「ディア・ファミリー」完成披露試写会

2024.05.13
  • 完成披露

完成披露試写会

心臓に疾患を抱える娘のために、医療知識ゼロから医療機器開発に挑む父親と家族の奇跡の実話を映画化した「ディア・ファミリー」が6月14日に公開となります。
5月13日に、東京国際フォーラムにて完成披露試写会が開催されました。イベントには大泉洋さん、菅野美穂さん、福本莉子さん、川栄李奈さん、新井美羽さん、光石研さん、上杉柊平さん、松村北斗さん、そして本作の監督を務めた月川翔監督の豪華な9名が勢ぞろいしました。実話をベースにした本作に参加した感想や、撮影の裏側などを語りました。こちらの会見の模様をレポートいたします。

坪井宣政役

大泉洋さん

坪井宣政役

坪井陽子役

菅野美穂さん

坪井陽子役

坪井佳美役

福本莉子さん

坪井佳美役

坪井奈美役

川栄李奈さん

坪井奈美役

坪井寿美役

新井美羽さん

坪井寿美役

佐々木肇役

上杉柊平さん

佐々木肇役

富岡進役

松村北斗さん

富岡進役

石黒英二役

光石研さん

石黒英二役

月川翔監督

【完成披露試写会】

大泉さん

私はこんなに大きな会場で映画のイベントをやったことがないので、ちょっと驚きました。
これはコンサートでございますね。しかも、Mrs. GREEN APPLEの曲がすごいから、僕のリサイタルみたいな気持ちで出てきちゃいました。(会場:笑)
僕がMrs. GREEN APPLEの歌でも歌うのかなと思っちゃいました。
これから多くの方に「ディア・ファミリー」を観ていただくということで、大変うれしく思っています。ある種とても重たいお話ですが、観終わった後には、とても勇気が生まれるというか、前に進もうと思える作品です。どうぞ安心して楽しんでいただければと思います。

菅野さん

皆さん、今日はお足元の悪い中ありがとうございます。
本作は実話を基にして作られた作品です。坪井さんご家族の思い出をお借りしながら、一人でも多くの方にこの奇跡の実話をお届けしたいという思いで撮影をしました。今日、皆さんに本作を観ていただけることをとてもうれしく思います。

福本さん

本日はお足元が悪い中、お越しいただき本当にありがとうございます。
こんなにたくさんの方に、今日本作を観ていただけると思ってワクワクしています。キャストの皆さんと本作のお話をして、より良い時間を皆さんと一緒に過ごせたらと思っています。

新井さん

本日はお足元の悪い中…。

大泉さん

もうそれは良いんじゃない? 雨が降っているのはもう知っているんだし、君たちさっきから何回も何回も…。(会場:笑)

菅野さん

今日は今年一番の雨らしいから、逆にそこに触れないのはね(笑)?

大泉さん

もう良いでしょ。皆さん足元が悪いのは分かっているよ。何だか全員が、僕のせいみたいな顔しているし…。

新井さん

(笑)。
私は、今日皆さんに初めて本作を観ていただけるということで、すごく緊張もありますが、楽しみです。 観ていただく前に本作の魅力がたくさんお伝えできればと思います。

上杉さん

本当に素晴らしい作品になっています。上映前なので、内容についてはなかなかお伝えできない部分があると思います。でも、本作を観終わった後に、誰かのことを思ったり、気持ちが大きく持てるような作品になっていると思います。そんな本作の魅力をお伝えできればと思っております。楽しんでいってください。

川栄さん

本作は、本当に希望に満ちあふれていて、愛のあるとても優しくて温かい作品です。本作を皆さんに初めて観てもらえることを本当にうれしく思います。 今日は短い時間ですが、楽しんでいただけたらうれしいです。

松村さん

今日のイベントを、この後本作を観る皆さんや、これから劇場で観ようと思っている皆さんにとって期待感が上がるような時間にできたらと思います。

光石さん

本作は、スタッフ、キャストみんなが自信を持ってお届けできる作品になっております。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします。

月川監督

この作品の企画が動き出したのは五年ほど前でした。ちょっと長い時間がかかったんですが、皆さんにお届けできる日が来て、とても喜ばしく思っております。

MC

まずは、すでに本作をご覧になった方々から、様々な感想が届いておりますので、ご紹介いたします。

【感想1】

娘の命を救おうと奔走した両親の真っ直ぐな姿と、それを応援する家族や研究者たちの温かさに心を打たれました。

【感想2】

これが実話であることに衝撃を受けました。映像化される意義のある作品だったと思う。

【感想3】

諦めない人間の強さを感じました。
現在大学院で研究を行っていますが、本気で取り組めていないことを実感しました。

MC

キャストの皆さんも、実話であるこの物語と向き合い、完成した本作を一観客としてご覧になっていると思います。まずは完成した本作をご覧になった感想を、大泉さんいかがでしょうか。

大泉さん

撮っている時からとっても手応えのある作品でした。監督の手腕といいますか、どのシーンも愛情にあふれた作品になっていました。自分が出演した作品は、なかなか客観的には観られないんですが、それでも多くのシーンで、本当に胸が熱くなってしまいました。他人事ではいられない作品だと、改めて思いました。

菅野さん

私も試写で観ました。大泉さんは、結構初めの方から涙されているのが背中から雰囲気で伝わってきました。
私も、自分も演じた作品ではありますが、作品の持っている力があるというか、「辛い現実を乗り越えて、前を向いて進んでいこう」っていうエールをくれるような作品で、良い映画だなって思います。こういう風に素直に言えるのはなかなかないことです。ぜひ楽しみにご覧くださいと申し上げます。

福本さん

私は本を読んでいた時にも思ったんですが、実話とは思えないようなお話です。 本当に苦しい部分もありますが、観終わった後は本当に胸を張れるような、勇気をもらえる作品になっています。私が演じた佳美さん目線で言うと、本を読んだ時に「お父さんはこんなに頑張っていたんだ」って思ったんですが、映像で観たら、お父さんが奔走して、こんな風に思ってくれていたんだっていうのを、改めて感じることができました。

MC

さっき菅野さんもおっしゃっていましたが、大泉さんと菅野さんと福本さんは一緒に本作を観たんですか?

福本さん

そうなんです。大泉さんが一番後ろで、真ん中が私でした。

菅野さん

私は前の方でした。

大泉さん

何となく「やっぱり泣くかもしれない」と思ったんですが、それを悟られたくないと思ったんでしょうね。それでも菅野さんに悟られていたっぽいです。

菅野さん

気配はしました。

福本さん

前後から結構すんすんって聞こえてきました(笑)。

MC

大泉さんは、ご自分で演じているからストーリーが分かっているのに、どうしても胸が熱くなって泣いてしまうシーンが多々あったんですね。

大泉さん

そうですね。これからご覧になる皆さんの前で感想を言ってもね。変にハードルが上がり過ぎると作品が楽しめないですよね。もう、始めましょう!

MC

まだまだですよ! 新井さんいかがでしたか?

新井さん

人の強さ、 決心の強さ、言葉の強さをすごく感じました。人のために奔走する、愛の深い人たちや、親の偉大さというか、家族の愛の大きさをとても感じました。

上杉さん

どんな時代でも、何かを変える人の動機って、「身近な人や手の届く人を幸せにしたい」っていう気持ちなんですよね。初めて感じた感覚ですが、それが広がってできた社会にいるんだなって思いました。本作が、そんな思いを伝える一つのきっかけになるんじゃないかってすごく思いました。だから、この思いがどんどん広がっていったら良いなと感じています。

川栄さん

私は、本作を観終わって、役者としてこの作品に出られて本当に良かったと心から思いました。そんな素敵な作品でした。

MC

松村さんいかがでしょう。

松村さん

やっぱり坪井家の皆さんのシーンが多いので、結構客観的に観れましたが、かなり感動しました。何か泣けたとか、感情が大きく動いたとかそういう消費的なものではなく、この後ずっと心に残るような、自分の財産になるような感動がすごくたくさん詰まった作品だなって感じましたね。

大泉さん

坪井家じゃないから、ちょっと他人事のように観られたっていうこと?

松村さん

何て言葉が悪い…あなたは…。(会場:笑) テレビで見てもお会いしても言葉が悪い(笑)。(会場:笑)

大泉さん

何かそういう感じじゃないですか? 坪井家じゃないからだいぶ客観的に観られたって…。

松村さん

という言葉を、ドレスアップしてお届けしたんです!

MC

光石さんはいかがでしたか?

光石さん

そうですね。坪井家の皆さんとはあんまり同じシーンがなかったので、僕も全然他人事のように観られたんですが…。(会場:笑)

大泉さん

「全然他人事で観られた」はおかしいですよ(笑)。

光石さん

坪井家の皆さんとは全然会わなかったんで…。
僕は、大泉さんとしか絡んでいないんですよね。でも、脚本や原作を読んだ時には、本当に感動しました。ただ、こうやって自分が出演している作品を「どうだ!感動するだろ?」っていうのはものすごく照れくさいんですよ。でも、今回の作品に関しては、これ見よがしのカットがないっていうか、これ見よがしの芝居がないんです。
僕は、大泉洋さんとは昔からお友だちで、まさか大泉洋に泣かされるとは思いませんでした。本当にそういう作品です。楽しんでください。

大泉さん

僕よりも先に光石さんが試写をご覧なったんです。ずいぶんと久々にメールが来ました。「まさか大泉さんのお芝居で泣く日が来るとは思いませんでしたよ。私の背中を追っていたあの青年が、こんな良いお芝居をするなんて。光石ファミリーの大泉洋がこんなに大きくなった。本当に僕はうれしい。」って来たんですよ。僕、彼の背中を追ったことなんてないんですよ。(会場:笑) 

MC

ファミリーなんですか?

大泉さん

ファミリーでもないです。何かこう…、光石さんはあれだけ素晴らしい作品を観た後にずっとふざけているんですよ。言いたくはないんですが、これだけ良い作品の撮影中もずっとふざけていましたよ。お会いするのが久々だったので、「あ、光石さん久しぶりですね」って言おうと思ったんです。でも、どこかの地方の大学か、劇団員みたいなキャラになり切って、「はい、光石です。どうぞよろしくお願いします。本当、精一杯やらしていただきます。どうぞよろしくお願いします」みたいに、何か緊張しているエキストラみたいな芝居をしてくるんですよ。こっちも役に入っているんですが、そう来たら何か構うしかないから「大丈夫?緊張しているんじゃないの?大丈夫、できる?」って言うと「はい、頑張ります。はい。」って…。こっちは役に入りたいのに、ずっとそういう小芝居を要求してくるんですよ。もう、構って光線が大変でした。

MC

でも、その背中を追っかけてきたと…。

大泉さん

そんなことはないんですよ! 背中を追っかけたことはないんですよ!(会場:笑) よくそんなメールを送ってくるなって思いますよ。

MC

監督、今キャストの皆さんがいろんな思いをおっしゃっていましたが、どうでしたか。

月川監督

本当にうれしい感想をいただきました。僕としては、愛情に満ちた素敵な物語をお預かりしたので、それをただ精一杯作品として作って、多くの人の心に深く届くと良いなと思います。その手応えを感じている作品でもあります。上映前なので、あまり多くはお話しませんが、皆さんに届くとうれしく思います。

MC

先ほどからお話に出ていますが、本作のモデルになった筒井一家に実際にお会いしたり、作家の清武さんによる緻密な取材の数々があったと思います。そして、先ほど「映像化すべき物語だ」と思ったという感想の方もいました。監督は、どういう思いでこの映像化すべき作品と向き合ってこられたんでしょうか。

月川監督

概要だけ聞いて「そんな奇跡みたいなお話があるのかな」というところから、ご家族の中でどんなやり取りや、物語があったんだろうというところに興味を持ちました。知れば知るほど胸を打たれました。先ほど上杉さんも言っていましたが、「まずは身近な人を助けたい」という思いから始まって、今や世界で17万人の命を救う医療器具になっているということが事実だということに、僕はもう胸を打たれてしまいました。それをたくさんの人に、伝えたいという思いでした。

MC

では、ここで大泉さん、菅野さん、福本さん、川栄さん、新井さんの坪井家の皆さんにうかがいます。
先日、家族決起会見というマスコミの皆さんに向けた会見を行いました。その時、控え室から本当のご家族のようなチームワークの良さを感じました。撮影初日から家族写真のシーンを撮られたんですよね? 最初から何となく家族のような繋がりを感じられたんですか?

菅野さん

初日どうでした? 緊張しましたよね?

川栄さん

でも、このファミリーはお母さんとお父さんがすごく盛り上げてくれるので、私たちはそれについていくという形でやっていました。

福本さん

初日とは思えないぐらいにスッと輪に入れたのは、本当にお二人(大泉さんと菅野さん)のおかげかなって思います。

大泉さん

お母さんのおかげですから。

菅野さん

いやいや、お父さんのおかげよ。

大泉さん

いやいや、母さんのおかげだよ。

菅野さん

あなた、良いのよ。

MC

どこでもコントを始めますね。
先ほどから、このお話は実話ですと何度も申し上げておりますが、この物語を少しでも多くの方々に届けたいという思いがキャストの皆さんの中にもあったと思います。坪井家の皆さんは、撮影中にこの方のこの行動が印象的だったというのはありましたか?

菅野さん

豊橋での撮影の時、大きな部屋でみんなそれぞれが支度をするって感じだったんです。その部屋で、大泉さんが正座でちょこんと座って、福本さんとお話をしていたのを思い出します。大泉さんって結構大柄だと思っていたんですが、あの時は福本さんより小さく見えて…。

大泉さん

(爆笑)。何のエピソード?

菅野さん

もっと良いエピソードが良かったですか?

大泉さん

それは、僕が小さく見えたってエピソードですか?
私はね、やっぱり同じ豊橋で、菅野さんが持ってきたスイーツが良かったですね。名古屋でめっちゃ並んで買うお菓子なんですが、それをものすごい数買ってきてくれたんですよ。

菅野さん

空き時間だったから、やることがなくて。

大泉さん

あれはびっくりしましたよ。菅野さんも並んだんでしょ。

菅野さん

並びました。

大泉さん

マネージャーさんとメイクさんとかで手分けしていろんなところに並んで買ってきてくれたんですよ。美味しかったわ。

MC

そのエピソードもさっきとそんなに変わらないですよ(笑)。

菅野さん

本作に関する良いエピソードが良いんですよね。

川栄さん

よんちゃん(佳美)がちょっと弱っていくシーンで、菅野さんが段取りの時から本当に涙を流されていました。本番の撮影って何回かやるのに、同じように涙を流していたのがすごく印象的でした。

菅野さん

ありがとうございます。そういうエピソードですよね? (大泉さんに向かって)年下に助けられていちゃダメじゃない。

大泉さん

光石研が、現場で、ずっとふざけているんです。松村くんが、何かの番組で見た時に「僕は役者として参加する時は、現場には地味な格好で行くようにしているんです」とか言っているのを見たんですよ。僕の現場にはめちゃめちゃハイブランドを着てきていました。(会場:笑)

松村さん

そんなことないでしょ!

菅野さん

何かアロハシャツみたいの着ていたよね。

大泉さん

何かの番組で言っていたよな? 現場になるべく…。

松村さん

そうですそうです。俳優じゃないので、畑違いの場所に入るから、少しでもハードルを下げようと思っているんです。だから、ものすごく安い服を着ていくっていう話をしました。

大泉さん

いや、ばりっばりのハイブランドを着ていましたよ。

松村さん

着ていないですよ(笑)。大泉さんにとってのハイブランドって、いくらからなんですか?(会場:笑)

大泉さん

お前、随分と失礼なこと言うな(笑)! 「僕にしてみたらそんなに高くないですが、大泉さんにしたら高いんですか」みたいなこと言って、余計にいやらしいよ(会場:笑)。

松村さん

無地のスウェットですよ、毎日。

大泉さん

いやいやいやいや、違いました! (松村さんの服を)「めっちゃかわいいな」と思って見ていたんですよ、そしたら…ああ~ああ~、みたいな。

松村さん

いやいや、もう靴下なんか穴だらけ。(会場:笑)

大泉さん

靴下は穴が開いていても良いですが、全然言っていることと本当は違います。何か良い顔して他の番組であんなこと言っているのを見て、「ばりっばりにハイブランド着ていたやんけ」って思っていました。「やっぱりSixTONESで儲かるんだな」って思って見ていましたよ。

菅野さん

(たしなめるように)大泉さん、ふざけている。

MC

「ディア・ファミリー」に繋がっていくような良い話をしてくださいよ。

大泉さん

本当にもう本作を観てもらいましょうよ。観る前になんかもう…、どんだけみんなで真面目にやってもちゃんちゃらおかしくなっちゃう。

MC

上杉さんにもお話を聞きたいです。

大泉さん

彼はさっきから良いことを言う。あなたの話はすごく良い。上杉さんどうだった? 撮影中にどんな僕の良い話があった?

上杉さん

僕は、基本的に、ご家族と離れて研究先にいるから、家族が見られない大泉さんの姿をずっと見ていたんです。でも、光石さんとずっとふざけていました。

MC

やっぱり! 光石さんが一方的にふざけているとおっしゃっていましたが…。

上杉さん

僕、すっごく覚えています。大泉さんが、光石さんに「あなた大御所なんですからもっとドシっとしなさい」とおっしゃるんですが、光石さんもずっとふざけているし、大泉さんも一緒になってコントをしていました。(監督が)「よーい」って言うぐらいまでずっとやっていましたからね。

菅野さん

悪い先輩~(笑)。

大泉さん

光石さんはおかしいですよ。このキャリアでこんなにふざけている人。

MC

松村さんは、この作品において、ある方と共演したことで、「これで役者としての夢が叶った」とおっしゃっていました。それが誰かを改めてうかがってもよろしいですか?

松村さん

作品と全く関係ない僕の話で大丈夫ですか? 僕は、昔から大泉洋さんが大好きで…。

大泉さん

(ドヤ顔)

松村さん

(会場:大きな拍手)…まあ、大泉さんは座長だから良いのか…。(大泉さんが会場の拍手に応える)

大泉さん

それなのにですよ。「夢が叶った」とまで言える私と、これだけ良い役で共演をしておきながら、この男はちっとも宣伝をしません。やっと今日イベントに来ましたけれど…。

松村さん

公開は6月14日ですから。

菅野さん

現場で見ていましたが、すっごく大泉さんのことが好きな感じでした。

松村さん

もちろん、もちろん。

菅野さん

「水曜どうでしょう」のエピソードを事細かに教えてくれた。

松村さん

大泉さんのすごいところは、1エピソードを出すと、先回りして次のエピソードを話し出すっていう。

大泉さん

(爆笑)。

松村さん

どれだけご自分がご自分を好きでいるかっていう…。そこも含めて本当に好きな方です。

MC

俳優としてではなく、そういうところが好きだという。

松村さん

入口がバラエティとか、人柄の方だったので。でも、本当にこれは冗談抜きで芸能界の中で一番憧れているし、尊敬している方です。

大泉さん

でも、今日あんまり君は僕の株を、今のところ上げていないからね。上がるようなことを言ってくれないと…。撮影中あっただろ。

松村さん

ありますよ。もちろん俳優として素晴らしいことは、国民が知っていることじゃないですか。だから、裏の座長としての顔をお話します。座長として、どれだけこの組を引っ張っていくのかっていう話なんですが…。

大泉さん

(松村さんの言葉に何度も大きくうなずく)

松村さん

すごく気の利く方で、ある時、卵サンドを買ってきてみんなに振る舞ってくれたんですよ。それがちょうど、ちょっと雨で待ちみたいな時で…。

大泉さん

雨の話はいらないよ。

松村さん

(大泉さんに向かって)しょうがないじゃないですか、雨を降らすから。(会場:笑) 右に行けばこっちが雨、別の場所に行けばこっちが雨っていう方ですからね。
その雨でちょっと待っているタイミングで卵サンドを差し入れてくれたんです。でも、メイクさんはちょっとメイク直したいなっていうタイミングだったりして、誰も(卵サンドに)手を伸ばさなかったです。そしたら、(大泉さんが)「そんなのは良いから、一回これを食え」と、みんなに卵サンドを分け与えたんです。みんなでいざ食べてみると「おいしいね」ということで、気持ちがこう…一丸となったという一夜がありました。

大泉さん

それだと、ちょっと押し付けがましそうに映ったね。仕事をしようとしている人に対して、「良いから僕の買ってきた卵サンドを食え!」と言っている人にちょっと見えたね。

松村さん

そうか…。(悔しそうに)

大泉さん

(爆笑)。彼が僕のファンだということは、あんまりプラスにならないな。僕の良いところがあまりにもマニアック過ぎて伝わらなかったんですよ。

MC

光石さんは、カテーテル治療が、ご自身の近いところにあるというお話をうかがったんですが…。

光石さん

真面目な話なんですが、カテーテルをやったことあるんですよ。

大泉さん

カテーテルの役をやったっていうことですか?(会場:笑)

菅野さん

真面目な話って言っていたよ。

大泉さん

(カテーテル役の演技をする)

光石さん

そんなこと思った人は誰もいないし。(カテーテルの役をしながら)やれないですよ、こんなの(笑)。

大泉さん

何でもやるから、…松重豊さんが(カテーテルを)入れたのかと思ったよ。
それで、(ご自身が)カテーテルをしたんですか。

光石さん

したことはあるよ。動脈瘤だったかな…カテーテルを入れて検査をして、幸い治療までいかなくて良かったです。そしたら、一昨年父が動脈解離になって、カテーテルをやりました。「カテーテル親子」ということでやらせていただきました。

MC

だからこそ、まさに本作を観て、皆さんが頑張って作り上げてきたというのを知ったということですね。

光石さん

そうです。こういう話があったのかと、初めて知りました。

大泉さん

でも、光石さんの役的には、それを阻む役でしたもんね。

光石さん

ええ、まあ。

大泉さん

そういう男ですよ。

MC

ごめんなさい。たっぷりしゃべっていただいたら、時間をオーバーしてしまいました。

大泉さん

上映しようって何度も言っただろ。

■フォトセッション。

MC

では、これから本作をご覧になる皆さんに一言いただいてもよろしいでしょう。

大泉さん

本作をこれから観る皆さんにする舞台挨拶ではなかったと、今も袖でけんけんがくがくと揉めておりました。(会場:笑) 「全く何を話してんだか分からない」「良いことを一つも言わねえな」などと揉めておりました。これから観ていただく作品はですね、そういうくだらない役者の作品ではございません。大変素晴らしい、実話の物語でございます。
どうぞ皆さん、一度先ほどの舞台挨拶を全て忘れて、まっさらな気持ちで観ていただければと思っております。そして、何か感じるものがあれば、多くの方に伝えていただきたいと思っております。今一度、今日の舞台挨拶を全て忘れて、本作をお楽しみください。よろしくお願いいたします。

【上映終了後舞台挨拶】

■エンドロール後、スクリーンが上がり登壇者の皆さんがサプライズで登場しました。

大泉さん

観ていただきありがとうございました。一度にこれだけ多くの方に作品を観てもらうことは初めての経験です。私自身、感動しています。観ていただけたら分かりますように、本作は大切な子供を亡くした家族の話ではなく、自分以外の誰かのために何ができるかという作品だと思います。少しでも多くの方に観てもらいたいので、本作を観て良かったと思う方は、多くの方にそれを伝えてください。本当に悲しいだけの作品ではなく、すごく元気になれる、人のために何か頑張りたいと思える作品だと思います。どうぞ「ディア・ファミリー」のことをよろしくお願いいたします。

菅野さん

観ていただいたお客さんの前に再び顔を見せるのは初めての経験です。皆さんからの温かい拍手を直に聞くことができて、こんなに幸せなことはないと思いました。坪井家の皆さんがこれまで歩んでこられた道は、本当に困難が多かったと思います。でも、家族を思う強い気持ち、温かな気持ちが本作の根源だったと思います。皆さんには、この作品が持つその温かさを受け取っていただけたと思います。今日は遅くまでお付き合いただき本当にありがとうございました。

福本さん

上映後に、皆さんの前に立つのは初めてなので、何だかちょっと緊張してしまいます。でも、皆さんが温かい拍手をすごくしてくださるので、胸がいっぱいになりました。
皆さんが本作を観て、どんな風に思ったのかは、表情で感じ取ることができます。とってもうれしいです。ぜひ、たくさんの人の熱い思いが詰まった本作が、たくさんの方に届くように、どうぞよろしくお願いいたします。

新井さん

もう、スクリーンの後ろで、Mrs. GREEN APPLEさんの曲を聴いている時から、撮影時のフラッシュバックがすごくて、私も泣きそうになりました。本作に出会えたこと、出演できたこと、こうして皆さんに本作を観ていただいて、反応を実際に見られることに、すごく感謝しています。皆さん、今日はありがとうございました。

上杉さん

今、皆さんがどなたのことを思って、何を感じているのかは僕には分からないですが、本作を観たことで、何かを感じて、その気持ちが心に残っていればうれしく思います。また違うタイミングで本作を観た時に、感じることは違うかもしれませんが、何か人生の中で一つ大切な作品になるんじゃないかと思っております。

川栄さん

本作が奇跡の実話と言われていますが、その奇跡は突然降ってきたわけではなく、努力やとても苦しい思いがあっての奇跡だと思います。自分の人生において、夢や希望を持って、大切に生きようと思えるような作品でした。皆さんにも同じように、愛をたくさん感じてもらえていたらうれしいです。

松村さん

僕は、何か希望が周りに自然と満ちあふれているというよりは、希望を自分で生み出して、その上を歩いていくような、希望を生み出す力があふれている作品だなと思いました。本作を観た皆さんにも、希望を生み出す力が、少しでも湧いてくれていたらうれしく思います。ぜひ、皆さんの感想を、snsとかでも構わないので、どこかで聞けたらうれしいです。楽しみにしています。

光石さん

今、観ていただいた通り、スタッフ、キャストが本当に魂を込めて作りました。一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。どうぞ宣伝の方を、よろしくお願いします。

月川監督

本作を作っている最中から、何度も口にしていたことがあります。「本作は人の命が尽きていくことが悲しいという作品ではなく、多くの人の命が救われていく感動を生み出していきたい」という前向きなメッセージを込めて僕たちは作りました。だから、そういう思いが皆さんの心に響いていてくれていたらうれしく思います。

MC

では、最後に改めて大泉さん、「ディア・ファミリー」という作品は、大泉さんにとってどんな存在になっていますか。

大泉さん

自分が生きている時間は、当たり前ではないんだと感じました。一秒一秒、その時その時を大切にして、月並みではありますが、一生懸命無駄にせず生きたいと思いました。自分がしたいことを、正直に誰の目も気にせずにやれば良いと思います。自分のしたことが誰かのためになって、それによって本当に幸せになれる世の中になっていけば良いなと思います。大きな話になりますが、そんなことを感じさせてくれる作品になったと思っております。