人気のキーワード

「平場の月」製作報告会見

2025.05.22
  • イベント

製作報告会見

発行部数20万部を突破、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみさんによる同名小説を映画化した「平場の月」が、11月14日より公開となります。
5月22日には本作の製作報告会見がザ・プリンスパークタワー東京で行われ、堺雅人さん、井川遥さん、今回出演が発表となった中村ゆりさん、でんでんさん、吉瀬美智子さん、坂元愛登さん、一色香澄さん、そして土井裕泰監督が出席しました。リアルで切ない初恋から紡がれたラブストーリーの見どころや、撮影エピソードを明かしました。お互いの印象もたっぷりと語り合ったこの日の模様を、詳しくレポートします!

青砥健将役

堺雅人さん

青砥健将役

須藤葉子役

井川遥さん

須藤葉子役

道子(通称・みっちゃん)役

中村ゆりさん

道子(通称・みっちゃん)役

八十島庄助(通称・ヤッソさん)役

でんでんさん

八十島庄助(通称・ヤッソさん)役

上村みづき役

吉瀬美智子さん

上村みづき役

中学時代の青砥健将役

坂元愛登さん

中学時代の青砥健将役

中学時代の須藤葉子役

一色香澄さん

中学時代の須藤葉子役

土井裕泰監督

堺さん

本作の撮影は昨年の11月から始まりました。キャスト、スタッフはもちろん、朝霞の皆さん、志木の皆さん、新座の皆さんなど、いろいろな方と出会って、とても素敵な体験をした撮影になりました。本作は、じわじわくる作品なので長く愛していただければと思います。

井川さん

今日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
昨年の12月末まで本作の撮影をし、非常に密な時間を過ごしました。二人の再会、そして仲間との友情など、ありふれた平場の話ではありますが、皆さんも共感できるお話だと思います。私もまだ完成作を観ていないので、非常に楽しみにしています。

中村さん

皆さん、今日はどうもありがとうございます。
最初に脚本をいただいた時に、ただのラブストーリーではなく、いろいろな人生や背景を背負った大人同士の話だと思いました。一つ一つの選択が人生に禊をつけていくようで、今までにない深い愛の話で、私も脚本を読んで感動しました。とても素敵な作品になっていると思うので、どうぞよろしくお願いします。

でんでんさん

皆さん、本日はようこそいらっしゃいました。主人公・青砥の職場の同僚役で、名前は八十島庄助(やそしましょうすけ)です。八十島庄助…時代劇ではありませんよ。(会場の皆さん:笑) 本日はよろしくお願いします。

吉瀬さん

今日はお集まりいただきありがとうございます。こうして素敵な作品に携われたことをうれしく思っております。原作を読みましたが、本当に心が温まって、じわじわ来る作品でした。大人が観て、いろいろな意味で共感できる作品になっていると思います。私も仕上がりがとても楽しみです。

坂元さん

本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。原作も脚本も何回も読みました。本当に素敵な作品なので、僕も完成がすごく楽しみです。この作品の魅力が、皆さんにたくさん伝われば良いなと思います。

一色さん

初めての映画出演ですごく緊張していますが、素敵な作品に携わることができて本当にうれしいです。私も完成作を観るのがすごく楽しみです。

土井監督

本日はありがとうございます。昨年の11・12月に撮影をしました。劇中での衣装は、作業着や二千円くらいで売っている普通のポロシャツ、公立中学の制服ですが、今日は皆さんが煌びやかな衣装で、すごくキラキラしていて眩しいので逆にちょっと緊張しています(笑)。本作は、現在最後の仕上げを残して、もう一息で完成します。今のところとても良い手応えを感じています。どうぞお楽しみにしていただければと思います。

堺さん

僕も、こんなに煌びやかな皆さんだということを忘れていました(笑)。

MC

堺さんは映画の主演は、八年ぶりとなりました。本作に出演を決められた理由を教えてください。

堺さん

理由はもう忘れてしまったんですが、気がつくと夢中になって原作小説を読んでいました。台本ができる前に、原作小説を手に取っていたので、台本ができるまでの時間で、原作を読んでいました。何度読んでも面白いし、読めば読むほど新たな発見がある。「ここからここまでで、実はこんなに時間が経っていたのか」と分かったり、じわじわと来る小説でした。本作を観て気に入られた方はぜひ、原作小説を取られることをオススメしたいと思います。それくらい、気がついたら「平場の月」の世界に入っていたという感じです。

MC

一年かけて読まれたというお話を聞きました。

堺さん

あっという間でしたね。

MC

近年は強烈なキャラクターを演じることも多く、これまでいろいろなキャラクターを演じてきた堺さんですが、本作で演じた青砥は普通の生活を過ごす、五十歳の男性となります。青砥のどのようなところに魅力を感じましたか。

堺さん

青砥はキリッとしているところは、キリッとしているんですよね。今回の撮影では、「精興社」というとても大きな、歴史のある印刷会社の朝霞工場を借りることができました。そこで出会った工場の皆さんも、本当に素晴らしい方々で、撮影に全面協力してくれました。青砥は印刷工の役ですが、印刷業に携わる皆さんの誇りや、気さくさを工場で目にしました。そして、皆さん奥さん思いで良いヤツなんです。朝霞には「青砥」がたくさんいました(笑)。とても素晴らしい人物を演じることができたと思っています。

MC

実際に働いている皆さんを見ながら、青砥の雰囲気を作り上げたのでしょうか。

堺さん

印刷の仕上がりを見る時の目とか、カッコ良かったですね。精興社では、「ぐりとぐら」などの絵本を印刷されていて、「あの絵本もここで作られたんだ」と思うことがたくさんありました。教えてくださった方もとても親切でした。ちょっと強面の方も何人かいて、怖かったんですが、実はとても優しくて、そして皆さん奥さん思いなんです(笑)。

MC

堺さんが現代劇でラブストーリーの主演を務めるのは、本作が初めてだそうです。

堺さん

そうなんですか? あら! 僕も驚きました。でも、井川さんがお相手役なので、何の気兼ねや苦労もありませんでした。全部相談しながらやりました。

井川さん

そうですね。

MC

井川さんが引っ張っていかれたのでしょうか?

井川さん

いえいえ! とんでもないです。

堺さん

井川さんのことを、ますます魅力的だなと思いました。何回か共演はしているんですが、こんな人だったんだって思いました。

井川さん

二人きりのシーンって、今までそんなになかったんですよね。

堺さん

そうなんです。なかったんですよ!

MC

お二人は、ドラマ「半沢直樹」(TBS系列にて2013年・2020年に放送)以来のご共演となりました。

堺さん

あの時はちょっとしっとりとした感じでしたね。

井川さん

そうですね。堺さんは、いつも作戦を練っていて…(笑)。

堺さん

作戦を練っていましたね(笑)。今回は作戦を練らない系の演技でしたね。

MC

今回は作戦ではなく、愛を育んでいく関係ですね。

堺さん

そうでした(笑)。

MC

堺さんと土井監督は、初タッグとなりました。たくさんのラブストーリーを手がけられている土井監督とご一緒した感想を教えてください。

堺さん

土井さんは、早稲田の演劇サークルの大先輩で、TBSにいらっしゃるというのは知っていたんです。若い頃から「きっと使ってくれるだろう」と思っていたんですが、そこから何年…? 僕が二十歳くらいからこの仕事をやっていると考えると、三十年くらいの年月が経っています。(土井監督に目を向けながら)「満を持して!」という感じです。「堺くん、暇?」と言ってくださるのを、ずっと待っていました。気がついたら三十年です(笑)。

土井監督

堺さんは後輩なので、僕もいつかご一緒したいと思いながら、ずっと機会をうかがっていました。そうこうしているうちに、どんどん国民的な俳優さんになり、僕の手の届かないところに行ってしまって(笑)。本作への出演をお願いしてから、コロナ禍なども挟んだので、ちょっと時間がかかりましたが、やっと一緒にお仕事ができました。しかも、最近はあまり見ない、(2023年TBS系列にて放送された「VIVANT」で演じた乃木憂助役を指して)国家の機密などを背負っていない堺さんが本作では見られます。青砥は、本当に普通の五十歳の人です。青砥も須藤も、どこかダメなところがある人たちで、だからこそ愛せる役になっています。一緒に仕事ができて本当に楽しかったです。

MC

井川さんは、青砥の中学時代の初恋相手となる須藤役を演じました。参加する経緯などを教えてください。

井川さん

いわゆる中年の、私たち世代のお話ってなかなかないなと思ったんです。堺さんは覚えていらっしゃるか分からないですが、実は「半沢直樹」の時に、及川(光博)さんも一緒に「我々の世代のお話を何か作ってくれたら良いよね」というお話をしたんです。

堺さん

そんなこと言っていましたっけ!

井川さん

そうなんですよ。そうしたら、今回は堺さんと恋人役ということで、ドキドキしながら脚本を読みました。監督がおっしゃっていたように、私が演じた須藤という女性は、ダメなところや歪なところがあって、すごく生い立ちが大変なんです。青砥とは初恋同士と言えど、その後、再会するまでの時間がなかなか濃く、ちょっとアンバランスなところがある女性なんです。

堺さん

言葉を選んでいますね(笑)。

井川さん

そうですね(笑)。青砥と再会できたところから、もう一回人生が始まるという感じの役です。この年齢だからこそ感じるお互いへの思いやりやすれ違いが、すごくもどかしくて切ないなと思いながら演じていました。

堺さん

もどかしかったですね。

MC

原作には、須藤は「太い人」だという表現がありました。須藤を演じる上で、どのようなことに気を付けていましたか?

井川さん

須藤は、人になかなか寄りかかれなくて、それを許さない自分もいるのではないかと思いました。「できるだけ一人で完結するんだ」という風に生きているところもあって、中学生時代の須藤や幼い時からのいきさつ、生き方みたいなものが、大人になっても一本筋が通っていると良いなと思いながら演じていました。

MC

青砥と須藤には、大人の私たちにとって共感できるところがたくさんあるなと思いました。人気小説の映画化となりますが、土井監督は原作小説のどのようなところに惹かれましたか?

土井監督

原作小説を読んだのは、もう五年以上前になります。僕も五十代の半ばくらいで読みました。いわゆるラブストーリーではない、本当に私たちの生活と地続きの話だと感じました。自分の健康のこと、親の介護のこと、子どもの将来のことなどいろいろなことが本当にリアルで、自分の生活の一部として読むことができました。小説を読んでいると、いろいろなことが創作上の仕掛けのように思える時もあります。この小説はとてもリアルに、素直に、自分たちとちゃんと繋がっているなと思える話だと感じました。

MC

では、本日解禁になったキャストの皆さんにお話をうかがっていきたいと思います。中村さんは須藤の妹、みっちゃん役を演じました。青砥、須藤と過ごす時間が多かったと思いますが、お二人との共演はいかがでしたか。

中村さん

堺さんはとにかく、相手役のことを褒めてくださる方という印象があります。私のお芝居を見て「こういうのはどうやって考えるの?」と聞かれたんですが、「いや、(堺さんのお芝居について)こっちが聞きたいんですけれど…」と思ったことがありました(笑)。

堺さん

中村さんが演じるみっちゃんが、本当に良かったんですよ。リアルで自然で、素敵でした。

中村さん

(恐縮しながら)いえいえいえ…、私もこういう先輩にならなければと、すごく学ばせてもらいました。
そして、井川さんと吉瀬さんは、私からすると憧れの素晴らしい女優さんです。井川さんと初めてお会いしたのはメイク室で、思いがけずお会いしたんですが、心の中で「うわ、すっぴんもきれい」と思いました。井川さんが、「ずっとお会いしたかったの」と、せっかく声をかけてくださったのに、私はそんなことを言われるとは思っていなかったので、何だかもう思春期に初めて好きな子に話しかけられた男の子みたいになって、「あ、はい…」みたいな感じで答えてしまって…。

井川さん

ちょっとそっけなかった(笑)。

中村さん

(申し訳なさそうに)そうなんです! 私、そのことを昨日も車の中で思い出して「うわあ、恥ずかしい…!」と思っていたんです。(井川さんに向かって頭を下げながら)ちょこちょこ思い出して後悔しています。

井川さん

(笑)。でも、その後いっぱいお話ししたよね!

中村さん

お二人共本当に優しい方で、共演シーンが多かったわけではないんですが、リラックスして臨むことができました。みんな大人なので、健康に良いストレッチなどを教え合いながら過ごしました。

MC

では、井川さんと初めてお会いした時は、まさに中学時代の青砥のようだったのですね。

中村さん

本当にすごく変な反応をしてしまって、後悔しています(苦笑)。

MC

そして、でんでんさんは、青砥の印刷会社の同僚役を演じました。実際に、断裁(紙などをサイズに合わせて切断すること)や検品など印刷所ではいろいろな経験をされたそうですね。

でんでんさん

印刷所に行って、何回か社員の方に教えていただきました。とても素敵な方で、懇切丁寧に教えてくれました。
ちょっと早めに印刷所の撮影が終わった日があって、制作部の車で朝霞の駅まで送っていただいたんです。駅で階段をトントントンと上っている時に、何だか足元が涼しいなと感じたんです。そうしたら、間違えて堺くんの靴を履いて来てしまっていました。(登壇者&会場の皆さん:笑)

堺さん

びっくりしましたよ! 僕のスニーカーは、ちょっと通気性の良いタイプのやつなので、お風邪を引きませんでしたか(笑)? 大丈夫でしたか?

でんでんさん

僕は卓球が好きなので、その帰りに卓球場に寄った時に、「これ、堺雅人くんの靴だぞ」と言ったら、女の子がその靴を触っていました。(登壇者&会場の皆さん:笑)
本作について一言。読めば読むほど素晴らしいお話で、役者として堺くんが羨ましくなりました。それほど素晴らしいです。それともう一つ。私はあまりセリフが多くないので、アドリブでセリフを作ったんですが、その時に監督が困ったような顔をしていたのが印象深いです。以上です!

MC

そのアドリブの場面は、実際に本編に使われているのでしょうか。

土井監督

それはご覧になってからのお楽しみということにさせてください(笑)。でも、この役は原作を初めて読んだ時から、僕の中ではでんでんさんとして動いていました。なので、でんでんさんに演じていただけて、幸せでした。

堺さん

アドリブは、部屋でおしゃべりするシーンですよね? 青砥が、八十島の一人暮らしの家に遊びに行って、湯豆腐を食べるシーンがあるんです。頭の辺りに、八十島のパンツが干してあるんです。

でんでんさん

最近は、パワハラとか言われることもあるので、職場仲間で飲みに行くようなことも少ないみたいですね。

堺さん

ああ、そうか…。僕は、八十島のパンツを見ながら湯豆腐を食べていたんですが、それは何ハラになるんだろう。(登壇者&会場の皆さん:笑)

でんでんさん

昔、懐かしいようなシーンになったと思います。

堺さん

そうですよね。あの質感は、古き良き日本映画という感じですごく良かったです。

土井監督

よく見ると、八十島は金魚を飼っているんですよね。

堺さん

そうです、そうです。それもまたいろいろな想像が膨らみますよね。

MC

ちなみに、堺さんはでんでんさんが靴を履いて帰ってしまった日は、どうやって帰られたのでしょうか。

堺さん

その日は現場用のサンダルで帰りました(笑)。翌日、でんでんさんが靴を持って来てくださいました。足のサイズが、ぴったりなんですよね。

でんでんさん

自分の靴と似ていたのよ! 似ていないのを履いて行ったらおかしいもんね。

堺さん

それはさすがにおかしいですね(笑)。

MC

吉瀬さんは、青砥の元妻を演じました。青砥と、そして今の恋人である須藤の三人で向き合うシーンもあります。どのような思い出がありますか?

吉瀬さん

お会いするのが久しぶりだったので、同窓会のようでした。行った時から、すごくたくさんお話しした記憶があります。現場でもとても優しくしてくださいました。監督とは初めてご一緒しましたが、丁寧に接してくださいました。

MC

この三人のシーンは、どういう展開になるんだろうとドキドキすると思います。
フレッシュなお二人にも話をうかがっていきたいと思います。坂元さんと一色さんは、青砥と須藤の中学生時代を演じました。どのようにキャラクターを作っていったのでしょうか。

坂元さん

青砥を作っていく過程では、監督といろいろお話をしたことはあまりなかったです。自分の中で脚本と小説を読んで、生まれてきた青砥を現場で表現して、そこからそのシーンの青砥の感情を、いろいろと話して作っていく感じでした。

堺さん

坂元さんは、僕の過去の出演作品を、ほとんどご覧になってくださったんです。

坂元さん

堺さんの中学時代を演じることになって「どうしよう…」と思った時に、とにかく堺さんの作品をたくさん観て、少しでも堺さんの中学時代として相応しくなれば良いなと思いました。

堺さん

素晴らしいと思いました。光栄でしたし、うれしかったです。

坂元さん

堺さんのお芝居に似せようとすると、どうしてもちょっと大人っぽくなってしまうと感じたので、ふんわりと自分の中で何かを感じられていたら良いなという感覚でした。

一色さん

中学時代は、大人になった須藤葉子に繋がるとても大事な時代だと感じていました。井川さんにうまく繋げられるような中学時代を演じたいなと考えながら、キャラクターを作っていきました。土井監督には、須藤の「太い」と言われるキャラクターを表現するために、私が準備したものを現場で見ていただいて「ここはもう少し、こういう表現ができるかな」と丁寧に教えていただきました。

MC

一色さんは本作でスクリーンデビューを果たしました。一色さんにとって、土井監督が初めての監督ということになりますね。

一色さん

「花束みたいな恋をした」(2021年公開/主演:菅田将暉・有村架純)という作品が大好きだったので、ご一緒できると知った時はすごくうれしかったです。

土井監督

光栄です。ありがとうございます。そう言われてみると、本当に責任重大な仕事だったと思います。先週、リバイバル上映で「セーラー服と機関銃」(1981年公開/監督:相米慎二)と「時をかける少女」(1983年/監督:大林宣彦)を映画館で観たんです。四十数年ぶりにスクリーンで観て、あの当時の薬師丸さんや原田さんの輝きみたいなものが、一色さんと坂元くんにはあるなと感じました。それを先週経験したので、今「ヤバいな」と思いました(苦笑)。一色さんは映画出演が初めてだけれど、持っているものがすごいです。お二人ともオーディションで選ばせてもらいましたが、目を見れば分かりました。須藤という役はすごく難しい役だと思うんですが、ある種の頑なさと強さ、その奥にちょっとだけ垣間見える脆さや純粋さのようなものを、一色さんに会った時に感じました。坂元くんは、キャリアとしてはいろいろな作品に出演していますが、純粋で真っ直ぐな部分や、柔軟な部分もあります。現場では中学生同士の友だちとのシーンなどは、「もうちょっとバカで良いよ」と言っていたんですが(笑)、そういった柔らかさと硬さの両方を持っている人だなと思いました。お二人と仕事ができて、僕も楽しかったです。

MC

先に坂元さんと一色さんが演じる中学時代の撮影が行われ、堺さんと井川さんはその後に大人時代の撮影に臨んだそうです。お二人のお芝居もご覧になっていたんですよね。

堺さん

いやぁ、良かったです。(井川さんと顔を見合わせながら)良かったよね!

井川さん

(大きくうなずきながら)みんなで「エモい!」とか言いながら見ていました。「このバトンを受け取らなくてはいけないんだ」と思っていました。

堺さん

結構プレッシャーもありましたよね。坂元さんは、少し揺らぐ感じもすごく良くかったし、一色さんのあの目もすごく良かったです。

井川さん

(うなずきながら)本当にそうですね。

堺さん

動き出している現場に、何とか付いて行こうという感じがありました。お二人は本当に素晴らしかったです。

井川さん

一色さんを見ていると、もうそこに須藤がいるように感じました。強さや、微動だにしないけれど、中が燃えているものをすごく感じました。“静”なんですけれど、とても強いものがあって、これを繋いでいなかければと思いました。

坂元さん

うれしすぎて、ウキウキしちゃっています。

一色さん

すごくうれしいです。ありがとうございます。

MC

では最後に堺さんから、ご挨拶をお願いいたします。

堺さん

映画の現場さながらに、皆さんのお人柄が出た時間だったような気がします。皆さん、本当に素敵な方だと改めて思いました。それに、このチームでなければ作れない物語だった本当に思っています。まだまだ完成まで、そしてご覧になっていただけるまでは時間がありますが、本当に素晴らしい作品ですので、ぜひ長く愛していただければと思います。本日はどうもありがとうございました。