「ラーゲリより愛を込めて」大ヒット御礼舞台挨拶

2022.12.21
  • 公開後舞台挨拶

大ヒット御礼舞台挨拶

二宮和也さんが主演を務め、第二次世界大戦終了後にシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で不当に抑留されながらも、過酷な状況下において生きることへの希望を捨てなかった男・山本幡男の半生を描く映画「ラーゲリより愛を込めて」。
大ヒットスタートを記録した本作の大ヒット御礼舞台挨拶が12月21日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、二宮さんをはじめ、松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、大森元貴さん(Mrs. GREEN APPLE)が登壇しました。ステージでは、大森さんが主題歌「Soranji」をアコースティックギターの弾き語りで生披露し、会場を感動の渦に巻き込みました。こちらのイベントの模様を詳しくレポートします!

二宮和也さん

山本幡男役

松坂桃李さん

松田研三役

中島健人さん(Sexy Zone)

新谷健雄役

桐谷健太さん

相沢光男役

■キャスト陣が、会場の中央通路にズラリと集結し、大きな拍手が湧き起こる中、通路を歩いてステージに上がりました。

二宮さん

本日は「ラーゲリより愛を込めて」を選んでいただき、ありがとうございます。皆さんはまだ本作を観る前だと聞いています。なるべく興味深くなるようなお話ができればと思っていますので、よろしくお願いいたします。

松坂さん

皆さんこんばんは。(中継カメラに向かって)全国の皆さんもこんばんは。マスコミの皆さんもありがとうございます。たくさんの方に観ていただいているということで、本当に嬉しいです! これから先もまだまだ多くの方に観ていただきたいので、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

中島さん

本作の大ヒット、とても嬉しいです。そして、このような超大作に参加できたことも、一人の俳優としてすごく嬉しいことだと思っています。
普段の自分とはかけ離れている役を演じたので、 “出演していることに気づかれない役”という印象があります。それくらい、個人的には存在感を消すことができたと思っています。ぜひとも多くの方に「ラーゲリより愛を込めて」を楽しんでいただきたいと思います。

桐谷さん

健人、出ていたよね?

中島さん

出ていたでしょ!(登壇者の皆さん:笑)

桐谷さん

全国の皆さん、ありがとうございます。本当に嬉しいです。今日は楽しんで帰ってください。

MC

大ヒット、おめでとうございます。

登壇者の皆さん

ありがとうございます!

MC

公開されて二週間弱、全国的に幅広い世代の方にご覧いただいているようです。さらにアンケート調査では満足度が96.8%と、 非常に高い数値を記録しています。「泣いた」という感想はもちろん、「苦しくても辛くても頑張ろうと思った」など前向きに一歩を踏み出す感想が数多く寄せられています。出演者の皆さんのもとにも、反響が届いていますか?

二宮さん

いろいろなお声をいただきました。「嬉しいな」と思うものもあれば「なるほどな」と思うものもあります。共通している感想は、「人間とは」ということだと思っています。皆さんには「絆」「想い」「愛」などが伝わっているのではないかと思っています。だから、観てほしいと思っていたことが、きちんとお客さんに感じていただけている印象です。

松坂さん

僕もいろいろな声をいただいています。その中でも「苦しい」「重い」ということより、僕らが劇中で見せた笑顔など、そういった描写がすごく印象に残っているようで「観た後に上を向いて劇場を出られる」という感想も見ました。そこに繋がっているのは嬉しいなと思います。

MC

松坂さんも、公開前にそういった感想をお話していました。

松坂さん

言っていました! それを推していこうかなと思っていました(笑)。

二宮さん

本当にそうだもんね。

中島さん

年代を問わず、たくさんの方が観に来られているという話を聞いています。ご高齢の方が、本作を観て涙している姿を見たという方もいました。歴史的事実を改めて思い出して涙していらっしゃる方もいると思うんですが、最終的に“悲しみから微笑みに開花していく”作品でもあります。だから、自分の人生の中でも「そんな瞬間に立ち会いたい」「こういう感覚になりたい」と思えるところが、「ラーゲリより愛を込めて」の良いポイントなんじゃないかと思っています。それが幅広い年代層の方に愛される理由だと思っています。

桐谷さん

僕の元にも、たくさんの人から「観たよ」「本当に素晴らしかった」という感想が届いています。本作の一つの魅力としては、どの立場の人も感情移入できることです。お父さん、娘という立場としても、お母さんもそうだし、観る人が誰かに感情移入ができるようになっている点も、良いところかなと思っています。

MC

撮影は約一年前に行われました。大変な撮影だったというお話も伺っています。皆さんにとって辛い状況を乗り越えるための原動力となったのは、どのようなものでしょうか。

二宮さん

「本作を公開して皆さんに観ていただく」ということが、原動力だったんじゃないかと思います。もし、公開されないとなったら、「我々は一体何をやっているんだ」ということになりますから。(登壇者の皆さん:笑) 観ていただくために、「こういう事実をこれからも忘れないで、受け止めていこう」という思いで、僕らも走り出しました。それが原動力だったんじゃないかと思います。

松坂さん

「皆さんに観ていただくため」というのももちろんそうなんですが、ストーブの前に集まって、みんなで歓談できることが原動力になりましたね。

二宮さん

ずっとストーブの前にいたもんね!

松坂さん

ずっといました。

二宮さん

みんなと一緒にいたかったってことなのかな。

松坂さん

そうなんですよ。そうすると、寂しさを紛らわせることができるので、それが力になりました。

MC

皆さんは、ストーブの前で会話をすることが多かったのですか?

二宮さん

多かったよね。

桐谷さん

よくしゃべっていましたね。

中島さん

缶コーヒーを飲んだりしましたよね。

松坂さん

ありましたね。

桐谷さん

(中島さんを見つめる)。

中島さん

(自分も本作に)出ていたよ! 今日はアプローチがすごいな。あの人、僕のこと好きだな。

桐谷さん

(好きとか)言うな! みんなの前でそんなこと言うな。(中島さんと桐谷さんの仲の良い様子に、登壇者の皆さん:笑)

MC

中島さんの原動力となったのは、何ですか?

中島さん

ロケ地の近くで売っていた、爆弾おにぎりです。すごくおいしかったんです!

桐谷さん

新幹線で食べてたよね。

中島さん

食べてました!

桐谷さん

ボーリング玉みたいな(大きさのおにぎり)…。

松坂さん

あった!

桐谷さん

具材が五種類くらいあるんだよね。

中島さん

そうです。(そんなに大きなおにぎりがあることを)二宮くんに報告はしていたんです。でも、桃李くんとキリケン(桐谷)さんは「嘘だろ、そんなサイズのおにぎりなんてない」と最初は信じてくれなかったんです。二人のお兄さんに信じてもらえない弟、みたいなシチュエーションになっていました。「本当にあるんだ」と写真を送っても反応が薄くて…。「ああ、あったんだ」みたいな(笑)。

桐谷さん

駅の奥の方(のお店)でしょう?

中島さん

そうです。桃李さんにも写真見せましたもんね。

松坂さん

新幹線の中でちょっと席が離れていたんですが、(中島さんが)後ろを振り向きながら「これ!これです!」って、おにぎりをアピールしていて…。何だか恥ずかしくなって、うまくリアクションが取れなかったのを覚えています(笑)。

桐谷さん

もうちょっと小ぶりなおにぎりで、具材を三種類入れられるやつは僕も買ったよ。食べている間に、ほとんど海苔ご飯に変わるねん。

中島さん

確かに(笑)。具に届くまで、結構距離がありますしね。

桐谷さん

おにぎりの話ばっかりやん! (登壇者の皆さん:笑)

中島さん

原動力、エネルギーですから(笑)!

MC

撮影中は、実際のラーゲリで出ていたようなものも食されていたんですよね?

二宮さん

そうですね。みんなそれぞれで(体調や食事)管理をしていたと思います。なので、大きなおにぎりが原動力となるくらい嬉しいもの、ご褒美となっていましたね。

桐谷さん

撮影中にバラックの中にいると、気持ちが(演じる)役に寄っていって、絶望感に陥ったりするんです。そんな中でも、待ち時間にみんなで一緒に話していると、体温が上がっていくような感じがしました。「笑う」ってこんなに身体に良いんだと思いました。もしかしたら(実際のラーゲリにも)そういう人たちがいたのかもしれないなと感じたりもして…。

二宮さん

笑顔の瞬間がね、きっとあったはずですよね。

桐谷さん

そう。実際のところは分からないですが、抑留されていた方たちも、ずっと暗い気持ちのままではなくて、他愛もない話をしながら体温を上げていたのかなと、劇中と撮影現場の繋がりも感じていました。

MC

今日は大ヒット御礼舞台挨拶ということで、もう一人、ゲストの方にお越しいただいています。

■「クロ?」「クロはこの間来たでしょう」「ヤスケン(安田顕)さん?」「ヤスケンさんは別件ですかね?」など、登壇者陣の皆さんがもう一人のゲストについてノリノリでコメント。

MC

主題歌「Soranji」を手掛けられました、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんです!

■大森さんがステージに登壇すると、会場からは大きな拍手が。

大森元貴さん(Mrs. GREEN APPLE)

大森さん

このような場はまったく慣れていませんので、ドキドキしています。どうぞよろしくお願いいたします。

MC

キャストの皆さんは主題歌を聴いた時に、どのような感想を持ちましたか?

二宮さん

僕は、作品を観る前に聴いたんですが、より作品の完成が楽しみになったし、シンプルに感動しました。泣けるというか、グッときました。

MC

二宮さんは、(YouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」で)大森さんと対談もされています。

二宮さん

そうなんです。もうお友だちですから。

大森さん

(笑)。

MC

二宮さんは、Mrs. GREEN APPLEさんがもともとお好きだったんですよね?

二宮さん

そうなんです。僕はMrs. GREEN APPLEがすごく好きで、最初に(Mrs. GREEN APPLEに)主題歌を歌っていただけると聞いた時には「え!? 僕が好きなこと、知っているの!?」と思ったくらい、驚きました(笑)。

大森さん

恐縮です。身に余る光栄というか。びっくりしましたし、ありがたいです。

松坂さん

僕は、完成した時にエンドロールで聴きました。最後のピースがはまる感じがすごくしました。本当にぴったりの曲だなと思って、めちゃくちゃ感動しました。

二宮さん

それを(これから本作を観る会場の皆さんにも)体験してもらいたいよね。

松坂さん

ぜひ!

中島さん

大森さんとは同世代なんです。音楽業界に、同世代でこんな化け物がいるのかと思うくらい、すばらしい楽曲です。しかもこんなに超大作の主題歌じゃないですか…。同世代のアーティストがそれを請け負うというのもすごいことだなと思います。同じ20代として、誇らしく思いました。

大森さん

ありがとうございます!

桐谷さん

本作の題材としては、戦争を扱っているじゃないですか。だから、現代の楽曲を主題歌にするには難しいかなと思ったんです。でも、(「Soranji」が)最後に流れることで希望が見えるというか…。笑顔になって、劇場を出られる楽曲に仕上げてくださったのですごく感謝していますし、とても嬉しかったです。

MC

大森さんは、どのような思いを込めてこの楽曲を制作されましたか?

大森さん

扱う題材として、僕自身も身近には感じにくいものだったんですが、プロデューサーさんからは「ぜひ等身大で書いてほしい」というお話がありました。「僕が共通項として書ける等身大は何だろう」と考えると、悲しいことや辛いことは毎日あると思うけれど、それを自分の血肉や財産にしながら、前に進んでいくべきなんだろうと思いました。そこからインスピレーションを受けて楽曲を制作しました。

MC

二宮さん、タイトルも気になりますよね。

二宮さん

気になりますよねぇ。

大森さん

一見、造語っぽくなっていますが、日本語で“そらんじる”という言葉があります。書いてあるものを、見なくても言えるように覚える。そらで覚えるということなんですが、それが映画とすごくリンクしました。そこにも注目して聴いていただけたらと思っています。

MC

二宮さん、本作を観る前にちょっと主題歌を聴いてみたくないですか?

二宮さん

いや、大丈夫です。(登壇者の皆さん:爆笑)

中島さん

何で!? どうしちゃったんですか?

桐谷さん

自分だけのものにしたいの(笑)?

中島さん

めちゃめちゃ独占欲が強いじゃないですか(笑)。

大森さん

(爆笑)。

二宮さん

いくらなんでも(それは贅沢では)…。

MC

でも、こういった機会もそうそうないので…。

登壇者の皆さん

ええ!? (良いんですか?という表情)

二宮さん

聴ける…?

大森さん

歌っても良いですか? (会場:拍手)

MC

二宮さん、聴きますか? やめておきますか(笑)?

二宮さん

聴きますよ!

中島さん

じゃあ、なんでさっき「大丈夫」って言ったんですか!

■ギターとマイクが準備され、大森さんが本作の主題歌「Soranji」をアコースティックギターの弾き語りで生披露。透き通るような歌声で情熱的に楽曲を歌いあげ、キャスト陣も一様に感激の面持ちを見せ、会場を感動で包み込みました。

MC

大森さん、ありがとうございました。(会場:拍手) 大変素晴らしいパフォーマンスでした。大森さんは、楽曲制作の過程で五キロほど痩せたそうです。

大森さん

そうなんです。暗闇の中で制作がしたくて、部屋を真っ暗にしていました。食事とお水を摂ったら、糸のような集中が切れちゃうような気がして…。それを絶やさぬようにしていたら、痩せました(笑)。

MC

皆さん、いかがでしたでしょうか。

二宮さん

僕が教えた通りに歌えていたなと…。(登壇者の皆さん:爆笑)

中島さん

いつ教えたんですか(笑)。

二宮さん

本当に素晴らしい。この主題歌に出会えて本当に良かったと思います。この楽曲を生んでくれた大森くんもですが、それを一つの楽曲として立体的にするために、いろいろな音を重ねてくれたメンバーの皆さんにも感謝しています。とにかく感謝しっぱなし。今回のアコースティックバージョンは初めて聴きました。
(上映前の会場に向かって)まだ皆さん、帰らないでくださいね。本作の上映がありますから。それくらいの満足感がありますね。

松坂さん

僕がお客さんだったら、間違えて帰りそうですね(笑)。

二宮さん

すごく、分かる。

松坂さん

それくらい、歌声が素晴らしすぎて、ずっと鳥肌が立ちっぱなしでした。こんなに透き通った、ガラスのような歌声があるんだと感動しました。本当にありがとうございました。

大森さん

ありがとうございました。

MC

最後に二宮さんからご挨拶をお願いいたします。

二宮さん

序盤は、緊張して、肩に力が入るようなシーンが続くと思います。そういった歴史、近代史があったということと、僕らは実話に頼り切らずに、エンターテインメントとしても突き詰めたつもりです。これ以上は出ないだろうと思うぐらいの力を出して、お芝居、主題歌を皆さんに届けるつもりでした。ぜひ、そちらの方でも楽しんでいただければと思います。最後には空を見上げて帰れるような作品になっていると思いますので、楽しんでいただければと思います! (会場:拍手)

MC

これからクリスマス、お正月、年末年始と忙しい時期になりますが、寒い冬、本作を楽しんでほしいですね。

二宮さん

映画館は暖かいので! 僕らの作品もそうですが、いろいろな楽しい映画が上映されています。(小声になって)でも「ラーゲリより愛を込めて」を観ていただければありがたいかと思っています! よろしくお願いいたします。
(登壇者の皆さん:笑、会場:拍手)