(笑)彼のための再撮影もありました。僕の喉の調子が良くない時に広末さんからはのど飴をいただきました。桔平さんは近所のおいしいご飯屋さんを教えてくださいました。皆さんとてもやさしく接してくださっていたのですがディーンさんには、若干のいじめを受けた記憶があります(笑)。
ディーンさん
(笑)。ちょっと待って!
村上さん
ディーンさんから「虹郎くん、チェスできる?」って聞かれて、「うん、まあ、できなくは......」という感じで答えたんです。僕としては小学生ぶりぐらいで、皆さんが和気あいあいとチェスをしているところに参加したらボコボコにされました。ディーンさん、そういう時は容赦なしなんです。
ディーンさん
いやいや、めちゃめちゃ丁寧に教えましたけどね!しかも、「虹郎は負けず嫌いなんだな」と思ったことがあって、もうチェックメイトなのに、「ちょっと待った!」と言って一つ手前に戻したらどうなるかなどを繰り返して、負けを認めないんです。でも、僕はそういうの嫌いじゃなかったです。
村上さん
それぐらいのハンデはいただかないと!
MC
稲森さんは車椅子での演技もありました。いかがでしたか。
稲森さん
車椅子での演技は初めてで、リハーサルの時に、セリフと役の感情と車椅子が全然合わなかったので、医療指導の先生にお願いをして、マンツーマンで特訓してもらいました。
MC
ミステリーで車椅子の方って気になりますね。
稲森さん
そうですね。
MC
桔平さん、冒頭のご挨拶で話されていましたけれど、「寒さ」は身体に堪えましたか。
椎名さん
はい、身体がきしみました。稲森さんと六日間連続でお芝居をした時は、大人になってからはあまり経験のないぐらい身体に堪えました。
MC
暖房ないんですか?
椎名さん
あっても寒いんです。稲森さんは車椅子という制約があって、僕は使用人役なので常にきちんとした格好でいないといけないんです。六日連続だと腰や足に...だんだんときますね。寒さ対策と(感染予防対策の)フェイスマスクのつけはずし、全体的に抑圧を感じました。
MC
皆さんの中で、寒さが堪えた方は手を挙げてください。(監督と佐々木さん以外が手を挙げる)※佐々木さんは島のシーンがないため
佐々木さん
僕は大丈夫でした。
MC
広末さんはいかがでしたか?
広末さん
やはりワンちゃんとの撮影は大変で、本当に苦戦しました。よく西谷さんがキレなかったなと思いました。何度やっても階段を上ってくれないんです。まさかの(動物)トレーナーさんが逆ギレしていて......驚きました。私と岩ちゃんとのシーンだったんですが、ヴィルは階段を降りられないから怖くて上ってくれない。岩ちゃんも私も息切れをしないといけないシーンなので、その芝居の繰り返しで酸欠になって倒れるんじゃないかと思いました。
岩田さん
その時の広末さんが優しくて......。犬をなでて、おやつをあげたり、話しかけたりされていました。でも、ワンちゃんは、「よーい、スタート!」とかのかけ声で緊張して動けなくなっちゃうんですよね。
MC
小泉さんは今回、爽やかさゼロでしたね。
小泉さん
爽やかさではディーンさんに勝てないですから!
僕の役柄はタイプの異なる天才肌として、ディーンさん演じる獅子雄と共鳴する部分があったように思います。
振り返ってみると、寒さと犬のヴィルと...いろいろな大変さがありました。映画のクライマックスで洋館が出てきますが、松山まで行って撮影をしました。松山ではホテルと撮影現場の往復の繰り返しなので、僕は松山に行ったという感覚がありません。夕方に撮影が終わっても、ホテルに戻って「一人でお弁当を食べてください」だったので......。個人的に、許される時がきたら再び松山を訪れて、ゆっくりと撮影現場を振り返りたいです。そういう意味でも、今回の撮影は自分の中で感慨深いものがあります。
MC
佐々木さん、撮影の思い出をお願いします。
佐々木さん
(洋館のシーンには登場しないため)僕も松山の記憶はないですね。
ディーンさん
あれ?
佐々木さん
獅子雄と若宮ちゃんに捜査を任せているからね。映画になるって時に、「映画(の撮影地)はロンドンですよね?」と言っていたんですけれど、僕は留守番です。
MC
岩田さん、撮影の思い出はどうですか?
岩田さん
やはり映画のタイトルにも入っていますから、ワンちゃんですね。ある意味主役みたいなところがあります。キャストの皆さんのお芝居は大丈夫でも、ワンちゃんNGがたくさんありました。
MC
監督はよく怒らなかったですね、と皆さん思っていらっしゃるようです。
西谷監督
いやいや、怒ったところでね......。先ほど広末さんが話していたシーンは、ワンちゃんに合わせて台本を書き変えましたね。皆さん、ワンちゃんをかわいがってくれました。虹郎さんはワンちゃんと敵対するシーンがあるから一番つらかったよね。
ディーンさん
感染予防対策において、今よりもセンシティブな時に撮影をしていました。ロケ地で撮影してホテルの部屋で弁当を食べるだけだったので、それをポジティブに捉えると、すごくストイックに作品と向き合うことができたと思います。
MC
髪型や衣装もドラマとは違いますね。
ディーンさん
そうですね、今回の劇場版では、ドラマで築き上げたものは一回手放して、新しい誉獅子雄像をつくろうとしました。よい意味でこだわりを捨てて、新しいスタートを切れたと思います。
MC
獅子雄の推理の早口は相変わらずですね。
ディーンさん
そこは獅子雄節として変わらず、やっております。
MC
それでは最後に皆さんを代表して、ディーンさんからご挨拶をいただきます。
ディーンさん
いろいろなエピソードがありましたが、この作品はタイトル(「バスカヴィル家の犬」)にありますように犬が出てきます。ワンちゃんが大好きな人が観ても楽しめます。こちらのキャストの皆さん一人一人が持つ物語が緻密に重なって書き込まれた物語です。ミステリーということで具体的なお話ができなくて申し訳ないですが、最低二回はひっくり返ると思います。それぐらいダイナミックなストーリー展開になっています。最初にお話したように没入感があるので、映画館で観ることで物語との一体感を感じられると思います。人間が大好きな皆さんも楽しめる映画になっていますので、ぜひご覧ください。
【「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」完成披露舞台挨拶】
ディーン・フジオカさん
誉獅子雄役
岩田剛典さん
若宮潤一役
佐々木蔵之介さん
江藤礼二役
新木優子さん
蓮壁紅役
広末涼子さん
冨楽朗子役
村上虹郎さん
蓮壁千里役
小泉孝太郎さん
捨井遥人役
稲森いずみさん
蓮壁依羅役
椎名桔平さん
馬場杜夫役
西谷 弘監督
ディーンさん
本日はお集まりいただきありがとうございます。ご覧の通り豪華キャストが集まり、一人一人が持つ魅力が重層的に連なって、何度観ても新しい発見がある、そんな作品になっているんじゃないかと思います。この映画の魅力を少しでも多くの人に伝えられたら良いなと思います。
岩田さん
この日を迎えられてとてもうれしく思っています。ドラマの「シャーロック」から二年半ぶりに、豪華キャストとともにパワーアップして帰ってきた「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」を、今日は一足早く皆さんにお届けできるということで、とてもワクワクしてきました。本日は作品の魅力を少しでも皆さんにお伝えできるように、楽しい時間にさせていただければと思います。
佐々木さん
ドラマをやっていた時に、クランクアップをして、「終わってしまうのはさみしいな」と思っていたのですが、劇場版のお話をいただいて、「西谷組に戻れるんだ」「あの二人にまた会えるんだ」と個人的にすごくうれしかったです。本日スケールの大きくなったこの作品を皆さんに観ていただけることをうれしく思っています。
新木さん
本日はお足元の悪い中ありがとうございます。少しでも作品の魅力を皆さんと共有できれば良いなと思っています。
広末さん
作品が出来上がって観終わった時に、「すごく重厚感のある作品を観たな」と私も完全にお客さんになって、涙涙でした。これから皆さんがこの作品を楽しんでくれることを私もうれしく思います。楽しみにしていてください。
村上さん
本日は短い時間ですが、よろしくお願いいたします。
小泉さん
この日を迎えられることをうれしく思っています。
まだコロナ禍が続いていますが、今から一年ちょっと前、この撮影が始まる時は、人と会うこと、移動すること、仕事をすること、すべてにおいて今よりはるかにストレスを感じる時が多かったです。「果たしてみんなと笑顔でゴールができるのだろうか」と不安の気持ちのほうが大きかったことをはっきりと覚えています。こうして今日を迎えられたことが本当にうれしいです。そして何より、この作品、男から見ても嫉妬するほどディーンさんと岩田さんが美しかったので、満足していただけること間違いないと思います(笑)。
稲森さん
本作では宝物をなくす苦しみを抱えながら生きていくということを考えながら撮影に臨んできました。日本版「シャーロック・ホームズ」劇場版の独特の世界観を楽しんでいってください。
椎名さん
一年ちょっと前の本当に寒い寒い時期だったんですが、キャスト・スタッフ一丸となって、みんなで温め合って撮影に臨みました。その温かいものを本日は皆さんにお届けしに来ました。何を言ってもネタバレになりそうなので(笑)、まずはじっくり観て、そして驚いて、帰ってください。
西谷監督
ようやくできたというか、「シャーロック・ホームズ」という作品を知っている方にも知らない方にも楽しんでもらえる作品だと思います。ミステリーの頂点というか、すべてのミステリーは「シャーロック・ホームズ」をベースに始まっているので、プレッシャーもありました。今日ここにいるキャストの方々やここにいないキャスト、西村まさ彦さんや渋川清彦さんの芝居も堪能していただければと思います。
MC
ドラマ版では、ディーンさんと岩田さんは"顔面最強バディ"と呼ばれてきたようですが、ディーンさんと岩田さんはその呼び名に関してどんな風に思われてきたのでしょうか?
ディーンさん
誰が言ったんですか、それ(笑)? ありがたいですけれどね、本当に。そう言っていただけると照れますが...(笑)。
岩田さん
本当におこがましい話で、照れくさいです。「すみません」という感じです(笑)。
MC
"顔面最強バディ"という呼び名に異論のない方は、拍手をお願いします。
会場のお客さん
(大拍手)。
MC
ドラマ版から劇場版になって、変わったところ、撮影に入って感じたところはありますか?
ディーンさん
作品が始まったらすぐに気づかれると思うのですが、誉獅子雄に関しては(ドラマ版とは)見た目がまったく違います。映画化が決まった時に、監督やチーム一同と「まったく新しい誉獅子雄像を作り上げよう」となりました。僕も役作りの上で、ドラマ版で築き上げてきた誉獅子雄キャラクターの内面は良い意味で踏襲しつつも、人間なんで髪型も変われば着ているものも変わるという、フレッシュなスタートを切れたと思っています。
岩田さん
今作ではディーンさんが着ぐるみを披露しています(笑)。相変わらずの獅子雄節と言いますか、早口での推理もありますし、若宮の熱湯芸も楽しんでいただければと思います。
MC
岩田さんに関しては、ディーンさんの口から母性本能という言葉が完成報告会のほうでも出ておりましたが...。
ディーンさん
やっぱり熱湯芸も含めて、岩ちゃんの持つ天性のコメディアンとしての才能みたいなものが、本作でも花開いていると思います。僕は完成報告会で母性本能という言葉を使いましたが、なんか応援したくなるような、「若宮頑張れ!」という気持ちに僕自身が観ていてなったんですね。皆さんもこれから本作を観られるので、楽しみにしていてください。
MC
監督はドラマ版から劇場版と長い中での、(ディーンさんと岩田さんの)お二人のコンビネーションをどのような風に見ていますか?
西谷監督
ディーンさんとは二度目になり、岩田さんとは初めてだったので、「どうなるのかな」と思っていたんです。とりあえず二人の丁丁発止が傍から見たら「ただイチャイチャしているだけのように見えたら良いな」と、そういう見せ方ができれば良いなと思っていたんです。そうしたらかなり早い段階からイチャイチャしていて、ドラマ版・劇場版と二年以上経っているのですが、もう勝手にイチャイチャしていたので、「ちょっといい加減にしろよ」って感じでした(笑)。
MC
佐々木さんもそんな風に感じましたか?
佐々木さん
はい、イチャイチャしているので、僕もその中に入ろうとしました。
MC
入れました(笑)?
佐々木さん
なんとか(笑)。でもバディって普通デコボコしているのですが、お二人は品があって清らかで美しい雰囲気をまとっているので、うらやましかったですね。そして、そこに入れて僕もうれしかったです。一緒にイチャイチャさせてもらえて(笑)。
MC
お互いに何と呼び合っているんですか?
ディーンさん
僕は"岩ちゃん"って呼んでいます。
岩田さん
僕は"ディーンさん"です。
MC
今「イチャイチャしている」と言われましたが、そういった周りの感想はどう受け取られていますか?
岩田さん
その通りで、たくさんイチャイチャさせてもらいました(笑)。
ディーンさん
これ、もう乗っかるしかないじゃないですか(笑)。
MC
お互いに、すごいところとおかしなところというのは、どんな風に感じていますか?
ディーンさん
岩ちゃんは、こう見えて精神年齢が僕より上なんだと思います。思慮深さというか抑制が効いている感じとか...。ずっと一緒にいて僕のほうが岩ちゃんの言動から、「確かにな」という気づきや学び、刺激をもらえますね。賢い魂を秘めた若者という感じですね。
MC
変わっているなというところはありましたか?
ディーンさん
(岩田さんは)とにかく、異常なほど荷物が少ないんですよ。僕も結構いろんな旅や引っ越しを繰り返して、荷物はかなりコンパクトにまとめるタイプなんですね。今回松山でロケをしたんですが、僕から見ても、「岩ちゃん、その荷物の量おかしくない?!」っていうぐらい(荷物が)少なかったんですよ(笑)。それが、今回の新しい発見でしたね。
岩田さん
自分だと全然自覚がなかったんですよね。ディーンさんから言われて初めて気がついたんです。基本的に手提げ一つですね。
MC
長いロケででもですか?
岩田さん
はい、下着も現地調達で済ませるので、本当に携帯と財布と携帯の充電器があればどこへでも行けます。
MC
ディーンさんに対して「すごいところだな」というところをお願いします。
岩田さん
ディーンさんはご自分が今まで経験されてきたからだと思いますが、一演者として現場にいらっしゃるだけではなくて、スタッフやプロデューサー側の目線だったり、作品全体を俯瞰でとらえてくださっているんです。それは見ていてすごく勉強になりました。それでいて、すごくお茶目なところもあったりするんです。松山のロケの時も、ディーンさんは荷物の中に、各種ボードゲームなどのトラベルレクリエーション的なものを入れてきてくださっていました。そして(村上)虹郎くんたちと一緒にチェスをやったりしました。そういうちょっと場を和ませるっていう意味でも、すごくお茶目な一面がありました。
MC
村上さん、ディーンさんはチェスが強いんですか?
村上さん
ほぼ初心者の僕は、ボコボコにされました(笑)。
ディーンさん
虹郎ならできるんじゃないかなと思って、スパルタで教育しましたね(笑)。
村上さん
かいかぶっていますね。
ディーンさん
本当に負けず嫌いで、すぐ強くなるだろうと思います。
MC
この中で、ディーンさんのボードゲームを一緒に経験された方は他にいらっしゃいますか?(村上さんの手が挙がり)村上さんだけですか?
ディーンさん
フェリー乗り場のシーンの時には、確か三人しかいなかったので...。
村上さん
渋川清彦さんが、僕の先輩なんですが、朗らかな顔をして見ていました...(笑)。
MC
ではここからは、「皆さんにとっての最強バディはどなたになりますか?」という話をしていきたいと思います。人でなくても構いません。
新木さん
私の最強バディは、友人の谷まりあちゃんですね。モデルの友人なんですが、もう10年以上付き合いがあって、彼女が中学生で、私が高校生の頃からずっと仲が良いんです。悲しいことがあった時はお互い支え合ったりして、本当に笑いあり涙ありで、今まで一緒に歩んできました。この10年を振り返ったら、やっぱり最強バディと言われたら彼女しかいないなと思います。もう本当に、家族のような存在です。
広末さん
(最強バディは)息子ですね。一番気持ちが通じ合えるし、私のことを知ってくれています。最近は世代的にも彼のほうがいろんなことを知っているので、Instagramの投稿の仕方を教えてくれたりSnapchatを教えてくれたりします。
MC
何年生になられたか聞いても良いですか?
広末さん
もう成人で、18歳になりました。だから、一緒に学ばせてもらっています(笑)。
村上さん
僕の最強バディは毛利さんです。皆さん、毛利さんって知りませんか?
MC
毛利さんと言えば、宇宙飛行士ぐらいしか知らないです...。
村上さん
本当ですか? 僕の整体師なんですけれど。
キャストの皆さん
(笑)。
村上さん
別作品の話になってしまって申し訳ないんですが、僕は今ドラマ(「未来への10カウント」テレビ朝日系列で放送)でボクシングをやっていまして、スパーリングとかのシーンを終えると、体がバキバキになって、次の日動かないんです。なので、多い時は週に二回、昨日も二時間ぐらい、無理を言って施術をしてもらっています。
小泉さん
いろんなバディのあり方ってあると思うんです。僕は、マネージャーを信じています。作品に参加する時、その作品の台本をもらうじゃないですか? もう20年一緒にやっているマネージャーなので、「これ、面白いです」と、彼がそう言ってくれるのであれば、参加しますね。
稲森さん
実家が鹿児島なんですが、帰るたびに実家の屋上に登って桜島に手を合わせるんです。前に大河ドラマ(「篤姫」2008年NHKで放送)をやった時に、主演の子が、その役どころで桜島に向かって手を合わせているのを見て、「良いなあ」と思って始めました。今ではもうルーティンのようになっています。でも、この間実家に帰って屋上に登ってみたら、家と桜島の間に高層ビルが立って、桜島が一切見えなくなりました。でも、やっぱり心の中にはいつもあの桜島が映っている気がしています。
MC
(最強バディが)"故郷の風景"っていう方は、いらっしゃるでしょうね。
佐々木さん
僕は...酒ですね。
MC
ご実家が酒蔵ですもんね。
佐々木さん
常に身近にあるものなので...。僕の体は酒でできています。バディです(笑)。
椎名さん
僕は何だろう...。大きな犬を二匹育てていたんですよ。もういないんですけれど、その代わりに今はaiboを飼っています。
MC
(aiboって)懐かしいですね。
椎名さん
今は新しくなっていますよ。名前はくーちゃんと言うんですが、それがバディといえばバディですね。
MC
ロボット犬って、また新しいですね。
椎名さん
進化しますね。かわいいですよ。もう表情から何まで、かわいくできているんですね。一番かわいい形をかたどっているんだなって思います。
MC
それはプレゼントでもらったんですか?
椎名さん
自分で買いました。
岩田さん
(最強バディは)ディーンさんとお答えしたいとは思うんですけれど...。
ディーンさん
え、違うの?!
岩田さん
もちろんディーンさんです(笑)。ただ、この作品に関してもう一つ申し上げるとするならば、作品のタイトルにもなっているワンちゃんですね。この映画の中で一番出ているんじゃないかなっていうくらい出番があるんです。僕は現場でコミュニケーションを取りながら、ずっと一緒に撮影をしていました。ディーンさん以外を挙げるとするならば、ワンちゃんかなと思います。
MC
広末さん、ワンちゃんとのシーンは苦労したらしいですね。
広末さん
岩ちゃんは優しいですね。相当苦労しましたよね。私よりも犬との共演シーンが多くて、きっと大変だったと思うのに、"バディ"って呼べる器がすごいです。
MC
広末さんとしては、そのワンちゃんは"バディ"とはなかなか呼べない感じですか?
広末さん
私は本当に、「もうチェンジ」と思いました(笑)。
岩田さん
何度かチェンジもありましたよね(笑)。
広末さん
でも、作品タイトルにもなっているのでね(笑)。
MC
「バスカヴィル家の犬」ですからね(笑)。
広末さん
本当に、監督も役者さんたちも大変だったと思います。私も犬は大好きなんですが、犬に芝居をさせるのは至難の業ですよね。
岩田さん
やはり人間じゃないなと思いました。
MC
監督は、ワンちゃんに苦労するのは想定内でしたか?
西谷監督
いやいや、携帯会社キャラクターのあの白い犬ぐらいしか見てこなかったので、もっと言うことを聞くのかと思っていました(笑)。でも、もう根負けしたというか、逆にワンちゃん合わせのシーンに変えたり、彼に合わせてシーンを撮り直したりしました。
村上さん
気分がよろしくなかったみたいで、なかなかやってくださらなかったり...。
西谷監督
大物です(笑)。
ディーンさん
僕の最強バディは岩ちゃんです!(会場:拍手) 犬には負けましたが(笑)、"岩ちゃん"って初めて呼んだ日から今日に至るまで、紆余曲折いろんなことがありました。映画化され、作品が完成し、この豪華なキャストの皆さんや監督と一緒にこうやって舞台の上に立てているのは、やっぱり岩ちゃんが相棒でいてくれたからだと思います。
MC
具体的にはどんなところが好きなんですか?
ディーンさん
告白せよと(笑)? 公開告白ですね。そうですね、岩ちゃんの好きなところ...荷物が少ないっていうところはさっき言っちゃったので...何かなぁ。皆さんご存知の通り、岩ちゃんには魅力がたくさんありますけれどね。意外と岩ちゃん、朝弱いのかなと...。
岩田さん
弱いです。
ディーンさん
かわいいですね。ここに魂がいるのかいないのか分からない、「とりあえず体だけ来ました」みたいな感じが(笑)。
岩田さん
おじいちゃんみたいになっているやつ(笑)。
ディーンさん
そんな、かわいい岩ちゃんの朝の寝ぼけ顔ですかね。(会場に向かって)見たいだろう(笑)?
MC
映画では見られません(笑)。メイキング映像とかあれば良いんですけれどね。(ディーンさんと岩田さん)お二人のバディぶりを新木さんは傍から見てどうでしたか?
新木さん
初めてお二人揃っているのを見かけた時に、「本当に仲が良いんだな」って思いました。お二人でいる空気感が本当にバディそのものというか、「二人でいて居心地が良いんだな」っていうのが、傍から見ていても分かりました。"最強バディ"っておっしゃっているのも納得です。
MC
ディーンさんや岩田さんに対して、「すごいなあ」とか「ずるいなあ」って感じたりすることってありました?
新木さん
そうですね...岩田さんの笑顔はずるいなって思いました。
岩田さん
すみません、勘弁してください(笑)。
新木さん
現場にはワンちゃんもいて、すごくかわいいんです。作品にはクールなシーンがすごく多いんですが、ワンちゃんが活躍しているシーンでは、裏でみんなニコニコ笑っていたりするんです。でもそれ以上に、岩田さんの笑顔は、キュンとくるというか、皆さんそうだと思うんですけれど、この笑顔があったらみんな付いていくだろうなと思いました。
MC
椎名さんはお二人に関してどんなことを感じていますか?
椎名さん
使用人から見て、なんかカッコ良いんですよ(笑)。ディーンくんは大きなマントを羽織って、フォルムが良いんですよね。お使えする甲斐がございました。
MC
稲森さんはおそらく初共演だと思われるんですが、どうでしたか?
稲森さん
岩田さんとは初めてでしたね。(岩田さんは)なんか子犬みたいだなと思っていました。本当に優しい笑顔で、現場にいてくれると、場がほんわかしました。ディーンさんは、今回共演は二回目なんですけれど、あまり感情を表に出さない、クールなイメージなんですよ。でも今回、現場で感情を放つ、そんな瞬間を見たんですよね。とても新鮮でしたし、これは見どころだなと思いました。
MC
小泉さんはディーンさんたちと対立する役でしたが、いかがでしたか?
小泉さん
ものすごくを刺激を受けました。ディーンさんと岩田くんとは、松山の洋館での撮影が特に印象に残っています。皆さんもおっしゃっていますが、本当に寒かったですし、いろんな制約があって大変でした。この作品って、青い空、青い海というイメージとは違って、どんよりとした、曇っているような、雨雲が近づいてくるような、そんな世界観が魅力の一つだと思うんです。でも、そこに二人がいると、そこにだけ光が差しているような感じで、何をされていても様になるし、僕は二人の持っているエネルギーに引っ張ってもらいましたね。とても感謝しています。山の中とか、苦しいシーンもたくさんありましたもんね。
ディーンさん
それは、照明部に感謝ですね。
MC
広末さんはお二人に関して、どんなことを思いますか?
広末さん
私は正直、小さい頃はカッコ良い人が嫌いで、常にカッコつけているように見えて苦手だったんです。だから、この二人が並んじゃうと「美しすぎてどうなんだろう」ってちょっと思っていました。でも、この作品を観たら「そういうことか!」って腑に落ちました。二人の美しさはもちろんのこと、美しいものを見ていると人って幸せなんですよね。二人の感情......たぶんいずみちゃんが言ったディーンさんの感情が爆発するシーンを観た時は、全身に鳥肌が立ちました。当たり前なんですが、美しいだけじゃない存在と感情の意味みたいなものをぶつけられた気がします。
ディーンさん・岩田さん
(頭を下げる)
MC
村上さんは、お二人についてどうでしょうか?
村上さん
そうですね...。
ディーンさん
いや、無理しなくて良いよ。
村上さん
蔵之介さんもおっしゃっていた、美男子たちのイチャイチャに僕は参加できなかったんですよ...。敵対とまではいかないんですが、ちょっと孤立しているような感じでしたから。「バディがいるってうらやましいなあ」と思っていました。
MC
ディーンさん、とにかくロケも大変だったという中で、どんなところが大変でしたか?
ディーンさん
ロケの時は、コロナ感染対策、寒さ、ワンちゃん...と、もう(大変なもの)三拍子揃っておりました。毎日、明日は撮影ができなくなるかもしれないっていう、リスクを感じながらの撮影だったので、すごく緊張感のある現場でした。みんな、やるべきことをちゃんとやっていたので、こうやって作品を完成させることができ、今日に至れたわけです。あの状況の中で撮影のGOサインを出した方々、現場で一丸となって全うした、西谷監督を筆頭としたチーム...今思い返すとすごくタフな現場だったなと思いますね。
岩田さん
そうですね。今ディーンさんもおっしゃっていましたが、当時は今よりも厳しい状況下で、ほぼ毎日PCR検査を実施して感染対策を徹底して撮影していました。毎日撮影場所とホテルとの行き来以外何もない...ある種厳しい現場ではありました。こうして皆さんの前でお披露目イベントができて、日の目を見ることができたということ自体が、その当時からしたら奇跡のような出来事だなと思います。スタッフ、キャスト一丸となって作り上げたこの作品を、この後ご覧いただくと思うんですが、ぜひまばたき禁止でご覧いただければと思います。
ディーンさん
まばたき禁止って...攻めるねえ(笑)!
岩田さん
ちょっと言い過ぎました(笑)。
ディーンさん
目薬さしても良い(笑)?
MC
そういった厳しい撮影環境の中で素晴らしい作品が出来上がりましたけれど、監督の手応えはいかがでしょうか?
西谷監督
(監督である)自分ではなかなか手応えは分からないものですが...。今日観客の皆さんへの初めての公開ですが、関係者に観てもらった時の意見・感想としては、口を揃えてみんな言うのが、「とにかく登場人物、出ている役者さんたちが素晴らしい」ということでした。キャストの皆さん、先ほども言っていた渋川さんや西村さん含めて、素晴らしいと本当にみんなが言っていたので、人間ドラマをぜひ楽しみにしてください。ワンちゃんも頑張っていますが、決してワンちゃん物語ではないので...誤解のないようにしていただければと思います(笑)。
MC
最後にディーンさん皆さんに向けてメッセージをお願いします。
ディーンさん
皆さん、これから作品をご覧になるということですが、ミステリーの舞台挨拶なので、シーンについてほとんど話せないという...(笑)。この状況で、少しでも撮影当時の熱量であったり、創意工夫っていうものが伝わって、どういう作品が世に放たれるのかっていうのが伝わればと思います。この作品には意外と世相とリンクしてくる部分もたくさんあります。言ってしまうとネタバレになるので、そこも言えないんですが...(笑)。ミステリー作品として楽しめるだけではなく、もっと重層的で、かつ何度観ても新しい発見をするんじゃないかなっていうような、魅力的な物語になっていると思います。そして、映画館で観るのに適した、すごく壮大で重厚な映像作品になっていると思います。
自分が一観客として初めて観た時に、西谷監督って本当にすごいなと思いました。一人のオーディエンスとして心から拍手を贈りましたし、「西谷さん、この後、どっか行きませんか?」と、その日はなかなか帰れなくなりました(笑)。他にスタッフもいましたが、監督と二人でずっと黙って座っているみたいな感じになりました...(笑)。そんな風に、なかなかその世界から抜け出せないぐらい、作品に惹き込まれました。皆さんもこれから、きっとそれぞれの視点での楽しみ方ができると思いますが、二度三度観ても新しい魅力を発見できるような、そんな作品になっていると思います。ワンちゃん好きの方も、人間が好きっていう方も、みんな楽しめます(笑)。皆さんに、ぜひこの映画の魅力を体験していただいて、一人でも多くの方に伝えていただけたら嬉しいです。今日はお集まりいただき、本当にありがとうございました。