「ブラック・ショーマン」レッドカーペットイベント&完成披露舞台挨拶
- 完成披露
レッドカーペットイベント&完成披露舞台挨拶
東野圭吾原作の人気小説を福山雅治主演で映画化した「ブラック・ショーマン」がついに完成! 8月27日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、完成披露試写会が開催され、上映前にはレッドカーペットイベントおよび舞台挨拶が行なわれました。福山雅治さん、有村架純さん、成田凌さん、生田絵梨花さん、木村昴さん、秋山寛貴(ハナコ)さん、犬飼貴丈さん、岡崎紗絵さん、伊藤淳史さん、生瀬勝久さん、仲村トオルさん、田中亮監督の総勢12名が登壇し、会場は興奮に包まれました。こちらのイベントの模様をレポートいたします!
福山雅治さん
神尾武史役
有村架純さん
神尾真世役
成田凌さん
釘宮克樹役
生田絵梨花さん
池永桃子役
木村昴さん
柏木広大役
秋山寛貴さん(ハナコ)
牧原悟役
犬飼貴丈さん
杉下快斗役
岡崎紗絵さん
九重梨々香役
伊藤淳史さん
中條健太役
生瀬勝久さん
木暮大介役
仲村トオルさん
神尾英一役
田中亮監督
【レッドカーペットイベント】
■福山さんらキャスト陣が、階段に敷かれたレッドカーペットに登場すると、会場は歓声に包まれました。テレビカメラの取材に応じた後、最後に一同が揃ってレッドカーペット上でのフォトセッションを行いました。
MC
では、福山さんから一言メッセージをお願いします。
福山さん
今日はお集まりいただきありがとうございます。ようやく公開することができます。撮影の期間が少し空いたこともあったんですが、その空いた期間の中で、キャストの皆さん、スタッフの皆さんの作品に対するアイディアやアプローチがより広く、深くなって、最終的には非常に見応えのある、隙のない作品に仕上がったと思います。ぜひご覧ください。
(周りのキャストの方やスタッフに向かって)では…よろしいですか? いきます!
映画「ブラック・ショーマン」をぜひ劇場でお楽しみください。
「It's Show time!」
■福山さんの「It's Show time!」という言葉を合図に福山さんの手からテープが飛び出し、会場にスモークが焚かれる。
【完成披露舞台挨拶】
■福山さんら登壇陣総勢12名が登壇!
福山さん
お越しいただきましてありがとうございます。やっと公開できるようになりました。撮影のスケジュール上、ちょっと間が空いたこともあったんですが、その分より濃密な作品に仕上がったと思っております。楽しみにしていてください。よろしくお願いします。
有村さん
皆さん、こんばんは。本当に素晴らしいミステリー・エンターテインメント作品が出来上がったと思っております。本当に素晴らしいキャストの方々のお芝居をぜひ注目して観てください。(秋山さんの方を向いて)そして、秋山さん。
秋山さん
はい!?
有村さん
初めて舞台挨拶に立つそうです。
秋山さん
びっくりした! ただでさえ緊張しているんですよ(苦笑)。
福山さん
どんどん振ってください(笑)。
秋山さん
いやいや、予定にない順番でしゃべるのは、こっちがびっくりしますから!
有村さん
皆さん、秋山さんも含めてよろしくお願いします。
秋山さん
(深々と頭を下げながら)よろしくお願いします!
成田さん
この素晴らしいエンターテインメントの作品で釘宮克樹という良い役を演じました。本作は、素晴らしいので、楽しみにしてください。
生田さん
皆さん、こんばんは。皆さんはこれから作品を観るんだと思いますが、私も、つい先日スクリーンで本作を拝見しました。本当にこの作品の臨場感や高揚感あふれる世界観に終始観入ってしまいました。なので、その一員として存在できていることが幸せだと感じております。
木村さん
ありがとうございます。ご来場、心より感謝申し上げます。(登場人物の)同級生の皆さん、かなり怪しいです。誰が犯人なのかを想像しながらご覧いただけたら楽しいんではないでしょうか。特に秋山さんが大変素晴らしい…。
秋山さん
だから緊張しますから! 順番じゃないところでしゃべるのは緊張しますから!
木村さん
「うわー!すごいですね。カメラいっぱいありますね」とか言っているところが、可愛くもあり、僕らも撮影中は、とても楽しく演じさせていただきました。ぜひお楽しみください。
秋山さん
お芝居のお仕事の経験がほとんどない中で、この「ブラック・ショーマン」へのオファーをいただきました。撮影は大変緊張したのですが、田中監督がいろいろ声かけてくださいました。
撮影初日で緊張している時に「秋山くん、映画って絶対にミスしちゃいけないから」って監督からとんでもないプレッシャーを掛けられまして…(苦笑)。「マジかよ!」と思いました。
田中監督
あれが洗礼ですね。
秋山さん
あれは洗礼だったんですか?
一生懸命、できる限り精一杯臨みましたので、ぜひ皆さん楽しみに観てください。
犬飼さん
僕も一足先に映画を観させていただいたんですが、本当に圧倒されました。作品に飲み込まれてしまうほどで、その感動を、皆さんに少しでも伝えられるように頑張りたいと思います。
岡崎さん
今日はありがとうございます。学生の頃から東野圭吾さんの作品を読んでいたので、今回、自分がその物語の中に入れるということが、ものすごく光栄でした。どなたでも楽しんでいただける作品なので、このあと楽しんでください。
伊藤さん
今日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本当にこういう素晴らしい作品に自分が関わることができて、本当に幸せです。今日は短い時間ですが楽しんでいってください。
生瀬さん
今日ご来場の方は、これから本作をご覧になるということなので、僕は何にも話せないんですよ。なので、本当にノーコメントでお願いします。というか、一番怪しいのは伊藤さんです。
伊藤さん
いやいや!
生瀬さん
ご覧になってくれれば、それが分かると思います。最後の最後まで怪しいです。
伊藤さん
僕が、怪しいわけがないじゃないですか!
生瀬さん
感想は僕のLINEの方に送っていただければと思います。お待ちしております。
仲村さん
福山くんのお兄さんで、架純ちゃんのお父さんという、DNAの難易度がめっちゃ高い役でした。そのDNAを頑張って、振り絞って出したつもりです。それが皆さんに感じていただけたらうれしいです。
田中監督
本作の舞台は、原作タイトル(「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」)にあるように「名もなき町」で、撮影も静かな町で丁寧に行なってきました。なので、こういう風に、皆さんと華やかな場にいることがすごく不思議な気がしております。先ほどレッドカーペットを歩いたんですが、秋山さんがあんなに堂々とあんな顔でレッドカーペットを歩くなんて…。
秋山さん
僕は、信じられないくらいそわそわしていました。
田中監督
本当にその辺も含めて本日はよろしくお願いいたします。
MC
福山さん、原作者の東野圭吾先生も先日、試写をご覧になられて、その感想が公式サイトにアップされているんですが、一部を私の方からご紹介します。
【東野圭吾さんの感想 抜粋】
映画「ブラック・ショーマン」は原作以上に華やかさとエンターテインメント精神に満ち溢れた作品になっています。
これほどまでの完成度はもちろん、監督やスタッフさんたちによる尽力の賜物でしょうが、やはり福山雅治さんや有村架純さんら俳優の皆さんたちの演技力があってこそであろうと愚考いたします。特に難易度の高いマジックに挑戦した福山さんのプロ意識には頭が下がります。
有村さんとの息もぴったりで、まさに神尾武史と真世が小説の世界から抜け出たようでした。楽しい時間をありがとうございました。
MC
この感想をお聞きになって、そして、一般のお客さんはこれから初めて本作をご覧になるわけですが、今のお気持ちはいかがですか?
福山さん
原作を生み出された東野圭吾先生にこう言っていただけるのは、本当に光栄なことです。当然ながら東野先生が描かれる原作世界っていうものは、まず“面白い”っていうところから始まるわけですよね。だから、「その面白いものを映像化する理由ってなんだ?」となる中で、映像化された時は、さらに面白くなっていなきゃいけない。――先生の原作を映像化できることは非常にラッキーだし、うれしいことなんですが、それと同時に非常にプレッシャーがあります。だから、「本当に届いたのかな?」「どうなのかな?」と、いつも自分の中で厳しく見ているつもりです。でも、今回は結構良いとこをいっているんじゃないかと思っております。
ただ、僕もですね、もうこれ以降は、生瀬さん同様にノーコメントで通そうかと…(笑)。
MC
早い、早い(笑)!
福山さん
では、答えられる範囲で…。
MC
一般のお客さんは、これから初めてご覧になるんですが、ドキドキしている感じですか?
福山さん
私がドキドキしているかということですか? いや、もちろん緊張感ってのはあるんですが、「早く観ていただきたいな」という思いの方が強いですね。
マジックを扱った映像作品っていうのは、あることはあるんですが、どれとも違うと思います。でも、それぞれのマジック作品が持つ良さであるとか、エッセンスといったものは、逆に全て入っているじゃないかという風にも言えるので、そういう意味では早く観ていただいて、感想を聞きたいなという思いの方が強いですね。
MC
有村さん、福山さんとは今回、初共演でしたが、改めてご共演されてみていかがだったでしょうか?
有村さん
福山さんは、私がこのお仕事を始める前から、すでにご活躍されていらっしゃる、大大大先輩にあたる方です。実際に現場での福山さんの佇まいだったり、いろんなものを見させていただく中で、歴史を感じるっていうか、時代を築き上げてこられた方しか出せないオーラだったり、存在感だったり、引き出しといったものを、細やかなお芝居の中でたくさん見させていただいた時間でした。
MC
福山さんは有村さんとの初共演はいかがでしたか?
福山さん
非常に力のあるお芝居をされる方でした。お人柄も、きっといろんなことを受け止めて、受け入れてくれる方なんだろうという風に思っていました。やはり俳優という職業は、ある意味、一回いろんな状況を全部飲み込むといいますか、役柄についても、撮影現場の環境についても「何かちょっと違うな…」と思ったとしても、一回自分の中に入れて、自分や現場全体の納得っていうとこに持っていくのが、我々の仕事だと思うんです。きっと、そういったことをずっとされてきただろうという想定はしていましたが、想定以上に懐も深く、広く、かつ力のある表現をされる方でした。それは有村さんのみならず、皆さんのそういった経験と、受け止める力があってこそ、この「ブラック・ショーマン」の世界や、神尾武史という、ある種、非現実的な空気を纏った人間の自由度が生まれます。それを、初日の有村さんのお芝居からすでに感じていましたね。
MC
監督から見てもお二人のお芝居はいかがでしたか?
田中監督
この神尾武史さんと真世さんのバディというのは、今までの作品にはないリズム感と関係性を持ったバディです。だから、新しい時代に誇れる名バディが誕生したと言っても良いんじゃないかと思います。
MC
そして成田さんも、福山さん、有村さんとは初共演ということですがいかがでしたか?
成田さん
やはり、この仕事をやっていたらお二人とは共演したいと思うのが普通だと思うんです。でも、お二人への敬意がすご過ぎて、現場にいる時に現実味がなさ過ぎてふわふわしていました(笑)。もう学ぶところだらけでした。でも、真似できるものは何もないみたいな…。本当に学びが多く、現場にいるだけで日々すごく幸せでした。
MC
撮影現場で何か印象に残ったことはありますか?
成田さん
「日焼けをしてはいけない」ということですかね。福山さんは、みんなから質問攻めになるんですよ、「どうしてそんなに美しいんですか?」みたいなことも。そんな時に、「日焼けをしない」とおっしゃっていたので、次の日からすごく日焼け止めを塗っています!
MC
福山さん、やはり日焼けをしないことは大事だと?
福山さん
乾燥肌なんですよ(苦笑)。だから、ダメージに弱い! 生まれながらに弱い子なんですよね。
MC
生田さんは、声優としては“あの”作品(「ウィッシュ」2023年公開)でご一緒されていますが、その時に「次はぜひ実写で」とおっしゃっていました。
生田さん
そうなんですよ。二年前に福山さんと声優のお仕事でご一緒した時に「いつか映像でもご一緒したいです」というお話をさせていただきました。でも、その“願い”がこんなにも早く叶うとは思っていなかったので、とってもうれしかったです。今回は対面でのお芝居や、福山さんのマジックを間近で浴びさせていただきました。撮影の合間の時間でもたくさんお話しさせていただいて、貴重な時間を過ごしたなと感じております。“ウィッシュ”が叶いました! 当時、私もいろんな取材で「“願い”はなんですか?」と聞かれるたびに、そうお答えしていたんですが、福山さんはその時に「その生田さんの願いが叶うことが僕の“願い”です」っておっしゃってくださって…。
福山さん
(報道陣に向かって)今の話は、書いていただいてもよろしいですよ。
生田さん
「ブラック・ショーマン」で“願い”が叶いました!
MC
福山さんは生田さんとの共演はいかがでしたか?
福山さん
本当にね、生田さんは何でもできるから。お芝居でしょ、音楽もできるじゃないですか。演奏もソングライティングもやるっていうので、逆にいろいろと根掘り葉掘り質問攻めにしていました。「曲を作っている時、どんな感じで作っているんですか?」とかね。
生田さん
緊張しました。私も「どうやって作られているんですか?」って聞いたんですが、そしたら「頭で鳴っている」とおっしゃっていました。“現代版ベートーヴェン”なのかなって思いました。
MC
“現代版ベートーヴェン”、これも報道陣の皆さん、書いてくださいね。
福山さん
何だったら、ちょっと髪型もコラージュしてもらっても良いですよ(笑)。
MC
木村さんは、撮影で非常に難しかったシーンがあったとうかがいました。
木村さん
そうですね。ネタバレをはらんでいるかもしれませんので、みなまでは申し上げられませんが…。人を殴るシーンがありまして…。
MC
予告編に出ていますからね。
木村さん
じゃあ、大丈夫ですかね。(さらっと)めっちゃ殴ります。(登壇者の皆さん:笑) その、殴るのが意外と難しいんですよ。普段、僕は声優をしておりまして、絵の中では、人を殴った経験というのは数知れませんが…。
MC
公園とか空き地でね。
木村さん
その同級生のことは確かにいっぱい殴ってきましたが…。
福山さん
作品の中での話ですよね?
木村さん
もちろんです!
福山さん
そこを切り取られる可能性がありますからね。
木村さん
マズイ、マズイ。
福山さん
“あるアニメーション”の中でということですよね?
木村さん
その通りです。実際に殴るのが難しいので、ご指導いただいて、「どうすれば殴っているように見えるか」っていう稽古をしたんです。これがなかなかうまくいかなくて、何回もリテイクしてしまったんですが、最終的には上手に殴れたんじゃないかな、と思っております。
田中監督
今思ったのは「本気で殴っている」ように映画的にはみせたいので、「殴っているふり」みたいに言われちゃうと、ちょっと困っちゃうなと…。
木村さん
ごめんなさい。超殴りました! めちゃめちゃリアルに殴りました!(登壇者の皆さん:笑)
MC
秋山さんはもともと映画が大好きだということですが。
秋山さん
小さいころから映画が大好きです!
MC
改めて今回、映画に出られていかがでしょうか?
秋山さん
本当に映画愛がより強まりました。こんなにたくさんの人たちが関わって、これだけの時間と費用をかけて、こんなにでっかいスケールで撮っていたんだ。というのを、体感して、本当に感動しました。ただ、その中に一員として入るというプレッシャーもすごかったです。
共演者の方も優しくて、田中監督にも演出していただいたんですが、たまに何か嘘をつかれることがあるんですよね。本作のキャッチコピーに「全員嘘をついている」ってあるんですが、普段から嘘つかれる方も多くて…。
MC
どんな嘘を?
秋山さん
例えば、今日も、映画が初めてなので、こういう舞台挨拶が初めてなんです。台本に「自己紹介、一言挨拶をお願いします」と書かれていたんですが「そこの挨拶は1分半だよ、秋山さん」とまず成田さんからありました。僕は「あぁ、1分半なんだ。成田さんは何て優しいんだ!僕が分からないことを気遣ってくださったんだ」と思っていんです。でも、その直後に生瀬さんが「秋山くん、挨拶は3分以内でお願いします」って言うんです。もう、誰を信じて良いのか分からず…、始まってみたら皆さん一言ずつだったので、びっくりしました。
MC
ただ、ご家族がすごく喜んでらっしゃることはXにも上がっていましたね?
秋山さん
実家が岡山なんですが、岡山の映画館に「ブラック・ショーマン」のでっかいポスターがあって、僕の顔も小っちゃく写っているんです。そこに父が(手を添えたポーズで)こうやって「息子です」ってやっている写真が送られてきました(笑)。家族一同、喜んでいます。
MC
犬飼さんは、以前ご出演されていたバラエティ番組で、「もちろん頑張ったんですが、出演シーンが大幅にカットされているんじゃないかな」と、すごく心配されてらっしゃいましたが、出来上がった作品を観ると、全然そんなことはなかったですよね?
犬飼さん
そうですね。出演したバラエティ番組での話が、「映画というのは、普通に出演シーンが全カットされて“出ていない”みたいになることもあり得る」みたいな話をしたんです。だから、「あれ?それも確かにあり得るな…」と思ったんです。予告には映っていたんですが、僕はその予告をまだ観ていなかったんで「やばいぞ」と思っていました。でも、先日(試写で完成した作品を)観たんですが、安心しました。でも、ちょいカットされていました(笑)。
MC
改めて今回、福山さんと共演されてみていかがでしたか?
犬飼さん
物心ついた時から、テレビで拝見していた方ですし、歌も聴いていたので、「あぁ、すごい!本物の福山雅治だ!」と思っていたら、クランクアップしていました(笑)。
MC
それは、「カットされているかも…」と心配になってしまいますね。
犬飼さん
そういうのもあって…ちょっとフワフワしていたから切られているんじゃないかって…。
福山さん
犬飼さんは、どんどんテイクを重ねるごとに、役柄としての怪しさや、ちょっと狡猾で嫌な感じである部分がどんどんどんどん出てきていました。「もっともっと何かいろんな表情を見たい」って思わせるお芝居をやられていました。
犬飼さん
ありがとうございます!
MC
岡崎さんは、非常に意志の強い女性を演じており、木村さん演じる柏木に恫喝されるようなシーンでも全くひるまず、監督も「素晴らしかった」とおっしゃっていました。今回、イメージを変えてショートカットで演じられたりもしていますが、いかがでしたか?
岡崎さん
あれは、すごく印象的なシーンでした。迫りくる柏木さん(木村さん)を皆さんもこの後、観ると思うんですが、本当に恐ろしいんですよ! もう迫ってくると、圧とパワーと迫力が…。
MC
あの日本一のガキ大将が…。
岡崎さん
そうなんですよ! あのガキ大将さんが迫り来ると思うと、こちらも足をガタガタ震えていました。でも、踏ん張って、何とか対峙しました。言い合うシーンもあるんですが、何とか乗り越えました。
木村さん
すみません(苦笑)。
MC
そして伊藤さんは、有村さんとは久々の“あの映画“(「映画 ビリギャル」2015年公開)以来の共演ということで、あの時は先生でした。
伊藤さん
“あの映画”では、先生と生徒でしたが、今回、オファーをいただいて、役柄の説明をいただいたら有村架純さんの婚約者だということで、「ぴったりだな」って思いました。(福山さん:拍手)もう、終始婚約者みたいな感じでね?
有村さん
ずっとおしゃべりしていましたよね?
伊藤さん
そう。ずっとおしゃべりしていました。お芝居の話とか一切せず、近況報告とかね。トオルさんとも“とある作品”(2008年フジテレビ系列で放送された「チーム・バチスタの栄光」から始まった「チーム・バチスタ」シリーズ)でずっとご一緒していたので、思い出話ばっかりしていました。福山さんともお芝居には一切関係ないようなお話をずっとしていたので、撮影を振り返った時に、苦しいことがなかったんですよ。すごく楽しかったです。ただ、僕は本編では、おそらく97%ぐらいカットされています(苦笑)。観ていただければ分かると思いますが、大部分がカットされて、今回の量になっています(笑)。
MC
有村さんはいかがでした? 久々の伊藤さんとの共演は。
有村さん
すごくうれしかったです。以前は、塾の先生とギャルの関係で、私の中でも非常に心に残っている時間でした。やっぱり何年経って再会して、役と関係性を上書きするというか、何かまた新しい思い出を一緒に作れるのは、このお仕事の喜びでもあるし、醍醐味でもあると思っていました。
MC
生瀬さんは、最も近くで福山さん演じる武史のマジックを仕掛けられる役どころでした。監督も「マジックはアクションシーンみたいに、間近で受けてからのお芝居も大事なんだ」とおっしゃっていました。改めて今回、目の前でマジックを仕掛けられる役を演じてみていかがでしたか?
生瀬さん
僕は、そんなに芝居が上手じゃないので、マジックを目の前でやられて、ちょっとからかわれるんですが、本当に腹立ちました。(登壇者の皆さん:笑) そのぐらいリアルなんですよ。もちろん、普段から練習されていて、ちょっと失敗もされるんですよ。でも、本番になるとできちゃうから、本当に腹が立つんですよ。(登壇者の皆さん:笑) スターってそういうものなんだなと思いました。だから、僕は目の前でやられて驚くっていう“芝居”はやっていません。僕は本当に驚いています。だからオーバーでも何でもないです、僕の芝居は…いや「芝居は」って言っちゃいけない(苦笑)。(木村さん:爆笑)
MC
福山さんは生瀬さんの前でマジックをするのはどうでした?
福山さん
ご謙遜されていますけれど、生瀬さんと言えば、もう日本を代表する名優ですから、素晴らしいお芝居をされています。おっしゃったように、(マジックのシーンは)アクションシーンのような、殺陣のような――ある約束事の中で進んでいくんです。だけど、だからといって、仕掛けられることに対して自分から迎えに行っちゃうと芝居が変になっちゃうんですよ。でも、フレッシュに新鮮に仕掛けられるし、生瀬さんがイラッとするっことができるっていうのは、それはもう名優の証なんです。
僕は、生瀬さんに本当に申し訳ないことをしてしまったんです。(生瀬さんが驚いた様子で)あるシーンで、火を使うシーンがあったんです。それが室内でやった時はうまくいっていたんですが、本番は外だったんです。なかなか上手くいかなくて、何十テイクもやったんです。でも、その時の生瀬さんのセリフが多かったんですよ。6~7行くらいのセリフを、ウワーッと言わなきゃいけない。結構、追い詰めなきゃいけないから、立て板に水のように話さないといけないシーンなのに、僕が何回やってもうまくいかず、「いや、本当に申し訳ないです」と言ったんです。だんだんスタッフさんの空気も「やっぱり無理なんじゃないか」みたいな感じになった時に生瀬さんがこうおっしゃったんです。「福山さん、気にしないでください。何度も何度もテイクを重ねるごとに、僕のセリフもより自然に滑らかになりますから。むしろありがとうございます」って。これは名優の証ですよ。
生瀬さん
(報道陣の皆さんに向かって)ここを切り取ってください(笑)。
福山さん
本当に助けられました。ありがとうございます!
生瀬さん
(とんでもないという風に何度も手を振りながら)
MC
そして仲村さんは、武史の兄であり、有村さん演じる真世のお父さんであるということで、有村さんは、仲村さんがお父さんであるという気持ちを作るために、スマホの待ち受け画面をずっと仲村さんの写真にしていたそうですね。改めて今回、演じられていかがだったんでしょうか?
仲村さん
現場で、架純ちゃんから「待ち受けにしています」って、ご自身のスマホを見せていただいた時は、他の方にはお見せできないぐらい、だらしなく喜びがあふれた笑顔をしていたと思います。でも、ちょっと時間が経ってから、すごく心配になってきました。まだその時はキャストの情報が福山くんと架純ちゃんしか解禁されていなかったんです。だから、僕が出ることはまだ解禁されていないので、「他の現場で架純ちゃんのスマホの待ち受けを誰かに見られたらどうしよう」って思ったんです。見た人の妄想が暴走して、すごく拡散されたりして、僕は全て失うんじゃないかとか思い始めて、なるべく早く情報解禁して、「これは役作りのため」だということを皆さんに知ってほしいと思ってドキドキしていました。
MC
改めてお二人と共演されていかがでしたか?
仲村さん
今日、ここに来た時に、福山くんと最初にその話をしたんですが…。(福山さんと仲村さんが)「似ていませんでした?」っていう話をしたんです。僕も、自分が登場するところで…いや、こういう風にハードルを上げたくはないな(笑)。
福山さん
僕が言ったんですよ。試写を観た時に「僕たち、似ていましたね。すごくうれしかったです」って言ったんです。英一さんと武史の髪型や、背格好も似ているんですよ。英一さんは家をずっと大事にして守ってきた人で、武史は勝手な振る舞いをして家を飛び出していくんですが、その感じもすごく描かれています。実際に絡んだシーンは一言だけなんですよね。
仲村さん
そうですね。
福山さん
その一言の交換の中に、英一と武史が生きてきた何十年かがぶわぁっとにじみ出ているんです。それは、背格好がちょっと似ているところも含め、何か血が繋がっているんだ、やっぱりこの二人は…という感じに見えたので、そういう話をさせてもらったんです。
仲村さん
福山くんにも言ったんですが、僕が出ていないシーンで、福山くんが演じる武史が、兄への思いを語ってくれているシーンがあるんです。それを試写で観た時は本当にうれしくなって感動して目がウルウルしました。
MC
最後に監督におうかがいしますが、この豪華で多彩なキャストの皆さんと作り上げた「ブラック・ショーマン」は、どんな作品になっているんでしょうか?
田中監督
僕は、東野先生からいただいた素晴らしい原作を映像化する上で、覚悟とか責任感みたいなものを、福山さんから間近で教えてもらいながら、共に作らせていただいたと思っています。一読者として、原作を初めて読んだ時に、ページをめくる手が止まらないような疾走感あふれる原作だったので、映像化するにあたって、その疾走感をいかに表現するかということが、課題というか、使命かなと思っていたんです。今回、これだけの素晴らしいキャストと、信頼できるスタッフの力で、その使命を果たして、自信をもってお送りできるエンターテイメント作品ができたと思っていますので、早く観ていただきたいですね。
MC
最後に福山雅治さんからこれから、この作品を楽しみにされている皆さんに一言お願いいたします。
福山さん
本作には原作があります。未読の方もいらっしゃるので、一概には言えませんが、ミステリーというものは、基本的に結末が分かっていて、そこに向かっていくわけなんです。その向かっていく過程がとても大事で、そこをいかに楽しんでもらうかだと思っています。そこにはマジックがあったり、当然、全員が怪しく見えるようなお芝居をするんですけれども、さっきいみじくもトオルさんがおっしゃっていたように「絞り出す」というか「やり切る」という――分かっていることでも堂々とやりきって絞り出すことこそがエンターテインメントなんじゃないかと思っています。そのことが、この「ブラック・ショーマン」では随所に散りばめられて、描かれています。映画「ブラック・ショーマン」をぜひご堪能ください。よろしくお願いします。