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「ファーストキス 1ST KISS」初日舞台挨拶

2025.02.07
  • 初日舞台挨拶

初日舞台挨拶

日本のドラマ、映画界を牽引する脚本家・坂元裕二さんと、数々の大ヒット作を生み出してきた塚原あゆ子監督が初タッグを組んだ映画「ファーストキス 1ST KISS」が、いよいよ公開を迎えました。
2月7日にはTOHOシネマズ 日比谷で初日舞台挨拶が行われ、事故で夫を亡くし、夫と出会う直前の日にタイムトラベルをする主人公の硯カンナを演じた松たか子さん、カンナの夫・硯駈を演じる松村北斗さん、硯駈の大学の教授である天馬市郎を演じたリリー・フランキーさん、脚本を担当した坂元さん、メガホンを取った塚原監督が登壇しました。
映画のタイトルにちなみ、“ファーストバレンタイン”や“ファーストチョコレート”の話題も飛び出した、この日の模様を詳しくレポートします!

松たか子さん

硯カンナ役

松村北斗さん

硯駈役

リリー・フランキーさん

天馬市郎役

坂元裕二さん

脚本

塚原あゆ子監督

松さん

こんばんは。今日はお越しいただきありがとうございます。皆さんと楽しく過ごせたら良いなと思っています。

松村さん

(MCに確認するように)今日は、上映後なんですよね? ネタバレは緩めで、楽しめたらなと思います。

リリーさん

皆さん、ようこそいらっしゃいました。皆さんは観終わった後にどういう感情になっているんですかね。僕は、観終わった後に、ちょっと泣いてしまいました。僕のようなジジイにはジジイなりに思い出すことがあるし(笑)、皆さんには皆さんの中で思い出すことがあるんでしょうね。感動してくださっているんだろうなと思います。ありがとうございます。

坂元さん

こんばんは。皆さんに観ていただけて感無量です。

塚原監督

こんばんは。わざわざ初日にお越しくださって、ありがとうございます。

MC

映画の公開、おめでとうございます。(会場:拍手) いよいよ公開を迎えました。改めて、初日を迎えた心境を教えてください。

松さん

撮影の時からたくさんのスタッフの方たちが関わり、キャストも参加し、監督のもとで映画を完成させました。そこから、皆さんにお届けする準備を、宣伝担当の皆さんがしてくださっていました。今回は、直接うかがうことはなかったんですが、各地で皆さんが盛り上げてくださる中、この日を迎えられて、本当に幸せに思っています。観た直後の皆さんにお会いするということで、作品の余韻を壊してはいけないなと思っています(笑)。モザイクをかけてほしい感じですが(会場のお客さん:笑)、感激しています。この作品がスタートの日を迎えられて、本当に幸せだと思っています。

松村さん

最初に台本を読んだ時は、客観的にものすごく感動して、ものすごく魅力を感じたことを覚えています。ただ、撮影する中でだんだん慣れていったのか、そういった感覚を見失っていました。でも、こうして本作が公開されて、皆さんの顔を見ていると、最初に僕が台本を見た時と同じような反応をしているような気がしています。これから、日を追うごとに、どんどんSNSや街角で言っていただけるのか分かりませんが…。

リリーさん

街角で感想を言うの? すれ違った人に「この作品、良いよって?」(松村さん&会場のお客さん:笑)

松村さん

ロマンスの香りがしますね(笑)。

リリーさん

あなた(松村さん)が街角の人に言う分には、問題は起きないけれど、僕が言ったらさ、「変なおじさんが映画を勧めてきた」みたいな感じになるから。(松村さん&会場のお客さん:笑)

松村さん

何か、どこかで感動の声を聞けたらうれしいじゃないですか。今日は(お客さんの顔を見て)「最初に僕が台本を見た気持ちとリンクしているかも」と思ったので、 少しずつそういうことが増えていくんだろうと思って、今ワクワクしている初日です。

MC

リリーさんは先ほど、「泣いてしまった」とおっしゃっていました。

リリーさん

序盤はコメディタッチなので、楽しむ気持ちでずっといたんですよ。台本を読んだ段階で、感動的な気持ちがありましたが、これが映像になった時に自分の中で思わぬ作用があったんです。主人公を介して、自分に振り返ってくるものがたくさんありました。坂元さんの作品に出演するのも念願でしたし、「監督とお仕事をしたいな」とも思っていました。
共演者の皆さんとは、一緒にお仕事をするのはほぼ初めての方ばかりで、この間の完成披露舞台挨拶で、(天馬の娘・里津を演じた)吉岡里帆さんが、「撮影中に僕が松村くんのことをずっと触っている」と言ったんです。これ、ヤバくないですか? (登壇者の皆さん&会場のお客さん:笑) 今、そういう発言にはもうちょっとデリケートな言い方してもらわないと(笑)。ネットニュースで見て、愕然としました。(登壇者の皆さん&会場のお客さん:笑) これは、僕らが仲良くなったということですよね?

松村さん

そうです、そうです。(吉岡さんが)ちょっと面白おかしく言っていたのかな(笑)。(会場のお客さん:笑)

リリーさん

なかなかこういうことはないんだけれど、撮影をきっかけに仲良くなったので、何回かご飯にも行っているんです。

松村さん

はい、連れて行っていただきました。今も、予定を合わせようとしています。

リリーさん

だから、楽しい撮影でした。

松村さん

ありがとうございます。

リリーさん

先ほど松さんが言ったように、あまりしゃべりすぎると余韻を壊してしまうということもありますので、このあたりにしておきます。皆さん、これからも、お友だちにこの作品のことを教えていただければと思います。

坂元さん

一年前の段階で、まだ台本ができていなくて、「このままだとまずいんじゃないか」という話をしていました(苦笑)。監督に励まされて、何とか完成して、今日を迎えられました。「できない映画はないんだな」と思いました(笑)。

MC

坂元さんと塚原監督は、今回初めてご一緒されたということです。

塚原監督

そうですね。初めてご一緒しました。(会場の皆さんに)本作はどうでしたか? (会場:拍手)
台本を拝見するタイミングは、私とプロデューサーは結構早いので、「どのように皆さんに届いていくのか」と、初めは非常に緊張するものなんです。でも、皆さんがわざわざ観に来てくださっていると思うと、本当にやって良かったなという思いがします。ありがとうございます。

MC

SNSなどでも、公開前から早くもたくさんの反響が上がっていました。皆さんのもとに感想は届いていますか?

リリーさん

「チケットを取ってくれ」と、従兄弟の子供たちからめちゃくちゃ言われました。(会場のお客さん:笑)

リリーさん

でも、本当に本作を観たいと言う声は聞きますよ。観る前から、注目されているのが分かる。(主人公)二人のラブストーリーがどうなっていくのかが、想像できないじゃないですか。

坂元さん

年齢を重ねた駈を演じるために、松村さんが老けメイクをしたり、お腹の出た姿になっているから、ファンの人が怒っているんじゃないかとすごく心配していました。なので、“ほっくん”で検索してみたんです。(登壇者の皆さん&会場のお客さん:驚き&笑) そうしたら、「ほっくん、魅力爆発」と書いてあって安心しました。

リリーさん

いやでも、お腹が大きい松村くんもかわいくないですか? (登壇者の皆さん&会場のお客さん:笑) 僕は相当「萌え〜」となった。

松村さん

本当ですか?

リリーさん

ああいうところがかわいいんですよね。

松村さん

あと半年いただけたら、(お腹は)大きくなれます。(登壇者の皆さん&会場のお客さん:笑)

MC

松村さんは、SNSをチェックされましたか?

松村さん

SNSはちゃんと確認できていないかもな…。うちの母が父と試写会の日に一緒に観に来たんですが、「面白かった」「感動した」という感想ではなく、「やはり靴下の片方はいつかなくなる。ただ、うちの夫婦はなくなった(靴下の)片方がお互いの棚から出てきたりします」と書いてありました。ただの夫婦がロマンチックになれる作品なんだと思いました。そんな、すごくロマンチックな感想が来ました。

リリーさん

お母さんも映画に結構やられて(刺激を受けて)、ちょっと自分が坂元さんになった気分で書いてきたのかな(笑)。

松村さん

ちょっと坂元さん的な文脈で書いていましたね(笑)。

MC

松さんはいかがでしょうか。

松さん

まだです。これからもっともっと、聞けると思います。

リリーさん

(公開は)今日からですもんね。

MC

先ほどリリーさんから、ほぼ初めての方ばかりだというお話がありましたが、共演された感想をお聞かせください。

リリーさん

松さんとは、ライターの仕事をしている時に何度かお会いしたことがありました。それが、撮影でご一緒できるなんて…。

松さん

でも、今回は、目を合わせた会話はない感じでした。

リリーさん

そうなんですよね。

松さん

(カンナが)一方的に奪い、一方的に暴れているのを(リリーさん演じる天馬が)眺めていらっしゃるみたいな感じですよね(笑)。

リリーさん

(松さん演じるカンナが)犬と格闘しているシーンは、令和の名シーンですね。(松さん&会場のお客さん:笑) それをずっと上から見ていました。

松さん

挙句、わざわざ下に降りていらっしゃいましたよね。

リリーさん

「近くで見たい」と思いまして…。犬VS松たか子を近くで見たいから、下まで行きました(笑)。

松さん

結構距離がある中を…。やっぱり変わっていると思いました(笑)。

リリーさん

犬VS松たか子のところだけで、作品を一本撮ってほしい!

松さん

楽しんでいただけたのなら…。

MC

松さんと松村さんは、数々のプロモーション活動でご一緒でしたが、お互いについて発見したことはありますか?

松村さん

改めて…。(松さんがじっと見つめていることに気づき)僕に託すんですね。

松さん

じゃあ、私から!

松村さん

ぜひぜひ。

松さん

すごく楽しくプロモーション活動をやりました。私のダメなところを、どんどん引き出していく方でした。

松村さん

(戸惑いの表情)え?

松さん

私の人間的欠陥をどんどん引き出していくんです。「これはどういうことだろう?」と思ったんですが(笑)、それすらも楽しむことができたので、とても楽しかったです。

松村さん

欠陥があるという話をしたかったわけではないですが、「もしかしたらこれは役とリンクするのかな?」と思うのは、思ったより隙のある方だなというのを日に日に感じました。松さんからは欠陥部分に感じるのかもしれないですが、年齢が下の者が言うのはおかしい表現ですが、僕は、とても愛嬌のある隙のある方なんだなと思いました。

リリーさん

どういうところに隙を感じるんですか? 僕もそこにつけこまなきゃいけない。(松さん&会場のお客さん:笑)                                   

松村さん

何だろうな…ついつい、半分いじったような会話とかもできちゃうというか…たまにですよ! 少しだけボケッとしているというか…。(松さん&会場のお客さん:笑) そこを「松さん、聞いていますか?」と言えちゃう感じがあるんです。(松さんの視線を感じて)違いますか…?

松さん

その通りです。でも、楽しかったです。どんどん楽になって、こんなにリラックスしてやって良いのかと思うくらい、ボロボロ、ボロボロ…とダメなところを出してしまいました。

MC

塚原監督がニコニコしながら大きく頷いています。

塚原監督

この間のラジオで、撮影の時よりも激しいツッコミをしていたので、撮影が終ってからも、仲が良くなるストロークがあったんだなと、微笑ましく思っていました。

MC

リリーさんも、松村さんと再会できたのはうれしいのではないでしょうか。

リリーさん

そうですね。本作を観てから松さんにも松村くんにも会っていなかったので、完成した本作を観た後に会うと「うわ、あの二人がいる」と、何だか感動しますね。

松村さん

そう言われると照れくさいですね。

リリーさん

僕はあまりラブストーリーに出たことはないんです。自分が出ている作品で、布団の中で泣いてしまう、みたいなことがあるんだなというか…(笑)。「もしタイムマシンがあったら」という話は子供の頃から考えると思います。多分、観客の皆さんはお若いので「未来に行ってみたいな」と思うかもしれませんが、ジジイになると未来なんてもう行きようがないんです。(会場のお客さん:笑) だから、過去に戻るしかないので、自分が後悔しているところを修正しに行きたいという気持ちが、この二人を介して湧き上がってくるような作品でした。

MC

坂元さんと塚原監督の最強タッグによって、本作は誕生しました。クランクイン前、お二人はどのようなお話をしながら進められたのでしょうか。

塚原監督

台本をどういう風にお書きになるのかを相談する打ち合わせの時からご一緒しました。

坂元さん

そうですね。「このパン食べたら?」とか言ってくださって…。(塚原監督&会場のお客さん:笑) 
楽しく打ち合わせをしました。インの前日には、監督から「明日、インします」とLINEが来ました。あと、靴下が出てくる場面があるんですが、「靴下だけは一生懸命に撮る」と書いてあったので、どんな作品になるんだろうと思っていたんです。(塚原監督&会場のお客さん:笑) でも、見事に靴下で心が動いた方もいらっしゃるんじゃないかと思っています。僕も靴下の場面で感動しました。

塚原監督

ありがとうございます。最後に加筆してくださった部分は「どういった思いでお書きになったのかな」と、すごく胸に来たので…。そう感じていたので、すごくうれしかったです。

MC

坂元さん、塚原監督というドリームタッグの新しい作品も観たいですよね。(会場:「観たい」という気持ちを込めた拍手) 登壇者の皆さんは、またこのメンバーで作品を作るとしたら、どのような作品が良いと思いますか? 松さん、いかがでしょうか。

坂元さん

今回、タイムトラベルという定番のものをやったので、今度も定番で、松さんと松村さんが入れ替わってしまうというのはどうですかね。楽しそうです。

MC

男女が入れ替わるということですか?

坂元さん

そうですね。中身が入れ替わる。

松村さん

(考え込んでいる松さんに)そんなに難しい話じゃないですよ。(松さん&会場のお客さん:笑) 
(坂元さんのアイデアに)また年齢設定が実年齢を飛び越えるというのは、緊張しますね。しかも性別を…あれ? 違うのか、自分のままで良いのか? あれ、違うわ。

坂元さん

すみません、ちょっと混乱させてしまいました。(会場のお客さん:笑)

松村さん

つまり、僕は松たか子をやらなきゃいけないということですね。

坂元さん

そうですね。(松さんに向けて)SixTONESになるということですね。

松村さん

劇中の設定はアイドルグループのままですか。

坂元さん

ドームで公演をする。

松さん

やってみたい! 東京ドームで、四日間でしょう? (会場のお客さん:笑) 東京ドーム、四日間は良いですね。

リリーさん

坂元さんの脚本で、塚原さんが撮られるのであれば、ぜひ“犬VS松たか子”をもう一度。しかも、松さんも犬も、巨大化しているやつ。(会場のお客さん:笑)

松さん

そんなに気に入っていただけたんですね(笑)。

MC

間もなくバレンタインデーとなります。映画のタイトルである「ファーストキス」にかけまして、“ファーストバレンタイン”や“ファーストチョコ”のエピソードを教えてください。

松さん&松村さん

(二人で顔を見合わせて譲り合い、会場:笑)

松村さん

僕からですか?

松さん

じゃあ、失礼して…。(会場:笑) 
中学生くらいの時かな? チョコを渡したいと思う人がいたんです。雑誌かテレビで、「本命の人にはチョコにプラスアルファをあげるもの」だと言っていたので、「そうなんだ!」と思って、頑張って洋服屋さんに行って、シャツを買ったんです。店員さんが「これでうまくいかなかったら、返しに来て良いよ」と言ってくれたんですが、返さなくて済みました(笑)。遠い、 遠いところにそういった記憶があります。

リリーさん

それをきっかけに付き合い始めたということですか? 返さなかったということは。

松さん

淡い、淡い…(思い出です)。

リリーさん

シャツをプレゼントするなんて、相手はサラリーマンですか? (会場のお客さん:笑)

松さん

若者です(笑)!

リリーさん

松さんはチョコレートを作ってあげたことはあるんですか? あまりイメージにないけれど。

松さん

あまり…ないです。

リリーさん

あまりということは、ちょっとは作った? (会場のお客さん:笑)

松さん

作ったというか、そんなにあげたことはないかも。そもそも、私はそういったイベント系に疎くて…。

リリーさん

イベント系、苦手そうですもんね。

松さん

はい。できればそーっと過ごしたいと思っています(笑)。これからは頑張ってみようかな…遅いかな? 

坂元さん

あの…チョコレートをください。

松さん

うわ、ちょっと、バレンタインが近い。

坂元さん

来週ですね。

松さん

時間が……頑張ります!

リリーさん

もうすぐ、バレンタインですから、多分、今日松さんは僕らの分(のチョコレート)、持ってきているんじゃないですか? (会場のお客さん:笑)

松さん

(笑)! そうか…、必要なのはそういうところですね。

リリーさん

そういうところなんですよ、多分。

松さん

皆さん、いっぱいもらうでしょうから、私なんか、お荷物を増やしちゃいけないなって…。

坂元さん

と、言いながら…? (「あるんでしょう?」というイジリに、松さん&会場のお客さん:笑)

松さん

本当に…(誤魔化すように)そうですね(苦笑)。

リリーさん

これ、くれないつもりだな。(松さん&会場のお客さん:笑)

松村さん

はなから頭になかった感じがしますね(笑)。

MC

皆さん、かなり松さんからチョコレートがほしい様子です。

松村さん

そりゃあ、そうでしょう。

MC

松村さんは、“ファーストバレンタイン”や“ファーストチョコ”の思い出はありますか?

松村さん

僕は小学校で、何となくバレンタインというものを知りました。小学一年生の時に一つもらって、すごくうれしかったです。言い方はあれですが、「幸先が良いな」と思っていたんです。どうやら人気者がチョコをもらうらしいという認識があったので…。

リリーさん

それは同級生だったの?

松村さん

同級生でした。学校ではもらえなかったんですが、「ちょっと(チョコレートを)渡したい」と電話が来ました。

リリーさん

え! 小一で電話をかけてきて、「渡したい」と?

松村さん

そうです。親から、うちの親にかけてきたんです。

リリーさん

その頃から、“僕の北斗”にちょっかいをかけているヤツがいるんですね。(松村さん&会場のお客さん:笑)

松村さん

家まで来て、渡してくれたので、「学校生活の幸先は良いな」と思ったんですが、それ以降は誰からももらえずに学校生活が終わりました。ファーストで唯一みたいな体験です。(周囲から「ええ!」と驚きの声が上がる)

リリーさん

結構、寂しい話になっちゃったね。

松村さん

尻すぼみで終わってしまって、すみません。(会場のお客さん:笑)

MC

きっとその後、たくさんの方からもらっているのではないでしょうか。

松村さん

誰からですか(笑)? 大人になると、全然会わなくなってきますが、誰からもらえるんだろう…(松さんの方を見て「もらえるのか?」と思いながら)ああっ! 自分で買います! (会場のお客さん:笑)

MC

ここで一つご報告があります。本作は韓国、台湾、香港での公開が決定いたしました。(会場のお客さん:拍手) 近日公開予定の韓国では試写会が行われ、二百人にアンケートを実施したところ、五段階評価で満足度が平均4.28点、オススメ度が4.19点を記録しました。異例のスコアとも言える高評価を得た本作ですが、海外でも受け入れられたことへの感想を教えてください。

松さん

坂元さんの紡いだ言葉たちが、それぞれの国の言葉にうまく訳されている結果だと思います。いっぱいアイデアを捻り出して、最適な言葉を選んで、訳していただいた方に感謝だと思います。

松村さん

もちろん日本を飛び出ていくこともうれしいことです。何より、本作を観て心が潤った方がたくさんいるという事実がすごくうれしいです。

リリーさん

世界中の人に観ていただいて、どの国でも、言語も習慣も関係なく、この作品は、観た人皆さんに思うところがあると思います。
(松さんが笑っているのを目にして)松さん、僕がちゃんとしたことを言っている時に半笑いになるんですよね。「コイツ、マジの意見を言っているじゃん」みたいな顔をするのをやめてください。(松さん&会場のお客さん:笑)
本当に、本作はたくさんの国の人と共有できる作品だと思っておりますので、いろいろな方に観てもらいたいです。

坂元さん

今まで、海外で作品を観ていただいた時に、意外と言葉の壁を感じたことがありませんでした。皆さん、日本でいただく感想と同じようなことを言ってくださいます。例えば、松さんとドラマをやった時に、海外で観た方が「網戸が外れるの、めっちゃ共感する」と言われました。「網戸が外れて辛いのは、世界共通なんだな」と、思ったりしました。そんな風に、割と普通に通じるので、そこはうれしいし、日本の映画界にとっても良いことだと思います。

塚原監督

先ほど、松さんもおっしゃいましたが、この作品は坂本さんの書いた言葉がとても美しいので、どういう風に翻訳されているのかも含めて、私も海外版を拝見したいという気持ちです。皆さんがどういう感想を持たれたのか、どこかで聞ける機会があると良いなと思います。

■カンナと駈の関係性が大きく変化する場所として、かき氷屋さんが登場することから、かき氷のパネルを持ったお客さんと一緒にフォトセッションを行いました。

MC

それでは、松さん、松村さんから最後にメッセージをお願いいたします。

松村さん

この作品によって心が潤ったということは、今日ここに来てくださった皆さんの表情からも読み取れて、すごく幸せな時間でした。本作が、少しでも多くの方の心を柔らかくなのか、潤いなのか、そういうものが広がっていくとうれしく思います。引き続き劇場で、ぜひご覧ください。よろしくお願いします。

松さん

今日は公開初日に劇場に足をお運びくださいまして、本当にありがとうございました。この日でカンナとして生きた、あれやこれやの楽しい日々が完全に皆さんに渡るんだなと思うと、とても幸福な気持ちと、寂しい気持ちもあります。でも、もう全てこのお話は皆さんのものです。少しでも「あの人があれくらいなら、私は悪くないかも」と思って、ちょっとでも元気になって劇場を後にしていただければ幸いです。本当にありがとうございました。