映画『8番出口』88m無限ループカーペットアライバルイベント
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88m無限ループカーペットアライバルイベント
世界的大人気ゲームを実写映画化した『8番出口』の国内初のイベントとなる、88m無限ループカーペットアライバルが7月22日に東京・有明の「URBAN SPORTS PARK ブリリアランニングスタジアム」にて開催されました。主演の二宮和也さん、小松菜奈さん、河内大和さん、川村元気監督が登壇し、88mのイエローカーペットを歩きました。こちらのイベントの模様をレポートいたします!
二宮和也さん
迷う男役
小松菜奈さん
ある女役
河内大和さん
歩く男役
川村元気監督
■登壇者の皆さんが“88m無限ループカーペット”に登場! ファンの歓声に応えつつ、8つの異変を探しながらカーペットを歩きました。
MC
二宮さん、小松さん、会場の熱気はいかがですか?
二宮さん
とてもうれしいです。こんなに熱狂的に迎えてくださって、皆さん、ありがとうございます。
小松さん
とにかく圧倒されています。あと、異変を探さなくちゃいけなかったので、もういっぱいいっぱいです(苦笑)。もう必死でした。
MC
このカーペットには「8つの異変」があるのですが、気づきましたか?
河内さん
僕は、一個だけ見つけました。他は全く分かりません(苦笑)。
■その後、登壇陣は88m無限ループカーペットの終点へ。
MC
皆さん、異変はいくつ見つかりましたか?
二宮さん
二つ気づきました。ここに来てから一つと、手前で一つ。まずはカーペットに「4番出口」がなかったです。
MC
正解です。カーペット上に書かれた「3番出口」が二回繰り返されています。
二宮さん
「3番出口」と書かれた付近にいた皆さんが、こうやって(カーペットを指さして)いました。「何やっているんだろう?僕、うんこでも踏んだのかな?」と思っていたら、ここが異変と教えてくれてました。
MC
もう一つは?
二宮さん
(メインステージのバックボードに記載された公開日、8・29という日付の)2が逆ですね。
MC
よく気づきましたね。「2」が反転しています。
二宮さん
これすごいですよね? 正直、後は分からないんですが…(笑)。
小松さん
三つ目は、…正面(メインステージ)の「8」のデザインが違う?
二宮さん
それは異変なのかな…?
MC
それは異変じゃないです(笑)。
小松さん
あれ(笑)?
MC
ご自身のマイクを見てください。
■小松さんのマイクだけ黄色と黒が反転したデザイン。
小松さん
あ!
二宮さん
これ最初から?
小松さん
すごい!
河内さん
僕は二宮さんがおっしゃった「3番出口」のところしか分からなかったです。
MC
おじさんのスタンディがカーペットの途中でありませんでした?
小松さん
ありました。
MC
それも異変なんです。監督は何か気づきましたか?
川村監督
いや、皆さんに教えてもらおうと思ったんですが…。
MC
カーペットの途中で大量のトイレットペーパーがあったかと思います。
二宮さん
え、それも?「トイレットペーパーがあるね~」って話してたんですけど…(笑)。
MC
それから、BGMの「ボレロ」に混じって、劇中でも流れてくる「ピンポン」という音が流れていたと思います。
二宮さん
あれか…。
MC
あとは、分かりづらいかもしれませんが、後方にあったお客さん用のモニター四台のうち一台だけがライブ中継とは違う映像が流れていました。
二宮さん
見てるか! そんなところまで!
MC
最後の一個は、オフィシャルのムービーのカメラマンさんが、なぜかものすごく短いズボンを履いています。
二宮さん
ほらっ! これは僕が言ってました!
河内さん
見つけてたね。
二宮さん
僕はあれがそうだって言っていたんですが、河内さんから「いや、あれはおそらく趣味だからイジらないであげよう」って言われて「そうか…」って思ったんですよ。
MC
本人は、普段はきちんとした格好なんですが「今日は恥ずかしいけれど頑張ります」と言って、短いズボンを…。
二宮さん
気づいてたんだよ。でも、河内さんが「ご本人の趣味だからイジるのやめて」って言うから(笑)。
MC
二宮さんは、以前取材で「お客さんと集まって、一緒にイベントをして楽しみたい」とおっしゃっていました。今日はいかがですか?
二宮さん
僕は楽しいです。いっぱい写真を撮ってもらって…(笑)。
■続いて、ステージ上でのトークセッション。
二宮さん
お暑い中お集まりいただき誠にありがとうございます。そして、ここに立って挨拶するのが非常に安心します。やっとイベントが始まったんじゃないかとすら思っています(笑)。今日は、映画『8番出口』の魅力が伝えられたらと思っておりますので、お付き合いいただければと思います。
小松さん
今日は本当にお暑い中、たくさんの方に集まっていただき、ありがとうございます。すみません、異変探しに必死で取り乱してしまいました(苦笑)。本当にすみませんでした…。短い時間ですが、楽しんでください。
河内さん
本当にこんな暑い中、皆さん本当にありがとうございます。僕はカンヌ国際映画祭には参加できなかったので、今日はここにいることができて感無量です。今日は皆さん、楽しんでいってください。
川村監督
本当に今日は暑い中、ありがとうございます。ニュースとかで見ていただいたかもしれないですが、カンヌで本作はお披露目をしました。日本では今日が初めてのイベントです。ここにいる方々がこの映画の応援団になっていただければと思います。
MC
大人気のゲーム「8番出口」を実写映画化するという企画は、どのようなコンセプトで映画制作に取り組まれたんでしょうか?
川村監督
原作のゲームには本当に物語がないんです。「8番出口」というゲームは、異変があったら引き返して、なかったら前に進むというすごくシンプルな二択を繰り返すゲームです。そんな時ふと、「二宮くんの主演で作品が作りたいな」って思った時に、このゲームのルール自体が物語にならないかなと思いました。大きい人生の二択を抱えた主人公が、この無限のツールの中に入って、目の前の二択を繰り返す。そんな中で、最後には、大きい結論や、答えが出るという物語を作りました。そこからは、毎日毎日、二宮くんと現場で打ち合わせをしながら、作品を作っていったという流れですね。
MC
キャスティングの意図についてもお聞きしてもよろしいですか?
川村監督
そうですね。まずゲームを題材にした映画は「失敗するよ」っていろんな人から脅されていました…(笑)。ゲームは、物語がプレイヤー自体にあるじゃないですか。ゲームには皆さんの思い入れがすごくあるので、ゲームに対するリテラシーや理解がないとダメだと思いました。そんな中で、二宮くんがご自身のことを主演であると同時に「テストプレーヤー」だという言い方をしていたんです。その通りの作り方を現場ではしていました。まず台本があって、二つの選択を含めてやってみます。その場で編集をして、夜にはまた脚本を書き直して、リテイクする…。まるでゲームを作るような作り方でやっていくことに対して、理解をしてくれるのは、二宮くんしかいないんじゃないかという思いもありました。
MC
そう言われるとうれしいんじゃないですか?
二宮さん
うれしいです。それに、現場で「これだ」という案を1秒でも早く元気さんに出すというのがスタッフを含めて、我々の命題ではありました。河内さんはずっと歩き続けなきゃいけなかったんですが、現場はとても有意義な感じでした。殺伐とすることもなく、みんなで「やろうか」と集まってやってみて、元気さんに「どうですか?」と投げる…楽しかったですね。
川村監督
小松さんのキャスティングに関して言うと、僕は何度か仕事を一緒にやっていたので、とても信頼している女優さんです。それに、今回の役は、すごく「恐ろしい」という役割と、「人間らしい」部分の両極をやらなきゃいけないんです。その両極をズバっと出せる人ということで、小松さんにどうしても出てほしかったんです。ただ、いろいろとプライベートがお忙しいということだったので、「この役はなぜ小松さんなのか?」というお手紙を書いて、なんとか受けていただきました。
小松さん
うれしかったです。元気さんと初めて会ったのは映画のオーディションで、元気さんは審査員でしたね。
川村監督
そうですね。『バクマン。』(2015年公開/監督:大根仁/出演:佐藤健、神木隆之介)という映画のオーディションで最初にお会いしました。
小松さん
そこからの出会いだったので、本作に参加することが私は楽しみでもありました。
MC
河内さんのキャスティングに関して、うちのゲーム好きの息子が「似ている!」と言っていました。
川村監督
そうなんです。河内さんは、キャスティング担当のプロデューサーから紹介していただきました。こんなに似ている人がいるなんて、と思いました。もちろん「VIVANT」(2023年TBS系列にて放送/主演:堺雅人)のワニズ役として、知っていたんですが、「似ている」と思って…。でも、「似ている」というだけだとやっぱりダメじゃないですか。今回、河内さんの「歩く男」のお芝居の9割が歩くことなんです。でも、河内さんは長年舞台をやられていて、シェイクスピア作品も経験されているので、「歩く」ということもずっとトレーニングされてきていました。だから、本当に機械のように正確に何回も歩けるんです。それには助けられました。
二宮さん
テストの時に「とりあえず試しで、撮影してみようか」っていう段階なのに、奥から河内さんが出てきただけで、もうスタッフ全員がどよめいていました。それくらい似ていました。
川村監督
似ているし、人間が機械やCGみたいな動きをした時に感じるちょっとした不気味さを出したかったんですが、それを完璧にやっていただきました。カンヌでは「あれはCGか?」ってたくさん言われました。
河内さん
とてもうれしいです。最初、元気監督に「こういう歩き方できますか?」と、聞かれたんです。でも、監督がおっしゃったように「歩く」ということについて、かなり研究してきたので、「僕だったらお役に立つことができるかな」という気持ちはありました。でも、最初に撮影に向かう時は「これで本当に合っているのか?」って緊張していたんです。でも、二宮さんがおっしゃったように、歩いた瞬間にどよめきが起きて、あれは本当にうれしかったです。実際に画面を見たら、CGみたいに見えて、舞台をずっとやってきて良かったと思いました。
MC
二宮さんにとって、「脚本協力」というのは、初めてですよね?
二宮さん
これは、元気さんじゃないと、そういう提案をしていただけなかっただろうと思っています。本作では、僕はほとんど一人なので、作品の整合性を保つためには、「現場で何か言わなきゃいけないことがあるだろう」という思いはありました。「脚本協力という形で入ってみたら?」と言っていただき、現場にすんなり入れました。現場で全て変わっていく感じでしたよね。
川村監督
ニノが現場に入ると本打ち(脚本打ち合わせ)をしていたよね。
二宮さん
してた。
川村監督
昨日の夜書いた本を元に、朝打ち合わせして、どう撮るかという話をして、撮影をしてみて、その場で編集をして、確認をして…というのを繰り返しました。珍しい作り方でした。
MC
その作り方が多分、この作品にはすごく合っていたんでしょうね。
二宮さん
合っていたし、元気さんも最初に「みんなもどうなるか心配だろうけれど、安心してください。僕も心配です」って言っていました(笑)。「だからみんなに意見を聞きたい」とずっと言っていたので、現場のスタッフの人たちも、みんなでアイディアを出し合って、何とか完成にたどり着いた感じです。
MC
小松さんのキャリアの中でもかなり特殊な役であり作品になったと思います。
小松さん
そうですね。全員役名がないので、何か親しみがわかない感じで。さらに地下鉄の無機質さもあり、お互いに繋がりのない孤独感みたいなのが、役の中にあって…。編集をして、セリフがまた少し変わって、感情の方向性も少し変わったりしたので、「最終的にこの作品はどんな風になるんだろう」という、本当に未知の世界でした。
川村監督
緊張していたよね?
小松さん
とても緊張していました(苦笑)。
川村監督
久しぶりの現場だったらしくて、初日はなんか青ざめて撮影に来ていました(笑)。
小松さん
緊張がループしちゃっていました。久しぶりの映画の現場だったので、考えただけで「どうしよう」と思っていました。しかも、私は途中からの参加だったので、最初のシーンは声が震えちゃいました。監督も「え?ちょっと待って!緊張しすぎじゃない?」って笑っていました(苦笑)。
川村監督
よく一緒に仕事をしてきたので驚きました。でも、すごく柔軟に――例えば、全部撮り直すみたいな、普通の俳優さんなら怒っちゃうかもしれないところも理解してくれて、すごく助かりました。
MC
小松さんにとっても、そういう時にやっぱり二宮さんの存在は大きかったんじゃないですか?
小松さん
すごく大きかったですね。二宮さんは、いろんなところに目が付いているんじゃないかっていうぐらい、全体を俯瞰して見ていたり、今起こっていることを見ているんです。それに、人としてもずっとフラットでいてくれるので、私は、すごくそこを頼りにしていました。座長として素晴らしいと思いました。
二宮さん
ありがとうございます。褒められるのは気持ち良いですね。
でも、本当に忘れられないのが、元気さんが一回、「参ったな。小松菜奈が緊張しているぞ」って言っていたことですね。緊張はしない人だと思っていたし、スンとしたクールなイメージだったので、「そんなことある?」と思いながら、監督が隅っこで「緊張しているなぁ」って言っていたのを覚えていますね。。
MC
河内さんは二宮さんにすごく思い入れがあるそうですね?
河内さん
若い時に新潟で新聞配達のバイトをしていたんです。とにかく雪がつらくて、滑ると新聞が全部グチャグチャになっちゃうんです。そういう時に「嵐」の曲を聴いて頑張っていました。
MC
特にどの曲ですか?
河内さん
「Happiness」かなぁ…。あの曲がなかったら、僕はもう多分あそこで終わっているというぐらい、毎日、毎日聴きながらやっていました。
二宮さん
「Happiness」世代なんだ(笑)。
河内さん
あと、新潟で「嵐」さんのライブコンサートの設営のバイトもやっていました。
MC
まさか後々、共演することになるとは…。
河内さん
思わないですよ! だから、もううれしくて…。「VIVANT」の時も大好きで抱きつきに行きたかったんですが、敵対する役だったので…(笑)。
MC
映画公開まで1か月。様々な年齢層の方が本作に興味を持っていると思います。ご自身の周りで作品が盛り上がっていると感じますか?
二宮さん
「楽しみにしている」という声をすごくいただいています。やっぱり“おじさん”が、みんな気になるみたいです。一番大きなポップアイコンとして素晴らしいキャラクターなので、それが気になるという人が多いですね。
小松さん
やっぱりカンヌのニュースを見てくださった人たちがすごくたくさんいますね。友人の中学生の男の子が、「8番出口」のゲームをしていたので、「映画化するんでしょ?」と聞かれました。「あれって映画化できるの?」「菜奈ちゃんの役って存在してないよね?」「歩く男ってAIなの?」と、質問攻めを受けました。彼は、絶対初日に観てくれると思います。あの食いつき方はありがたかったですね。
河内さん
映画館に僕のおじさんパネルが置かれているじゃないですか。SNSに「おじさんいた」「河内さんいた」とあげている方がいっぱいいますね。僕も実際に見ましたが、「僕がいる」と思いました。SNSがすごいことになっています。
MC
若い層の反響がすごいですね。
川村監督
そうですね。この映画を日本で観た人はほとんどいないわけで、カンヌで上映した次の日にフランスの映画学校の学生七人ぐらいに囲まれました。すごい熱狂的に感想を言ってくれました。次の日に二宮くんと一緒にフランスやドイツ、アメリカなどの色々な海外のメディアの取材を受けたんです。みんな僕らのインタビューをする前に自分の感想を話してくれます。
二宮さん
それは、確かにそうだったかも。
川村監督
それがこの映画の特徴なのかなと思いますね。
MC
最後に二宮さんからメッセージをお願いします。
二宮さん
今日からキックオフということで、こういう素晴らしいイベントをやりましたが、参加していただきありがとうございました。映画は8月29日から公開ですが、ぜひ何度も何度も観ていただきたいです。僕らも映画が楽しくなるような話をまだまだたくさん持っていますので、映画を観終わった後にそういうお話ができたらと思っていす。この夏は、映画『8番出口』と一緒に過ごしていただければと思います。よろしくお願いいたします。