「ミステリと言う勿れ」初日舞台挨拶
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初日舞台挨拶
累計発行部数1800万部を突破する田村由美さんによる大人気漫画を原作とし、2022年にフジテレビ月曜9時枠で放送された連続ドラマの劇場版「ミステリと言う勿れ」がいよいよ9月15日に公開を迎え、興行収入50億円突破を目指せる大ヒットスタートを切りました! TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた初日舞台挨拶には、菅田将暉さん、柴咲コウさん、松下洸平さん、町田啓太さん、原菜乃華さん、萩原利久さん、松山博昭監督が登壇しました。映画の注目ポイントを語り合うだけではなく、「また共演するとしたら、どんな作品で、どんな関係性が良い?」というアイデアを膨らませるなど、キャスト陣の仲の良さに会場も大盛り上がりとなりました。この日の模様を、詳しくレポートします!
菅田将暉さん
久能整役
柴咲コウさん
赤峰ゆら役
松下洸平さん
車坂朝晴役
町田啓太さん
狩集理紀之助役
原菜乃華さん
狩集汐路役
萩原利久さん
波々壁新音役
松山博昭監督
菅田さん
足元の悪い中、初日に劇場まで来てくださって本当にありがとうございます。本作を観終わった後なんですよね。いろいろなことをしゃべりたいのですが、(取材の)カメラが入っているので、「あまりしゃべるな」と言われてしまいました。(会場:笑) でも、今日はギリギリまでしゃべれたらと思っています。
柴咲さん
初日を迎えられて、そして皆さんに観ていただくことができてホッとしています。
ドラマからずっと走り続けて、整くんを演じてきてくれた菅田さん、お疲れ様です。
菅田さん
ありがとうございます。
柴咲さん
整くんのたくさんの言葉で救われた人、勇気づけられた人がいると思います。私は個人的に(自身が演じた)ゆらさんに投げかけてくれた言葉に、女性として勇気づけられた点がありました。ただたくさん良いセリフを話せば話すほど、「俳優・菅田将暉の頭の中は大丈夫かな」みたいな気がして、勝手に心配していました。でも、現場では(菅田さんの)そういった大変さというのは一切見ることがありませんでした。天から降りてきた言葉をそのまま、整くんのフィルターを通しておしゃべりしていたような、整くんそのものだったと思います。
松下さん
初日にこんなにたくさんの方にご覧になっていただき、本当にうれしいです。撮影は昨年の年末から今年の1月、2月にかけて行われたので、まだ新しい記憶として残っています。キャスト勢揃いで、皆さんの前でこうしてお話したり、記者の方々の前でお話ができる機会は、おそらく今日が最後になってしまうんじゃないかと聞きました。僕自身も、撮影期間中は本当に楽しくて、(現場の)皆さんに会えると思うと撮影現場に行くのがいつも楽しみでした。本作は、良い思い出がたくさんできて、僕にとっても宝物のような一作になりました。今日は時間の許す限り、皆さんとお話ができればと思います。
町田さん
僕は原作が大好きで、「ミステリと言う勿れ」に出会えて本当に幸せです。こうして皆さんの前に立っていることも、とてもうれしいです。共演者の皆さん、スタッフの皆さんとの出会いもかけがえのないものになりました。それをまたスクリーンを通して、今日こうして皆さんに作品を届けられたことが、本当にうれしくてたまりません。
原さん
今日が来ることをすごく楽しみにしていました。ずっと「(自身が演じた)汐路に見えるだろうか」と緊張や不安もありました。でも、こうして皆さんに温かく迎えていただき、すごくうれしいです。本当に素晴らしい作品に参加できて、こんなに素晴らしくて優しく温かい現場に参加できたんだと、今すごく幸せを実感しています。
萩原さん
僕は参加した作品が公開されるたびに、観てくださる方がいるということは本当に素晴らしくて、幸せなことだと思っています。今日もたくさんの方に観ていただけて、すごくうれしいです。松下さんも先ほどおっしゃっていましたが、(本作は)撮影からあまり期間を空けずに公開されたので、現場での記憶もたくさん残っています。その状態で本作を観た方の感想を聞くことを、少しソワソワしつつ、楽しみにしています。
松山監督
本日は足元の悪い中、初日にこんなにたくさんの方に集まっていただき、本当にありがとうございます。本作はきっと、観た方の置かれた立場や環境によって、それぞれ感じ方や考えることが違う作品かなと思っています。もう一つ言うと、きっと何回観ても違った感情、いろいろな考えが浮かぶ作品だと思っています。「もう一回(映画館に)来い」とは言いませんが、いろいろなことを考えて、感じていただけたら幸いです。
MC(フジテレビの軽部真一アナウンサー)
ぜひ二、三回と観ていただきたい。リピーターになっていただきたいという、松山監督からのメッセージでした。(会場:笑)
菅田さん
そう言ったようなものですよね。(会場:笑)
松山監督
ちょっと、いやらしかったですかね(照笑)。
菅田さん
いやいやいや! 監督としては、二、三回と観てほしいですよね。
松山監督
いろいろと気づくことがたくさんあると思います。
菅田さん
結構、複雑な話だったりもしますから。
MC
本作の宣伝活動において菅田さんは、物語の舞台となった広島と、嚴島神社で本作の大ヒットを祈願しました。広島でのキャンペーンはいかがでしたか?
菅田さん
ロケでも行きましたが、すごく気持ちの良い場所なので「行けて良かった」と思っています。ドラマの撮影期間はコロナ禍ど真ん中の時期だったので、僕らはロケには行けず、ほとんど缶詰状態で撮影をしていました。ドラマなので舞台挨拶などはなかったですが、その時期にやった舞台挨拶はほぼ無観客、もしくはリモートで行うという状況でした。だから、大ヒット祈願という形で嚴島神社に行けて、しかも鳥居も完成(改修工事が完了)していて、すごく清らかな気持ちになって癒されました。お好み焼きもおいしかったです。
MC
8kgにも及ぶしゃもじを持って、フォトセッションもされました。
菅田さん
しゃもじはすごかったですね。重かったです。嚴島神社の空気に癒されて、最大限に脱力している状態だったので、結構しんどかったです(笑)。
MC
8kg以上の重さを感じたかもしれませんね。
菅田さん
そうですね。22kgくらいの重さを感じました。(会場:笑)
MC
これから本作をご覧になる方々に向けて、また本日ご覧になった皆さんが、さらに二回、三回と観たくなるような注目ポイントや、好きなシーン教えてください。
菅田さん
(松下さん演じる)朝ちゃんが、焼き芋を半分に分けるシーン。すごくかわいい言い方をしていたんですよね。「焼き芋ー」って。
松下さん
(笑)。
菅田さん
(会場に語りかけるように)分かりますか? ちょっともったいぶって渡す感じで、「焼き芋ー」って(笑)。あの言い方がすごく好きなんです。しかもあれはクランクインの日だったんですよね。「もう朝ちゃん、完璧だ」と思って、そこからの撮影が楽しみになりました。
松下さん
これは皆さん、もう一回観ましょう。(会場:笑) なんとなく記憶はある。
菅田さん
あるでしょう?
原さん
「焼き芋ー」って言われた後、私も思いっきり飛び込んで良いんだと思いました。
菅田さん
そうだよね。あれで一気に二人の関係性も見えるし、(キャラクターの)優しさとかチャーミングさも分かるんですよ。
松下さん
どんな感じ?
菅田さん
(劇中の松下さんの演技を真似ながら)「焼き芋ー」って。(会場:笑&拍手) あの言い方が、現場でものすごく刺さったんですよ(笑)!
MC
松下さんは、そのシーンを覚えていますか?
松下さん
撮影初日で緊張していたのもあって、焼き芋を渡すくだりの時に「変な言い方をしちゃったな」という記憶はあります。なんか変だったなっていう。
菅田さん
そうなんだ(笑)? 変じゃないよ! 良かった。
松下さん
もう一回、スクリーンで確認します。
菅田さん
その時(松下さんが)ライブ中か何かで、発声がすごく良かったんですよ。
松下さん
喉が開きっぱなしでした(笑)。
菅田さん
あんなに柔らかい「焼き芋ー」は聞いたことがない。(会場:笑)
松下さん
歌うように(笑)。
菅田さん
歌うような「焼き芋ー」(笑)。あれすごく好きだったな。
MC
それは確認したいですね(笑)。柴咲さんはいかがでしょうか。
柴咲さん
私は個人的に、喫茶店にみんなで集まっているシーンが好きです。役としても(それぞれの登場人物と)結束したり、疑心暗鬼になったりといろいろな感情が複雑に混ざるシーンで、みんなで一つのテーブルを囲んで真剣に演じました。でも、撮影の合間のみんなとの会話が、すごく和んだんですよ。脳内をお花畑にしてもらえたと思っています。
菅田さん
お花畑でしたね。
柴咲さん
松下さんがいらっしゃったので、そのおかげですごく優しくて、フローラルでボタニカルな雰囲気だったんですよ。
菅田さん
ボタニカル。
柴咲さん
ボタニカル(笑)。
菅田さん
そうだ、あの日から「ボタニー」が始まったんだ(笑)。(松下さんのことを「ボタニカル」や「ボタニー」という愛称で呼ぶようになったことを回想)
町田さん
「ボタニー」思い出しました(笑)。
松下さん
「ボタニカル、ボタニカル」と呼ばれて、「いじられている」とは思いました(笑)。
菅田さん
いやいや! とてもフローラルで自然体なので、松下さんが歩くと、そこに小花が咲くようなマイナスイオンを感じたんですよ。
そういえば、松下さんが、メイク中にいきなり「人間のここ(手のひらの膨らんだ部分)を食べたらおいしそうだよね」という話をするんです。(登壇者の皆さん&会場:笑) (鶏の部位)「ぼんじりのよう」って話してて(笑)。
松下さん
(タジタジになりながら)ニュースになっちゃうからぁ……。(登壇者の皆さん&会場:笑)
町田さん
僕に関しては、「全身がおいしそう」って言われました。(登壇者の皆さん&会場:笑)
菅田さん
それはしょうがない。おいしそうだから(笑)。町田くんは鍛えているせいで、可食部分が一番大きい(笑)。
町田さん
おかしい。食べちゃダメです(笑)。
菅田さん
あれは本当に仲良くなったシーンでしたね。
MC
松下さんがムードメーカーだった様子ですね。そんな松下さんが思う、本作の注目ポイントを教えてください。
松下さん
今日ご覧になって、体験したと思うんですが、やはり「ミステリと言う勿れ」の面白いところは、「誰が犯人なのか」という謎解きの部分ですよね。皆さんにもその推測を楽しんでいただくために、作品の中に(登場人物)それぞれを「怪しいぞ」と思わせるようなカットがちょこちょこ散りばめられています。
菅田さん
廊下の町田くんとかね(笑)。止まって、外を見つめる背中とか、あれは明らかに怪しい。
松下さん
まさにそのシーンが好きなんです。
菅田さん
あそこ良いよね!
松下さん
あそこ良い! 町田くんの眼鏡がキラーンとなる瞬間が一回あるんですよ。(会場:笑)
町田さん
よく見ていますね(笑)。
松下さん
あそこ好きだなぁ…。「絶対犯人じゃん」って思う。
菅田さん
あと、庭園で一人遠くを見ているあの町田くんも良い。
町田さん
(笑)。
松下さん
眼鏡キラーンのリッキー(理紀之助)最高でしたね。
町田さん
監督が覚えているかは分からないですが、今おっしゃったところはたぶん、何回もやって、一番テイク数を撮りましたよね。
松山監督
何回もやりましたね。ちょっとしたタイミングで、眼鏡がキラーンとしなかったりね。
町田さん
「後ろからの光が、ちょうど眼鏡からこぼれてほしい」という調整があったりしました。
菅田さん
眼鏡がキラーンとするのは、狙って撮っていたんですか?
松山監督
奥に太陽があったので(町田さんが)振り向いた時にその太陽がキラーンと光るようにしたかったんです。でも、これがちょっとズレると被ってしまうんですよね。
町田さん
眼鏡のキラーンは(撮影する上で)計算されています。ミリ単位の調整で時間がかかりましたね。
菅田さん
あのカットは良いですね。
松下さん
今日ご覧になった皆さんは「誰が犯人なのか」ということはお分かりになったと思いますので、それを分かった上でもう一回観るとちょっと面白いと思います。
菅田さん
その面白がり方はニッチすぎる(笑)。
MC
確かに犯人が分かった上でまた観てみるというのも面白そうです。町田さんは、お好きなシーンはありますか?
町田さん
数々あるので、難しいですね…。そういえば、一緒にそのシーンを演じていても、知らなかったことがありました。利久くん、アドリブを入れたんだよね。
菅田さん
今回、実は(萩原さんが)一番果敢にアドリブを入れていました。
町田さん
あたかも台本にあるかのように、アドリブを入れたシーンがあったんですが、気づきました?
松下さん
そのシーンに僕もいた?
菅田さん
(松下さんは)いないシーンだ! 冒頭のシーンですよね?
町田さん
そうです、そうです。「ブロッコリー」というセリフです。
萩原さん
ブロッコリー(笑)。(会場からも驚きの声が上がる)
菅田さん
(そのセリフは)原作では「カリフラワー」なんですけどね。
町田さん
あのアドリブが原作愛にも溢れているし、よく出てきたと思った。
萩原さん
「ブロッコリー」で行くか、「カリフラワー」で行くか、自分の中でだいぶ審議しました(笑)。
菅田さん
利久がドライ(最初のリハーサル)で「ブロッコリー」と言った時には、松山監督はどのように思ったんですか?
松山監督
「ぶっ込んできたな」と思いました。(登壇者の皆さん:笑) 「良いと思ったらそのまま行こう」と思って、そのまま使っています。
菅田さん
監督とも脚本の話をしつつ、事件とは関係ないけれど、そういった本人の性格とかが見えるものは「ちょっと足したい」と言っていたんですよね。
松山監督
現場でも、「あれ足そう」「これ足そう」みたいな話はしていましたね。
菅田さん
そういう話をしていたら、クランクイン初日にいきなりぶっ込んでくれました。素晴らしいハートです。ただ暗闇の中で探し物をしている場面で、整くんが「ちょっとトイレ」と言った時に、(萩原さんによる)「漏らすなよ!漏らすなよ!」というアドリブはカットでしたね。(登壇者の皆さん&会場:笑)
萩原さん
不採用でした(笑)。アドリブは、数を多めに打っています。
菅田さん
ジャブを打つことは大事だからね。
MC
台本にはないアドリブをやるのは萩原さんが多かったんですか?
萩原さん
新音役は比較的テンションも高く、口数も多いので(アドリブを)入れやすいというか、反応しやすい部分があったと思います。
菅田さん
(松下さんを見つめながら)「焼き芋ー」は(台本にあった)セリフだったの?
松下さん
(ツッコむように)セリフですよ(笑)。あれは言い方でしょう? (会場:笑)
松山監督
朝一回リハーサルをやって、その時に「セリフを変えよう」という話をして、結果変わったことはいろいろとあるような気がします。でも、本番で突然ボン!と出てきたのはあまりなかったと思います。
萩原さん
僕の注目ポイントとしては、言われて嬉しかったことですが、「だんだん狩集家のみんなが本当の従兄弟に見えてきた」と言われたことがとても嬉しかったです。撮影に入る時に、兄弟とも、友だちとも違う、“従兄弟感”を自分たちで出すのってすごく難しいと思っていたんです。「どうやったら出るのかな」と思っていたんですが、仲良く皆さんとたくさんお話できたおかげで従兄弟感が出たのかなと思います。
菅田さん
ある日から、「顔がちょっと似てない?」と思いましたもんね。(登壇者の皆さん、笑いながら大きくうなずく)
萩原さん
それがうれしい。観ている方にもそのあたりを感じていただけたらうれしいなと思います。
菅田さん
だんだん利久が、町田くんに似てくる。
松下さん
そして最後は一つになる。(登壇者の皆さん&会場:笑)
菅田さん
(萩原さんがダチョウにハマっていて、撮影の合間にもダチョウの話をよくしていたことから)でも利久だけダチョウに似てくるかもしれない。若干、最近ダチョウに似ているし(笑)。
萩原さん
最後くらい、ダチョウの話はナシで行こうと思ったのに(笑)!
菅田さん
ごめん、ごめん(笑)。
萩原さん
今日も今日とて、ダチョウですか(笑)。
菅田さん
(会場の皆さんも笑っているのを見て)でも笑ってくれているということは、みんなも利久がダチョウを好きだということを知っているんだね。(会場:「知っている」と表現するように拍手)
萩原さん
(観客に向かって)ありがとうございます。今日はここまで順調だったんですよ。「今日は真面目に話せている」って思っていました。
菅田さん
ダチョウダチョウって、番宣で言い過ぎなの(笑)。
萩原さん
ここくらいは「カッチリした部分を見せてやるぞ!」と思っていたんです。
菅田さん
良い話だったけどね。
MC
現在は(軽部アナがエンタメコーナーを担当している)「めざましテレビ」の9月のマンスリーエンタメプレゼンターを務めています。皆さん、ご覧になっていますでしょうか。(会場:拍手) 次が最終回ですが、またダチョウ尽くしで行きましょうか。「めざましテレビ」では、ダチョウクイズというのをやっているんです。
菅田さん
そうなんですね! なんでも仕事になるもんだね。
萩原さん
本当ですね。
MC
こちらもダチョウが何キロで走るのかなど、いろいろと勉強になります。
菅田さん
また(ダチョウの話が)面白いんですよね。
萩原さん
また全部ダチョウの話になっちゃうから(笑)! 最近、ダチョウとセットみたいになっています!
MC
では原さんの好きなシーンを教えてください。
原さん
(柴咲さん演じる)ゆらさんに対する、整くんの言葉がとても好きです。長セリフなんですが、その撮影をするタイミングで「私はセリフを覚えるのがすごく苦手なんですが、皆さんはどのように覚えていらっしゃいますか?」というお話をした時に、菅田さんが物理的に「文字を体に刷り込む」とおっしゃっていました(笑)。
菅田さん
(ドラえもんのひみつ道具)暗記パンの体バージョンのやつね。(会場:笑)
原さん
本当にありそうだなと思いました。
菅田さん
いやいやいやいや! (会場:笑)
原さん
松下さんも「服を着ないで覚える」っていうのはありそうだなって思いました(笑)。
菅田さん
(松下さんに向かって「そういうことを言うのは」)良くないよ、本当に(笑)。
原さん
ありそうだなと思っていたら、「冗談です」とお二人がおっしゃって、「冗談を言い合える仲になったんだ」と思って、すごくうれしかったです。そういう話を先ほど、町田さんとの取材でお話しました。
MC
松下さんは、セリフを覚える時に服を着ないんですか?
菅田さん
(煽るように)どういうことですか?
松下さん
(タジタジになりながら)セリフを覚える時に、極力身軽な状態で、まっさらな脳みそで、ということ…です。
菅田さん
なるほどね。一糸まとわないがゆえに、吸収力が上がるということですね。
松下さん
そうです、そうです! そう考えると、自ずと“服を着ない”ということになります。「一糸まとわない姿でセリフを覚える」…という冗談を言ったんです! セリフを覚える時はちゃんと服を着ています。(登壇者の皆さん&会場:笑)
原さん
本気だと思いました。
松下さん
そこからは「服を着ない人」みたいな感じでいじられるようになりました。
菅田さん
服を着ていない姿は…ちょっと美しい感じがしますよね。
松下さん
美しくないですよ、おかしいでしょう(笑)。
町田さん
その周りには花が咲いているんですよね。
菅田さん
木がね、ワーっと周りに生えてくる。リンゴの木とか。(どんどんイメージを膨らませていくと、会場も再び大爆笑)
松下さん
アダムみたいにね。(登壇者の皆さん&会場:笑)
MC
(会話が盛り上がりすぎて)巻きが入ってしまいました。松山監督はいかがでしょうか。
松山監督
美術館の雪のシーンがとても印象に残っています。広島のクランクインの日だったんですが、広島に着いたら、ものすごい雪が降ってきて撮り切れなくなって「これはヤバいな」という話になりました。
菅田さん
(大雪で)撮影どころじゃなかったですもんね。
松山監督
半分ぐらい撮ったんですが、その時はスケジュール的にもパンパンだったので、そこから岡山に行ったり、東京に戻ってセットのシーンを撮ったりして、12月の頭にロケをして、最後に広島に戻ったんですよね。
菅田さん
二月ぐらいにもう一回広島で撮影できるチャンスがあったんですよね。
松山監督
ただシーンとして繋げる必要があるので、我々も雪を降らせる準備をして行ったんですね。そしたら、その日、広島に雪が降ったんですね。
菅田さん
撮影で広島に訪れた二日だけ降ったんですよね。
松山監督
「この作品はきっと神様が守ってくれている」と思いました。
菅田さん
二日目の雪が降りすぎて、「映像が繋がらないかも」と心配するくらいでしたよね。
松山監督
そうなんです(笑)。だから、一日目の映像にはCGで雪を足しています。
ちなみに広島でのクランクインで、(原さん演じる)汐路ちゃんは初日に待機していたけれど、何も撮らずにそのまま終わっちゃったんです。
菅田さん
雪で、待っているだけだったね。
松山監督
あのシーンは、広島クランクインの日とブルーバックの二つが混ざっているんですが、そう見えないのは奇跡だったと思っています。
MC
ここまでトークを伺っていても、皆さんの仲の良さが伝わってきます。もしまたこの六人で共演するとしたら、どんな話で共演したいですか? (会場から「また共演してほしい」という意味の拍手が上がる)
柴咲さん
(手を挙げて)先に言おうと思います(笑)。「推し活に勤しむ六人」の話。
菅田さん
良いですね! (会場:拍手)
柴咲さん
推されている人がいても良いけれど、推す方が良いです。推す対象は共通していなくても良いかもしれない。考えがいがありそうです。
菅田さん
誰が主演ということもなく、六人みんなの物語というのは良さそうですね。好きなものを語り合って、けんかとかするのも面白そうですね。
松下さん
服は着ても良いですか? (登壇者の皆さん&会場:笑)
菅田さん
どうでしょうか(笑)。
萩原さん
せっかくこの六人で集まるなら…今回はちょっとバチバチしていたので、学園ものをやりましょう! (会場:拍手) 全員、同級生で。
菅田さん
学園もの? 現役で(笑)?
萩原さん
全員同級生で、「よお!」とか「部活、だりーな!」とかやってみたいです(笑)。
菅田さん
どういうのが良いんだろう。(この六人なら)何でもできそうだもんなぁ…。六人のロードムービーなのか、六人みんなで店を経営しているのか、そういう群像劇が良さそうだなと思っています。あとは「ラスベガスをぶっつぶせ」(2008年公開のアメリカ映画)のように、みんなで協力して何かを企むやつとかはどうですか。
松下さん
「オーシャンズ11」(2001年公開のアメリカ映画)とかね。
菅田さん
「オーシャンズ11」か…、でももっとダサいやつが良いな(笑)。
松下さん
何が良いですかね。医療ものとかどうかな。(会場:拍手)
菅田さん
リアルなことを言いますね。医療もので何をされるんですか? 天才的な何をやりますか?
松下さん
(笑)。天才…天才眼科医! (登壇者の皆さん&会場:笑)
菅田さん
天才眼科医…あまり聞かないですね!
松下さん
それぞれが名医で。原さんはひよっこナースで奮闘する。
柴咲さん
体のことについても学べそうだね。
菅田さん
確かに。それぞれに専門分野があれば学べますね。
松下さん
菅田さんは天才耳鼻咽喉科ですよ! (登壇者の皆さん&会場:笑) 耳鼻の鬼(笑)。
菅田さん
耳鼻の鬼ね(笑)。
MC
町田さんはいかがですか?
町田さん
今回はとても頭を使う物語だったので、スポーツものも良いかなと思います。六人いますから、バレーボールとかね。(会場:拍手)
MC
バレーボールの選手ということですか?
町田さん
選手になるんじゃないですか?
菅田さん
選手になるの? 公民館とかでやるような市民バレーとかではなくて?
町田さん
ガチ選手。
松下さん
それぞれ暗い過去を持ったみんなが、バレーで一つになるみたいなね。 (登壇者の皆さん&会場:笑)
菅田さん
熱血青春ものだね。そんな仲間が集まってくるんだ。
町田さん
そうそう(笑)。最後は、一列に並んでヒーローカットを撮るんです。
松下さん
一回辞めるやつとか出てきたりね。みんなで止めたりしてね。
菅田さん
そうなると、ライバル校に(犬堂我路役を演じた永山)瑛太さんとかいてほしいですね。
松下さん&町田さん
あー! 良いですね! (会場:拍手)
町田さん
ドラマチームの皆さんも、ライバル校にいてほしいですね。
MC
原さんはいかがでしょうか。
原さん
確かに学園ものは良いなと思いました。生徒ではなくて、例えば職員室での会話劇やコメディーとかも良いかもしれません。皆さんすごく物知りで、お話がとても面白いので、体育の先生や、生物の先生とかできそうだなと思いました。
菅田さん
良いね。先生がしゃべりすぎて全然誰も帰らない職員室。(登壇者の皆さん&会場:笑) 良いな、ちょっと面白そうです。
MC
では最後に菅田さんから、ご挨拶をお願いいたします。
菅田さん
今日は来てくださって、ありがとうございました。良い雰囲気の舞台挨拶で、キャストがこれだけじょう舌だと、お客さんも笑顔になるんだなと思いました。
二年ほど前にドラマを始めてから、いろいろな整くんの素敵な言葉を言わせてもらってきました。本作の中に「人は弱くて当たり前だと、誰もが思えたら良い」という好きなセリフがありました。漫画で読んでいる時に「この言葉は救われるな」と思い、田村先生の言葉の強さを素直に届けられたらと思って現場に入りました。でも、いざ現場で整くんとしてその言葉を言ってみると、悲しい気持ちになるときもあって、こんなことを言うと本末転倒かもしれませんが、本当ならば、こんな言葉を言わずに済む世の中ならば、一番ピースなのにな、と。僕は演じながらも、整くんがそういう言葉をかけることなく、今日の舞台挨拶のように、ただただみんなで笑えるような世界になると良いなと思いました。本作が公開されて、その言葉がそれぞれにしみていくこと、未来に繋がっていくことを願っています。(会場:拍手)