「ディア・ファミリー」初日舞台挨拶

2024.06.14
  • 初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

映画「ディア・ファミリー」が6月14日に公開を迎え、TOHOシネマズ 日比谷で開催された初日舞台挨拶に大泉洋さん、菅野美穂さん、福本莉子さん、川栄李奈さん、新井美羽さん、松村北斗さん、月川翔監督が登壇しました。心臓に疾患を抱える娘の命を救いたい一心で人工心臓の開発をはじめ、その後に世界で17万人もの命を救うことになるIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルを生みだした父親の実話を映画化した本作。映画の内容にちなみ、自身の家族への思いや、次に叶えたい夢など、それぞれが胸の内を明かしました。また、実際にバルーンカテーテルによって命を救われたお子さんを持つご家族から手紙が届くなど、感動的なひと時となりました。この日の模様を詳しくレポートします!

坪井宣政役

大泉洋さん

坪井宣政役

坪井陽子役

菅野美穂さん

坪井陽子役

坪井佳美役

福本莉子さん

坪井佳美役

坪井奈美役

川栄李奈さん

坪井奈美役

坪井寿美役

新井美羽さん

坪井寿美役

富岡進役

松村北斗さん

富岡進役

月川翔監督

大泉さん

ついに初日を迎えることができました。宣伝活動をする中で、何度も何度も雨の日があったんですが、ついに快晴の中で今日を迎えることができました。今日は「足元の悪い中」と言わずに済むということで…(笑)、「大変に足元の良い中」ありがとうございます。今年一番の暑さだそうです。暑さに乗って、本作をたくさんの方に観ていただければと思っています。

菅野さん

今日は観てくださってありがとうございます。天気も良く、このように晴れ晴れとした気持ちでこの日を迎えられたことをうれしく思います。観終わったお客さんのお顔を拝見していると、「初日を迎えたんだな」と思えました。

福本さん

満席の中で登壇をして、やっと「初日を迎えられたんだ」という気持ちになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

新井さん

実感があまりなかったんですが、皆さんと一緒に登壇したら、「初日なんだ」と感じられて、今すごく幸せな気持ちです。

川栄さん

本作を早く皆さんに観ていただきたかったので、こうして皆さんにお届けできて、とてもうれしく思います。

松村さん

「坪井一家の中になぜ僕がいるんだ」という気持ちはありますが、劇中で演じた役と同じようにほどよく支えられたらと思っています(笑)。どうぞよろしくお願いいたします。

月川監督

「この物語を、とにかく多くの人に届けたい」と思って、この作品を作ってきました。なので、こうして初日を迎えることができて、とてもうれしく思っています。

MC

2022年の年末から、2023年の年始にかけて撮影が行われたとうかがっています。いよいよこの愛と命の物語を全国のお客さんにお届けできる日がやってまいりました。SNSなどでも「温かい涙がこぼれた」という感想も見受けられます。改めて、初日を迎えたお気持ちを聞かせてください。

大泉さん

撮影が行われたのはもう、2年ほど前になります。公開はまだ先だと思っていたので、「やっとこの日が迎えられた」という思いでいっぱいです。撮影している時は必死ですし、宣伝活動をしている時は早く皆さんに観てほしいと思うんですが、こうやって皆さんの元に本作が届くと、それはそれでどこか寂しい思いもあります。ここからは、「ディア・ファミリー」という作品は、皆さんに育ててもらう順番になるんだと思います。我々は、作品の中で坪井一家という役を務めました。本作は、名古屋で今もお過ごしの筒井家の皆さんのお話です。少しでも多くの方に観ていただいて、(劇中の次女のモデルとなっている)佳美さんが天国で喜んでくれると良いなという思いでいっぱいです。感無量です。

菅野さん

筒井家の皆さんの大切な思い出をお預かりして、「本作からこの物語をたくさんの人に届けることができたら」と思いながら撮影をしていました。試写を拝見した時に、温かい涙が流れてきました。一人でも多くの方に本作が観てもらえたらと、素直に思いました。そんな気持ちで、宣伝活動もお手伝いしていました。今こうして、皆さんに観ていただけて、いよいよ本作も独り立ちの時が来たんだなと、晴れ晴れとした気持ちです。大泉さんがおっしゃるように「みんなで頻繁に会えるのもこれで終わりなんだな」と感慨深いものもあります。
「誰かを思うと人は頑張れるんだ」と、本作を通じて、その思いを新たにしました。また、ご存命の家族の物語を演じることには、演じ手として責任があると感じて、これまでとは違った思いで撮影に臨みました。その意味でも、私にとっても本当に大切な一本になったと思います。

福本さん

こうして家族(演じた坪井家)みんなでたくさん宣伝活動もしてきて、名古屋にも行きました。その時からずっと、「初日が早く来ないかな」と思っていたので、今日こうして無事に公開することができて、とてもうれしいです。佳美さんの「たくさんの人の命を救いたい」という思いから始まったこの物語が、たくさんの人に届いて、観てほしいです。そして、天国の佳美さんが、この作品のことを喜んでくれていたらうれしく思います。

新井さん

このお話をいただいた時、すごく繊細なシーンが多いし、私にとっては少し挑戦でもあると、不安もありました。撮影や宣伝活動をしていくと、皆さんから「早く観たい」など、楽しみにしている声を聞いて、今日を迎えることが本当に楽しみでした。そして、今日はたくさんの方が観てくれて、すごく幸せです。この作品がもっとたくさんの方に広がれば良いなと思っています。

川栄さん

撮影中から大泉さんと菅野さんがとても明るくて、優しくて、パワフルでした。そんなお二人が引っ張ってくださったので、家族の温かさを映し出せたと思っています。本作を、悲しいだけではなく、希望や愛に溢れた前向きな作品だと、皆さんに思ってもらえたら良いなと思っています。

松村さん

どちらかと言うと、坪井ファミリーを見ている時間が多かった分、作品もそういう気持ちで観ることができました。やっと自分の好きな映画、好きな人に出会えたような感じで、すっかり本作のファンなので、早く観た人の感想に出会いたいです。初日を迎えて、感想をいくつか見ましたが、すごくうれしかったです。「早くみんな観て」という思いでいっぱいです。

月川監督

僕は、実在する人物を描くのは初めての経験でした。大切な思い出をお借りして、作品を作るということで、すごくプレッシャーを感じていました。スタッフも、キャストの皆さんも、とても誠実にこの作品を一緒に作ってくださいました。映画はお客さんに観てもらえてようやく完成となりますので、今日、ようやく完成したんだと思っています。上映後の皆さんの表情を見られるのは、ご褒美のようで、ちょっと感極まっています。

MC

娘の命を救うために、不可能に挑んだ家族の姿を描く本作ですが、作品を通じて、皆さんが改めて感じた“家族への思い”がありましたらお聞かせください。

大泉さん

家族と言われると、私が作った家族もありますし、私の両親が作った家族もあります。…そうですねぇ。(じっくり考えながら)この物語は、自分の娘を助けるために、知識がないところから人工心臓を作るというすごい話です。僕も、家族のために、やれることは何でもするだろうと思います。「人工心臓を作る」という決断にまでなるかは分からないですが、「全てを投げ打ってでも何かをする」という思いは同じだと思いました。
私は両親に、「本作が公開になります。映画というのは、公開になってから週末の三日間が大事なんだ」と言いました。(会場:笑)「この三日の間に必ず観て」「今、行け」と言ったんです。うちの両親はもう八十七歳の高齢ですから、「あんたね、そう言うけどね、年寄りが三日の間に行けと言われても大変なんだよ」と返ってくるわけです。でも、こちらは「良いから行け」と言っても「でも私たち二人が行って、何か変わるのかい」と返ってきます。(会場:笑) 「良いんだよ、良いから行けよ」と言ったら、「そんなに言うんだったらあんたが何百枚もチケットを買えば良いんじゃいの?」と言われまして、「うるさい、良いから行け。友だちに伝えろ」と言ったんですよ。(大泉さんの止まらないご両親とのやり取りの再現に、会場はずっと大笑い)
(急に我に帰り)私は一体、何を言いたいんでしょう。 (会場:爆笑)

MC

三日間が大事。初動が大事だと。

大泉さん

私は別に初動が大事だと言いたいわけではなくて(笑)、両親に感謝しているんです。両親はこの三日の間に本作を観に行くでしょう。僕が「老体に鞭を打って、行け」と言いましたからね。「できれば二、三回行け」と。(会場:笑)

菅野さん

私の母は、今度の火曜日に観ると言っていました。(会場:笑)

大泉さん

それだとちょっと遅いですね! もうちょい早めに! (会場:笑)

菅野さん

そうですよね。明日、明後日…金、土、日が大事ですね。母はちょっとその辺りが分かっていないみたいなので。

大泉さん

電話番号を教えてください! 「週末までに行け」と私が言いますから。(菅野さん&会場:笑)

菅野さん

(松村さんに向かって)そうなんです。週末が大事なんですよ(笑)。

松村さん

(急に話を振られて)僕ですか…?

大泉さん

(爆笑)。

松村さん

心得ていますよ、もちろん。

大泉さん

(爆笑)。

菅野さん

あ、ご存知だった?

松村さん

もちろん。映画だってCDだって、全部そうですよ(初動が大事)。

菅野さん

皆さんも明日、明後日とスケジュールがお忙しいでしょうから。行かれない方もいるとは思いますが、週末に観てほしいですね。

大泉さん

(爆笑)。

菅野さん

私の母からも「本作を楽しみにしている」と言ってもらいました。私自身、育児中なので、母の手を借りながら子育てをしています。今も手伝ってもらっていて、本当にありがたいと思っています。育児をしていると、本当に余裕がなくなってイライラしてしまうこともしょっちゅうですが、やっぱり家族がいなければ知り得なかった気持ちが確実にあるんです。「子供はかわいいだろうな」「愛おしいだろうな」というのは、何となく想像通りなんですが、「こんなにも子育ては大変なんだ」と思いました。些細なことでイライラしたり、それが積み重なっていっぱいいっぱいになるということは、想像できませんでした。私の母もこういう思いをしながら私を育ててくれたんだろうと思いました。もちろん陽子さん、宣政さんも、お仕事も大変な中で、三人の育児をするっていうのは並大抵のことではないと思うので、本当にすごいなと思います。「幸せ」と「辛い」という漢字はよく似ていると思います。自分が望んだもの以外の感情を知ることも含めて、それが人生の彩りなのかなと思います。それは家族がもたらしてくれるものだと思います。
(またまた初動が大事だという話を持ち出し)やっぱり金、土、日が大事だなと。(会場:笑)

大泉さん

もうその話は良いですよ。(トークを)締めてください(笑)。

菅野さん

以上です! (会場:笑)

福本さん

私は大阪出身なので、高校を卒業して上京してからは、家族が一堂に会することがなかなかなくなってしまいました。でも、本作を観て「家族に会いたいな」という気持ちになりました。こういった毎日が永遠に続くわけではないので、気恥ずかしいけれど、感謝を伝えられる時にはきちんと伝えなければいけないなと思いました。

MC

大泉さん、菅野さん、こういうお話です。

大泉さん

こういうことですね!(会場:笑)

福本さん

でも、初動は大事ですよね。(会場:笑)
姉は「絶対に泣いて目が腫れてしまうので、休みを取って本作を観に行くね」と言っていました。

大泉さん

次の日、仕事がない時に行った方がね。

菅野さん

じゃあ、週末が良いですよね!(会場:笑)

福本さん

「明日、明後日で行って」と勧めておきます!

菅野さん

(イベントのトークなど)若い人にいろいろと教わりますね。(会場:笑)

大泉さん

本当に教わりますね。私の話なんて、老人に対して「週末に映画に行け」という話ですから。ひどい話ですよ。(会場:笑)

MC

新井さんはいかがでしょうか?

新井さん

完成披露の舞台挨拶をお母さんが観に来ていました。帰りに「良い経験になったね。すごく良い作品だったよ」と言ってくれて、少しでも恩返しでしたかなと思いました。
私は、家族と一緒に暮らしていますが、十七年間それが当たり前のように生活をしてきました。でも、「私もあと何十年もお家にいるわけじゃないんだろうな」と思ったら少し寂しい気持ちになりました。だから、家族との限りある時間を大切にしたいなと思いました。

川栄さん

家族は、一番近くで支えてくれたり、背中を押してくれる存在だと思います。それが生まれてからずっと続いていると、それが当たり前だと思うことは、皆さんにもあると思います。私は、この作品を観て、一日一日をより大切に、家族や周りの人に感謝しながら生きなくちゃいけないと思いました。私も“家族に感謝する”ということを忘れずにいたいなと思いました。

大泉さん

やっぱりちょっと一回親に電話して「今週末じゃなくても良い」と伝えようかな。三人の話を聞いていたら、感謝が足りなかったと思いました。(会場:笑) ちょっと、僕は心が汚れていました。なぜあんなことを言ってしまうのか…。もっと親への感謝の気持ちを伝えなきゃいけない。(会場:笑)

菅野さん

パンフレットも買ってもらえたら最高ですよね!(会場:笑)

大泉さん

もうその話に乗らないで! より話が大きくなってしまうから!(会場:笑)

松村さん

この後、しゃべりづらいって…。(会場:笑) 
僕は真面目な話をします。

大泉さん

真面目な話をしてください。

松村さん

この作品は、親から子への無償の愛のお話です。僕は、自分が主人(あるじ)となる家族がないので、どちらかと言うと(劇中の)三姉妹の方に近い感覚です。子供たちも同じぐらいの気持ちで、「親に生きていてほしい」という思いがあるよなと、最終的に思いました。そういう思いというのは、教えられず、実は見失ってしまうものだと思います。僕みたいに、息子・娘の立場の人には、そういう思いを探しながら観てもらいたいです。自分が主人(あるじ)である人たちには、子供もそう思っているんだ、逆も然りだよと思いながら観てほしいと思います。僕は、親にそんな思いを馳せていました。

月川監督

僕には、二人の子供がいます。何よりも大切な存在だと思っていますが、どうしても日々仕事に埋没してしまって、一緒に過ごす時間をちゃんと取れずにいます。明日も息子の運動会があるのに、自分は撮影をしている…というような生活をしています(苦笑)。この作品を作った身として、ちょっと改めなきゃいけないなと思っています。

菅野さん

監督は、台本にご家族の写真をびっしり貼っているんですよ。表だけじゃなくて、裏表紙にも。「お父さんがこんなにも子供を思いながら撮影しているんだ」と、すごく胸に来るものがありました。

MC

どんな困難がのしかかっても「次はどうする?」という言葉を胸に、諦めない人々の姿を描く本作にちなみ、皆さんの「次に叶えたい夢」を教えてください。

松村さん

僕は、大泉さんのかねてからのファンというか、マニアなので…。

大泉さん

マニアって言わないで(笑)。

MC

ここに移動する車の中でも、面白かったお話を、大泉さんにもう一回しゃべらせていましたもんね。

大泉さん

(爆笑)。

松村さん

「あの話が面白かったです」と言うと、全部しゃべってくれるんです。

大泉さん

(爆笑)。

松村さん

まるで再生ボタンを押したように、当時の声色のままなんです。

大泉さん

ジュークボックスのようにね。

松村さん

本当に奇跡のような方です。
大泉さんの出演された舞台や、作った舞台もありますが、どれか一個、リメイク的(再演)にいつかやってみたいです。

大泉さん

ええ!? それは素晴らしいよ! やって! (松村さんの所属するグループ)SixTONESで(TEAM NACSの舞台)「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」とかやってよ!

松村さん

(会場に向かって)分からない方はごめんなさい。大泉さんが脚本を書いて、演出もしたTEAM NACSさんの家族のお話があるんです。SixTONESでやってみたい! でも、うちのメンバーは六人なので、(「下荒井兄弟」が五人の兄弟の絆を描く舞台であることから)ちょっと一人多いんですが…。

大泉さん

誰か一人、辞めさせてよ。(会場:笑) 

松村さん

バカを言うんじゃない!(大泉さん&会場:笑) うち(SixTONES)は一人でも欠けたら意味がない。

大泉さん

僕の作品のために、一人辞めさせて…。

松村さん

一生、恨みますよ。(大泉さん&会場:笑) 
でも、本当に「下荒井兄弟」をSixTONESの六人でやれたら、僕はもうこの人生はクリアだと思っています。

大泉さん

おおー! 分かった、頑張ろう。僕が、書く!

松村さん

あとは、五人が大泉洋というものにどれほど熱があるかどうか…。(会場:笑)

大泉さん

ないの? 君ほどは、ないの?(会場:笑)

松村さん

ごめんなさい、これはもう当たり前です。

大泉さん

何が当たり前なの!

松村さん

あとの五人は「すごい俳優さんだな」という感じですよ。マニアは僕だけですから。

大泉さん

(SixTONESメンバーの)ジェシーとか、全然ないの?

松村さん

(ジェシーさんの真似で)「ああ、大泉さんね。えっへっへっ!」って感じですよ。(大泉さん&会場:笑)

大泉さん

じゃあ僕も、新しい夢ができました。SixTONESにやってもらえるように、「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」を六人バージョンで書き直します。

松村さん

これは、実は、僕が十年くらい秘めていた思いです。

大泉さん

ありがとうございます。これは、台本料もだいぶ入るね。(会場:笑)

松村さん

小っちゃい劇場でやってやる! (会場:笑)

川栄さん

私は二十歳で(AKB48)グループを卒業する時に、朝ドラのヒロインをやること、大河ドラマに出ること、日本アカデミー賞を獲ることという三つの夢を掲げて卒業しました。朝ドラヒロインと大河ドラマは叶えることができましたが、日本アカデミー賞を獲るという夢はまだ叶っていないので、ぜひその夢を叶えたいと思っています。(会場:拍手)

大泉さん

すごい速さで、二つの夢が叶っちゃったの?

川栄さん

でも、十年かかっています。

大泉さん

朝ドラってすごいよね。朝ドラの主役はなかなかできないよね。

川栄さん

本当に運が良いなと思います。

MC

大泉さんは、日本アカデミー賞の常連ですもんね。

川栄さん

いつも拝見しています。

大泉さん

私なんて、参加することに意義があるみたいな感じですからね。賑やかしですよ。(会場:笑)

新井さん

私は、中学と高校の最初はコロナ禍で、ちゃんと学校行事ができませんでした。高校二年生の修学旅行が海外の予定だったんですが、それも叶わなくて、海外に行く機会を、何度か逃しています。ずっと行きたくて、今年は絶対に行ってやろうと思っています。だから、今年の目標は海外に行くことです。とりあえずパスポートの写真を撮って、行く気は満タンです。それを早く達成したいなと思っています。ハワイとか…。

大泉さん

それはきっと叶うんじゃない?

新井さん

行けたら良いなと思います。

菅野さん

今ね、パスポートを取るのにすごく時間がかかるみたい。(会場:笑)

大泉さん

そういう、本当のお母さんみたいな情報はいらないから(笑)。

菅野さん

いらない? ためになるから聞いた方が良いよ! 申請に行くでしょう? 番号をもらうでしょう? そこで四時間待ちとかになるんですよ。しばらく待っていたんですが、全然(順番が)動かないから、一回家に帰って餃子を焼いたんですよ。でも、まだ順番が来なかった。それくらいのつもりで取に行った方が良いよ。(会場:笑) すごく時間がかかりますから!

大泉さん

何の話をしているんだ。(会場:笑)

MC

時間に余裕を持っていくと良いですね(笑)。福本さんはいかがでしょうか。

福本さん

今回は大泉さんと親子役でしたが、ちょっと寂しいシーンも多かったので、今度は元気な姿で大泉さんとバディを組んでみたいです。

大泉さん

良いですねえ! すごく良いです! バディ、良いです!

福本さん

本当ですか!? 凸凹コンビとか。

大泉さん

分かりやすいやつ! やりましょう!

福本さん

やったー!

大泉さん

(バディものの設定を妄想しながら)新人の福本さんがやって来る。メガネかなんかかけて、初日から遅刻したりして、「あー、まずい!」と言いながらドンっと僕にぶつかったりしちゃってね。「何だ君は!」なんて言われながら会社に行ったら、僕が上司だったみたいな! やりましょう! (会場:笑)

福本さん

良いですね(笑)。楽しそうです。

MC

松村さんが「大泉さんのバディは僕じゃないのか?」という顔をされています。

松村さん

映画公式の対談で、僕がバディをやりたいと言ったら、「良いじゃないですか!やりましょう!」って言っていましたよね。何バディやるんですか! (大泉さん&会場:笑)

大泉さん

バディ、好きだから(笑)。

松村さん

僕の時は「師弟コンビが良いんじゃないか」って言ったんですよ。とにかく敬っている、師匠と弟子。

大泉さん

ここにいる人全員とバディを組みたいですからね。バディ好きだから、やりましょう! 素晴らしい夢だ。

MC

菅野さんはいかがでしょうか。

菅野さん

私は、カブトムシの幼虫を成虫にしたいです。(会場:笑)

大泉さん

あなたは、とにかく話を荒らすよね(笑)。舞台挨拶を荒らす! 何だって?

菅野さん

大変なんですよ。何年か前に幼虫を育てていたんです。サナギになろうとする時にサナギマンション(人工蛹室:人工的に作ったさなぎになったカブトムシが過ごす部屋)作りのお手伝いをしたんです。サナギって、自分で部屋を作るんですよ。

MC

これは何の時間ですか?(会場:笑)

菅野さん

でも、そのまま大人になれなかったということもあるんですね。

福本さん

私は小学生の頃に、サナギからカブトムシを飼っていました。

菅野さん

ええ! すごい!

大泉さん

まさかこの話が広がるとは思いませんでした! (会場:笑)

福本さん

ゼリーで育ちました。

菅野さん

ゼリーが一番良いんですよね。また、若い人にフォローしていただきました(笑)。

MC

最後に大泉さんの夢も教えてください。

大泉さん

(菅野さんを見るながら)面白い人だよねぇ(笑)。カブトムシの幼虫かあ…。私の夢ですよね(笑)? 私もたまには真面目にと思いまして、川栄さんのお話にもありましたが、(アメリカの)アカデミー賞を日本の作品で獲れたら素晴らしいですよね。日本の作品で、海外で素晴らしい賞をいろいろな方が獲りますが、ああいう作品が作れたら良いなと思います。…ダメか、僕が真面目なことを言ったら。(会場:笑) (会場の反応に)良いじゃないか! (会場:拍手)
日本の役者が海外に出ていくというのもありますが、日本の作品として海外に行きたい。最近は、そういうものが作れたら良いなと思います。バディもので。バディ、募集中!(会場:笑)

MC

本作の宣伝中に、とある家族との出会いがありました。四歳のお子様がバルーンカテーテルの治療によって、実際に命を救われたというご家族です。そのお母様から、お手紙をお預かりしていますので、今日はこの場をお借りしてご紹介します。菅野さんに代読をお願いします。

■菅野さんが手紙を開き、大泉さんがマイクのサポート。菅野さんが手紙を読み始めました。

【四歳のお子様がバルーンカテーテルの治療によって救われたお母様からの手紙】

映画スタッフ、キャストの皆さんへ。
私は心臓病を持ち、バルーンカテーテルに命を救われた四歳の男の子の母です。そして陽子さん、奈美さん、佳美さん、寿美さんと同じ学校の卒園卒業生です。佳美さんたちは私の大先輩です。
試写会で「ディア・ファミリー」を観ました。皆さんが自分たち家族と重なって、涙が止まりませんでした。今まで息子を助けてくれた医師、看護師、医療従事者の方々には何度も「ありがとうございました」と伝えてきました。そして、思ってきました。しかし、医療機器・バルーンカテーテルに対して「ありがとう」と思ったことは一度もありませんでした。でも、宣政さんたちが作ってくださったバルーンカテーテルというバトンを、時を経て確かに受け取りました。「息子の命救ってくださり、本当にありがとうございました」と本作を観て思いました。本作に出会わなければ、ずっとこの先もバルーンカテーテルに対して「ありがとう」と思うことはなかったでしょう。
バルーンカテーテルを題材とし、またそれが実話でもあり、演じるにあたっては相当の覚悟が必要だったのではないかと思います。そんな中、演じてくださり、作品を通して伝えてくださり、本当にありがとうございました。息子が助かったのは、奇跡だと思っていました。でも、本作を観て、違うと思いました。「助けたい」「生きてほしい」「一人でも多くの人を救いたい」そんな思いが積み重なり、医療の発展の恩恵を受けて、今、息子は生きているんだと思います。
息子が大きくなったら、息子と一緒に「ディア・ファミリー」をもう一度観たいと思います。演じてくださった皆さん、筒井家の皆さん、東宝の関係者様。本作に関わられたすべての方に感謝を申し上げます。素晴らしい作品をありがとうございました。本作を知り、夫に観に行きたいと言ったところ、「行きたくない」と言われました。理由は大泉さんに泣かされたくないということでした。本当は行きたくて仕方がないことは分かっていたので、今回試写会で一緒に観ました。大泉さん、夫も大号泣していましたよ。
この度は、このような機会をくださり本当にありがとうございました。「ありがとう」という気持ちを大切に、明るく前を向いて生きていきます。

■手紙を代読する途中で、菅野さんが感涙する場面も。読み終わると、会場からは大きな拍手が湧き起こりました。

MC

四歳の男の子が、家族の絵を描いてくれました。スクリーンにご注目ください。

■男の子の描いた絵がスクリーンに投影され、登壇者の皆さんもじっくりと見入っていました。

大泉さん

お父様がね、どうして私に泣かされたくないと思っているのか…。(会場:笑)
でも、四歳のお子さんが助かったと思うと、本当に良かったと思います。本作にも出てきますが、当時はアメリカ製のバルーンカテーテルしかなくて、事故が頻発していたんです。そこで、筒井さんが日本製のものを作ってくれたわけです。
佳美さんに「バルーンカテーテルを研究して作っても、君の命は助けられない。でも、それを作ろうと思う」という話をした時に、佳美さんは「その知識でたくさんの人を救ってほしい」と答えています。その言葉で、できているカテーテルです。そのおかげで十七万人もの尊い命が救われています。本当に筒井さんたちがやったことは素晴らしい。それを本作を観て知っていただけたということは、本当にうれしい話です。

菅野さん

(涙ぐみながら)このように思いの詰まったお手紙をいただいて、本当に私もうれしいです。佳美さんの「私の命はもういいから」と言ったことから、たくさんの命が救われました。これからもそれが続いていくということは、本当に素晴らしいことだと思います。本当に良かったと思います。たくさんの思いの詰まったお手紙をいただいて、私も本当に感激しています。その意味でも、本作に参加できたことは幸運だと思いました。

MC

最後に大泉さんから、ご挨拶をお願いいたします。

大泉さん

本日は、ありがとうございました。今日から、多くの方に劇場で観ていただけることを、本当にうれしく思っています。
どうしても宣伝などでいろいろなものに出ますと、私はふざけたことばかりを言ってしまうので、本作の良さが本当に伝わるのかが非常に気になっていました。
本作を観て、私自身が思ったのは、本作は娘を亡くした家族の話ではないんだということです。こんなにも「新しいことを始めたい」「誰かのために何かをしたい」と思わせてくれる作品はないと思います。何か動き出したいけれど勇気が出せない人、何かで悩んでいる人も、多くいると思います。本作はそんな方の背中をドンと押してくれる作品だと思います。優しくじゃないんですよね、強くドンと押してくれます。本作を観て、人生が変わるようなきっかけになってくれたら良いなと思っています。
「大泉洋に泣かされるのは、悔しい」という方もいるかもしれません。(会場:笑) 大泉洋は嫌いでも、「ディア・ファミリー」は嫌わないでください! (会場:笑)

川栄さん

そのセリフはちょっと、それダメです。大泉さんのじゃないです(笑)。

大泉さん

最後に、またこのようなことになってしまいました。(会場:笑) 本当に素晴らしい作品でございますので、少しでも多くの方に伝えてください。映画「ディア・ファミリー」をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました! (会場:拍手)