「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」完成報告会
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完成報告会
「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念作品の「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」がついに完成! 1月29日に東京・京橋のTODAホールにて完成報告会が開催され、レギュラー声優陣の水田わさびさん、かかずゆみさん、木村昴さん、関智一さん、ゲスト声優を務めた鈴鹿央士さん、藤本美貴さん、そして寺本幸代監督が登壇しました。本作の魅力、映画に込めた思いをたっぷりと語ってくれました。こちらの報告会の模様をレポートいたします。
水田わさびさん
ドラえもん役
かかずゆみさん
しずか役
木村昴さん
ジャイアン役
関智一さん
スネ夫役
鈴鹿央士さん
パル役
藤本美貴さん
アートリア王妃役
寺本幸代監督
水田さん
本日はこのような素敵な時間と場所を設けてくださいまして、ありがとうございます。よろしくお願いします。
かかずさん
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
木村さん
ジャイアントこと剛田武役の木村昴です。最後までどうぞよろしくお願いいたします。
関さん
スネ夫こと骨川スネ夫役の関智一でございます。よろしくお願いいたします。
木村さん
(木村さんと同じような自己紹介に)だと思いましたよ(笑)。
水田さん
思ったね(笑)。
鈴鹿さん
本日はお集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
藤本さん
二年ぶりにまたご一緒できるのをうれしく思っています。本日はよろしくお願いします。
寺本監督
本日はよろしくお願いいたします。
MC
寺本監督は、本作が「映画ドラえもん」シリーズ四作目の監督作品となりますが、「今回の作品で一番こだわった部分」「これまでの作品とはここが違う」といった部分はどんなところですか?
寺本監督
絵を題材にしている作品なので、絵の具を作ったり、絵に関する描写がいろいろありますが、そういうところには結構こだわって細かく作りました。あとは、キャラクターの感情表現も丁寧に作っております。そのあたりもご覧いただければと思います。
MC
キャストの皆さんには、完成した作品をご覧になっての感想をぜひお聞かせいただければと思います。
水田さん
寺本監督は、皆さんご覧になって分かると思いますが、とってもチャーミングで、小柄で本当にかわいい方なんです。でも、とてもダイナミックな作品なので、きっと寺本監督の体の中にはマグマのようなものがずっと燃え続けているんだと思います。かわいさと壮大さ、重さ、激しさが絶妙のバランスで詰まっている作品なので、私は観終わっても震えて立てませんでした。それくらいのスケールが大きな作品です。
寺本監督
ありがとうございます。
かかずさん
本当にスケールが大きくて、絵の中に入っていくんですが、その世界が本当に深くて広くて、色使いが素敵でした。スタッフの皆さん、監督もですかね? ロケに行ったと聞きました。
寺本監督
そうなんです。
かかずさん
ヨーロッパの方に…?
寺本監督
イタリアに。
かかずさん
イタリアにロケに行かれたそうなので、たくさんの本物が詰まっています。それに、映画作品ならではの色使いもあり、その世界に音楽が乗って、より壮大な世界が繰り広げられていくのが、見ていてとても圧巻でした!
関さん
僕たちもヨーロッパロケに…。
水田さん
行きたかったですよねぇ…。
関さん
ヨーロッパの風を感じて…。
水田さん
アフレコに臨みたかったですよね。
木村さん
お芝居、変わりますよね(笑)。
水田さん
ずいぶんと変わっただろうね。
かかずさん
そうかもしれない。
関さん
キャスト陣は国内のみでしたからね(苦笑)。
水田さん
でも、その絵画の部分は嘘がなく、細かく描かれています。街並みなどもね。
寺本監督
そうですね、イタリアの光の強さとかコントラストの強さみたいなのを本作に反映しているのでぜひその点も観てほしいです。
木村さん
イタリア人の方に特に観てほしいですよね。
関さん
そんなことないです。全国の人に観てもらいたいです。
木村さん
まずは日本のね…。
水田さん&かかずさん
(笑)。
MC
木村さんは作品をご覧になっていかがでした?
木村さん
まず初めに…皆さん、お待たせいたしました。監督、ありがとうございます。ジャイアンの見せ場――今回もございます! ありがとうございます。
いわゆる“劇場版ジャイアン”と言われる、カッコ良いジャイアンが今回も登場いたします。驚きなのがですね、皆さん、始まってすぐ出てきます。始まってすぐカッコ良いジャイアンが登場します!
関さん
そこがピークですか(笑)?
木村さん
そこではないです(笑)。後ろの方に持っていったつもりですが……ただ、ほぼクライマックスです! (登壇者の皆さん:爆笑) ネタバレしない程度に申し上げると、工事現場のシーンがございまして、そこでカッコ良いジャイアンが出てきます。ありがとうございます。
水田さん
ジャイアンのある部分がすごく強いところも…「えー?」みたいになる。
木村さん
そこにご注目いただきたいです。
かかずさん
カッコ良かった。
木村さん
よくレギュラー陣で話すんですが、「『映画ドラえもん』で、もう行く所ないよね?」って(笑)。
関さん
恐竜の世界、宇宙…。
木村さん
45年の歴史の中で、ドラえもんたちはこの世のほとんどのところに行っているんですよね。そんな中で、「絵の世界があったか!」と、台本を最初に読んだ時にみんなで驚いたのを覚えています。
関さん
これは監督が決めたんですか?
寺本監督
いえいえ、最初に絵の中と聞いて、「この手があったか!」と思いました。
木村さん
そうですよね。そこにもご注目していただきたいです。
MC
関さんはいかがですか?
関さん
お待たせしました。今回もスネ夫はズルいことをいっぱいしています(笑)。
木村さん
(爆笑)。
関さん
ズルいし、駄々をこねるし、みんなの足を引っ張るんですが、それによってジャイアンやのび太のカッコ良さ、勇気が引き立つような仕組みになっております! 僕がいるからこそです。
とてもカラフルな色彩あふれる素敵な作品になっております。
木村さん
確かに、スネ夫が駄々をこねないと、ジャイアンのカッコ良さが引き立ちませんからね。
関さん
そうなんですよ。そもそもスネ夫が自慢をして、のび太くんが嫉妬して物語が始まるんです。スネ夫が良い子だったらドラえもんは必要ないですからね。
木村さん
平凡な日常を送るだけになっちゃいますからね。
水田さん
いつもありがとうございます(笑)。
MC
鈴鹿さんは作品をご覧になっていかがでしたか?
鈴鹿さん
本当に皆さんおっしゃるように、スケールの大きさもすごく感じました。バトルというか、アクションシーンのハラハラドキドキ感が本当にすごかったです。僕も、台本を読んだし、アフレコをしながら映像を観ていたんですが、「あれ?次どうなるんだっけ?」「大丈夫なの?」と、本当にテンションを高めながら観入ってしまいました。これを皆さんが映画館で体験していただくということは、本当に良い映画体験になると思いました。
藤本さん
本当にスケールが大きくて、イタリアまでロケに行かれたっていうのを聞かないで観たので、もう一回観たいなと思いました。絵の中の世界に入っても、背景とかの質がすごいんですよ。
寺本監督
筆のタッチ出ていたりしますよね。
藤本さん
あと、私は母親として考えさせられる部分が今回もありました。もう一回自分や子どもたちの日常を見つめ直そうって思えた素敵な作品になっていたと思いました。
MC
鈴鹿さんは、小さい頃から「ドラえもん」が大好きだったそうですが、声優として「映画ドラえもん」に出演することが決まった時のお気持ちはいかがでしたか? また、幼い頃の「ドラえもん」の思い出などもありましたら教えてください。
鈴鹿さん
決まった時は…何かもう「どうしようかな…?」という…。
木村さん
「やめとこうかな?」って(笑)?
鈴鹿さん
いやいや、違います(笑)。「自分に何ができるかな?」って、ちょっと不安なところもありました。でも、小さい頃から一緒に育ってきた「ドラえもん」の世界に入っていけるって考えると、楽しみで仕方なかったです。でも、「どうしちゃったかな」って感じはあったんですが(笑)。
思い出としては、僕が初めて映画を観て泣いたのが「映画ドラえもん のび太の恐竜 2006」だったんですよ。
水田さん
ありがとうございます。
関さん
じゃあ、僕らの「ドラえもん」の世代ってことなんですね?
水田さん
私たちが初めてやった映画です。
鈴鹿さん
あの時、小学校一年生だったかな? 初めて泣いた思い出がある映画です。そこら辺から、映画を観て何か心が動くとか、いろんなものをもらってきた作品です。
水田さん
すごくうれしいです。私たちの作品を観て、こんな素敵な立派な俳優さんが…。何だか自画自賛になっていますが(笑)、何の力にもなっていないんですが、鈴鹿くんの人生に携われていることに感動しました!
関さん
うれしいよね。
MC
藤本さんは、2023年公開の「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」以来、二年ぶり二回目のご出演となります。前回と何か違ったことはありますか?
藤本さん
まず、二回目があるんだっていう驚きと、今回はアートリア王妃役だったので泣いたり、驚いたり、食べたりと、いろいろ難しかったんです。でも、アフレコの時に、かかずさんがご一緒してくださって、いろいろとアドバイスをいただきました。声優さんのすごさにただただ驚きました! 一回、演じていただいたりしながら、どうにかポイントを掴んで自分でもやれたら良いなと思いながら一生懸命やりました。
かかずさん
いや、アドバイスというほどではないです。でも、いろいろ挑戦してくださって、…これは言っても良いのかな?
水田さん
いいよ(笑)。
かかずさん
「藤本美貴さんらしさが、もっと出ると良いな」と思って、演出の方に言って、何パターンかやりましたよね。その中で、(藤本さんらしさが)出ているシーンが使われていましたよね?
藤本さん
でも、難しかったです(苦笑)。セリフのない遠くに映っている王妃が「今、パンを食べています。一回、(食べる演技の)アムですね」とか、細かいところから、セリフまでアドバイスいただきました。挑戦できてうれしかったです。
関さん
もう二人(鈴鹿さんと藤本さん)ともすごく上手で、我々と比べても変わらない素敵な仕上がりになっていました。
水田さん
バッチリです。
MC
寺本監督から、ゲスト声優のお二人はいかがでしたか?
寺本監督
鈴鹿さんは、声優が初挑戦ということで、最初はすごく戸惑っていました。でも、同じシーンを何回も何回もやっていく中で、どんどん上達していきました。心構えが良くて「何回でもやりますので、何でもガンガン言ってください」という気持ちでやってもらえて、すごくありがたかったです。
関さん
我々とは真逆ですね。
かかずさん
心構えが(笑)。
関さん
「なるべく何も言わないで」と…(苦笑)。(登壇者の皆さん:笑)
木村さん
余り直したくないから、何も言わないでってね。
関さん
そんなことはないです(笑)。
木村さん
そんなことはないですからね、関さんは冗談を言っているんですからね。
MC
監督がそう言っていますが、鈴鹿さんはいかがですか?
鈴鹿さん
ありがとうございます。パルが最初に出てくるシーンとか、何十回もやりました。
寺本監督
素晴らしかったです。
藤本さんは、本当に「あれ?声優さんかな?」という感じでした。声がまたかわいらしくて、もう素晴らしいなと思っていたんです。でも、その中で一か所だけすごくご苦労されているシーンがありました。…これも言って良いのか分からないですが、気絶されるシーンでは、すごく試行錯誤されていました。これも、何回かやっていただくうちに「これだ!」というすごく素晴らしい演技をされたので、それを使いました。
藤本さん
気絶する時の声が分からなくて…。
かかずさん
いろいろ録りましたね。でも、どれも素敵でした。
藤本さん
ありがとうございます。
MC
続いてレギュラー声優の皆さんにお聞きします。今年で「映画ドラえもん」は45周年を迎えますが、ドラえもんたちを演じていらっしゃるレギュラー声優の皆さんも、今年でドラえもん声優20周年という節目の年になるんですね。改めて、皆さんにとって「ドラえもん」とはどんな存在でしょうか?
水田さん
何だろう…いつも私に元気とパワーを送ってくれます。
「ちょっと今日はお腹が痛い」「頭がちょっと…」とか、ちょっとしたトラブルがある時でも、スタジオに行って、ドラちゃんに会うと、本当に不思議なんですが、それがなくなるんですよね。何かちょっと寝起きがしんどい時もあるじゃないですか? でも、ドラちゃんに会うとスッキリするし、元気になるので、不思議なパワーをくれる存在です。科学的には、明かされないと思いますが、本当に体調が良くなるんです。
木村さん
すげえ!
水田さん
共演者の皆さんのおかげかもしれないけれど。
木村さん
それはあるかも。
水田さん
いつもありがとうね。
かかずさん
(木村さんからは)パワーが出ているよね。
木村さん
(笑)。
かかずさん
私にとっても、心の支えになっています。私たちは、日常生活があって、スタジオに行ったら作品の世界もあるという、特殊な仕事をしています。日常生活は年を重ねていき、喜怒哀楽いろんなことを経験しますが、ドラちゃんの世界は平和だし、ちょっと喧嘩があっても、「もうやめて!」っていう風に解決する温かい世界に毎週行けることが、浄化されるというか、何か辛いことがあってもドラちゃんたちに支えてもらって、20年経っちゃったなっていう感じがしています。
木村さん
改めて考える機会があまりなかったですが、考えてみると、ジャイアン風に言えば「心の友」というか「相棒」のような存在ですかね。僕は14歳の時に、ジャイアンをやらせていただくことになったんですが、人生の半分以上をジャイアンと共に歩んでいます。ジャイアンがいるから正しく生きていけるというか…。
水田さん
いつも正しいよ。
木村さん
ジャイアンに「もうジャイアン!」って思う時もあるし、「ありがとう」と思うこともあります。ずっと一緒にいるもんですから、本当に「相棒」のような感じかなと思っています。
かかずさん
(木村さん自身が)きれいなジャイアンに見えてきますね(笑)。
水田さん
きれいなジャイアンだよね。
木村さん
(MCの方に向かってカッコつけて良い声で)こんにちは。
…あの、だから何て言うんすかね、ジャイアンがいない状態がもう想像できないと言います、「ジャイアンがいてくれるおかげで人生が充実しているな」っていうことを改めて実感しますね。
関さん
皆さんがおっしゃることも、当然感じているんですが、例えば、私が髪の毛を切りに行った時に、お店の人に「ご職業は?」と聞かれて「声優です」と答えると、「何の役をやっているんですか?」と聞かれます。作品名をいろいろと挙げるんですが、年代によって観ている作品が違うので、「よく分からない」みたいな反応をされることが多かったんです。でも、「ドラえもん」は誰でも知っているし、スネ夫くんは「髪の毛のとがった意地悪な子だよね」っていう認識をどなたも持っているので、声優としての「代表作」ができたなと思っています。そういうのは、自分で言うもんじゃないですが、周りの方たちからそういう風に扱ってもらえる役に出会えて、「自分が世の中に認めてもらえた」っていうプレゼントをもらえたのかなと思います。こんな風にいろんなとこで言っていますが、マンションのローンもスネ夫くんの名前や、「ドラえもん」の名前を出したら組めたりとかね(笑)。
木村さん
そうなんですか?
関さん
そうなんですよ。声優って不安定な職業じゃないですか。でも、「ドラえもん」の名前って大きいなと…。いろんな恩恵を受けています。
水田さん
そうなんだ?
木村さん
言ってみよ。
関さん
言ってみたらいいよ。「お前の不動産もオレのもの」って(笑)。
登壇者の皆さん
(爆笑)。
MC
水田さんにお聞きしますが、皆さんのチームワークの良さの秘訣はどこにあるんでしょう?
水田さん
秘訣は分からないですが、いい意味でも悪い意味でも、家族みたいになっちゃったので…。改めて家族に「私たち、なんで仲良いの?」なんて考えないじゃないですか? そんな感じの空気になっているのが秘訣なんですかね。
関さん
僕、考えたんですよ。
水田さん
ありがとうございます、先輩!
関さん
藤子先生が作った、ドラえもん、のび太くん、しずか、スネ夫、ジャイアンっていうキャラクターのバランスがとても良いんですよね。しかも、キャストたちがどこかキャラクターに似ているんですよね。先生の原作にハマる人たちがハマったんで、自然とバランスが良いのかなと思いました。先生が作った黄金比みたいなものがすごく良いし、そこにハマる人をキャスティングしていただけたのも…。
かかずさん
本作の「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」みたい! 入り込んだってこと?
水田さん
うちら、入り込んだんだ?
関さん
木村くんもちょっとガキ大将みたいなとこもありますし、僕もお金は持っていますし(笑)。
登壇者の皆さん
(爆笑)。
関さん
(かかずさんを指して)しずかちゃんも、おしとやかですが、サバサバしたところもある女性です。のび太くんの大原(めぐみ)さんも、クヨクヨするところもありますが、芯が強くて「頑張るぞ」っていう感じです。水田さんは、僕がちょっと喉の調子が悪いとすぐ「アメあるよ!」ってポケットから出してくれるんです(笑)。本当にみんなキャラクターと似ているんですよね。ドンドン似ていっていますね。
水田さん
近づいていますよね。
関さん
そうやってキャスティングしているのかもしれないですが、よりそれが濃くなっていっているのかなと思います。だから、あのキャラクターたちが仲が良いのと同じで、僕たちも仲良くできているのかなと思いますね。
水田さん
今日はすごく良いことを聞きました。
関さん
珍しくね(笑)。
MC
続いてキャストの皆さん全員にうかがってまいります。自分自身を「ドラえもん」のキャラクターに例えるなら何ですか?
鈴鹿さん
僕は、しずかちゃんかな?
木村さん
藤本さんが「ぽいぽい」っておっしゃっています。
藤本さん
ぽいです。
鈴鹿さん
お風呂が大好きで…。(登壇者の皆さん:笑)
木村さん
そこ(笑)?
鈴鹿さん
毎日、浸かるようにしています(笑)。
かかずさん
大事よね。
鈴鹿さん
他には…いざという時に頼れるしずかちゃん――男気があったり、カッコ良い姿を見ると、「例えるなら」じゃなくて、僕もそうでありたいなって思うのがしずかちゃんですね。
かかずさん
うれしいです。(木村さんを指して)ヒーローは映画で持っていくじゃないですか? ドラちゃん、のび太くんも際立っている中で、しずかちゃんはなかなかそんな風に言われないので、うれしいです!
MC
藤本さんは?
藤本さん
断然、ジャイアンです。
木村さん
(驚いた様子で)えー!
藤本さん
「オレのものはオレのもの。お前のものもオレのもの」。
木村さん
その通り。
藤本さん
夫婦関係はジャイアン形式でやらせていただいております。(登壇者の皆さん:笑) でも、いざとなったら頑張るっていう気持ちもあります。ジャイアンとして…(笑)。
水田さん
「ジャイアンとして」って言い切った(笑)。
藤本さん
「しずかちゃん」って言いたいんです。繊細だし、女性らしくて、優等生だし、そう言いたいんですが、そこには及ばないので(笑)。
木村さん
豪快で力強くて頼りがいがあるっていうことですよね。光栄です。でも、あんまり怒らせないようにしないと…。
かかずさん
(木村さんの後ろに座っている藤本さんを見て)後ろから拳が…。
木村さん
「むしゃくしゃするからぶん殴らせろ」って言われちゃいますからね(笑)。
藤本さん
怖い怖い(笑)。
MC
そんな木村さんは?
木村さん
ですから、さっきの話にもありましたが…(苦笑)。
MC
ご自身以外では?
木村さん
えっ、自分以外で? それは考えたことがなかった! それぞれが自分のキャラクターにだいぶフィットしてきているので、ちょっと想像がつかないですね。でも、目指したいと言うか、理想としてはしずかちゃん…。
かかずさん
えー! しずかちゃん人気(笑)!
木村さん
そうですね、ごめんなさい、嘘つきました。やっぱりジャイアンです。皆さん、(自分のキャラクター以外が)想像付きますか?
関さん
でもやっぱり心のどこかでは、みんな、のび太じゃないですか? 「怠けたいな」という気持ちはありますから、のび太っぽいなって自分で思っているところは、ありますよね。あと、僕はどこでも寝られますし。
水田さん
関さん、どこでも寝られる。
木村さん
収録中でもね(笑)。
関さん
(笑)。
かかずさん
起きるのも早いよね。
木村さん
天才的なのは、若い頃は、(アフレコ中に)寝るんです。自分のセリフの3カットくらい前になったら起きて、セリフを言って、また席に戻って寝るという(笑)。
関さん
あれは、コツがあるんです。目覚ましになるセリフをあらかじめ決めておくんです。今はそういうことはしないですよ(笑)。若い頃は、ちょっと疲れている時に「このセリフで起きるぞ」と自分にタイマーを掛けておくんです。仮に油断して眠ってしまっても、目が覚めるんです。
藤本さん
声に「ちょっと寝ちゃった」感もなくやれるのはすごいですね。
関さん
そうですね、そこは何とか…プロですから。
かかずさん
(木村さんに「あなたも寝ているじゃん」というように指をさす)
藤本さん
(木村さんに向かって)あなたも寝ているじゃないって言われてません(笑)?
木村さん
やばい(苦笑)。
関さん
(木村さんは)最近、寝ていますよね。
水田さん
先輩の姿を見て育っていますから(笑)。
木村さん
関さんは僕の師匠なんです。やっぱり、伝統は引き継いでいかないと…。(マスコミの皆さんに向かって)本当にこの話は忘れてください。僕がアフレコ中に寝ているっていうのは内緒でお願いします。
関さん
木村くんは今、忙しいからね。疲れていて寝落ちしちゃうこともあるですよ。そして、木村くんがいびきをかき始めるわけですよ。
藤本さん
え! それはダメじゃないですか?
かかずさん
そこまでは言わなかったのに(笑)。
関さん
そういう時、しずかちゃんが「木村くん、寝ているけど、どうする?」みたいな視線を送ってくるわけですよ。そうすると「このままにしておこう」ってなるんですね。みんなで、木村くんの疲れをとる方向でね(笑)。
木村さん
(立ち上がり)本当にすみませんでした!
関さん
収録に迷惑がかかるようなことはしていませんから。
水田さん
していない、していない。ちゃんとやっているよ。
木村さん
以後しっかり、収録中はちゃんと起きていることを誓います。(登壇者の皆さん:笑)
かかずさん
みんな健康でいることが大事だからね。
水田さん
眠い時は寝たほうが良いしね(笑)。
MC
最後の質問です。映画に出てくるひみつ道具「はいりこみライト」を皆さんが使うとしたら、ドラえもんたちと入ってみたいところ、行ってみたいところはありますか?
鈴鹿さん
僕はどこに行きましょうかね?
水田さん
どこが良い?
関さん
絵の中だけしか入れないんですか?
水田さん
どこか行きたいところでもいいんですか?
鈴鹿さん
僕、絵の中でキリスト教の宗教画とか、天使がいる絵に入ってみたいです。そして、天使に会ってみたいですね。
水田さん
素敵!
木村さん
「最後の晩餐」とか?
鈴鹿さん
「最後の晩餐」は殺伐としているというか…ちょっと怖いかも(笑)。もうちょっとハッピーな、天使がパタパタみたいな絵の中にみんなで行って、僕らも天使になって、パタパタみたいな…。
水田さん
かわいい…。
藤本さん
私はゴッホですっけ? 「星月夜」って作品ありますよね? あの中に入って、みんなでタケコプターで飛んでみたいです。
水田さん
素敵!
藤本さん
タケコプターつけたい!
水田さん
私は「自称・着物愛好家」なので、着物を普段から着ているんですが…。
木村さん
今日、着ていないのが珍しいくらいですよね。
水田さん
滅多に洋服で人前に出ることはないんですが、歌川広重さんの「名所江戸百景」の中に入ってみたいです。ひみつ道具の「きせかえカメラ」も使って、当時のいろんな服を着てオシャレしたいですね。着物ってすごくオシャレなので、ドラちゃんと一緒に楽しみたいです。
かかずさん
私は、安野光雅さんの「ふしぎなえ」という絵本です。階段を上っていたはずなのに降りているとか、どこからどういう角度で見たらいいの? みたいな絵を描かれているんですが、その世界にみんなで入って、かくれんぼとか追いかけっこをして楽しみたいです。
木村さん
僕は、みんなで行けるところが良いです。やっぱファミレスのメニューですかね。
水田さん
入りたい!
かかずさん
ピザの中とか?
木村さん
お肉のメニューとかどうですか? ハンバーグ、ステーキとか…。
関さん
でも、あれって入ったからって食べられるとは限らないですよね?
木村さん
食べられますよ!
水田さん
ドラちゃんが何とかしてくれるんじゃないの?
関さん
でも、中に入ったら、食べられる側になっちゃうんじゃないの? 「木村昴一つと…」って。
木村さん
監督、これはどうですか? ファミレスのメニューには入れるものですか?
寺本監督
入れるとは思いますが、希望的に「食べたい」と思いますよね(笑)。
木村さん
えーー…、どうしよう? でも、みんなで行って、ハンバーグプレートにみんなで乗ってお腹一杯食べてみたいですね。夢があって良いじゃないですか。
関さん
僕ね、全然とんちの利いた答えじゃないんですが、僕はロボットに乗ったり、男の子が好きそうなものが大好きなんですよ。「ドラえもん」で言うと「鉄人兵団」とかの巨大ロボットが出てくる物語に入って、戦うのは興味ありますね。
木村さん
一個すごいの思いついちゃった!
水田さん
何々?
木村さん
みんなで「ドラえもん」の漫画に入りませんか? 入って、ドラえもんたちに会って…剛田商店の店番してもらおうかな。
かかずさん
でも、入っても、そこでは、ジャイアンじゃなくて木村昴なんでしょ?
木村さん
名案だと思ったんだけどなぁ…。こんな言われるとは思わなかったわ。もっと「おぉー!」ってなるかと思っていたんだけどな(苦笑)。
MC
最後に鈴鹿さん、寺本監督、水田さんからメッセージをいただきます。
鈴鹿さん
本日はお集まりいただきましてありがとうございました。僕は、ゲストとして作品に参加しましたが、本作は観ていてウキウキするし、ハラハラドキドキの展開です。ドラえもんたちの絆や友情が見えて、心揺さぶられる瞬間もあって、大人から子どもまで全世代の方に、そして世界中の方に楽しんでいただけると思います。僕も一観客として3月7日を待っています。ぜひ皆さんも劇場に足を運んでいただけたらと思います。本日はありがとうございました。
寺本監督
今回の作品は、45周年記念ということなので、45周年に恥じないパワフルな作品になっていると思います。アクションもすごいですし、涙あり、笑いあり、一瞬たりとも飽きさせない映画になっています。皆さん、ぜひご覧ください。本日はありがとうございました。
水田さん
こうやって映画を毎年公開できることは、特別なことなのだとコロナ禍で気づきました。毎年、映画が公開されることを普通だと思ってはいけない。映画が毎年公開できるのは、本日、お集まりいただいた皆さんを含め、観てくださる皆さんがいるからこそ届けることができます。3月7日にやっと本作が完成するつもりで、私たちは演じています。特別なことを毎年やらせていただけて、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、今回の作品はオリジナルではありますが、「ドラえもん」を観ていた方たちに間違いなく「懐かしいな」と思ってもらえる、藤子・F・不二雄先生の世界が詰まった作品になっています。三世代ともに、心が動く作品になっています。このダイナミックさ、スケール感を映画館で観ていただけたらと思います。私も映画館で皆さんが観るのを楽しみにしています。本日は本当にありがとうございました。