「沈黙のパレード」ジャパンプレミア&完成披露試写会舞台挨拶
- 完成披露
ジャパンプレミア&完成披露試写会舞台挨拶
8月31日「沈黙のパレード」のジャパンプレミアと完成披露試写会が六本木ヒルズアリーナとTOHOシネマズ 六本木ヒルズにてそれぞれ開催され、福山雅治さん、柴咲コウさん、北村一輝さん、飯尾和樹さん、戸田菜穂さん、田口浩正さん、川床明日香さん、出口夏希さん、岡山天音さん、檀れいさん、椎名桔平さん、そして西谷弘監督が出席しました。
本作は、天才的な頭脳をもつ物理学者・湯川学が、不可解な未解決事件を科学的検証と推理で解決していく、東野圭吾の小説「探偵ガリレオ」を映画化したシリーズ第三弾。本作では、柴咲演じる内海薫と、北村演じる草薙俊平が九年ぶりに再集結しました。
ジャパンプレミアは、約400名の来場者が迎える中で、リンカーンとクライスラーのリムジンに乗って華やかに登場。キャストの皆さんは、イエローカーペットを歩み、セルフィ(自撮り)をしながら和やかに登壇しました。こちらのイベントの様子を詳しくレポートします。
【ジャパンプレミア】
福山雅治さん
湯川 学役
柴咲コウさん
内海 薫役
北村一輝さん
草薙俊平役
飯尾和樹さん
並木祐太朗役
戸田菜穂さん
並木真智子役
川床明日香さん
並木佐織役
出口夏希さん
並木夏美役
田口浩正さん
戸島修作役
岡山天音さん
高垣智也役
椎名桔平さん
新倉直紀役
檀れいさん
新倉留美役
西谷弘監督
■イエローカーペットが敷かれた六本木ヒルズアリーナに、リムジンにのって登壇者が登場しました。約400名の来場者は歓声を特製のうちわに変えて登壇者の皆さんを出迎えました。
MC
九年ぶりに湯川先生が帰ってきました!
福山さん
帰って参りました! 本日は、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。このコロナ禍がまだ完全に収束したとは言えない中、エンターテインメントの大切さであるとか、人とふれあう大切さ、そんなことを感じながら約二年間を過ごしてきました。そうした中で、皆さんとこうして対面でお会いできて、「沈黙のパレード」という作品を観ていただけることを本当に嬉しく思っています。
柴咲さん
本日は、この皆さんと直接お会いできて、本当に嬉しいです。私が本作を試写で観た時に、心の奥底の温かい部分が震えました。人を愛すること愛されること、それが貫けないことの悲しみや憎しみといった、いろんな思いが巻き起こりました。きっと皆さんもそういういろいろな感覚を揺さぶられるような作品になっていると思います。ぜひ本作を楽しんでもらいたいです。
北村さん
今日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。この作品は最高です! ここにいるみんなが試写を観た時にグータッチをするぐらい、自画自賛したくなるほど最高の出来になっています。ぜひ盛り上がっていただきたいと思いますし、宣伝のご協力もお願いします。
飯尾さん
どうも、皆さん!(持ちギャグ)ぺっこり45度。楽屋でも本番でも皆さんにお世話になりっぱなしです。試写を観た時にちょっとぐっとキュンんとくるものがありました。皆さん、湿度が高いですが(本作を観たら)スカッとすると思いますので、ぜひ楽しんでいってください。
戸田さん
本日は、真夏の夜の夢のようで、とてもワクワクしながら、リムジンの中で皆さんにお会いできることを楽しみにしておりました。私は、個人的に「ガリレオ」シリーズのファンでしたので、この映画に参加できると聞いて、本当に嬉しかったです。演じたのは、ちょっと苦しい夫婦の役だったんですが、飯尾さんが背中ですごく哀愁を演じていらっしゃいました。(すると、飯尾さんが戸田さんに背中を向けたため、思わず笑ってしまう) 横顔でも語っていらっしゃいました。とても良い感じで夫婦役ができたと思って感謝しております。
飯尾さん
そうですね。幸せな二時間でした。
戸田さん
人は、どん底に落ちても友だちや家族のおかげで「もう一回頑張ろう!って思える」、そう最後を思っていただけたら良いなと思います。主題歌も先日聞かせていただいて、とても素敵で、祈りのような曲で感動しました。皆さんもほんとにワクワクしながら観ていただけたらと思います。
川床さん
すごく久しぶりにキャストの皆さんにお会いできて、すごく嬉しいです。
出口さん
こんばんは! 皆さんと久しぶりに会えて嬉しいです!
田口さん
こんにちは! (飯尾さんの)親友役を演じて三人が同級生。とにかく現場は、監督が、お芝居が大好きで、もう何回もやりました。それが本当に良い思い出になっています。僕たちのコミュニケーションは芝居の中でとりました。ヒリヒリするシーンが続くと思いますが、楽しみに観てください。
岡山さん
僕にとって、この「ガリレオ」シリーズは、この仕事に携わる前、子供の頃から楽しんでいた作品です。テレビで放送された次の日は、学校でみんなで話をしていた作品なので、まさかそのシリーズに僕が参加できるとは思っていませんでした。それに今日、こうして、このような場に立たせてもらえていることも光栄に思います。
椎名さん
皆さん、元気ですか? 私は、檀さんと夫婦でね、元ミュージシャンでもあった役です。福山くんとコウちゃんのコンビに負けないような音楽家を頑張ってやりました。福山くんともしばらくぶりの共演でした。
福山さん
そうですね。
椎名さん
四半世紀?! 役者を長くやっていると、こうした素晴らしい再会があるんだなと、とても楽しい現場でした。西谷監督がたくさん画を撮るんですが、出来上がった時にどうなんだろうと思ったら、本当に素晴らしい出来上がりで、驚きました。ぜひ皆さんも、楽しみに映画館に観に来てください。
檀さん
憧れの「ガリレオ」シリーズに私も出演することができて、本当に嬉しかったです。西谷監督のもと、みんなで力を合わせて何度も何度も理想を目指したお芝居をしました。先ほど北村さんが「自画自賛したいぐらい、とても良い作品になった」とおっしゃっていて、今回初めて参加した私としては、ちょっとホッとしました。今日を皮切りに「沈黙のパレード」が、どんどん皆さんに浸透して、一人でも多くの方に、本作を楽しんで観ていただけたら良いなと思っています。
西谷監督
十五年前に「ガリレオ」の連続ドラマ(2007年、2013年フジテレビ系列にて放送)があって、映画「容疑者xの献身」(2008年公開)「真夏の方程式」(2013年公開)と、このようなイベントは、本作で四、五回目です。でも、これだけの共演者と一緒に登壇するのは初めてです。そういう風に振ってみたんですが…?
福山さん
あ、僕ですか?!
西谷監督
はい(笑)。なるべくキャストの方々に話をしてもらおうと思って今日は早口で話しています。
福山さん
「沈黙のパレード」は最もキャストの数が多かった作品です。こうして、たくさんの方と一緒に作り上げたことを実感します。
MC
皆さんにお話を伺ってまいります。実に九年ぶりということで、この映画化のお話が来た時はいかがでしたか。
福山さん
映画化の話が届く前に、まず新しい原作が作られるという発表がされると聞きました。その時点で、恥ずかしながら「(映画化)あるかな?」と期待をして、原作を読みました。
MC
刊行は2018年ですから、その時点ですでに?
福山さん
そうですね。読みながら、これは僕(が演じる役)のことだと思いながら、恥ずかしながらそういう読み方をしました。
MC
本作の公開は、9月16日です。その翌日17日はスペシャルドラマ(土曜プレミアム「ガリレオ 禁断の魔術」)も放送されます。そちらのドラマの撮影の方がちょっと先だったそうですが、久しぶりに湯川を演じるのはいかがでしたか。
福山さん
僕の中では、撮影現場で役に戻るというよりは、どんな作品でも撮影の前に衣装合わせがあるので、その時ですね。スタッフさんが全員揃って、その中で衣装を着て、湯川のヘアスタイルにして、めがねを装着して、スタッフさんの前に出た時に「湯川さん帰ってきたんだな」と思ってもらえたら、最初のミッションはクリアできたと思えます。ですから、衣装合わせの時は、すごく緊張しましたね。ただ、衣装合わせの何カ月か前にヘアとスーツはもう準備に入っています。
MC
柴咲さんは、久しぶりの湯川先生との掛け合いはいかがでしたか。
柴咲さん
最初のシーンから結構掛け合いがあるシーンの撮影をしました。そこで、久しぶりに内海薫をまとった私は、緊張していました。描かれていない年月があるので、その間の薫さんの生き方にクランクインする前から想像を働かせました。でも、目の前に完全なる湯川先生が現れたので、「お!よし、やらねば!」という感じになりました。
MC
ファミレスでの涙のシーンですよね?
柴咲さん
そうです。涙の成分について!
福山さん
本当に久しぶりに会えたので嬉しかったですね。内海は湯川というキャラクターを作っている存在ですから、掛け合いの中で、「湯川さんはこういう人」というのが定着していきます。湯川と草薙と内海の三人の掛け合いによって出来上がったものが、湯川像になる。薫という存在は、良い意味で湯川に突っ込みを入れるので……。
MC
西谷監督は湯川と内海の演出をされて涙したという情報が入っていますが?
西谷監督
いや、別に泣いてはいないですね。それを説明すると、撮影前、段取り(リハーサル)で福山さんと柴咲さんのお芝居を僕は最前線で見ていて、その時にもう芝居ができていたんです。ですから、「もう撮影にいったほうが良いな」と思い、後ろにいるスタッフを見ると、そのお芝居を受け、スタッフたちにも高揚感が溢れていたんです。若いスタッフは、テレビや映画でしか二人を観たことがないので生で目撃して…。そんな雰囲気にクラッとして、顔を下に向けた時に、泣いていると思われたようです。
MC
福山さん、どうですか? 監督はやはり泣いていましたか?
福山さん
うーん、実に感動的でしたねぇ。泣いていたか、泣いていなかったのかは問題ではなくて、そこで感動的な気持ちになったのか、エモい気持ちになったのかといえば、監督もスタッフも全員がエモいと思ったわけです。エモさの螺旋階段をぐるぐる回りました。
MC
北村さん、苦悶する草薙はどうでした?
北村さん
大変でした。本当に笑うシーンもなく、ずっと苦悩している感じでしたが、撮影の合間もずっと暗いわけではありません。お話自体が重くて、ちょっとやつれていくとか、そういう部分で努力は少ししました。
MC
それにより、湯川との絆が深くなる印象を受けました。
北村さん
今回はトライアングルの図式で関係が見えやすくなったと思います。湯川と草薙が二人きりの時は言えないことを、柴咲さん演じる薫がいることで取り持ってくれて気持ちを伝えてくれる部分もあります。サスペンスもありますが、より人間ドラマになっていて、感動がうまく伝わるようになったと思います。
MC
舞台になるのは菊野商店街の定食屋「なみきや」。なみきやに集う方々を代表して、椎名さんにお話を伺いましょう。
椎名さん
チームプレイというか芝居のコラボレーションがすごくて、見事な連鎖反応で、みんなの良さが出ています。映画を観た時に、こんなふうになっていたんだと思いました。本当に心がこもっているんです。飯尾くんは、なんてすごい役者なんだと現場で思いましたし、田口くんも力業で持っていくところもあれば、繊細なお芝居もあって、まあ本当に……観てください!!
MC
檀さんは初参戦でしたけれどいかがでしたか。
檀さん
日本中の皆さん「ガリレオ」が大好きだと思いますが、とにかく原作に失礼にならないように、私自身もお守りのように原作と台本を常に手にして読み返していました。
先ほど、椎名さんがおっしゃっていた「なみきや」のシーンは、そこに集う皆さんが、その日にクランクインだったと思うんですが、午前中の早い時間から必死にリハーサルをしました。台本に書かれていない部分もセリフと芝居をつけて、「なみきや」の賑わいを演出するために細かく決めてから撮影に挑みました。「いつ、この撮影が終わるんだろうなあ?」とクランクインにして思いました。私は福山さんの隣に座りました。人間は時間の経過とともに、疲れていくのに、隣の福山さんは疲れた顔を見せなくて、「湯川先生は何で肌がピチピチしているんだろう?」と思うぐらい生き生きしていました。女性の私が、湯川先生の美しさに嫉妬しました。
福山さん
ありがとうございます。「なみきや」のシーンは台本の20ページぐらい?
西谷監督
20ページぐらい。
福山さん
リハーサルだけで三日、撮影で丸二日でした。皆さん、お芝居が上手だから一日目は、監督のイメージするところのキャラクターをくっきりさせるための演出がありつつ、通しでいけたんです。だから、「もうこれで良いですよね?」とプロデューサーの方と僕はお話をしました。でも、監督は「リハをやる!」というので、結局リハーサルをしました。でも、そのことによって、それぞれのキャラクターが見えないところまで映り込むことができました。「なみきや」のシーンに参加していない柴咲さんが、完成作を観て、「一人一人が本当に生きていて良かった」と言ってくれたので、「なみきや」での我々の努力は無駄ではありませんでした。おめでとうございます!
MC
福山さんと、柴咲さんは初号試写で、東野圭吾先生と一緒にご覧になったんですよね。
福山さん
東野先生は、ちょうど僕の目の前に座っていらっしゃいました。正直、緊張しました。原作者の先生が、映像化された作品をどうご覧になるのか…。本編が終わり、主題歌も流れ、満席だった試写室で、一番最初に拍手をしてくださったのが、東野先生でした。それに続いて、嘘のない熱い拍手が……。そのあとで東野先生がおもむろに振り返って、僕とグータッチをしてくださいました。内心ホッとしました。安心して、自信を持って、皆さんに届けられると思いました。
西谷監督
(東野先生は)「物語の登場人物たちすべてに血が通っておりました」と言ってくださり、監督として一番に伝えないといけないことなので、一番嬉しいです。最初に原作を読んだ時に、東野先生が「ガリレオ」ファンをすごく大切にしてくださっていると感じました。また、読者の皆さんも、湯川は福山さんを、内海は柴咲さんを、草薙は北村さんの顔を浮かべて読んでいらっしゃるというのを聞いて、映像に携わる人間として、これほどありがたく幸せなことはないです。
MC
東野さんのメッセージを、今スクリーンに映しております。
「すべての皆さんに脱帽です」。このあと映画上映後の舞台挨拶がありますので、そちらで続けてお話を伺います。
■フォトセッション
MC
最後に締めのご挨拶を福山さんよりいただきます。
福山さん
この「ガリレオ」という作品が始まった当初、まさか2022年まで続くとは思っていませんでした。こうやって十数年が経っても、東野先生が描く世界観の中の住人として生きていられることを一人の人間としても、お芝居をする人としてもとても嬉しく思っています。
先ほどクランクインではないですが、柴咲さんとのシーンで監督が「エモーショナルな気持ちになった」というお話をしました。僕はこう思います。一つの作品が続いていくのは、愛情の積み重ね、愛情の連鎖なくしてできないことだと思います。スタッフの皆さんも早く撮りたいという気持ちに、それを受けて監督が構築してきた世界観、我々キャストの一人一人が役の世界を生きるという、その気持ちの一つ一つの愛情の積み重ねが今回公開される「沈黙のパレード」という作品になっていると思います。みんなで丁寧に深い愛情を込めて作りましたので、どうか受け取ってください。
【完成披露試写会舞台挨拶】
福山雅治さん
湯川 学役
柴咲コウさん
内海 薫役
北村一輝さん
草薙俊平役
飯尾和樹さん
並木祐太朗役
戸田菜穂さん
並木真智子役
川床明日香さん
並木佐織役
出口夏希さん
並木夏美役
田口浩正さん
戸島修作役
岡山天音さん
高垣智也役
椎名桔平さん
新倉直紀役
檀れいさん
新倉留美役
西谷弘監督
福山さん
やっと本作をご覧いただくことができました。反応がすごく楽しみです。感想を聞かせていただきたいと思います。
柴咲さん
皆さん、本作をご覧になった後ということで、惜しみなく作品の話ができるなと思っております。
北村さん
本作を観終わってどうですか? ドーンときていますでしょうか。僕たちの力を全部出し切った作品です。感動してくれたらと思っていますが、これから感想を楽しみにしております。
飯尾さん
どうも、ぺっこり45度。皆さん、本日はお忙しい中、ありがとうございます。奥さんの戸田さんと、こんなに良い娘に恵まれました。後で感想を聞かせてください!
戸田さん
こんばんは! 飯尾さんの背中を見ながら、つらい役でしたが、皆さんで作った力作であり、自信作です。皆さんの生の感想を聞いてみたいです。
川床さん
生きて帰ってきました(笑)! すごく愛のある作品に参加できたことを誇りに思います。
出口さん
本日はよろしくお願いします。
田口さん
今日は本当にどうもありがとうございます。僕も飯尾くんの背中を見て芝居をしました。ぺっこり45度。後で感想など聞かせてください。
岡山さん
この大きな大きな「ガリレオ」シリーズの最新作に出演できて本当に嬉しく思います。今日こうやって一足早く皆さんに観ていただけたことも、とても嬉しく思っております。
椎名さん
二度目の西谷組への参加も嬉しいです。この「ガリレオ」シリーズには初めて参加しました。登場人物一人一人が、本当にその役柄の人物に感じてしまうような、そういう雰囲気のある素晴らしい現場でした。後ほど感想をお願いします。
檀さん
皆さん、こんばんは。「ガリレオ」シリーズに参加できて本当に嬉しかったです。この「沈黙のパレード」が、一人でも多くの方に観ていただけますように、応援よろしくお願いします。
西谷監督
本日はありがとうございます。上映後(の舞台挨拶)なので、ネタバレも気にすることなく、つかの間を楽しめればと思っています。
MC
福山さん、今目の前にいらっしゃるお客さんは「沈黙のパレード」をご覧になった方々です。今のお気持ちはいかがでしょうか。
福山さん
(会場の皆さんは)どういった感想なのか…。みんなが笑顔というハッピーエンドな物語ではないですが、すごく心に残る作品になったと思います。それをどうやって聞けば良いのか、こういう場合どうしますか?
MC
普通のイベントであっても、会場の皆さんに感想を聞くことはありませんので……。
福山さん
ないですよね! 拍手をもらっても良いですか? ズバリ泣いちゃったという方?
会場のお客さん
(拍手)。
福山さん
なるほど! ありがとうございます。あとは何でしょうね。
MC
では、すごくドキドキ、ハラハラしたという方?
会場のお客さん
(拍手)。
MC
今のところ満場一致にはならないですね。
福山さん
まあ、個人の感想ですからね。それぐらいいろいろな解釈ができる作品だと思っています。
MC
とても良かったという方?
会場のお客さん
(大きな拍手)
MC
大きな拍手ですよ、福山さん!
福山さん
MC(軽部)さん、やはり腕がありますね。ありがとうございます。
MC
それでは柴咲さん、今はどのような思いでしょうか。
柴咲さん
皆さんは本作を観終わっているので、思いは共有できるじゃないですか。私たちは、演じているし、仕上がりも見ているし、後はお客さんの反応を待っているので思いを共有しながらいろいろな裏話ができれば良いなと思っています。
まず、私は脚本を読んだ時点で、東野さん原作の、あれだけたくさんのキャラクターが出てくる中で、「どうやって映画にまとめるのだろう」と疑問でした。それが、西谷マジックにより冒頭の五~十分ぐらいで「なみきや」の皆さんの関係性や、佐織に対する愛情の深さ、育み慈しむ目線がぎゅっと詰まっていました。原作を読んでいるので、そういう展開だと分かってはいたものの、「誰がそういう目に遭わせたのか」という感じに入り込んでしまいました。ここにいるキャストの皆さんの心をとりこぼすことなく描けたのは、監督の力だと思います。
西谷監督
ありがとうございます。
MC
「最初の五分良かったなあ」「引き込まれたな」と思う方、拍手をしてください。
会場のお客さん
(大きな拍手)
福山さん
良いですね。僕はコロナ禍にやったライブで、拍手にも表情があることが分かっていますから、これは良いですね。今日のイベントは、皆さん拍手で答えてください。
柴咲さん
私は「なみきや」に行けていないので、本当に愛おしくて……。「なみきや」の裏話を聞きたいです!
MC
北村さん、「なみきや」のシーンありましたね。いなかったですか……。
北村さん
いや、ありましたよ。一回だけ行きましたが、僕が訪ねたのは暗い雰囲気の時で……。
MC
では、「なみきや」はおいといて、苦悩する、暗さをまとった草薙はいかがでしたか。
北村さん
暗いんですよ、ずっと。今回の草薙、暗いと思いましたか?
会場のお客さん
(拍手)。
北村さん
ありがとうございます! でも、取材などでもよく話していますが、このチーム「ガリレオ」というか西谷組は、すごく安心感があります。普通は、待っている間に「どうしようか」「こうしようか」というのがあるんですが、一切なくて、現場に入ってすっとできるんです。すごく良いスタッフで、そういう環境を作っていただいているので、あとは自分が演じるだけです。監督も的確に指示してくれるので、苦労はないです。
僕が意識したのは、取り調べや頭を下げる時に、一個人として「ごもっとも!」と思うわけです。だからこそ、「いくら草薙がつらくても涙を見せてはいけない」と思っていました。草薙よりもつらい思いをしている人たちが目の前にいるので、そういうのは意識しました。僕のシーンは暗かったですが、現場は充実した時間でした。
MC
「なみきや」の皆さん、悲しみと怒りに震えている菊野商店街の皆さん。「なみきや」店主役の飯尾さん! 普段の飯尾さんと全然違うキャラクターでした。(会場のお客さんに向かって)飯尾さんが良かったと思う人?
会場のお客さん
(大きな拍手)。
福山さん
今日、一番大きな拍手じゃない?
飯尾さん
そんなことないです。
福山さん
おめでとうございます!
飯尾さん
本当にありがとうございます。悲しみを背負う役なので、監督から「高倉健さんだと思って演じてください」と言われました。でも、セリフは言わないで無口になっただけで怒られました。あと、ちょっとボケをちっちゃく入れちゃったりしたら、「こういう心境の時にそういうの控えてください! もう(コンビ名の)ずんを捨ててください」とも言われました。こんな余韻に浸っている中で申し訳ない。新倉夫妻が(娘の)スカウトにいらして、不機嫌にお茶を飲む時に、「あちぃ」と言ってしまったら「カット」になり、「そういうのはいらない」と注意されました。
……何を言っているのか分からないので拍手をお願いします。
会場のお客さん
(拍手)。
飯尾さん
きれいな奥さんとかわいい娘たち! いろいろなシーンを撮りました。皆さんお気づきかと思いますが、(娘の容姿が)お母さん似で良かった。奇跡です。家族のように振る舞ってくれたので、助かりました。
MC
ご主人の飯尾さんはいかがでしたか。
戸田さん
メガネを外して役に入り込んでいました。セットに子どもの頃からの佐織ちゃんの身長が刻んであるのを見て、涙が出そうと話していましたね。体でこの役を感じようとされていて、素晴らしいと思って横で見ていました。
飯尾さん
子どもが貼ったシールの跡もありました。あそこは全然カメラに映っていないんですよ。
戸田さん
うんそうですね。
MC
川床さんは?
川床さん
天国からみんなを見下ろしている感覚になって、家族や商店街の方々が三年経ってもこんなにも愛してくれているんだということを、完成した作品を観て感じられたので、すごく感動しました。
MC
出口さんはもうすぐ21歳ですが、撮影中はどうでしたか。
出口さん
撮影中は終始緊張していたことを一番覚えています。こんなにすごい方に囲まれて、監督の言葉を聞くこと、理解をすることに必死でした。実際に完成した作品を観て、すごく温かいところでお芝居ができ、またあんな名セリフを叫べると思っていなかったので、すごく嬉しかったです。
MC
名セリフもう一回言ってみましょうか。
出口さん
「実に面白い!」 現場では、湯川先生よりも多く言ったように思います。声が枯れました。
福山さん
実に良かったです。撮影したのは19歳の時ですから、若い世代の人がこのシリーズに参加してくれて、役を生きることを実感してくれたのは嬉しいです。長くやってきて良かったと思いました。
MC
十五年前だと小学校にあがる前ですから!
福山さん
「渡る世間(は鬼ばかり)」になっていくしかないですね!
MC
続いては田口さん、飯尾さんを意識しましたか。
田口さん
飯尾さんを意識はしていないです。ちゃんとお芝居で返してくれました。時にはホームランを打ってくれましたね。リハーサルから本域で芝居ができました。(飯尾さんに)ライバル意識みたいなのはやめてください(笑)。
飯尾さん
メガネもかぶりますし!
田口さん
いつも楽屋では、「勉強させていただきます!」って感じですよね。
飯尾さん
芸人さんの挨拶みたいです。助かりました。こんなすごいキャストの名前が並んでいる中に田口さんの名前が入ったんです。同業者の先輩がいらっしゃるので、そこで「やらせてもらいます」と言いました。
MC
続いて、岡山さんは、今は何歳ですか?
岡山さん
28歳です。最初に出演が決まった時は、「ガリレオ」シリーズはもちろん、そうそうたる先輩方との共演ということで、不思議な気持ちでした。「なみきや」のシーンで、感情的になってコケるシーンは、摩擦でズボンの膝小僧が溶けました。緊張していたところ、福山さんが「大丈夫?」とやさしく聞いてくださいました。
福山さん
いや、天音くんは誠実だから毎回本域で向き合うんです。西谷さんは……良い意味でですよ、テイクを重ねるのを知っているので、「少しは加減しないと膝が持たないよ」と伝えました。彼の誠実さに、現場が引っ張られた部分もありました。本当に気をつけてください。
MC
そして檀さんはいかがですか?
檀さん
一度だけではなく、ネタバレを分かった上で、二度三度と深く観てほしいと思っています。どこまで感情を出すかとか、涙のシーンとか多くて、そこは監督の思うところに近づけるように細かく撮影をしました。
MC
激しい動きもありましたね。
檀さん
フェンスを上るのは台本にはなくて、監督がひらめいちゃったんです。どれぐらいのフェンスに上るのかドキドキしました。一応スタントの方もいらっしゃいましたが、自分で上りました。私もね、こう見えて速く動けるんです!
MC
(客席に)檀さんの動きは見事だったと思った方?
会場のお客さん
(拍手)。
檀さん
ありがとうございます。
MC
椎名さんは「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」に続いての西谷組でした。撮影現場はいかがでしたか?
椎名さん
僕は、タイトルが「沈黙のパレード」なので、沈黙についてコンパクトにお話したいと思います。皆さん、ご覧になった後なので、草薙に対して新倉が沈黙するシーンは大事なシーンだと分かっていますよね。あのシーンは難しかったので、あの沈黙で良かったのか、ちょっと会場の皆さんにきいてもらえませんか?
MC
あの沈黙で良かったでしょうか?
会場のお客さん
(大きな拍手)。
椎名さん
ありがとうございます。
MC
福山さん、主題歌の「ヒトツボシ」(福山雅治さんが作詞・作曲・プロデュースを手がけ、柴咲コウさんがボーカルを担当する音楽ユニットKOH+)について伺います。どういう思いで作られたのかをお話ください。
福山さん
レクイエム=鎮魂歌として劇場版第一弾の「容疑者xの献身」の時の主題歌は「最愛」。湯川の友人である天才数学者の石神(堤真一さん)の報われなかった思い、「魂を救済するような鎮魂歌ができないかな?」という思いで「最愛」を作りました。
それで、今回も台本を読んだ際に感じたこととして共通しているのは、愛する者を失った喪失感です。愛ゆえに人はこんなことまでしてしまうのか、ということです。もちろん亡くなった佐織さん自身の歌なんですが、佐織さんの魂を鎮めることによって、並木家のそれぞれの人生の旅で迷わないでほしいと思いました。「ヒトツボシ」は北極星のことで、航海の時に海図ではなく、星を見ながら旅をしていた時代があるんです。それをテーマに曲を書きたいなと思っていたんですが、本作とは書きたいと思っていたテーマが一致しました。
佐織さんは亡くなられて星になった。「私のことを忘れないで」という思いと、川床さんが「まるで自分が天国から並木家を観ているよう」だとおっしゃいましたが、まさにその構図なんです。本人は悲しい運命でしたが、星になり、「私のことを思っていてくれてもいいんだけれども、私のことを思うあまりに、罪を犯さないでほしい」「忘れないでほしいけれど、幸せになってほしい」という意味で「あなたの旅を邪魔したくないけれど、それぞれの人生の旅を邪魔したくないし、一つの星になって」という部分はそう想いを込めています。長くなりました。
柴咲さん
歌っている時に、プロデューサーであり、ディレクターである福山さんが、本当にきめ細やかにディレクションしてくださいました。この作品のことを思い描いた歌詞で、私も(映画に)出ていますので、その情景がまざまざと浮かんできました。私は、ほかの方の心情、その人を取り巻く家族や身近にいる人の思いがグサグサ刺さってきて感情を揺さぶられました。本当に素直に歌うことができたと思います。
MC
原作者の東野圭吾さんも大絶賛の本作、西谷監督の演出も冴えていました。今回の西谷監督の演出、冴え渡っていたと思う方、拍手をお願いします。
会場のお客さん
(大きな拍手)。
西谷監督
「ヒトツボシ」について一言だけ!
本作を上映して、物語の行方ですよね、あれを映像にしていくと蛇足になってしまいます。残された人たちに対する佐織の気持ちがエンディングに歌で示されていくことで、作品のクオリティがワンランクあがっていく瞬間になりました。ありがとうございます。
福山さん
ありがとうございます。恐悦至極に存じます。
MC
それでは、ご挨拶をお願いします。
福山さん
十五年という長きに渡ってこの作品に携われていることは、とても幸せなことだと思っています。
理不尽な暴力による突然の死ですとか、まったく予想していなかった悲しい出来事が人生に起きるということを、生きていると知っていくと思います。本作の出来事は、実際に起きた出来事ではありませんが、あまりにも突然に訪れる悲しみというものがある、そういったものを本作を通じ、楽曲を通して伝えていきたいと思っています。これは僕個人の考えかもしれませんが、どちらかというと人生は苦しいことのほうが多い気がしています。それを踏まえて、ある瞬間に「やっていて良かった」「生きていて良かった」「出会えて良かった」という幸せな瞬間に出会うために、しんどいこと、苦しいことも乗り越えて生きるのだと思っています。そういうことが「沈黙のパレード」には描かれていますし、この十五年間、「ガリレオ」シリーズに携わることで学んだこともあります。人生という皆さんの旅が、幸せなものになることを願いながら、本作を作りました。そして、主題歌も作りました。本作を通じて、皆さんの人生の「何か少しの時間が幸せ」だと思い、作品に入り込んでもらえたらと思います。そして、エンターテインメントがある暮らしは良いと思ってもらえればとも思います。本作は、そう感じられる作品に仕上がっていると自負しております。引き続き、この作品を愛していただきたいと思います。