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「劇場版ドクターX」ワールドプレミア舞台挨拶

2024.10.31
  • イベント

ワールドプレミア舞台挨拶

10月31日「劇場版ドクターX」のワールドプレミア上映が、第37回東京国際映画祭の【ウィメンズ・エンパワーメント】部門において、開催されました。ワールドプレミアの舞台挨拶には、主演の米倉涼子さん、脚本の中園ミホさん、エグゼクティブプロデューサーの内山聖子さん、田村直己監督が登壇。
2012年から12年にわたって大門未知子を演じ、多くのファンを魅了してきた米倉さんが、ファンの皆さんに感謝の思いを語りました。こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。

大門未知子役

米倉涼子さん

大門未知子役

脚本

中園ミホさん

脚本

エグゼクティブプロデューサー

内山聖子さん

エグゼクティブプロデューサー

田村直己監督

米倉さん

今日は遠方から来ている方もいると思います。(舞台挨拶の)チケットが完売したと聞いて、とってもうれしいです。皆さん、ご来場どうもありがとうございます。

MC

即完だったそうです。

米倉さん

10分で売れたそうですね。

中園さん

今日はたくさんの方が、観に来てくださってありがとうございます。「ドクターX」12年の集大成が映画となりました。それを、今日、世界で初めて観ていただきます。
実は、米倉さんは、こう見えてすごく緊張しやすいタイプなので、舞台袖でアガっていました(笑)。私もすごく緊張しているんですが、きっと(西田敏行さん演じる)蛭間重勝さんが、どこかで優しく見守ってくださっていると思います。楽しみにしてください。

内山さん

米倉さんとはもう20年の付き合いになります。「ドクターX」の大門未知子が、世界中の人からこんなに愛され、そしてテレビを飛び出して映画としてお観せすることができて、本当に感無量です。日本中の皆さん、世界中の皆さん、本当にありがとうございます。そして、本日チケットを買ってくださった皆さん、本当に感謝しております。今日は楽しんでください。

田村監督

僕も、12年前から米倉さんと一緒にやっていますが、まさかこんな日が来るなんて、本当に考えられなかったです…感無量です。「東京国際映画祭」ですからね、ちょっとびっくりです(笑)。皆さん、チケットを買って、わざわざ来てくれているというだけで感無量です。ありがとうございます。

米倉さん

(監督に向かって)緊張されていますね(笑)。うっすら汗もかかれています。

MC

米倉さんの本日のご衣裳ですが、ネックレスが「X」になっていますよね?

米倉さん

今日は体中「X」で来ました。

MC

先日の完成報告会見で、この劇場版でファイナルであることが発表されました。ドラマの開始から、12年間駆け抜けてこられて、今のお気持ちはいかがでしょうか?

米倉さん

本作があるのは、2012年から始まったドラマシリーズがあったからです。これまでのドラマがなければ、私たちはここに立てていないんです。大門未知子を生んでくださった、中園さんをはじめ、内山プロデューサー、監督、スタッフの皆さんに感謝です。
12年間ってすごいですよね? 1シリーズで終わるつもりだった作品が、「もう一回」、「もう一回」と続きました。最後のこの「劇場版ドクターX」にも…(涙ぐみながら)西田さんも参加してくださったことに感謝して、今日、ここに立っています。
2012年のドラマ「ドクターX」があったからこその本作です。ファイナルということで、多くの皆さんに、劇場に足を運んで観ていただき、見納めていただきたいと思います。

MC

12年間、大門未知子が活躍する姿、困難に立ち向かう姿、凛とした中でもチャーミングでいるところなど、多くの人々が彼女に惹かれる理由があったと思います。本作の現場で思い返して印象的だったことはありますか?

米倉さん

本作があるのは、2012年から始まったドラマシリーズがあったからです。これまでのドラマがなければ、私たちはここに立てていないんです。大門未知子を生んでくださった、中園さんをはじめ、内山プロデューサー、監督、スタッフの皆さんに感謝です。

MC

中園さんは、大門未知子という女性にどのような思いを込められたんでしょうか?

中園さん

最初に、内山さんから「米倉さんで外科医をやりませんか?」と言われて、「ぜひ書かせてください」と手を挙げました。国際的にも、日本はジェンダーギャップが激しい国です。OLさんや、フリーランスの方は、「よく暴動を起こさずに、いろんなことに耐えて、健気に一生懸命働いているな」と常々思っていました。そういう方たちに向けて、「これを観たら、明日も元気に会社に行きたくなるドラマを作りたい」と思って、今の大門未知子ができました。
また、もう一人の脚本家である、林誠人さんが書く回は、組織や、中間管理職たちの哀愁のようなものをしっかりと書いてくれています。有名な海老名先生が、手帳を食べるような回は、彼の回です。
最初は、働く女性たちがすごく支持をしてくれて、視聴率も良かったので、第2シリーズに繋がったんだと思います。その先は、男性のファンがすごく増えたんです。「組織の中の哀愁の部分がたまらない」「観ずにはいられない」という声を聞きました。そういうファンの方もいたおかげで、シーズン7まで、12年間続いたんだと思います。

MC

改めて、本日客席にいらっしゃる林誠人さんにも大きな拍手をお願いします!

米倉さん

たまにくだらない回とか書いてくれてね(笑)。面白い本を作ってくれましたよね。

内山さん

本当にくだらないよね(笑)。

MC

米倉さん自身は、大門未知子の魅力、なぜこれほど多くの人に愛される作品になったと思いますか?

米倉さん

そりゃ、私が聞きたい(笑)。でも、私から見た大門未知子の魅力は、私にないところで言うと、いつもポジティブに前進しているところです。それと、人を助けるために仕事をしている時の大門未知子と、神原名医紹介所でお父さん的な存在の神原晶さんと一緒にいる大門未知子とではずいぶん違うように見えますよね。どちらもすごく活き活きしていて、尊敬しています。一個一個の時間が、ものすごく充実している女性だと思います。

田村監督

それは米倉さんも同じですよ。

米倉さん

私は家に帰ったら(疲れて)「うぇーっ」って、なっていますよ(笑)。未知子にはそういうところがないよね?

田村監督

陰で努力して…。

米倉さん

陰で努力しているところは同じですね。私は努力家です! なんちゃって(笑)。

MC

企画の段階で、苦労したことはありましたか?

内山さん

企画の立ち上げの段階では、先ほど中園さんがおっしゃったように、米倉さんが白衣を着て、組織の中で人を蹴散らして歩く姿が見たかったんです。何よりも、患者さんにとって一番優れた医者は、「失敗しないお医者さん」だろうという雑談から生まれた部分もありました。
今も、客席に白衣を着ているファンの方もいますが女性のドクターが、なかなか組織の中で上ってこられない歴史があったと、数々の取材の中で聞いたタイミングでした。そんな中、ある大きな大学病院に、女性の院長が初めて誕生して、その方の取材に行った時に「ガラスの天井を破るのは大変だった」という話を聞きました。今となれば、12年で隔世の感(時代が変わった感覚)はありますが、女性もどんどん活躍できるようになったと思います。何よりも、米倉さんが、未知子という役を活き活きと生きてくれたことが、今につながっていると思います。そういう意味では、立ち上げの苦労というのはあまりなく、米倉さんが、「どれくらいこの役を楽しく生きてくれるか」という一点でした。

MC

田村監督、長年携わってきた作品が、本作でファイナルを迎えます。本日、最初のお客さんに観ていただくことになりますが、今のお気持ちをお聞かせください。

田村監督

ちょっと緊張していてうまく言えないんですが、ここにいる三人が、メインではありますが、12年もやっていると、いろんなスタッフ、キャストがいます。そして、西田さんも、観てくださっていると思います。
また、松田監督とも、12年間、ずっと一緒にやってきて、この「ドクターX」ができました。林さんもいらっしゃるし、こうして一人の力ではなく、みんなでやってきました。今日、本作を皆さんに観ていただくということで、僕はスタッフ、キャストを代表して、感謝を申し上げたいです。ありがとうございます。
それともう一つ、本作では、米倉さんは体調を崩しながら、命がけで演じています。今からそれを、余すところなく観られると思います。見どころはたくさんありますが、これが、一番大事なところかなと思っています。米倉さんの姿をご覧ください。素晴らしい出来になっておりますので、よろしくお願いします。

MC

米倉さん、12年間やってきて、いろんなセリフがありましたが、お好きなセリフを一つおしえてください。

米倉さん

「私、失敗しないので。」は、結構言いにくかったです。私はいつも失敗しちゃうので(苦笑)。一番好きというか、楽しく言えたのは、第1シリーズから言っている「いたしません」ですね。それは、たぶん生きている中で、みんなが言えない言葉だと思うんです。上司や、大嫌いだけれど一緒にいなくちゃいけない人に、言えない言葉ってありますよね。だからこそ「とにかく言えない言葉を言ってやる!」 という気持ちで言っていました。「そういうことを言っても良いんだ、大門未知子を通して、言っても良いんだ」と、思わせてくれたこのセリフが、私も好きでした。街中で、私の顔を見て「いたしません」と言って逃げていく子どもたちがたくさんいましたよ。「私、何も頼んでいないのに…」って時がありました(苦笑)。

MC

こちらのイベントは東京国際映画祭の【ウィメンズ・エンパワーメント】部門に、正式出品されています。今年新設されましたが、映画祭に参加されていかがですか?

米倉さん

私は、初めて東京国際映画祭のレッドカーペットを歩きました。緊張するかと思ったんですが、大好きな晶さん…岸部一徳さんと手をつないで歩けて、ものすごく楽しく歩けました。たくさんのファンの方が「よねさん!」と声をかけてくれたり、クリアファイルを差し出して「サインして!」と言ってくれる方もいました。「ドクターX」がこんなに認知されているんだと、レッドカーペットを歩いて感じました。すごく、すごく楽しい時間でした。

MC

そろそろ上映の時間になります。

米倉さん

絶対に私たちの話より、本編のほうが楽しいですからね(笑)。

MC

最後に米倉さんからメッセージをお願いします。

米倉さん

何を言ったら良いのか…。大門未知子としても、米倉涼子としても、この作品は、本当に…泣く、泣く、泣く作品になっています。そして、みんなが力を合わせて、一丸となって作った作品です。「ドクターX」12年間の絆、集大成が本作にはいっぱい詰まっていますので、最初から最後まで、見逃さずに、瞬きゼロでお願いします。ぜひ、楽しんでください。今日、観て、感動したり、「面白いな」「また劇場で観たいな」と思ったら、SNSなどで、口コミをよろしくお願いします。本当に、今日はご来場いただき、ありがとうございます。

■客席から、ファンによるサプライズで、米倉さんへの感謝のメッセージボードが一斉に掲げられました。

米倉さん

(サプライズ演出に涙しながら)ありがとう! 今日で終わりじゃなく、本作はこれから始まります! 12年間、どうもありがとう! 20回くらい観に行ってね! ありがとう!